57年前に静岡県で一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さんの再審=裁判のやり直しが今月27日から始まるのを前に、元プロボクサーだった袴田さんを支援する日本プロボクシング協会が、検察に対し再審で有罪の立証をしないよう要請しました。 1966年に今の静岡市清水区で一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審は、今月27日から静岡地方裁判所で始まり、検察は袴田さんの有罪を求める立証を行う方針です。 初公判を前に3日、日本プロボクシング協会のメンバーなどが東京高等検察庁を訪れ、再審で有罪立証しないことや、これまでに開示されていない証拠をすべて出すよう要請書を提出しました。 要請にはチャンピオンベルトを手にした選手や支援者とともに袴田さんの姉のひで子さんも参加し、“潔白”をアピールしようと白いバンテージを巻いた右手を突き上げ「検察は有罪立証をするな」などと声を上げました

名古屋出入国在留管理局の施設に収容中のスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんが死亡した問題で、当時の局長らを再び不起訴にした名古屋地検が入る庁舎=29日午後、名古屋市 名古屋出入国在留管理局(名古屋市)の施設に収容中だったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が21年3月に死亡した問題で、名古屋地検は29日、告訴・告発後に不起訴となり、名古屋第1検察審査会が「不起訴不当」と議決した当時の局長ら13人を嫌疑なしとして再び不起訴にした。事実上の捜査終結となる。 地検は22年6月、殺人容疑などで告訴・告発された13人を不起訴とした。遺族は処分を不服として審査を申し立て、検審は同12月、死亡前数日の様子から業務上過失致死罪の成否を再検討するのが相当と指摘した。 地検は再捜査したが、「具体的な死因や死亡に至る経緯を特定できず、構成要件である予見可能性や結果回避可能性を認めるこ

Published2023/08/04 18:09 (JST) Updated2023/08/04 18:25 (JST) 斎藤健法相は4日、日本生まれで、在留資格がない18歳未満の外国籍の子どもに関し、法相の裁量で例外的に在留を認める「在留特別許可」(在特)を、家族と併せて付与する方針を明らかにした。親に不法入国や偽造在留カード行使といった犯罪歴がある場合などは除き「無条件に許可すると、適正な入管行政に支障が生じかねない」と説明。救済の「線引き」に理解を求めた。 在特の対象は日本で生まれ、学校に通っている児童・生徒で、引き続き日本滞在を希望する子ども。ただ、親に(1)不法入国(2)偽造在留カード行使や偽装結婚(3)薬物使用や売春(4)懲役1年超の実刑(5)複数回の前科―などの事情がある場合は対象外となる。斎藤法相は記者会見で「慎重な検討を重ね、悩み抜いて導き出した」と述べた。 出入国

「いま僕は37歳で、両親も日本人で、結婚して子どももいる。要するに超一般的な、特権性を持つマジョリティー男性なんですけど、こういう僕みたいな人間に責任があると思ってます」 5月、難民認定申請中の外国人の送還を可能にする入管難民法改正案に反対する集会で、1人のミュージシャンがこんなスピーチをした。 日本社会の「マジョリティー」の責任とは。 スピーチしたのは、8人組ソウルバンド「思い出野郎Aチーム」でボーカルとトランペットを担当する高橋一(まこと)さんだ。5月12日夜、国会前の約4千人を前にこう続けた。 「ウィシュマさんをはじめ、入管で命を奪われてしまった人たちのニュースを見たときに、強い後悔に襲われました。なぜならどの方も、我々が救えた命だからです」 「この後悔はもう、一生消えることはないでしょう。だけど、だからこそ、もういい加減こういった問題を我々で止める必要があると思います。残念ながらこ

NHKは、21日に法廷で上映された映像を遺族の弁護団から入手しました。 映像には、裁判の争点の1つで、出入国在留管理庁がおととし夏に公表した最終報告で、対応が問題と指摘された部分も含まれています。 ▼亡くなる11日前の2月23日午後7時20分ごろの映像では、ウィシュマさんがベッドの上で「担当さん」「はやく」と職員を呼び、渡されたバケツを抱えておう吐しています。 その後、身ぶりなどで点滴をしてほしいと求めるウィシュマさんに対し、職員は、「ちょっとできないわ、わかんないから」とか、「それは、私たちお医者さんじゃないから、それできないからさ」などと答えていました。 この対応について、最終報告では「体調不良に関して訴えたかった内容が看守勤務者に正確に伝わらないなど意思疎通に問題が生じることがあった。通訳をより積極的に活用する必要がある」などと指摘されました。 その後、裁判では、遺族側が「点滴だと誰

■フォトジャーナリスト・安田菜津紀さん 寄稿 6月20日、世界難民の日をご存じでしょうか? 1951年、国連が難民条約を採択したことを受け、OAU(アフリカ統一機構)が1974年に6月20日を「アフリ…

3回目以降の難民認定申請者を原則強制送還の対象とする改正入管法が成立した。ミャンマーから逃れてきた少数派イスラム教徒「ロヒンギャ」のミョーチョーチョーさん(37)は既に3回目の難民申請が却下されており、強制送還の対象となる可能性がある。「ミャンマーに送り返されても軍に拷問されて殺されるだけ。日本で命を絶った方がましだ」と悔しさで涙をこぼす。 ミョーさんはイスラム教徒のロヒンギャが多いミャンマー西部のラカイン州で生まれ、当時の首都ヤンゴンの名門校に入学した。民主化を求める国民民主連盟(NLD)の学生グループに参加し、ビラ配りなどをして何度も逮捕され拷問を受けてきた。腕や体には痛々しい傷が残る。2006年に父の助けでブローカーを通じミャンマーを脱出し、日本に逃れてきた。 ミョーさんは06年の来日時に難民申請したが、11年末に却下。12年1月に入管収容施設に収容される。2回目の難民申請で異議申し

※本記事はライターの李彰文氏による寄稿記事となります。 6人がかりであおむけに寝かされ羽交い締めにされた40代のアフリカ系男性は「痛い!」と悲痛な叫び声をあげる。入管職員と見られる男性が正座をするように、アフリカ系男性の膝と腿(もも)にのしかかり「どこ痛いの?」と半笑いの声でしゃべる。アフリカ系男性は激痛に耐えかね大声で泣き叫ぶ。それでも、職員らは力を緩めず「どこが痛い?」と執拗に繰り返した。 【映像の一部】2019年12月23日、難民申請の不認定を告げられたアフリカ系男性が、強制送還執行のために東日本入国管理センター(通称=牛久入管)から成田空港支局に連行された。(※)暴力シーンが映っています、閲覧にはご注意ください。 (映像は「クルド人難民Mさんを支援する会」のYouTubeより) 上記は難民申請が却下され、送還される際の映像だ。東日本入国管理センター(茨城県牛久市)から成田空港に移動

おととし、名古屋入管の施設でスリランカ人女性が亡くなった問題で、日本維新の会の議員が16日、国会で「ハンガーストライキによる体調不良かもしれない」などと発言したことについて、公明党の高木政務調査会長は「不適切だ」と批判しました。 おととし、名古屋出入国在留管理局の施設でスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんが収容中に体調不良を訴えて死亡した問題では、入管庁が、適切な治療を行う体制が不十分だったなどとする最終報告書を公表しています。 この問題をめぐり、日本維新の会の梅村みずほ参議院議員は、16日の法務委員会で「ハンガーストライキによる体調不良によって亡くなったかもしれない。ハンガーストライキとウィシュマさんの状況は違う。でも近しいかもしれない」などと発言しました。

シンガポールで、死刑制度に抗議する人々(2022年4月3日撮影、資料写真)。(c)Roslan RAHMAN / AFP 【5月17日 AFP】シンガポール政府は17日、大麻密売の罪で有罪となった同国人の男(36)の死刑を執行した。今年に入ってから2件目の死刑執行となった。 権利擁護団体「トランスフォーマティブ・ジャスティス・コレクティブ(TransformativeJustice Collective)」のコキラ・アナマライ(Kokila Annamalai)氏によると、男は2019年、大麻1.5キロを密売したとして有罪判決を受けた。 シンガポールは世界で最も厳しい薬物規制を維持しており、死刑に相当する基準量は大麻500グラム以上とされている。 刑務局はAFPに対し、チャンギ刑務所(Changi Prison Complex)で刑が執行されたと説明した。再審と刑の執行延期を求める訴えが

日本維新の会の梅村みずほ参院議員は12日、難民申請中の送還を可能とする入管難民法改正案の審議で、入管施設に収容された外国人の支援について「支援者の助言は、かえって収容者にとって見なければよかった夢、…

賛否が渦巻く入管法改正案が28日、衆院法務委員会で可決された。不法滞在中の外国人の強制送還を進める狙いがあるが、日本で暮らす外国人の「排除」につながりかねないとの懸念も示されている。入管施設で2021年に死亡したスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)の2人の妹たちは傍聴席から審議を見守り、「(姉の死を)検証しないで法案を通そうとするのは間違いだ」などと訴えた。 傍聴したのは、妹のワヨミさん(30)とポールニマさん(28)。通訳の説明を受けながら真剣な表情で審議を見守った。

レチシアさんとロレナさん。2人とも女性の同性カップルです。 ブラジル生まれで日系3世のロレナさん。17歳の頃に両親が日本に移住して以来、日本暮らしは20年を超えました。レチシアさんもブラジルで生まれ育ち、この3年間は日本で暮らしています。 5年前に出会った2人は同性婚が認められているブラジルで結婚。ロレナさんの生活基盤があった福井県越前市で暮らし始めました。ソフィアちゃんはレチシアさんの以前の夫との間に生まれた子どもで、もちろん一緒に日本に連れて来るつもりでした。 ソフィアちゃんは、実の親のようにロレナさんになついていました。3人で、新しい家族として、ずっと一緒に生きていく――― 家族ならごくごく当たり前なそんな願いに、制度の壁が立ちはだかりました。同性婚の家族が日本に滞在する場合、異性婚の家族とは別の手続きが必要になります。ところが、誰に相談しても同性婚の家族に必要な手続きの方法を知っ

優菜さんは、ペルーから来た非正規滞在者の両親の下、日本で生まれた。その後、母が定住資格を持つブラジル出身の日系3世の今の父と再婚した後も、母や兄とともに在留資格が与えられない。優菜さんは知らなかったが、小2の時に退去命令が出され、いつの間にか就職も自由な移動も禁じられる「仮放免」になっていた。

「動物のように扱われた」。遺族が怒りに震えた監視カメラ映像には、何が映っていたのか――。 295時間のうち5時間分の視聴許可 2021年3月、名古屋市の入管施設で死亡したスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)の様子を記録した監視カメラ映像を、記者が視聴した。亡くなる当日、ウィシュマさんの指先が冷たくなっていると報告を受けた職員が発したひと言には、思わず耳を疑った。 記者が閲覧申請して視聴を許可されたのは約5時間分の映像。亡くなるまでの13日間に撮影された約295時間分の映像の一部だ。遺族が国に損害賠償を求めた訴訟で、国側は22年12月に同じ映像を名古屋地裁に提出。遺族側は公開の法廷での上映を求めている。

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名古屋市にある入管施設で亡くなったスリランカ人の女性の遺族が国に賠償を求めている裁判で、国側が証拠として提出した収容中の女性の様子を写した映像の一部が、民事訴訟記録の閲覧手続きを踏めば裁判所で視聴できるようになりました。映像には施設内の部屋で体調を悪化させていく女性の様子が記録されていました。 おととしの3月6日、名古屋出入国在留管理局の施設で、収容されていたスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が亡くなりました。 遺族は「違法に収容を続けたうえ、体調が悪化しても必要な医療を提供しなかった」などとして、国に賠償を求める訴えを名古屋地方裁判所に起こし、国側は「対応は違法ではない」として訴えを退けるよう求めています。 国側は去年12月、裁判所の勧告に応じて、収容中のウィシュマさんの様子を写したおよそ5時間分の映像を証拠として提出しましたが、この映像について、民事訴訟記録の閲覧手続

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