ロシアのプーチン大統領が核兵器でウクライナや欧米を威嚇している。日本では一部の政治家が米国との「核共有」を議論しようと言い始めた。こうした現状をどう考えるべきか。核兵器禁止条約の採択に貢献しノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」の川崎哲(あきら)・国際運営委員(53)に聞いた。ロシアのウクライナ侵攻が激しさを増す中、ピースボート共同代表でもある川崎さんは低い声で話し始めた。「核戦争になる可能性は現実にあると思います」。戦闘が始まった当初は「まさか、そんなことにはならないのでは」と思っていた。だが侵攻の拡大と共に、その考えを改めた。「プーチン大統領は核を使うかもしれない」 そもそもロシアは2022年1月、米英仏中の4カ国とともに核戦争回避に向けた共同声明を発表。「核戦争に勝者はなく、決して戦ってはならない」と確認する内容で、核保有5カ国首脳が一致して核


史上初めて核兵器を全面的に禁止する「核兵器禁止条約」(核禁条約)が22日に発効する。核超大国の米国では、「核兵器なき世界」の理念の継承を表明するバイデン新政権が始動する。条約の発効や米国の政権交代は…


核兵器の開発や生産、保有などを禁じる核兵器禁止条約が発効したことを受け、国連のグテーレス事務総長は22日、映像で声明を発表した。全文は以下の通り。 本日、核兵器禁止条約が発効したことをうれしく思いま…


核兵器禁止条約が22日、発効した。世界情勢が激変する中、核廃絶の実現に向けてこの条約をどう位置づけるべきなのだろうか。国連の軍縮部門トップである中満泉・事務次長(軍縮担当上級代表)に語ってもらった。【ニューヨーク隅俊之】 ――核禁条約は採択から約3年半で発効にたどりつきました。これをどう評価しますか。 ◆多国間の核軍縮条約はこの20年以上できていませんでした。核禁条約はその閉塞(へいそく)感を破ったという意味で歴史的な意義があります。新型コロナウイルスの影響で批准の遅れが懸念されましたが、他の軍縮をめぐる条約と比べても遜色のないスピードで発効が決まった。核軍縮の歩みを速めなければならないと考えている国が、それだけ多かったということの表れだと思います。 核禁条約の批准国は小さな国や島国が多いです。しかし、どんな小さな国でもアイデアとビジョン、同じ志を持つ国同士で協力する政治力があれば、歴史的


広島県選出の国会議員として核兵器のない世界の実現をライフワークとしてきた。核兵器禁止条約が2021年1月22日に発効する見通しとなったことは、大きな一歩であり、広島、長崎の思いが国際社会に伝わったと評価したい。 一方で条約を批准しないという政府の考えには本当に忸怩(じくじ)たる思いだ。口では核兵器のない世界の実現に向けて主体的な役割を担うと言いながら、全く後ろ向きな姿勢には怒りを持っている。 政府は批准しない理由に核保有国が賛同していないことなどを挙げ、核保有国と非保有国の橋渡しをするという。では日本政府は具体的にどのような努力をしてきたのか。全くわからない。唯一の戦争被爆国として世界各国が日本に求めているものは非常に大きいにもかかわらずその期待を裏切り、国際社会を失望させている。日本が条約に参加すれば多くの国から信頼され、評価される。それを代弁して核保有国に向けて声をあげることが日本の本

核兵器禁止条約の批准国・地域が24日、50に達した。条約の採択を推進し、2017年のノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長(37)が…



長崎への原爆投下から75年が経ちましたが、 全ての被爆者を救済する気は現在の政府にはありません。 なぜ政府が、全ての被爆者の救済を行わなければならないか。 それは人道的な意味だけではなく、 二度と過ちは繰り返さないと、 この国に生きる人々と世界に対して誓うためにも必要なのです。戦争を終わらせるためではなく、 プルトニウム爆弾の威力を試すための投下とも疑われるこの戦争犯罪について、 米国の責任が問われることのないまま、75年が経過。 現在の日本政府は、核兵器禁止条約に参加するどころか、 米国のご機嫌を伺う対応に終始し、唯一の被爆国として、 核廃絶のリーダーシップを発揮するチャンスさえ捨てているように見えます。 みなさんと力を合わせて「核廃絶」の先頭に日本が立つ。 覚悟ある政治を進めることを75年目の今日、誓います。れいわ新選組代表 山本太郎




平和記念式典であいさつする安倍晋三首相=広島市の平和記念公園で2020年8月6日午前8時33分、畠山嵩撮影 米軍による原爆投下から6日で75年の節目を迎えた広島。この日、広島市内の平和記念公園で開かれた平和記念式典に出席した安倍晋三首相に「総理番記者」として同行取材した。私は大学の卒業論文のテーマに「原爆」を選んでいた。「生きているうちに核兵器のない世界を実現したい」。被爆者の声に、首相はどう答えるのか。核兵器禁止条約の「締約国」になる意思はあるのか。節目の日の首相の言葉を追った。 6日午前8時に始まった平和記念式典。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、規模は縮小され、参列者は例年の10分の1に満たない約800人。75年前、快晴だった広島の空には雲がかかっていたが、市内の気温は既に27度近く、マスクをしていると蒸し暑さを感じた。午前8時15分、原爆が投下された時間に黙とうをささげた後、首


日本は18日までに、25年連続となる核兵器廃絶決議案を国連総会の第1委員会(軍縮)に提出した。昨年に続き、今回も2017年のノーベル平和賞の授与理由となった核兵器禁止条約に言及しなかった。米国の「核の傘」に頼る日本政府の姿勢を示したものだ。 日本は1994年から決議案を提出。今年の交渉は続いており、文言は修正される可能性がある。 関係者によると、今年の決議案は、昨年7月に122カ国の賛成で採択された核兵器禁止条約に直接言及していない。昨年の会合では、核禁条約は「無視できない画期的な出来事のはずだ」(コスタリカ)と失望を表明する国があり、第1委員会の採択時で賛成国を前年の167から144に減らした。日本は核保有国と非保有国の双方から理解を求め、なるべく多くの賛成国を集める方針だ。 また、今年の決議案も昨年同…



国連トップとして初めて長崎の平和祈念式典に参列したグテーレス事務総長はあいさつで、核保有国が核兵器の近代化に巨額をつぎ込む一方、核軍縮は「プロセスが失速し、ほぼ停止している」と懸念を表明。核保有国に対して「核軍縮をリードする特別の責任がある」と強く訴えた。 昨年、国連で採択された核兵器禁止条約は、核軍縮が進まない現状に対する「多くの国の不満」と指摘。すべての国に、核軍縮に全力で取り組み、緊急の問題として目に見える進歩を遂げるよう訴えた。 「広島と長崎の原爆を生き延びた被爆者の方々は世界中で平和と軍縮の指導者になった」と称賛。「私たちはその声に耳を傾けなければならない」と呼びかけた。「私たちみんなで、この長崎を核兵器による惨害で苦しんだ地球最後の場所にするよう決意しましょう」と結んだ。 式典に先立つ記者会見では、核禁条約に対する国連の姿勢として「全面的に支持し、発効することを望む」と述べた。


「唯一の戦争被爆国」として何をすべきか――。長崎市の田上富久市長は日本政府に、国連で122カ国が賛成して採択された核兵器禁止条約に賛同するよう求めた。グテーレス事務総長は、この条約を「核なき世界」への動きが遅々として進まないことへの各国の不満の表れだとしている。 昨年8月に亡くなった被爆者の谷口稜曄(すみてる)さんは、生前に残したビデオメッセージのなかで核禁条約について、歓迎する一方でこんな不安を口にしていた。「被爆者が一人もいなくなった時、どんな形になっていくのか怖い」。条約を求めた人たちの声が核保有国に無視され、形だけになってしまうことを恐れていた。 国は条約に参加しない立場を崩さず、安倍晋三首相は唯一の戦争被爆国の使命として、核保有国と非保有国の「橋渡し」をめざすことや「記憶」の継承に取り組むことを強調した。 だが、核の傘の下で核保有国の顔色をうかがってばかりで、条約に背を向け続けて


1945年8月9日、13歳だった私は、爆心地から3・2キロ離れた自宅の2階で被爆しました。気を失った直後、爆風で飛んできた大きなガラス戸の下敷きになりました。幸いに奇跡的に無傷で助かりました。 3日後のちょうど今ごろ、私は、家屋が跡形もなく消滅し、黒焦げの死体が散乱するこの丘の上を歩き回っていました。探し当てた父方の伯母の家屋跡には、黒焦げになった伯母たち家族の遺体が転がっていました。そのちょうど同じ時、丘の下の上野町では、3日間生きながらえた母方の伯母の遺体をトタンの板に載せて焼いていました。焼き終えた人の形をとどめた遺骨を見たとき、優しかった伯母の姿が目に浮かび、その場に泣き崩れました。原爆により身内5人の命が一挙に奪われました。この日一日、私が目撃した浦上地帯の地獄の惨状を、私の脳裏から消し去ることはできません。 原爆は全く無差別に、短時日に、大量の人々の命を奪い、傷つけました。そし


国連で採択されて7日で1年を迎える核兵器禁止条約をめぐり、日本政府に署名・批准を求める意見書が少なくとも322の地方議会で採択されたことが、衆参両院と原水爆禁止日本協議会(日本原水協)への取材でわかった。全国の地方議会の約2割にあたり、今後も広がる可能性がある。 核禁条約は核兵器の使用、保有などを禁止するもので、発効には50カ国以上の批准が必要。6日現在、59カ国が署名、うち11カ国が批准を済ませたが、核保有国は参加しておらず、日本政府も交渉や採択の場に加わらなかった。 地方議会の意見書に法的な拘束力はないが、日本政府に対して、批准にとどまらず、唯一の戦争被爆国として、核廃絶に向けてリーダーシップを発揮するよう求める内容のものが多い。 都道府県議会で採択したのは、岩手、長野、三重、沖縄の4県。県議会のほか33の市町村議会のうち28で採択した岩手では、被爆者が各議会で被爆体験を語るなど、核兵



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