日本学術会議をめぐる5年間の議論について、科学アカデミー史を研究してきた隠岐さや香・東京大教授は、決定的に抜け落ちた点があると指摘する。学術会議は、国際的にも珍しいという文理融合型のナショナルアカデ…

日本学術会議法案の廃案を求める声明を発表する日本学術会議の歴代会長ら。手前から梶田隆章、大西隆、広渡清吾の各氏=東京都千代田区の日本記者クラブで5月20日午後、菅沼舞撮影 真理を追究する科学者の代表組織である。政府の「御用機関」にしてはならない。 日本学術会議を国の特別機関から特殊法人へ移行させる法律が成立した。2026年10月に施行される。 運営の独立性が脅かされる懸念は残ったままだ。学術会議や全国の学術団体などから、法案修正や廃案を求める声が上がったのは当然である。 政府が管理する仕組みが新たに盛り込まれた。首相に任命される監事と評価委員が、活動計画や業務内容をチェックする。政策提言や研究方針への介入が生じれば、学問の自由が揺らぐ。

「アカデミズムはぎりぎりのところで頑張っている。法案を絶対に通してはならない」と話す森達也監督(中)、日本ペンクラブ言論表現委員会の金平茂紀委員長(右)、千葉大の栗田禎子教授=3日、参議院議員会館で 集会でジャーナリストの竹信三恵子さんは「研究やジャーナリズムは政府の歯止めになる。だが法案の本質は政府に都合の悪いことを聞かないということ」と主張。元NHKプロデューサーで武蔵大の永田浩三名誉教授はかつて、研究者が戦争に協力した反省から学術会議がつくられた点を踏まえ「敗戦後、すべてやり直そうという思いで日本学術会議ができたのに、政府が学術会議をグリップしようとしている。法案を絶対通してはならない」と述べた。(望月衣塑子)

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