中国電力は20日、島根原発2号機の原子炉建物内で、新燃料の検査中に燃料2体が輸送容器から外れて転倒したと発表した。同社によると、検査をしていた作業員1人が燃料に接触して打撲したが被ばくはしていない。放射性物質による周辺環境への影響はないとしている。燃料本体に変形が見られたため使用しないこととした。 検査は新たに搬入した燃料に、傷などがないかを確認するもの。建物内での移動時に必要な固定をしていなかったといい、中国電は法令上の違反はなかったとした上で「再発防止に努める」とコメントした。中国電によると同日午前9時20分ごろ、検査のために燃料が入ったステンレス製容器をクレーンを使って立て起こす際に発生。転倒防止のストッパーや容器に固定するロープをしておらず、燃料が倒れた。当時、付近には作業員16人がいた。発電計画に影響はないとしている。 新燃料は108体あり、茨城県東海村と神奈川県横須賀市から輸

【新潟】東京電力は9日、柏崎刈羽原発6号機の再稼働に向けた技術的な準備が今月下旬にも整うとの見通しを明らかにした。制御棒を上下させる装置が動かなくなるトラブルのため、当初の見込みから約2カ月遅れるこ…

政府の再生可能エネルギー戦略が揺れている。切り札と期待した洋上風力発電は三菱商事などの企業連合が秋田、千葉両県沖の計画から撤退し、出だしでつまずいた。主力に据える太陽光発電はパネルのリサイクル義務化が見送られ、処分場の逼迫や不法投棄の増加が普及の足かせになりそうだ。政府が2040年度の電源構成で見込む再エネ4~5割程度は非現実的との見方も出始め、原発や火力発電の活用を求める声が強まる可能性がある。 日本に相性の良い洋上風力での蹉跌三菱商事連合が撤退を発表したのは8月下旬。世界的なインフレや円安による輸入物価の上昇を背景に、4年前の応札時に比べて建設コストが2倍以上に膨らんだことで採算が合わなくなった。 洋上風力は陸上より風を受けやすく、大型化で効率的に発電できるため海に囲まれた日本は相性が良いとされる。港湾区域ではない一般海域では国内初の案件だっただけに、政府のみならず経済効果に期待する地

日本原燃が建設中の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)を巡り、同社による原子力規制委員会への説明終了が当初計画より遅れることについて、増田尚宏社長は1日の定例記者会見で「(2026年度内としている)完成目標時期を見直す段階ではない」と述べた。 配管の水漏れや重大事故対策などに関し「11月の説明終了が満足にできなくなってしまったのは本当に申し訳ない。想定していた計画とは作業量が違った」と述べた。 再処理工場は完成延期を繰り返しており、原燃は昨年8月に27回目の延期を発表。現在は26年度内を目標としている。規制委の新規制基準の審査には20年に合格したが、設計・工事計画の審査が終わっていない。

東京電力福島第1原発事故(2011年3月)で帰還困難区域となった福島県浪江町の津島地区の住民が、国と東京電力を訴えた控訴審の口頭弁論が19日、仙台高裁で開かれた。原告側は、新たな争点として、旧原子力安全・保安院が事故前に、全電源喪失時でも原子炉の冷却維持などを求める米国の文書「B5b」を知りながら、同種対策を東京電力に求めていなかったことを指摘。事故防止策が不十分だったと訴えた。(片山夏子) 原告側によると、保安院は2006年3月と2008年5月、米原子力規制委員会(NRC)に職員を派遣。テロなどで全電源を喪失しても、原子炉を冷却し続けるなどの過酷事故対策を命じる「B5b」について説明を受けた。保安院は情報は機密として内部にとどめ、東京電力に指示しなかった。B5bの対策を実行していれば、想定外の津波が来ても冷却が維持でき、事故を防げたとした。 この日の弁論では、B5bを分析してきた盛岡大の

燃料デブリの取り出しが課題となる東京電力福島第1原発。左から1号機、2号機、3号機=2025年2月15日、本社ヘリから 巨額特別損失で東電どうなる(2) 東京電力ホールディングスが福島第1原発で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しに向け巨額の特別損失を計上し、通期で赤字決算を回避できるのか注目されている。東電は原発事故の被害者へ賠償を行うため、国が国債を発行し、必要な資金を立て替えてもらっている。万一、赤字決算となった場合、東電の国への借金返済は再びゼロとなるのか。それで世論の理解は得られるのだろうか。 原発事故を受け、政府は大手電力会社などと原子力損害賠償・廃炉等支援機構(原賠機構)を設立。被害者への賠償のため、国が国債を発行し、原賠機構が交付金として東電に必要な資金を提供している。 東電が原賠機構から受け取った交付金は、東電を含む大手電力会社が一般負担金、さらに東電が特別負担金とし

東京電力の旧経営陣3人が福島第一原発の事故をめぐり業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴された裁判で、最高裁判所は2025年3月、検察官役の指定弁護士による上告を退け、元副社長2人の無罪が確定した。同じく起訴された勝俣恒久元会長は、2024年10月に亡くなったことで起訴自体が取り消されている。これらの決定により当時の東電幹部に「刑事上の責任はない」ということが司法の結論となった。 「国の存立を揺るがし、多数の被害者を生み出すような重大事故を起こしても、幹部が免責される」。その先例ができるとともに、東電は柏崎刈羽原発の再稼働手続きを進め、関西電力は原発の新増設に向けた調査を始めた。 東電旧経営陣に対する責任追及は失敗に終わったのだろうか。「不当判決」を嘆く以外に、何かできることはないのか。それを考えるために、アメリカ・スリーマイル島原発事故(1979年)、旧ソ連・チェルノブイリ(チョルノービリ)

原子力発電所で重大な事故が起きた際の被ばくを防ぐ対策などに長年、取り組んできた原子力規制委員会の伴信彦委員が18日で退任することになり、会見で、今後も住民の理解が進むように規制委員会などが説明を続けていく必要があるという考えを示しました。 原子力規制委員会の伴信彦委員は、2015年に就任して以来、10年間にわたり、被ばくを防ぐ対策などを担当し、原発事故が起きた際の住民などの対応方針をまとめた指針の改正では、自宅などにとどまる「屋内退避」の考え方をとりまとめるなど、中心的な役割を果たしました。 また、一般への情報発信に力を入れ、ことし6月には再稼働をめぐる議論が続く柏崎刈羽原発が立地する新潟県柏崎市で講演するなど、積極的に取り組んできました。 伴委員は18日で任期を終え、退任することになり、会見で、「規制委員会も社会の一員なのでメッセージが世の中に伝わらなければ不合格だ。委員会が何が問題だと

東京電力福島第一原子力発電所の事故後に除染で取り除かれた土を、東京 霞が関の中央省庁で再生利用する工事が始まり、14日、経済産業省の花壇などに土が運び込まれました。 原発事故のあと、福島県内の除染で取り除かれた大量の土などは、県内の中間貯蔵施設で保管され、2045年までに福島県外で最終処分することが、法律で定められています。 政府はこの最終処分の量を減らすため、放射性物質の濃度が低い土を全国の公共工事の盛り土などに再生利用するとしていて、ことし7月には総理大臣官邸の敷地内で実施しています。 それに続き、霞が関の中央省庁が入る9つの庁舎でも再生利用を行う方針で、環境省や厚生労働省が入る庁舎、経済産業省が入る庁舎、復興庁などが入る庁舎について、13日から順次、工事を始めました。 このうち経済産業省が入る庁舎では、14日は駐車場前にある花壇に福島から運ばれてきた土を55センチの深さで入れる作業が

東京電力は28日、再稼働東京電力福島第1原発事故を受け、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。を目指す柏崎刈羽原発柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は主に関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に、6号機は2025年に全ての審査に「合格」

「12基目となるタンクの解体が8月末で終わります」。東京電力福島第1原子力発電所(福島県双葉町・大熊町)の敷地で、東京電力ホールディングス(HD)の桑島正樹リスクコミュニケーターはこう説明した。2023年8月に始まった処理水の海洋放出で空になったタンクの解体を進めるが、タンクはまだ約1000基ある。福島第1原発では海水などのトリチウム濃度を調べるモニタリングも続く。ほぼ毎日約100個のサンプル

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