■あらすじ
『身も心も疲れ切って癒しを求めている女性の前に、行灯に何の表示もない真っ黒なタクシーが現れる』
『そこでは誰にも言えない望みが叶う』

という噂がまことしやかに囁かれる。
もし本当にそんなタクシーがあるなら、私の目の前に現れてくれたらいいのに。
ただそこにいるだけで褒めてくれるような、あたたかい場所が本当にあるなら……。



────　キャラクター紹介　────

■運転手
謎のタクシーの運転手。見た目は20代後半くらいに見えるが、実際の年齢は誰も分からない。
いつも柔らかくあたたかい微笑みで客を迎え、からからに乾いた身と心を無償の愛で満たす不思議な存在。
行灯に何の表示もない真っ黒なタクシーで、望んだ人間の前にのみ現れる
目を覚ますと煙のように消えているので、その後もう一度会う術はなく、いくら探しても見つけることは不可能。
そのミステリアスさが都市伝説としてひそかに語られる謂れである。

何を考えているか分からない顔をしているが、こう見えて仕事熱心で、ヒーリングミュージックやアロマ、心理学に詳しい。


□主人公(リスナー)
職場では甘えられない立ち位置になり、新人に教える身になるも精一杯で頭が回らない。
一生懸命にやっているが、人間関係で必要以上に気を遣う性格が災いして心労が多い。
最近、大学時代から付き合っていた彼氏と破局。結婚するものだと思っていたのは主人公だけで、相手との温度差で徐々に立ち行かなくなった。