日本で育った大多数の人々にとって、「美術」「彫刻」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、古風な衣服をまとった西洋人の石膏像と並び、駅前や公園など、屋外の公共空間にある記念碑的な人物銅像(その多くが裸体を晒している)ではないだろうか。しかし(「美術」「彫刻」という言葉と同じく)国内でそうしたイメージが定着したのはそれほど古いことではない。その過程に何があったのだろうか? 最近のartscapeでも、 3月1日号村田真レビューでは「小沢剛 不完全─パラレルな美術史」展、また同じく4月1日号の星野太レビューで荒木慎也『石膏デッサンの100年──石膏像から学ぶ美術教育史』がピックアップされている。今号では、彫刻家で彫刻・銅像・記念碑研究者の小田原のどかが、公共空間での「女性」裸体像の起源に迫る。なお本稿に関連し、昨年4月15日号高嶋慈レビューによる小田原の個展「STATUMANIA 彫像建立癖」評も参照

第1条 <9 頁> 杉本博司 「昭和天皇」 ポートレート 1 9 9 9 149.2 × 119.4 ㎝ ©Hiroshi Sugimoto 「劇場」「ジオラマ」「海景」などの作品で世界的評価を得る杉本博司。本作は、英国マダム・タッソー蠟人形館の人形を撮影した「ポートレート」シリーズの1作品。[時間]を重要なテーマと位置付ける杉本の厳密なコンセプトと撮影技術が、象徴の意味である[抽象的なものを表す具体的なもの]を具現化した。 第2条 <11 頁> 大森克己 「沖縄県コザ 2004年」 2 0 0 4 31.7 × 21.2 ㎝ ©Katsumi Omori 代表的な写真集に『encounter』『サルサ・ガムテープ』『すべては初めて起こる』などがあり、90 年代から現在に至るまで写真の最前線で活躍し続ける大森克己。写真集『サナヨラ』(愛育社)に収められている本作は、沖縄県沖縄市(旧コザ市

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