「大隅基礎科学創成財団」を設立し、記者会見する大隅良典・東京工業大栄誉教授=東京都千代田区で2017年9月12日、丸山博撮影 ノーベル自然科学3賞を受賞した日本出身の研究者は、10日の授賞式で坂口志文・大阪大特任教授と北川進・京都大特別教授が正式に受賞し、計27人となった。21世紀に入ってから21人で、「受賞ラッシュ」とも言える状況だ。しかし、日本の研究力の未来はバラ色ではない。 <あわせて読みたい関連記事> ノーベル賞受賞者が政府に直言も 「基盤的」な研究費、なぜ増えない 短期で成果を求められる研究者 「目の前が真っ暗になるような気持ちでした」 研究主宰者(PI)として独立が決まった直後。室蘭工業大の鹿毛あずさ助教(生物物理学)は、期待していた科研費が採択されず、外部からの研究費が途切れそうになって頭を抱えた。片っ端から約20件の研究費に応募して一部が採択され、辛うじて単細胞生物の研究を

国は乳幼児健診などを通じて発達障害の早期発見を進めていますが、大人になってから発達障害の特性があると気づく人が少なくありません。きっかけとして目立つのが大学生活です。 生まれつきの脳機能の障害であるにもかかわらず、なぜ大学入学後に気づくのでしょうか。発達障害のある学生らを支援する精神科医の山科満・中央大教授に話を聞きました。 <同時公開の関連記事> 「発達障害じゃない」と母が診断を拒否 悩む大学生を救ったのは ――大学入学後に発達障害と診断される人は、どのくらいいるのでしょうか。 ◆中央大では、発達障害でサポートを受けている学生のうち、大体4分の3が大学に入ってから診断されています。ただし、診断されていても私たちが把握していないケースがあるはずです。正確な全体像は分かりません。 ――なぜ大学生になって分かる人が相当数いるのですか。 ◆高校までは勉強ができると放っておかれやすいんですよ。「ち

診察室で、母親は言い放った。 「この子は発達障害ではありません。確定診断はやめてください」 困ったような顔をした医師は、診断書にある「自閉症スペクトラム障害」の横に「疑い」と書き加えた。 当時24歳だった麻衣さん(35)=仮名=は、母親の隣でうつむいていた。2015年、佐賀大生として7年目を迎えた春のことだった。 4年でほとんどの単位を取り、卒論も提出したが、一部の苦手科目をクリアできずに留年を重ねていた。 うまくいかない背景に、発達障害があるかもしれない。すがる思いで受診したが、母親の抵抗で、診断はあいまいになった。ありのままの自分を否定されたように感じた。 <同時公開の関連記事> 「誰もが心当たり」で理解されぬ発達障害 大学入学で気づくきっかけ 母親に繰り返し責められ発達障害を初めて意識したのは、大学2年の時。教育心理学の授業で、代表的な特性を知った。 ミスが多い、しゃべりすぎる、気

私立大の年内入試で、学力試験の配点を低く設定するケースが散見される。こうした大学の配点に対し、高校側は反発している。 ※同時公開の関連記事あります 広がる年内入試、私立大の8割が導入 河合塾「来年以降さらに増加」 調査書、小論文の配点1割未満も 年内試験は大学入試の「前倒し」? 「高校教育を阻害」の懸念 全国高等学校長協会は6月、学力試験の配点が9割を占めるといった例を挙げながら「一般選抜と大差ない入学者選抜が示され、入試要項の抜け道を探るような状況が見受けられる」と批判する意見書を公表した。 2月以降の一般入試と遜色ない試験が年内に実施されれば、高校が教える内容を前倒ししたり、学内行事や学力試験以降の学習がおろそかになる生徒も出てきたりする恐れがある。 協会は「高校における教育活動を阻害する早期選抜が安易に実施されることにつながりかねない」と危機感をあらわにする。 教員「授業が追いつかな

東洋大で実施された総合型選抜の学力試験会場に向かう受験生たち=東京都文京区で2025年11月30日午前8時46分、幾島健太郎撮影 大学入試で12月までに合否が決まる「年内入試」の導入が全国で広がっている。文部科学省はこれまで学力試験を2月1日以降に実施するよう求めてきたが、2026年春入学の入試からそのルールを条件付きで緩和。大手予備校の河合塾によると、解禁元年となる今回、年内に学力試験を課す大学は8割に上るという。 ※同時公開の関連記事あります。 調査書、小論文の配点1割未満も 年内試験は大学入試の「前倒し」? 高校側「入試要項の抜け道」と批判 年内入試、教員も7割が否定的 年内入試は、早い時期に合格を決めたい受験生と入学者を確保したい大学側の思惑が一致。23~25年春入学の私立大入試では入学者の約6割を「学校推薦型選抜」や「総合型選抜(旧AO入試)」の年内入試が占め、主流になりつつある

2025年11月11日付けで、米国の非営利出版者Annual Reviewsによる世界の図書館員、出版者、ベンダー向けのオンライン雑誌“Katina”に、大学出版局と大学図書館による共同イニシアチブのケーススタディに関する記事“University Presses and Libraries, Teaming Up to Innovate”が掲載されています。著者は、英・リバプール大学出版局のJennie Collinson氏等です。 オープンアクセスや多様性の促進など、大学出版局と大学図書館の共通の課題に資する共同イニシアチブとして、米・ブラウン大学のBrown University Digital Publications、英・リバプール大学のTrailblazers、米・テンプル大学のNorth Broad Pressの事例が簡潔に紹介されています。 University Press

文部科学省が、大学の理系学部増を促し、理系の知識を備えた人材の育成を急ごうとしている。人工知能(AI)などの進展に育成が追いつかない危機感が背景にある。ただ、文科省がめざす成果を出すには、財源以外の…

東北大学が、再来年度から留学生の授業料を日本人学生の1.7倍に値上げすると発表しました。文部科学省によりますと、留学生に限った授業料の値上げは国立大学では初めてになるということです。 東北大学によ…

高市早苗首相は28日、政府の総合科学技術・イノベーション会議で、日本の研究力を高めるため、国立大学に配分される運営費交付金などの基盤的経費や、基礎研究への投資を大幅に拡充するよう関係閣僚に検討を指示した。海外に比べ研究力が低迷している現状を打破する狙いがある。 高市首相は、基礎研究で得た成果を社会で広く活用できるよう支援する施策にも言及。投資額に応じて法人税負担を減らす「研究開発税制」を例に挙げ、政府が重視する戦略分野で民間企業の挑戦を促したり、大学と企業の連携を後押ししたりすることも提案した。 政府は2026~30年度の政策指針となる第7期の「科学技術・イノベーション基本計画」策定に向けた議論を進めている。

茨城県つくば市の筑波大で26日午後、砲弾のような不審物が見つかった。筑波大から通報を受けた県警が同日中に学外に撤去し、けが人はなかった。 筑波大によると、見つかったのは第3エリアにある工学系M棟の部屋。ビニール袋に包まれた状態で見つかり、大きさや重さは不明。形状などから砲弾とみられるという。 部屋はもともと、退職した教員(故人)の研究室として使われ、現在は倉庫になっている。部屋を整理していた職員が見つけたという。筑波大は、教員と不審物との関係について「誰が持ち込んだものか所有関係がわからない」としている。 26日は試験準備のため休講中で、撤去の際、この部屋のみを立ち入り禁止にしたという。【酒造唯】

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