家族を救うため、私はこの身を差し出すことにした。
でも、決めていた。
心までは堕とさない──愛情のない交わりに溺れるような売女にはならないと。
指定された洋館で出会ったのは、瑠衣と名乗る同い年の青年。
彼は「覚悟を見せろ」と言い、私をベッドにくみしだく。
巧みな愛撫。
これまで与えられたこともなかったような快感に溶かされていく身体。
こんなこと、心から望んでいるわけじゃないのに。
感じたい、感じたくない。
瑠衣との時間は、何も見えない深海で溺れているよう。
でも、私には目的がある。
瑠衣の眼差しも、次第にその色を変えていき──