「ポンチ絵」が大好きだ。 なかでも官公庁のつくるポンチ絵がいい。 細かく書き込まれた文字にフリーのイラスト素材、あちらこちらを向いた派手な矢印と吹き出し、関係性を示す線……。圧倒的な情報量がぎゅうぎゅうに詰め込まれた1枚の資料……。それこそが至高のポンチ絵だ。 言葉で説明していても、きっとこの魅力は伝わるまい。まずはご覧いただこう。 環境庁による名作「地域循環共生圏(日本発の脱炭素化・SDGs構想)」とにかくうつくしい。見とれるほどに。 デザインを学んだ人なら眉をひそめるかもしれない。だが、その複雑怪奇な魅力にはあらがえない――。 いったいなぜこんなものが生まれたのだろうか。誰がどうやってつくっているのか。なんのために…どんな意味があるのだろう? わからないことだらけだ。 そこでこの記事では、官公庁のパワポ資料(いわゆるポンチ絵)の独特さ、ポンチ絵が生まれた背景とその使命について考察し、ポ

その日、私はいつものように始業15分前にロッカールームに駆け込んだ。バタバタしながらレセプショニストの制服に着替えていたら、とっくに身支度を終えているベテランスタッフの飯塚さんに声をかけられた。 「ゆきさん、今日って仕事が終わった後に何か予定ある?」 「いえ、何も無いです。帰ります」 鏡から目を離さないまま素っ気なく答えると、 「よかった。予定がないんだったら、ゆきさんも一緒にお茶しに行かない?遠藤さんの出勤は、今日で最後だから」 思いがけないことを言われて手が止まった。え?遠藤さんて今日で辞めるの? 驚いて振り向いたが、 「詳しいことは後でね」 と言い残して、飯塚さんは先に2階の事務所へ上がってしまった。よく見ると、いつもは私より遅く出勤してくる遠藤さんの姿が見えない。 遠藤さんは車の免許を持っておらず、遠方の自宅から自転車に乗ってくるため、始業10分前に息を切らせて駆け込んでくるのが常

政府が、9月に発足する「デジタル庁」の事務方トップに、一橋大学名誉教授の、石倉洋子氏をあてる方向で最終調整していることがわかりました。 デジタル庁は来月1日に、民間出身者100人以上を含む500人規模でスタートする予定で、その事務方トップの「デジタル監」に石倉氏を充てる方向で詰めの調整をしているということです。石倉氏は、日本人女性として初めて、アメリカのハーバード大学大学院で経営学博士を取得した経営学者です。 「デジタル監」をめぐっては、当初、実業家の伊藤穣一氏を起用の方向で調整が進められていましたが、問題のある実業家から資金援助を受けていたことで批判も出ており、起用が見送られました。(25日14:14)
こんにちは! 内閣官房IT総合戦略室の広野 萌と申します。 普段はアプリやWebサービスをつくるデザイナーとして働いています。 今年の4月に、デジタル庁創設に向けた民間人材として内閣官房に入庁して、非常勤の国家公務員となりました。 現在の担当領域は「情報発信基盤」ということで、主に 1. 政府 → 国民への情報発信 2. 国民 → 政府への意見募集 3. 政府 ↔ 自治体の情報交換 の3つの観点で奔走していく予定ですので、今後のnoteで楽しみにしていただければと思います。 ところで、デジタル庁って知ってますか? 説明しますので、30秒だけお時間ください! デジタル庁とは?ひとことでいうと、2021年9月に設置される予定の「社会全体のデジタル化を主導する官庁」です。 今までは、それぞれの省庁が自分の領域の法律や規制のシステムを作っていたので、となりの省庁のことはもちろん、となりの課のことも

都は本日(2月12日)、都政の構造改革の実行戦略である「シン・トセイ 都政の構造改革QOSアップグレード戦略」(以下、「シン・トセイ」戦略と記載)の(案)を公表しました! (詳細はこちらをクリック☟) 「シン・トセイ」戦略 -自治体の公表物としては、聞き慣れないタイトルですよね。 このタイトルには、 東京の更なる「”進”化」に向け、都民ニーズに「”真”摯」に向き合い、民間等、都庁外の様々な主体と連携を"深"めながら、誰からも「”信”頼」される都政へ - といった新たな都政の実現への想いを込めています。 都庁職員1人1人がいかにこの戦略を身近に感じ、改革の浸透を図っていくことができるか。構造改革推進チームの若手職員が真剣に議論し、「職員一丸で新しい都政を創り上げる」意識を共有するためのキーワードとして、「シン・トセイ」を提案しました。 (はい、あのシン・ゴ〇ラや安宅和人氏のシン・二ホンからヒ

2020.12.04少子化や高齢化が進む日本では、子どもを育て、高齢者を見守っていくために、これからますます人のぬくもりが大切になり、人が人に寄り添うことが重要になっていくでしょう。 しかし、これから人口が減る我が国で人のぬくもりを大切にしていくためには、デジタル化やオンライン化で省人化を進めたり、人がやらなくてもよいことはロボットやAIに任せていかなければなりません。 その結果、人がやるべきことに人手を集中させることができるようになります。 DX、あるいはデジタルトランスフォーメーションという無機質な言葉の目的は、これまで以上に人のぬくもりに価値をおく、これまで以上に人に寄り添う社会なのです。 DXが創り出す行政とは何でしょうか。 一言で言えば集団から個への転換です。 これまでの行政は、集団に対してその平均ぐらいを狙った施策を行ってきました。 一番わかりやすい例は教育でしょう。これまで

大阪市を四つの自治体に分割した場合、標準的な行政サービスを実施するために毎年必要なコスト「基準財政需要額」の合計が、現在よりも約218億円増えることが市財政局の試算で明らかになった。人口を4等分した条件での試算だが、結果が表面化するのは初めて。一方、市を4特別区に再編する「大阪都構想」での収入合計は市単体と変わらず、行政コストが同様に増えれば特別区の収支悪化が予想される。特別区の財政は11月1日投開票の住民投票でも大きな争点で、判断材料になりそうだ。 スケールメリット失う 国の地方交付税制度は、自治体が一定水準の行政サービスを維持できるよう、基準財政需要額から基準財政収入額(地方税収を4分の3にするなどして算定)を引いて不足分を国が補う仕組みだ。税収の多い東京都は交付税をもらわずに財政運営できるが、大阪市のように交付税に頼る自治体は「交付団体」と呼ばれる。 基準財政需要額は、「社会福祉費」

新型コロナウイルスの感染拡大で、私たちの生活、国や企業のかたちは大きく変わろうとしている。連載企画「withコロナで変わる国のかたちと新しい日常」の第24回は、コロナを機に変わる自治体のデジタル戦略だ。 東京都では3月4日に「新型コロナウイルス感染症対策サイト(以下サイト)」を立ち上げた。自治体のものとは思えない見やすさと利便性の高さが一躍話題となった、このサイトの開発を主導したのがヤフー元社長で昨年9月に副知事に就いた宮坂学氏だ。 6月5日、都庁の副知事室で、ラフな黒いTシャツ姿の宮坂氏に話を聞いた。 東京都副知事宮坂学氏は、元ヤフー社長という異色のキャリアの持ち主 この記事の画像(4枚) サイトは3ヶ月で1千件以上改善している サイトの開発には「オープンソース」という、これまで行政で見られなかった手法が導入された。プログラムのソースコードを公開し、世界中のエンジニアがサイトの修正を提案

社会保障と税の共通番号(マイナンバー)制度について、政府は国民が開設する全ての預貯金口座情報とのひも付け(連結)を義務化する検討に入った。新型コロナウイルスで生活に困窮した人への現金給付を巡り、マイナンバーが機能しなかったことが背景にあり、来年の通常国会でマイナンバー法を含む共通番号制度関連法の改正を目指す。 実現すれば、政府は国民の資産状況を正確に把握することが可能となり、必要に応じて給付などに活用するほか、徴税の強化を図る方針だ。一方、国民への監視が強まり、プライバシー権の侵害を懸念する反発も予想されるため、改正作業は世論の動向を見極めながら慎重に進めていく。マイナンバーは住民票を持つ全ての人(外国人含む)に付与された12桁の番号。税、社会保障、災害の3分野の行政事務に限って活用でき、添付書類の削減や本人確認の簡素化などで行政手続きの効率化を図っている。2015年10月から順次個人に

特別定額給付金(いわゆる10万円給付)について、住民の方々から、毎日のように「いつ振り込まれるのか」というお問合せをいただきます。 連日、この10万円給付については様々な報道がなされていますが、特徴的な側面のみを取り上げていることが多く、全体像を俯瞰しづらいかもしれません。ですので、なぜもっと早く給付できないのかという疑問を持たれるのは当然だと思います。そこで本記事では、 市町村は、いったい何をしているのか なぜ、給付に時間がかかっているのか について、自治体の長として説明を試みます。 なお、理解しやすくするため、説明のなかで概念化や単純化をしている部分もあり、完全に記載どおりの内容を行っている訳ではないことは、念のためお伝えしておきます。 1 記事の対象 特別定額給付金については、ご存知のとおり紆余曲折を経て現制度に着地しました。そのため、議論すべき論点は複数あるかと思います。 しかしな

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