ローテーブルの前で片膝を立てて、僕はネタを考えていた。 無音にしたテレビ画面には、津波の映像や、悲しみに暮れる人々が映っている。 東日本大震災から、数日が経った夜だった。 ゴールデンウィークに単独ライブを控えており、そのチケットはすでに発売されていた。 僕はその台本を書かなくてはならなかったが、どうにも集中することができないのだった。 こんなときに、自分はいったい何をやっているんだ? いま「面白いこと」を考えるなど、許されるはずがないだろ——。 いっそテレビを消してしまえば、いくらか現実を忘れられるのかもしれないが、僕にはそうする勇気も持てなかった。 このまま当日を迎えたら、一番困るのは自分だ。何より、チケットを買ってくれた人たちにどんな言い訳をするつもりなんだ? そんなふうに自分に言い聞かせながら、目の前に広げられた大学ノートを睨んだ。そこに書かれたコント設定やセリフの断片を、頭の中で膨

noteは、テレビ東京が11月の月曜深夜に放送する、まったく新しい連続ドラマ『知らない人んち(仮) 〜あなたのアイデア、来週放送されます!〜』とコラボレーションし、このドラマのつづきとなるシナリオなどを募集するコンテストを開催します。 コンテスト概要『知らない人んち(仮)』は、視聴者によるnoteへの投稿内容(脚本など)をもとにした連続ドラマ(全4回)です。毎回、「noteの投稿作品にもとづいたシナリオ」と「テレビ東京のチームが作ったシナリオ」の2種類を連続で放送し、展開の違いなどを楽しめる内容になっています。noteでは、「#テレ東シナリオコンテスト」として、ドラマ放送1ヶ月前の2019年10月3日(木)から、放送終了直前の11月21日(木)まで、note上でこのドラマについて作品を募集します。※応募受付は終了しました。 作品は、ドラマが展開していくシナリオや、ワンシーンを描いたイラス

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