知性を身に付けるには読書をすると良い、ということがよく言われる。そのため、自分の知力を磨くことを目的に読書に励む人も多いはず。 しかし見ていて不思議なのは、それなりに読書量があるにもかかわらず、あまり知性がないように見える人が少なからず存在することだ。また、地頭が良いというのか、ほとんど本を読まないのに頭が良いと感じる人も多い。 総合的に見れば、読書は知性を得るうえで一定の寄与をするとは思うが、ただ読むだけでは十分ではないのかもしれない。したがって、「読書をすれば頭が良くなる」とは一概に言えない可能性がある。 もちろん、何もしないよりは読書をした方が良いとは思うが、なぜ本をたくさん読んでいるのに頭が良くないように見える人がいるのか、について考えてみる。 * 通常、読書をすれば視野が広がる。著者は自分とは違う人間なので、自分の意見と違うことが書かれていれば視野が広がるし、似た意見であれば補強
NPRとイプソスによるアメリカでの世論調査” NPR Reading Poll”(2025年4月発表)によると、18歳以上の51%が「本または電子書籍を読んだ」と回答している。この調査の結果をNPRは「多くのアメリカ人はもっと本を読みたいと思っている。実際には読んでいない」(”Most Americans want to read more books. Wejust don't.”)と題して記事にした。しかし、筆者にはそのようにネガティブに捉えるべき結果だったとは思えない。どういうことか?読書に対して好意的かどうかと実際に読むかどうかはほとんど関係がないこのオンライン調査は2000人以上のアメリカの成人を対象に行われた。 調査によると、回答者の82%が「読書は世界について学ぶための有用な方法である」と考えており、76%は「読書はリラックスできるものだ」と答え、子どもがいる家庭の回答者
「あやしまれていたかも」 出版社に依頼も「途方に暮れた」 子ども向けだけじゃないルビ 漢字の読みを伝える「ルビ」。そのルビが多く振られている本だけを集めた、珍しい書店のフェアが、開催中です。企画の始まりは、一人の男性からの「持ち込み」でした。 「あやしまれていたかも」 男性は、昨年4月から3カ月間にわたり、週の半分ほど、都心の大型書店として知られる丸善・丸の内本店(千代田区)に通い詰めていました。 男性が陣取るのは、決まって科学ジャンルの本棚の前。棚から手にとった本の数ページだけをぱらぱらめくって、本棚に戻すという行為を繰り返していました。 「ルビを確認するために、同じことを何回も続けていたので、書店員さんからは怪しまれていたと思います」 そう笑うのは、2023年に設立された「ルビ財団」代表理事の伊藤豊さんです。 出版社に依頼も「途方に暮れた」 ルビ財団は、「社会にルビを適切に増やすことで
堺市にある世界遺産・仁徳天皇陵古墳のほど近く。棚の1区画ごとに違う「箱主さん」が本を販売するシェア型書店「HONBAKO」堺本店の片側壁一面には、思い思いのタイトルがずらりと並ぶ。本を通じて交流が生まれ、それぞれの悩み解決につなげる“町の保健室”の役割も果たす。(共同通信=奈良禄輔)2022年9月にオープン。30センチ四方、143区画に仕切られた本棚は、手に取りやすい中心部から順に「Fun(ファン)」(月額レンタル料4千円)、「Organic(オーガニック)」(同3500円)などの利用プランが設定されている。約120人が箱主として出品中だ。 運営会社「まころ企画」(同市)の牧田耕一代表(50)は「本を読む人同士のコミュニティーをつくり、地域の役にも立つのがそもそもの目的です」と話す。原風景にあるのは母親らが営んでいた飲み屋。コロナ禍を経て自らも実店舗を持ちたい思いが強まった。本の売り上
北陸文庫大賞の実行委員長を務める勝木書店店舗統括部長の海東正晴さん(左)と書店員の樋口麻衣さん=福井市の勝木書店SuperKaBoS二の宮本店で、萱原健一撮影 「『そういうことだったのか!』とわかったところから、心がギュッとなって、ずっと泣きながら読みました」 お勧めの本を紹介する手描きのPOP(店頭の広告)。書店でよく見るのは短い紹介文だが、福井市の勝木書店「SuperKaBoS二の宮本店」のPOPは長い。冒頭の文はB4サイズの紙をびっしり埋め尽くしたPOPの一部で、数えると全部で約650字あった。書店員の熱烈な思いが伝わってくる。 熱くなるのもそのはず。このPOPは今年創設された「北陸文庫大賞」のグランプリ作品を推す宣伝。受賞作は大阪府豊中市在住の小説家、八重野統摩さん(36)の「ペンギンは空を見上げる」(創元推理文庫)。2019年の第34回坪田譲治文学賞受賞作でもある。
小田光雄亡き後も続けてきたブログ「出版・読書メモランダム」もついに終わりの時を迎えました。 2009年から16年間、「古本夜話」と「出版状況クロニクル」の二つの柱を中心に、没後も番外編、同人誌編、さらには第一冊目の著書『消費される書物 西村寿行と大衆文学の世界』の紹介も付け加えて続けてきましたが、ここに長い旅路を終えます。 「出版メモ」から始まり、「消費社会をめぐって」「ゾラからハードボイルドへ」「謎の作者佐藤吉郎と『黒流』」「ブルーコミックス論」「戦後社会状況論」など様々なジャンルを横断しながら、書き続けてきました。 それらの大半は『近代出版史探索外伝』に収録され、「間奏曲のような趣」の「愛着のある論稿」であると本人も「あとがき」で述べておりました。 このたび70冊目の著書として、論創社ホームページに連載されたコラム「本を読む」を単行本化した『近代出版史探索外伝Ⅱ』が4月末に刊行となりま
真悠信彦 @nukuteomika 昔ある友人に「自分は本じゃなくて、自分自身の経験から学ぶようにしている」と誇らしげに言われたことがある。 自分の経験=生きた知識、 書物=死んだ知識 という偏見は社会の根深いところにあると思う。 x.com/Clunio/status/… 2025-04-28 20:20:36 村山茂樹 @Clunio これ、かなりバズったが、Facebookで交流のある著名大学教授の方からも衝撃的な話を聞いている。学生に講義に関連した推薦図書を紹介したところ、猛烈な抗議を受けたというのだ。曰く、自分は一生読書なんて役に立たない行為はするつもりはないのに、それを強要するなんてとんでもない、と。 x.com/Clunio/status/… 2025-04-27 11:11:35読書猿 5/23 新刊『ゼロからの読書教室』 @kurubushi_rm >「自分は本じゃなく
主婦層を中心に幅広い年齢層の視聴者を対象に、生活に役立つ情報を幅広く取り上げているNHKの「あさイチ」。4月23日の放送では、「借りるだけじゃない図書館120%活用術!」と題して、読書ノートの作り方などが紹介された。 ところがその中で、借りた本の気になった場所に「付箋」を貼り、覚えておきたい言葉などをノートに書き込む「勉強ノート」の作り方が紹介されると、本好きが一斉にざわつくことに。 実は多くの図書館では注意事項として、「書き込み・線引き・付箋の貼り付け等はしないでください」「資料は元の状態でご返却ください」と定めており、実際に国立国会図書館では「糊のついた付箋は使わないでください」と明文化しているのだ。 また、関西学院大学図書館のXアカウントは、付箋を剥がした際に文字が紙ごと剥がし取られる画像をアップしており、「図書館の本はしおりをはさむなどの工夫をして、丁寧にご利用ください」と注意喚起
大好きだった読書がもう半年以上も満足にできていない。東京都江東区に住む全盲の中山利恵子さん(57)は長年、点字図書の郵送貸し出しサービスを利用していた。しかし、本を返却するために使っていた郵便局が移転してからは、物語の世界に浸る楽しみが遠ざかってしまった。移転した郵便局まで自力でたどり着けないからだ。 商業ビル5階の複雑なルート 自宅近くの郵便局が移転すると聞いたのは2024年春だった。道路に面して、長年、自宅から一人で行き来して利用していた。後日、郵便局の移転先が自宅から800メートルほど離れた商業ビルの5階テナントになると知った。郵便局は9月中旬に移転した。目の見える友人に試しに連れて行ってもらった。エレベーターで5階に上がってから郵便局までのルートは複雑だった。体を左手に向けて、書店の本棚の間か横を通って左に2回曲がって進むとようやく左手に現れる。混雑時は人にぶつかる恐れもある。
書店や図書館で本を手に取る時、「読み終えられるかな」と迷った経験はないだろうか。「読み始めたからには、読了せねばならない」「きちんとした感想を書かねばならない」……。そうした固定観念から解放され、もっと軽やかに読書を楽しんでほしい――。東京都内で本の読める店「fuzkue(フヅクエ)」を運営する阿久津隆さん(39)は今月、読書のSNS&記録アプリ「Reads」をリリースした。阿久津さんは「アプリを使って、もっと気楽な気持ちで読書を楽しんでほしい」と期待する。 「Reads」は本の話に特化したアプリだ。気になっていたり読んでいたりする本をアプリ内で検索し、「Readsに追加」ボタンを押すと投稿できる。コメントのほかタグや写真も追加でき、投稿ごとに公開範囲を選べる。また、タイムラインには他の利用者の投稿が並び、他の人はどのような本に関心を抱いているのかを知ることができる。
著・阿部幸大『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』(光文社) 昨年7月に発売された著書『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』(光文社)は、2024年の1年間を通じて全国の大学生協で最も読まれた一冊となった。 論文の書き方に新たな視点をもたらし、多くの学生や研究者に影響を与えた本書。今回のインタビューでは、執筆の舞台裏や本書に込めた想いを聞いた。 停滞し続ける日本の人文学の状況を変えたいと語る阿部幸大氏 ――『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』が生まれたのは、阿部さんが2020年に公開したブログ記事「アートとしての論文」が公開初日で2万PVを超えるほどの反響があり、その読者の一人だった光文社の編集者・江口さんからオファーがあったんですよね。 阿部:ええ。 ――その書籍化のオファーが届いた際、一般的な文章作成術をテーマにした本を企画としてまず提案され
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