ーーラブリーサマーちゃんが参加することになった経緯は? ラブリーサマーちゃん 山田監督のご指名だったそうなんです。光栄なことです。 山田監督 プロデューサーさんから「MVのようなショートフィルムに興味ありませんか?」とお話をいただいて、音楽とアニメというところから始まっているんです。好きなことができそう! こんな企画ができるんだ!という素敵なお話で、ラブリーサマーちゃんとご一緒してみたい!とお話しました。彼女の世界観を絵にしてみたかったんです。これは褒め言葉と受け取っていただきたいのですが、すごく女の子くさく、わがままな感じが歌に出てきていて、それが格好いいし、思いっきり臭いのするガーリーな世界をアニメにしてみたいと感じ、ご提案させていただきました。 ラブリーサマーちゃん まさか!ですよね、高校は軽音部で「けいおん!」ドンピシャ世代ですし、「たまこまーけっと」も歌を全部歌えるくらい好きなの
新作を発表する度に世界に衝撃を与えてきた気鋭のアニメーション監督・山田尚子さんの最新オリジナル長編アニメーション映画『きみの色』が公開中だ。 『映画 聲の形』『リズと青い鳥』など、劇場監督作品5本目となる今作は、脚本に吉田玲子さん、音楽に牛尾憲輔さん、プロデューサーに川村元気さんと強力な布陣が集結。 人が「色」で見える高校生・トツ子が、美しい色を放つ同級生・きみ、音楽を愛する心を持つ少年・ルイと出会い、バンドを組んで音楽を楽しむ中で心を通わせていく様子を描いている。 『きみの色』予告 「色」を敏感に捉えるトツ子の視点と重なるように淡くも豊かな色彩で描かれる作品世界は、登場人物たちの心の機微を細かに掬い上げながらも、敵意や妬みといった負の感情とは丁寧に距離を取ることで、神聖なまでの清廉さと鼓動を感じさせる。 そんな独自の視聴感覚を生み出す『きみの色』について、山田尚子監督にインタビューを実施

『きみの色』あらすじ 高校生のトツ子は、人が「色」で見える。嬉しい色、穏やかな色。そして、自分の好きな色。そんなある日、同じ学校に通っていた美しい色を放つ少女・きみと、音楽好きの少年・ルイと古書店で出会う。勝手に退学したことを、家族に打ち明けられないきみ。母親からの将来の期待に反して、隠れて音楽活動をしているルイ。そして、自分の色だけは見ることができないトツ子。それぞれが誰にも言えない悩みを抱えていた。「よかったらバンドに、入りませんか?」音楽で心を通わせていく三人のあいだに、友情とほのかな恋のような感情が生まれ始める。やがて訪れる学園祭、初めのライブ。観客の前で見えた三人の「色」とは。 Index セリフに頼らない感情表現 「共感覚」という特殊なモチーフ 山田尚子監督の物語 セリフに頼らない感情表現 劇場アニメーション『きみの色』(24)は、これまでの山田尚子監督の足取りを辿るような集大

『きみの色』のインタビューで、音楽担当の牛尾憲輔が、山田尚子監督のネタバレに対する態度について、こんなことを話していた。 牛尾:山田さんって、映画の話をしていても、結末の話をしても怒らないんですよ。<中略>でも「ここで振り返ったときの画がすごく綺麗でさ」っていうと、ものすごく怒るんです。(※1) 山田監督は、結末をバラされても気にしないが、細部の演出についてバラされると怒る。彼女の最新監督作『きみの色』は、映画に対するそのような姿勢が端的に表れた作品だ。 この作品には、明確な物語のラインがないと言ってしまってもいいかもしれない。あったとしても、3人の高校生がバンドを組み、演奏会で発表するために出会い、頑張るとか、青春の瑞々しさを描いた作品などとまとめられることになる。つまり、大きな全体の物語としては、ごくありふれた、何度も聞き覚えのあるようなものでしかない。 しかし、本作の鑑賞体験は「あり

「好きなものは好き」という気持ちはエバーグリーンなもの。「年齢や性別とかまったく関係なく、心(しん)で通じ合えるものってあると思うんです」ーー『きみの色』で伝えたい、山田尚子監督が描いたメッセージ【インタビュー】 ヒロインのトツ子は、人が「色」で見える。 嬉しい色、楽しい色、穏やかな色。 そして、自分の好きな色――。 山田尚子監督の最新オリジナル長編アニメーション映画『きみの色』が2024年8月30日(金)に公開されます。 『映画けいおん!』『映画 聲の形』などを手掛けてきた山田監督ならではの「音楽×青春」物語。第 26 回上海国際映画祭では金爵賞アニメーション最優秀作品賞受賞、またフランスで行われたアヌシー国際アニメーション映画祭2024長編コンペティション部門へ出品されるなど、世界中から注目を集めています。 初夏の匂いが漂いはじめた頃、山田監督に直接お話を伺えることに。本作についての想

※本記事はネタバレを含みます。 “太陽” としてのトツ子 “公転” するきみとルイ 回転する “惑星” たち 星の友情 “公転” する “太陽” ポエジーの “宇宙” おわりに:太陽といっしょになった海 p.s. “太陽” としてのトツ子 『きみの色』は、トツ子が “太陽” であることが明らかになるまでの物語だ。 「もし自分の色が見えるのなら、それはどんな色なんだろう?」 そう問うたトツ子は、物語の終盤、てのひらを太陽に透かし、自らの色が “朱” 色であること、すなわち、自らが太陽と同じ色であることを “発見” する──。 * “太陽” は恒星である。恒星は自らが光を放つ。トツ子はいつも誰かの “色” を求めるけれど、“光” がなければ “色” もない。照らしていたのはいつもトツ子だった。 また “太陽” は、系の中心である。きみやルイに “引かれて” 日々を生きていると思っていたトツ子は

アニメ映画の多くは、「たとえ話」として機能する。「アニメをつくる行為」自体が、現実世界を構成する諸要素を分解して「誇張と省略」の作法によって再構築することだから、情報を巧みにコントロールすることで、現実の認知を再定義できるからだ。 8月30日公開のアニメ映画「きみの色」は、そういうタイプの作品である。山田尚子監督初となる完全オリジナルの長編で、挑戦的でありながら口当たりは優しい。ひとつの青春を疑似体験した感覚が、客電が点灯した後も残り続け、劇場を出たとき外界が再定義されたように瑞々しく見えるし、脳内にいつまでもテーマソング「水金地火木土天アーメン」が響きわたり、心の中に定着した体験性は清涼感とともに残っていく。 脚本は吉田玲子、音楽は牛尾憲輔と、「映画 聲の形」(16)、「リズと青い鳥」(18)、「平家物語」(21)から続くメンバーが、阿吽の呼吸で支えた点も、映画の芸術性や説得力を高めてい

「映画けいおん!」「映画 聲の形」などを手がけた山田監督の最新作「きみの色」は、思春期の青春をテーマにした作品。人の心が「色」で見える高校生の少女・トツ子が、街の片隅にある古書店で出会った美しい色を放つ美少女と、音楽好きの少年とバンドを組んだことから物語が動き出す。 脚本は「けいおん!」シリーズ以降、山田監督とタッグを組んできた吉田玲子、音楽は「映画 聲の形」や「チェンソーマン」のサウンドトラックを担当する牛尾憲輔、制作・プロデュースはサイエンスSARUが務め、企画・プロデュースを「すずめの戸締まり」など新海誠監督作品を手がけたSTORY inc.が担当する。山田監督は「絵具を混ぜるパレットのような、または光を集めて分散させるプリズムのような、そんな物語を描いていきたいと思っております」とコメントを寄せた。 ※動画は現在非公開です。 山田尚子コメント 人の外側と内側、そこから生みだされるそ

人気監督の山田尚子が英国を訪れるのは、この10月が初めてではありませんでした。2012年に開催された「スコットランド・ラブズ・アニメ」のゲストとして『映画けいおん!』の上映会に登壇しているのです。偶然ですが、この映画もロンドンが舞台で、愛らしい軽音部の面々が日本から英国へとやってきました。 それから10年後、山田は再び「スコットランド・ラブズ・アニメ」のゲストとなりました。盛況だったQ&Aで、監督は英国でのかつての体験を懐かしそうに語ってくれました。例えば、スコットランド人はネッシーが存在しないという話を好まないこと、ハイドパークにある郵便箱のような容器は実は犬用であること、マーマイトはあまり美味しくなかったこと。最後の点については、観客の大半は彼女に賛同していました。 しかし、山田はノスタルジーのために海を渡って来たわけではありません。サイエンスSARUで制作した17分の短編『Garde

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「リズと青い鳥」の制作の裏側が分かるメイキング映像を公開! メイキングVol.4は、山田尚子監督インタビュー編となります。是非ご覧ください! メイキング映像一覧はこちら⇒http://liz-bluebird.com/news/?id=36 『リズと青い鳥』大ヒット上映中! 上映劇場一覧はこちら⇒http://liz-bluebird.com/#theater ■あらすじ 鎧塚みぞれ 高校3年生 オーボエ担当。 傘木希美 高校3年生 フルート担当。 希美と過ごす毎日が幸せなみぞれと、一度退部をしたが再び戻ってきた希美。 中学時代、ひとりぼっちだったみぞれに希美が声を掛けたときから、みぞれにとって希美は世界そのものだった。 みぞれは、いつかまた希美が自分の前から消えてしまうのではないか、という不安を拭えずにいた。 そして、二人で出る最後のコンクール。 自由曲は「リズと青い鳥」。

POPなポイントを3行で 京都アニメーション最新作『リズと青い鳥』 山田尚子監督と原作者・武田綾乃が語る2人の少女の物語 ラストシーンを「ねじまげなかった」監督が果たした責任 京都アニメーションの最新劇場作品であり、『映画 けいおん!』や映画『聲の形』などで知られる同社所属の山田尚子監督が手がける『リズと青い鳥』。 4月21日から公開中の本作は、まるでおとぎ話のようなタイトルですが、北宇治高等学校を舞台に吹奏楽部で練習にはげむ少年少女たちの人間模様を描いた『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』(宝島社)の劇場アニメ作品です。 山田監督といえば初監督作『けいおん!』で大きな注目を集め、『たまこラブストーリー』では「文化庁メディア芸術祭アニメーション部門」新人賞を獲得。以降も話題作を手がけ、今後が期待されるクリエイターの1人。 TVアニメ「響け!ユーフォニアム」シリーズで

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。 平成期が終焉を迎えようとしている中、アニメを取り巻く状況もまたひとつの転換期を迎えている。今、アニメは果たしてどこへ向かおうとしているのか……? 気鋭の評論家・中川大地が現在進行形のアニメ作品たちを読み解き、「平成」以降の時代を展望する連載コラム第2回! 前回取りあげた「この世界の片隅に」のエンディングロールでは、原作では描かれなかった戦後の世界に暮らす北條家の人々の生き様が、「もうひとつの戦後史」の可能性として点描されていた。 この光景は、言うなれば戦後日本の現実を照射し続けた〈仮想現実〉たる20世紀劇映画の遺産「シン・ゴジラ」的な主題と、21世紀的な情報メディアによって現実の中に見えざる異界を幻視しユーザー自身の〈拡張現実〉体験が生

『リズと青い鳥』は沈黙の音を描き切る。吹奏楽を題材にした音楽のアニメであるにもかかわらず、深い沈黙をすくいあげる。わかりやすい言葉はなく、感情移入を促す劇伴もない。 にもかかわらず印象深い長編である。この沈黙がアニメでまず見ることがない繊細な感情表現を実現しているからだ。少なくとも現在、国内の商業アニメにおいてこの感情表現を比較できる作品はない。 『リズと青い鳥』は沈黙の音を描き切る。 沈黙とはもちろん無言でいることじゃない。建前のおしゃべりはいくらでもする。なのに大事なところで本心や演奏技術が噛み合わない時、沈黙は現れる。沈黙は本編の『響け! ユーフォニアム』でも少なくなく描かれてきた。さまざまなパートごとの対人関係のすれ違いをはじめ、集団の規律の中で演奏する吹奏楽だからこそ沈黙は重たくのしかかる。 セッションで誰かのミスで中断するとき。吹奏楽部内で頑張ろうとする建前と本音がずれるとき。

「映画 聲(こえ)の形」などの山田尚子さんが監督を務めた劇場版アニメ「リズと青い鳥」が21日、公開を迎えた。アニメ「響け!ユーフォニアム」に登場する鎧塚みぞれ、傘木希美という2人の高校生を中心とした物語で、2人の繊細な心の動きを丁寧に描く。作品を作る上で「少女たちのため息を描く」ことをテーマにしたという山田監督に、映像、音などの表現のこだわりを聞いた。

監督を務めるとなったときのお気持ちをお聞かせください。 原作のプロットを読んだときに、武田先生の持ち味、本質が薫る題材だと思いました。とても日常的ながらもなかなか題材として取り上げないような新鮮な切り口が印象深くて。原作の持つ、透明な、作り物ではない空気感を映像にしてみたいと思いました。 シリーズ演出として『ユーフォ』シリーズと共にやって来たので、この作品をとてもよく知っているからこそ、原作から、今回のような切り口もあるんじゃないかと思いました。そういったことをシリーズの石原監督やスタッフのみんなと話し合いまして、この映画を制作させていただけることになったんです。 今回は集団ではなく個を描くお話なので、小さな変化を積み重ねることを大事にしたいと思いました。 物語の中心となる、みぞれと希美についてお聞かせください。 希美は明るくて元気で、音楽が大好きでフルートを吹いている活発な女の子です。そ

映画作家とはどんな人物を指すだろうか。ヌーヴェル・ヴァーグを生んだことで知られるカイエ・デュ・シネマの批評家たちは、アルフレッド・ヒッチコックやハワード・ホークスを真の映画作家と見なした。この2人は職人肌の娯楽映画の監督であるが、どんな作品でも監督の個性や匂いのようなものが刻印されている。 声高に主張を掲げずとも、刻印される何かを持ちうる映画監督を映画作家と呼ぶのなら、山田尚子監督はそう呼ばれるにふさわしい存在だと『聲の形』で証明した。過去の作品とはまるで異なる雰囲気の作品でありながら、あらゆるシーンに山田尚子の刻印がある。 ほんわかとした平和な世界の可愛い女の子の物語である『けいおん!』や『たまこラブストーリー』で人気を博した山田監督が、いじめとディスコミュニケーションを中心に息苦しい世界を描くと聞いた時は驚いた。『聲の形』で山田監督は、今まで自身が描いてきた世界とは180度真逆の世界と

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