しばらく前、「集団的自衛権」という言葉がテレビや新聞でよく見られました。そろそろ静かになってきたので、いつもの通り政治的な主張はさておいて、基本と起源を抑えつつ「集団的自衛権と平和の関係」について書いてみます。 集団的自衛権に賛成の人は、日本の安全のために必要なんだというし、反対の人は逆だ危険だといいます。両方とも「日本は平和で安全な国であってほしい」という目的意識では共通していますね。だけど、どうやって平和と安全を確保するかという手段の点で意見の対立があるようです。 これは現代日本に限らない悩みです。昔から世界中の人が平和をつくるより良い方法を考え、やってみて、失敗し、また考え続けてきました。その過程で誕生したアイデアの一つが「集団的自衛権」です。 この記事では集団的自衛権の誕生の経緯を振り返ることで、人類が平和の作り方についてどういう試行錯誤をしてきたかを解説します。これからどうすべき
2014年07月02日 集団的自衛権の行使容認に関する閣議決定 7月1日、昨日になりますが(私はパリにいるのでまだ7月1日です)、安倍晋三政権で集団的自衛権の行使容認をめぐる閣議決定がありました。2006年に第一次安倍政権が成立してから実に8年が経っています。私は、2013年9月から、安保法制懇のメンバーに入りまして、今年の5月15日に安倍総理に提出された報告書作成にも多少は安保法制懇有識者委員としては関係しておりますし、報告書提出の際にも首相官邸で安倍総理の近くに座ってその重要な場面に居合わせることができました。 この問題をめぐるマスコミの報道、反対デモ、批判キャンペーンを見ていて、少々落胆しております。あまりにも、誤解が多く、あまりにも表層的な議論が多いからです。昨年11月には、特定秘密保護法案が成立しました。その際にも同様の誤解に基づく反対キャンペーンがあって、うんざりしました。特定
日本は長らく平和を謳歌してきました。そんな中で防衛体制の整備には「戦争なんか起こるわけがないのに…」という懐疑論が常にともないました。どころか、「危機がもし起ったら」と考えること自体が危険思想である、戦争が好きな軍国主義者だ、という風に非難された時代もありました。 ところが歴史的に見て「戦争なんか起こるわけがない」という見通しが外れたことは多くあります。 「アルゼンチンが戦争なんかするわけない」 いまから30年前の1983年4月、「フォークランド紛争」という戦いが起こりました。アルゼンチンとイギリスとの紛争です。きっかけは、イギリス領フォークランドに対し、アルゼンチンが突然侵攻を開始したことでした。 ですが紛争勃発の直前まで、戦争なんか起こるわけがない、意見が強くありました。それはかなり論理的なものでした。例えば83年4月5日に発売された雑誌ビジネスウィークは、戦争にいたる可能性は低い、と
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プラハに本拠を置く国際NPO団体「プロジェクトシンジケート」のウェブサイトに、12月27日付けで安倍晋三首相の英語論文が掲載された。しかし国内メディアはこの論文に沈黙を守っている。安倍総理は何を語ったのか。 今、日本では奇妙奇天烈な事態が起きている。日本の総理大臣が英語で世界に訴えた論文を、当の日本メディアが一切取り上げようとしないのだ。 そもそも安倍総理が英語で論文を発表していたということ自体、初耳だという人がほとんどなのではないか。 安倍総理が論文を発表したのはプラハに本拠を置く国際NPO団体「プロジェクトシンジケート」のウェブサイトである。プロジェクトシンジケートは世界各国の新聞社・通信社と提携しており、各国要人のインタビュー記事を配信するなど実績あるNPOだ。 その格調高さは安倍総理以外の寄稿者の顔ぶれを見ても一目瞭然だろう。ジョージ・ソロス、ジョセフ・スティグリッツ、ビル・ゲイツ
両国が領有権を争っている島へ、一方の市民が不法に上陸しました。 これは、30年前のおはなし。 1982年、南太西洋の島々の領有権をめぐり、イギリスとアルゼンチンが戦争をしました。フォークランド紛争と呼ばれています。 始まりは民間市民の上陸でした。その背景はアルゼンチンの経済が不調で、政権が危うかったこと。そこで、歴史的な経緯から係争中だったフォークランド諸島がクローズアップされました。国民の目をそらすためです。 アルゼンチンの民衆は、政府がやらないなら自分たちが島を取り返すんだと盛り上がります。義勇軍のような気分で、島に不法上陸したり、運動が過熱していきました。 それが政府の選択肢をせばめ、やがて戦争になりました。 その島には名前が2つ 嵐の前の不景気 断たれた退路 あちら側、こちら側 正しさは手段に過ぎない 賽は投げられた 関連記事 その島には名前が2つ その島々には2つの名前があります
Q いわゆる従軍慰安婦に関する官房長官談話(河野談話)が今、問題になっていますが、この談話が出された経緯を教えて下さい。 A 宮沢内閣当時、当事者による訴訟の提起や宮沢総理の韓国訪問時に盧泰愚大統領からの問題提起などがあり、関係諸国などから強い関心が寄せられました。 そのため1991年12月より、いわゆる従軍慰安婦問題に政府が関与していたかどうかを、警察庁、防衛庁、外務省、文部省、厚生省、労働省がそれぞれ調査し、その結果を1992年7月6日に内閣官房内閣外政審議室がとりまとめ、「朝鮮半島出身のいわゆる従軍慰安婦問題について」として発表しました。 それによると、(ネット上に資料がないので下記引用します。誤字脱字があったらお許し下さい。) 「慰安所の設置については、当時の前線における軍占領地域内の日本軍人による住民に対する強姦等の不法な行為により反日感情が醸成され、治安回復が進まないた
「離米従中」を隠さなくなった韓国 鈴置:韓国の「離米従中」がはっきりしてきました。弾道ミサイルの射程延伸問題では、米国の規制に「NO!」を突きつけました。米国や国際機関によって禁止されてきたウラン濃縮や使用済み核燃料の再処理に関しても、韓国は解禁を強く求めています。韓国が今すぐ核ミサイル開発に走るわけではありませんが、保有への障害を取り除いておこうとの意図は明白です。米国の核の傘なしでもやっていける体制、つまり自主国防路線の確立に向け布石を打ち始めたのです。 日本との軍事協定「物品役務相互提供協定(ACSA)」も棚上げ、あるいは放棄しました。表面的には「日本を拒否した」格好ですが、日韓軍事協定は米国の強い意向を受けたものですから、これも米国に「NO!」を言ったと同然です。 一方、中国に対してはACSAに続き、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結を申し込みました。韓国はもう「離米従中
三月下旬発売予定の新刊『リーダー達はなぜウソをつくのか』by ジョン・ミアシャイマー今日の京都は曇りでして、風がけっこう強かったです。 さて、先月末にシンガポールの会議に参加した時に聞いた、中国人の若手研究家の「南シナ海における今後の中国の対外政策の展望」という内容の講演の内容をアップしましたのでご覧下さい。 かなり冷静に見ているようで、最後にインサイダー情報がある点も注目かと。 ====== ●私は「木」よりも「森」を見ていくつもり。大きなトレンドを見て行く。 ●私のプレゼンは二つにわけられる。前半は大きな要素をみていく。後半はその将来像を。 ●先に簡単にえば、結論は二つある:①ここ二年間については注意深く楽観的である、②長期的にはわからない。 ●われわれから見れば、過去数年間の中国の南シナ海についての動きは、矛盾だらけのように見える。 ●一つ目の矛盾は、一方ではかなり活
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログインロシアで3月1日に、プーチン首相と国外のマスコミ人との記者会見が行われた。同首相は日露関係、特に北方領土問題に関して、そうとう踏み込んだ微妙な発言をした。日本のマスコミはこれを大きく取り上げた。 続いて3月4日にはロシアで大統領選挙が行われた。予想どおりプーチン首相が任期6年の大統領に復帰する。日本は今後、プーチン大統領を相手として北方領土をはじめとする対露政策を遂行することになる。本稿ではまず、北方領土についてのプーチン発言について、分析を行う。我が国では、大きく誤解されて報道されている。 北方領土に関するプーチン発言は、きわめて厳しいもの 日本のマスコミには、「北方領土決着にプーチン氏意欲」「プーチン氏が口火、『決着強く望まれる』」「日
ブレジンスキー氏の近著が引き金 この社説は朝鮮日報の2月11日付「『中国を頼るか、日本と手を結ぶか』を問う米国と韓国政治」だ。同紙は韓国で最大部数を誇る保守系紙である。 「核の傘」が社説のテーマに選ばれたのは米大統領の国家安全保障担当補佐官を務めたブレジンスキー氏が最近、著書を出版したのがきっかけだ(注1)。この社説は同書の以下の部分を引用したうえで、韓国人に今、国の針路を決めねばならないと訴えた。 「米国の衰退は韓国に苦渋の選択を迫る。中国による東アジアの覇権を受け入れ中国にさらに接近するか、歴史的な反感にもかかわらず日本との関係をさらに強化するかの選択だ」、「日本や韓国は米国の核の傘を期待できなくなる。日韓両国は新たな核の傘を求めるか、自前の核武装を迫られる」。 平和ボケした呑気な日本人 この社説を日本人が読んだら、ほとんどの人が「韓国人は何を焦っているのだろう」と違和感を抱くに違いな
尖閣諸島沖で中国漁船が海保の巡視船に体当たりしてきた事件で、公開だ、非公開だと議論になっていたビデオがYoutubeに流出しました。ビデオの内容と検証画像は「週刊オブイェクト」で見られます(参照「尖閣衝突ビデオが流出 : 週刊オブイェクト」)。NHK他の報道によればこのビデオは本物の可能性が高いようです。すでに海保はこれを本物とみて、流出経路の調査をはじめました。(NHK 11/5) この流出事件にはネット上、報道ですでに色々な意見が出されていますが、大別すれば論点は3つに分かれるでしょう。第一にはこのビデオの公開に一貫して抵抗、反対し続けた政府の判断と能力への疑問です。第二には、恐らく個人的な暴走によってかかる流出をおこなった容疑者の処罰と統制の問題です。第三にはこのような流出が可能であった、海保、ひいては日本政府の情報保全体制の問題です。 政府の問題 流出ビデオの内容は、これまで断片的
治大国若烹小鮮 おがた林太郎ブログ 衆議院議員おがた林太郎が、日々の思いを徒然なるままに書き綴ります。題は「大国を治むるは小鮮を烹るがごとし」と読みます。 久しぶりに外交ネタです。 この数週間、突如、TPPという名前が有名になりました。Trans-Pacific Partnershipで「環太平洋連携協定」というものです。これは域内の高度な自由化を目指すもので、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4ヶ国でスタートしました。オーストラリア、ペルー、アメリカ、ベトナムが加わり、マレーシア、カナダ、コロンビアが入る意思を持っているようです。 永田町的視点から話すと、この件で動きが早かったのが農林水産省でした。「完全自由化を強制され農業が崩壊する」という大キャンペーンをやりました。これで与党議員の頭づくりがかなり進んでしまったところがあります。その後に経済産業省が別の視点からの話を持っ
尖閣沖事件から始まった日中の係争は収束しつつあります。ただし、これで尖閣諸島問題が決着したわけではありません。今回のような事態がいつか再発することは大いにありえます。 今回のような係争があると、日本側でも相手国側でも、インターネットを中心に「さっさと自衛隊を送れ」「軍隊を出して何とかしろ」という声が出てきます。 確かに軍事組織を動かせば、決定的な一打となって、相手国を妥協させられるケースもあります。しかしいつもいつも軍事組織を出せばいい、というものではありません。 敢えて軍事組織を動かさず、警察組織だけを動かす方が外交上メリットが大きいケースも少なくありません。 この記事では国境係争において警察、またはそれ以下の組織がどのように役に立つかを見ていきます。 武力をチラつかせて収まるケース、逆に過熱化するケース 沿岸警備隊は事態を小火で収めるクッション なぜ韓国は竹島に軍隊を置かないのか? 尖
日米関係にすきま風が吹いている。 安全保障面はもちろん、経済面でも強く結びついてきた両国関係は、今後どうあるべきか。日米関係に詳しい識者、財界人に聞いた。 6回目は、米保守系シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のマイケル・オースリン日本部長。辛口の若手日本研究者として知られる。4月22日付けウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)への寄稿では、米国が日本を無視する「ジャパン・ディッシング(日本切り捨て)」の時代に突入したと、鳩山政権を酷評した。バッシング(叩き)、パッシング(外し)、ミッシング(喪失)、そしてディッシング(切り捨て)へと変容する日米関係の行方を聞いた。 (聞き手は、ニューヨーク支局=水野 博泰) ── 普天間問題についてどう見ていますか。 オースリン 全くもって「不必要な危機」だと思います。 鳩山政権が初期段階で合理的で適正な理由を示していたら、米
北朝鮮は否定しているものの、韓国と米国の共同調査により、46人の乗組員が犠牲になったのは、北朝鮮人民武力部偵察総局に所属する小型潜水艦から発射された魚雷により沈没させられたためであることが明らかとなった。 こうしたことから朝鮮半島を巡る情勢が風雲急を告げてきた。韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は、「天安事件」については国連安保理提起を準備し、北朝鮮への独自制裁も辞さないことを表明、緊張が急速に高まっている。北朝鮮は、2012年を「北朝鮮統一強盛大国元年」と位置づけ、その国家目標達成に向けて着々と手を打っているのではなかろうか? 奇しくも2012年は、米韓連合軍の「戦時作戦統制権」が韓国軍に移管され、在韓米軍の性格も変容する年でもある。これは何かの暗示なのだろうか? 米国のディーン・アチソン元国務長官の発言が引き金になった朝鮮戦争の悪夢を想起させられる。本稿は、朝鮮半島(韓国では「韓
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