我が国のアニメ産業と言えば、ユーザー支払ベースで3兆3465億円の市場規模(23年;推計、日本動画協会「アニメ産業レポート2024」)に達し、うち約半分の1兆7222億円を海外市場が占めています。あんまり知られてないんですが、実は販売契約におけるアメリカなど北米地域は一割程度で、半分以上は中国や東南アジアの皆さんなんですよね。知ってた? で、輸出金額という意味では実にデカいこともあって、調子に乗った政府は2024年にコンテンツ産業を基幹産業と位置づけ、自動車に次ぐ輸出産業としての期待を寄せています。いやいやいやいやちょっと待てよ。物事には段取りとか順番というものが……なんか自民党知的財産戦略調査会から「アニメ・漫画産業への支援4倍に 政府に1000億円規模を要望」(時事通信、2025年11月6日)とか出ちゃってるし。当然のことながら、アニメ産業のこの華々しい数字の裏側には、深刻な構造的問題

以下、プレスリリースの全文を掲載しています アニメ制作市場 2024年は3621億円 過去最高を更新 元請制作の6割が「業績悪化」アニメーター不足が顕在化帝国データバンクでは、信用調査報告書ファイル「CCR」(200万社収録)ほか外部情報をもとに、アニメ制作会社を対象とした業界調査を行った。なお、同様の調査は2024年8月に続き10回目。 SUMMARY 2024年のアニメ制作市場は3621億4200万円で、前年を4.0%上回り過去最高を更新した。特に元請制作のライセンス事業が好調だったほか、大型アニメ作品が市場全体を押し上げた。業態別にみると、元請・グロス請では収入が増加する一方、制作コスト高で収益力が悪化。専門スタジオでも受注増加が目立つが、人材不足とコスト増が課題となっている。 2024~2025年のアニメ制作業界 主なトピックスTVアニメ本数は過去10年で最少 日本動画協会によると

帝国データバンクが8月15日に発表したアニメ制作業界調査によると、2024年のアニメ制作業界の市場規模は過去最高を更新した。大型作品のヒットやライセンス事業の好調がけん引した一方で、業績が悪化した元請業者は6割を占め、制作のコスト増やアニメーター不足が「利益なき繁忙」を招いているという。 アニメ制作業界の市場規模(事業者売上高ベース)は、前年を4.0%上回る3621億円と過去最高を更新。テレビ・映画・動画配信サービスなど複数のプラットフォームで需要がおう盛だった他、元請制作では二次利用を含むIP事業が好調だった。25年のアニメ制作市場は24年を上回ること予想している。 各社の業績を見ると、直接制作を受託・完成させる「元請・グロス請」の平均売上高は27億4900万円と過去最高を更新。だが損益を見ると「増益」が40.0%にとどまり、「減益」(25.5%)、「赤字」(34.5%)を合わせた「業績

■日本最大のアニメ企業はどこ? 昨今は国内のアニメビジネスの成長が注目されています。アニメ関連企業の売上げや利益も高い伸びになることも多く、たびたびメディアを賑わせます。これを見て、新たにアニメビジネスに参入しようとする企業も少なくありません。 ところがアニメ業界を牽引している会社がどこなのかは意外と知られていません。 たとえば日本最大のアニメ企業はどこなのでしょうか? 実際にアニメ企業のビジネス規模や売上げを比較することはあまりありません。 アニメビジネスは多方面に広がっており、会社ごとにビジネスのかかわり方が異なります。それが単純な比較を難しくしています。 国内最大のアニメスタジオは東映アニメーションですが、その売上げを配給会社や映像ソフトメーカーの販売と並べるのは違和感があります。 もうひとつあまり比較されない理由は、アニメ事業を持つ大半の企業にとってアニメはいくつもある事業のひとつ

EVENT |2023/06/22 声優ギャラ問題「アニメよりゲームの方が高い」になるワケ…榎本温子と松山洋が語る業界の構造問題 近年、声優の報酬や仕事をする上での待遇に問題が多々あるのではないかと話題になり、FINDERSでは現役声優である榎本温子... 近年、声優の報酬や仕事をする上での待遇に問題が多々あるのではないかと話題になり、FINDERSでは現役声優である榎本温子さんのインタビューを掲載した。 こうした問題が語られる中でしばしば「アニメ収録のギャラよりゲームでの仕事の方がギャラが高い」と指摘されるが、なぜそのような構造になっているのか、公に語られることはあまりない。 そこで今回は榎本さんとも親交がある、ゲームソフトの企画・開発などを行うサイバーコネクトツー 代表取締役社長の 「ぴろし社長」こと松山洋さんとの対談を行い、このトピックに関して2時間じっくり語っていただいた。 文・

アニメビジネスの気になるニュースが年初から伝わってきた。TBSホールディングス(以下、TBS)の社長が新年挨拶でアニメ事業を3つの主要プロジェクトのひとつに挙げ、このなかでアニメ制作子会社Seven Arcsに25億円の人材・デジタル投資をすると発言したのだ。 Seven Arcsは最近では「ブルーピリオド」や「トニカクカワイイ」を制作する中堅のアニメ制作会社である。セブンアークスグループがTBSの完全子会社になったのは2017年12月、年間売上高は数億円だった。現在も番組制作は年数本ペースと規模はあまり変わりないから、年間売上高の数倍規模が投資されることになる。 昨今、テレビ局のアニメ事業進出がトレンドとなっている。アニメ事業部門の設立や拡張が相次ぐし、製作出資の強化も目立つ。映像視聴がテレビから配信に広がるなかで、生き残りを求めた多角化戦略の一環である。 このなかでアニメが注目されるの

2021年7月、香港で開催されたアニコム香港の様子。アジア圏で日本のアニメ、ゲームの人気は高い(AA/時事通信フォト) 「中抜き」とは、本来はビジネス用語で中間業者を使わず直接取引することを指すが、現代では中間業者や関係者のピンハネ、不当な搾取に対して使われるようになった。それがしばしば起きる労働現場のひとつにアニメやゲームなどのエンタメ、クリエイティブ業界がある。クリエイターとして正当な報酬が得られる場所を求めるのは当然で、近ごろは依頼元に金払いがよい中国企業というケースも増えてきた。これは創作に携わる者に限った話ではなく、30年間平均賃金の上がらない日本の労働者の今後にも当てはまるのではないか。俳人で著作家の日野百草氏が、中国からイラストやアニメの仕事が増えている背景と日本の事情について当事者たちに「安い日本人」の実態を聞いた。 * * * 「日本のクリエイターはとても質が高いのに安い

2020年のアニメ業界は、劇場版を中心に多くのヒットがあった。京都アニメーション制作の『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は公開直後から多くのアニメファンが映画館に詰めかけたほか、『鬼滅の刃 無限列車編』が国内興行収入400億円を突破するなど好調だった。 他方、テレビアニメの制作本数は2019年も3年連続の減少となったことに加え、新型コロナウイルスの影響による制作遅延やアニメ放映延期といった問題が制作現場に追い打ちをかけた。さらには、コロナ禍でも高い評価の作品を作り続けてきた中国企業の台頭により、かねてより指摘されてきたアニメーターの労働問題や利益構造といった日本アニメ制作業界の課題が再び炙り出されている。設備や待遇面など多くの面で、中国企業が日本企業の環境と同等かもしくは上回るとされるなか、人材や技術の流出などによる日本アニメの停滞を懸念する声も上がり始めている。 2020年(1~12月

昨年暮れ中国で確認された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が、世界規模で社会・経済・文化に影響を与えている。これは日本アニメ業界も例外でない。2月からの関連イベントやライブの中止から始まり、映画公開の延期、ここにきてスタジオの一時閉鎖やテレビアニメの放送延期など、より範囲が広がっている。 ■意外に影響がでなかった中国の都市封鎖 国内アニメ業界における新型コロナの影響と対応は、これまでのところ主に3段階で進んできた。最初は、武漢を中心とした中国での大流行である。1月終わりから2月の前半の時期だ。この時点での懸念は国内というよりも、中国の都市封鎖におけるアニメ制作作業の遅れへの懸念だった。 アニメ制作はテレビシリーズ1タイトル、劇場映画1本に、数百人から1000人と実写映画やテレビ番組に比べて遥かに多くのスタッフを必要とする。これを支えるためのグローバルネットワークの仕組みが築

ちなみに入手した発注書では作業期間は3日間だった B弁護士:納入物の合否について不合格かどうかについても、合格査定項目が定められているものの、注文内容が不明確であるなどするのであれば、一方的な減額となりかねず問題となります。また、不合格であった場合には、程度について考慮されることなく、一律50%減額としている点には相当性があるとは言い難いと考えます。 B弁護士によると、発注書の文面は明確に違法であるとは言い切れないものの、納期超過やリテイク時に発生する減額が一律で行われる点には疑問を覚える、というものでした。適法性についてさらに確認を取るべく、業界団体である日本動画協会とJAniCAにそれぞれ取材しました。 日本動画協会とJAniCAの見解 日本動画協会の回答ねとらぼ:発注書の文面は下請法違反、もしくは独占禁止法上の優越的地位の濫用に当たる可能性はないでしょうか? なお、該当企業は資本金

2025年1-9月の「人手不足」倒産が過去最多 「従業員退職」が前年の1.6倍増、初の年間300件超へ 2025年9月に「人手不足」が一因となった倒産は、調査を開始した2013年以降では月間最多の46件(前年同月比109.0%増)を記録した。また、2025年1-9月累計も、過去最多の285件(前年同期比31.3%増)に達し、人手不足はより深刻さを増していることがわかった。

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水島 精二 @oichanmusi (株)一二三所属。アニメ監督、音楽プロデューサー。楽園追放 心のレゾナンス 監督、アイゼンフリューゲル 総監督、GUILTY GEAR STRIVE DUAL RULERS 、Kiramune Reading Live アソシエイトプロデューサー、D4DJ Photon Maiden音楽プロデューサー hifumi-inc.co.jp/mizushima-seij… 水島 精二 @oichanmusi アニメ、今の半分でも誰も困らないと思うんだよなー。同じクールに2本やってる監督とかも居るし、大変だろうに。供給過多でしょう。視聴者はどうやったって全部見れないし、現場は常に人材不足だし。何のために作ってるんだろうなぁ……。一つ一つちゃんと作れた方が良いんだけどな。 2018-06-25 05:17:31

「決して業界の主流派ではなかった」と語るアニメ監督の谷口悟朗さん 2017年に誕生から100周年を迎えた日本のアニメ――。日本が世界に誇る一大コンテンツのメモリアルイヤーを記念して、週プレNEWSでは旬のアニメ業界人たちへのインタビューを通して、その未来を探るシリーズ『101年目への扉』をお届けしてきた。 第9回は、アニメ監督の谷口悟朗さん。5月26日より公開中の映画『コードギアス 反逆のルルーシュⅢ 皇道』について語っていただいた前回に続き、今回は自身のキャリアを振り返ってもらった。「決して業界の主流派ではなかった」と語るエピソードから次第に「現在のアニメ業界の問題点」が浮き彫りにされ…。 ■アニメ専門誌に脚本家がよく露出していた理由 ―デビュー作は『ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック』ですよね。ただ、強烈なインパクトを与えたのは『無限のリヴァイアス』であり、実質的なデビュー作は

Production I.Gの「B: The Beginning」とボンズの「A.I.C.O. Incarnation」 提携の具体的な内容はここでつまびらかにされたわけではないが、Netflixとの包括的業務提携を「プロ野球選手でいう“単年度契約”ではなく“複数年契約”みたいなもの」だと石川氏は説明。プレイヤーが1年で結果を出すのが難しいように、1作品、または1年で“勝った負けた”を判断するのはばくちと変わりがないため、複数年かけてオリジナル作品も含めヒットするものを企画段階から話し合って作っていくためのスキームだとあらためて説明した。 この2社が同時に提携発表した背景も詳しくは語られなかったが、米国で「作品を見たいアニメーション制作スタジオ」を調査した際、2社が入っており“海外に強い日本のアニメスタジオ”という認識がNetflix側にあったのではないか、と石川氏は語った。なお、この調査

1期放送年作品名1期2期3期4期5期6期2014ご注文はうさぎですか?11,03812,5002013やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。9,71210,944 ラブライブ!29,19465,00854,676(ラブライブ!サンシャイン!!) 弱虫ペダル5,5907,9702,0752012戦姫絶唱シンフォギア4,8578,65313,4672011うたの☆プリンスさまっ♪17,86833,59335,40728,840 DOG DAYS7,9688,0985,0762009戦国BASARA8,53712,9491,120 科学アドベンチャーシリーズ1,185(CHAOS;HEAD)16,151(STEINS;GATE)1,080(ROBOTICS;NOTES)536(Occultic;Nine)387(1巻)(CHAOS;CHIRD) WHITE ALBUM7055953,103(W

スタジオジブリは先ごろ、宮崎駿監督の引退撤回、そして新作長編アニメーション映画制作を発表。と同時に、同作品のためのスタッフ募集を開始したのだが、その求人内容の“月収20万円”は高いのか、安いのか、と世間をザワつかせた。実際、日本における新人アニメーターの平均年収は約110万円。これは月収10万円にも届かない金額だ。さらに、アニメーターの1日の平均作業時間は11時間、1か月の平均休日は4.6日、これらの数字が示す通り、日本のアニメ業界は“ブラック労働”の代表格となっている。 この記事の写真はこちら(全3枚) 年間の制作本数が300本以上、市場規模は2兆円、そうしたアニメ業界の活況が取りざたされる裏で、若いアニメーターは日々の生活に四苦八苦している。この現状に対しメディアなどを通じて一石を投じているのが、『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』(TBS系列)、『灼熱の卓球娘』(
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