2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にして紹介しているWebメディアのSeamless(シームレス)を運営し、執筆しています。 1週間の気になる生成AI技術・研究をいくつかピックアップして解説する連載「生成AIウィークリー」から、特に興味深いAI技術や研究にスポットライトを当てる生成AIクローズアップ。 今回は、世界初のAIチャットボット「ELIZA」(イライザ)を60年ぶりに復活させた「ELIZA Reanimated: The world’s first chatbot restored on the world’s first time sharing system」に注目します。 ▲ELIZAの例(Wikipediaから引用) 1960年代初頭にMITの教授ジョセフ・ワイゼンバウム氏が開発したELIZAは、一般的に世界初のチャットボットとして知られています。MAD-

2023年10月2日、オランダで新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける患者。頭痛や悪寒などの強い副反応は不快だが、ワクチンがより強い免疫反応を引き出して将来の感染に備えているサインなのかもしれない。(PHOTOGRAPH BYKOEN VAN WEEL, ANP/REDUX) 新型コロナウイルスワクチンの副反応におびえる人々に朗報だ。最新の研究によれば、強い副反応はワクチン接種後にウイルスと戦う抗体がより多く作られていることを示していて、良いことかもしれないという。論文は査読前の論文を投稿するサーバー「medRxiv」で2023年10月6日に公開された。 「強い症状を報告する人ほど、抗体レベルが高かったのです」と、この研究を率いた米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の臨床心理学者アリク・プレーザー氏は言う。 米ブラウン大学の腫瘍専門医ジェレミー・ワーナー氏は、新型コロナウイルスワクチ
ラッパのマークの正露丸というと、日本では広く知られている一般的な胃腸薬ですが、この正露丸でアニサキス症が解消されるという噂が存在します。 実際正露丸でアニサキスの活動が抑制したという報告もありますが、ネット上では専門家による否定的な意見も多く、実際の効果は不明確でした。 高知大学理工学部の研究グループは、正露丸がアニサキスに対する殺虫効果を持つのかどうかを、細胞の生死判定を行うトリパンブルー染色液を使って調査。 結果、正露丸を溶かした液は実際にアニサキスを殺していて、胃液でも分解できる状態にしていることがわかりました。 アニサキスは基本的に殺虫法がなく、外科的に取り除くしかないとされているため驚きの報告です。 研究の詳細は、『Open Journal ofPharmacology andPharmacotherapeutics』へ2021年7月22日に掲載されています。

by David Fulmer 男性は女性よりも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスクが高いとこれまでの調査で判明していますが、そんな男性の中でもハゲている人は特に重症化リスクが高いという研究結果が発表されました。 A preliminaryobservation: Male pattern hair loss among hospitalized COVID‐19 patients in Spain – A potential clue to the role of androgens in COVID‐19 severity -Goren - 2020 - Journal ofCosmetic Dermatology - Wiley Online Library https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化の因子として、年齢や慢性疾患の有無、性別などの可能性が指摘されていますが、新たな研究により、「ビタミンDレベル」と重症化との関係が明かされています。 Vitamin D Insufficiency is Prevalent in SevereCOVID-19 | medRxiv https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.04.24.20075838v1 Scientists link vitamin D deficiencies to higherCOVID-19 mortality rates https://www.zmescience.com/science/news-science/scientists-link-vitamin-d-deficiencies-to-higher-

妊娠中に魚を多く摂取した女性はそうでない人と比べて、出産後、半年から1年たったあと、抑うつ状態になりにくい傾向があることが富山大学の研究グループが8万人を対象に行った調査でわかりました。 研究グループによりますと妊娠中や出産後の女性は、気分が落ち込んで何もやる気が起きなくなる「抑うつ状態」になることがあります。 浜崎准教授らは平成23年から26年にかけて妊娠した女性およそ8万人を対象に、魚の摂取量と抑うつ状態の関係を調査しました。 その結果、摂取量が1日当たりおよそ5グラムと最も少なかった人たちに比べ、それ以上魚を食べていた人たちは出産から半年後と1年たった時点でいずれも抑うつ状態になりにくい傾向があることがわかりました。 魚の摂取が抑うつ状態の防止につながっていることを証明するにはさらに研究が必要だということで、浜崎准教授は「今後は臨床研究を通じて、因果関係を証明したい。妊娠中の女性は胎

忘れてしまった記憶を薬で回復させる実験に成功したと、東京大や北海道大などの研究チームが発表した。記憶を回復させる効果がある薬の発見は世界初という。アルツハイマー病などの認知症の治療に役立つ可能性がある。米科学誌電子版に8日、論文が掲載された。 チームは20代を中心とした健康な男女計38人に100枚程度の写真を見せ、約1週間後に覚えているかを調べる実験を実施。めまいの治療薬として使われている「メリスロン」を飲んだ場合と、飲まなかった場合で正解率を比較した。 その結果、薬を飲むと、忘れていた写真を思い出すケースが増え、正解率は最大で2倍近く上昇することが判明。忘れた写真が多かった人ほど効果があり、見たかどうか判別が難しい写真で正解率がより高まる傾向があることも分かった。 この薬は脳内の情報伝達に関わる「ヒスタミン」という物質の放出を促進する働きがある。この効果で記憶を担う神経細胞が活性化し、忘

花王は11月27日、軽く柔らかい自然な積層型極薄膜を肌表面に作る“ファインファイバー技術”を開発したと発表した。同社が持つさまざまな製剤とこの新技術を組み合わせることでスキンケアやメイクなど化粧品の領域において新たな提案を行うと共に、将来的には治療領域への応用も視野に入れる。 “ファインファイバー技術”は、化粧品用のポリマー溶液を専用の機器で肌に噴射することで、肌表面に極細繊維で積層型の極薄膜を形成する技術。これにより、体のさまざまな部位の三次元形状や面積に合わせた膜を肌表面に自在に形成できるようになる。積層型の極薄膜は、直径0.5μ、わずか20秒で長さ120kmになるという繭のような極細繊維のため肌の動きに柔軟に追随し、肌表面を均一に滑らかに整える性質がある。また、液体を吸い込む“毛管力”があるため、使用する化粧品製剤の保持力や均一化に優れているのが最大の特徴だ。 研究開発部門統括の長谷

カシューナッツ(2018年5月24日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / ISSOUF SANOGO 【7月5日 AFP】スペインの研究者らは4日、科学的な実験において若い男性にナッツ類を摂取させたところ、精子の数と質が「著しく」改善したと明らかにした。 研究チームはこの結果について、「精子の質における習慣的なナッツ類摂取の有益な役割を裏付けるもの」とする一方、被験者は全員健康で、生殖能力があるとされる男性だったことを強調した。また、生殖能力に問題のある男性にナッツ類の摂取が有益かどうかはまだ実証されていないという。 この実験では18~35歳の男性119人を2つのグループに分け、1つ目のグループにはアーモンド、ヘーゼルナッツ、ウォルナッツを一般的な「欧米風」の食事に毎日60グラムかけて食べさせ、もう一方のグループにはナッツ類のない食事を取らせた。 この実験を14週間続けた結果、ナ

ペトリ皿で培養したヒト細胞とニワトリの胚を合体させることに成功したそうだ。これは生命の発達を理解することが目的だったが、ショッキングな実験であるかもしれない。 成長中のヒトの胚の中にある特定の細胞が、筋肉や骨、あるいは神経などに姿を変える仕組みはまだ理解されていない。しかしアメリカ・ロックフェラー大学の研究者によって状況は一変した。 ペトリ皿でヒト細胞とニワトリの胚を接木 『Nature』に掲載された研究によると、アリ・ブリバルー博士の研究チームは、ペトリ皿で培養したヒト細胞をニワトリの胚に接木し、それが組織化する過程を観察した。 この画像を大きなサイズで見るヒト細胞をニワトリの胚に接木し、発達の初期段階を研究 imagecredit:Miodrag Stojkovic いわゆる「オーガナイザー細胞」は、細胞の上・下・後ろを形成し、人の姿を形作る上で重要な役割を果たしていると考えられてい

<誰もが嫌いな虫歯治療。米ワシントン大学の研究で、不快な音も痛みもなく虫歯を治療できる新たな手法が見つかった> 従来、虫歯の治療といえば、歯科ドリルで患部を削るというのが一般的だった。ドリルが発する"キーン"という音に不安や恐怖を感じたり、時には痛みも伴うことから、患者が虫歯の治療をためらっているうちに、悪化させてしまうケースも少なくない。しかし、このほど、不快な音も痛みもなく虫歯を治療できる新たな手法が見つかった。 エナメル質を再石灰化させる実験 米ワシントン大学の研究プロジェクトは、歯の表面を覆うエナメル質の形成に不可欠なタンパク質の一種「アメロゲニン」に着目し、エナメル質を再生させることで、虫歯でできた歯の空洞を治療するという手法を開発。米国化学会(ACS)の科学雑誌「バイオマテリアルズ・サイエンス・アンド・エンジニアリング」で発表した。 歯のエナメル質は、「エナメル芽細胞」と呼ばれ
by Annie Spratt 情報メディア「Mother Jones」のライターであるステファニー・メンシマーさんは、乳ガンから手術を受けた女性。健康情報に敏感なメンシマーさんは砂糖やプラスチック、日焼け止めなどに発がん性があるということを理解していましたが、アルコールについては「ワインは心臓疾患を予防する」といった、「適度な飲酒は健康によい」という考えを信じていました。しかし、アルコールに発がん性があるということは、過去の研究から揺るぎない事実として示されています。なぜこのような誤解が生まれてしまったのか?ということについて、アルコール業界の歴史から明らかにしています。 Did Drinking Give Me Breast Cancer? –Mother Jones https://www.motherjones.com/politics/2018/04/did-drinking-

肺は空気を呼吸することにより、吸気内の酸素を血液中に取り込み、また血液中の二酸化炭素を呼気を通じて体外に排出する機能が一般に知られている。だがそれ以外に、哺乳類の肺には「血を作る」機能もあることが、米国の研究者らによって明らかになった。 科学の常識を覆す発見 カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究チームが研究成果を発表し、学術誌「ネイチャー」に論文が掲載された。 科学の世界では数十年来、骨髄がほぼすべての血液成分を作っているという前提に立っていた。だが研究チームは、マウスを使った実験で、肺が1時間あたり1000万個以上の血小板を生産していることを発見。この数は、マウスの全血液に含まれる血小板の過半数に相当するという。血小板は、血管が損傷して血液が流れ出る時に血栓を作り、止血する役割を担う。 厳密には、従来の研究で、骨髄の中で血小板を生成する「巨核球」と呼ばれる細胞が、肺の中
著者:Anne-Laure Sellier Professeur Associé en marketing et membre du groupe de recherche CNRS-GREGHEC, HEC School of Management – Université Paris-Saclay 生まれたばかりの子供に名前を付けるときにはわくわく感と不安を感じるものだ。そのときの気持ちが心に残っている親は多い。そして子供はその名を一生身にまとって生きていく。しかし、名前が子供に与える影響はそれだけにとどまらないかもしれない。我々の研究チームは、任意の社会が抱く名前への固定概念が、人の外見に影響を与えると明らかにした。これは先日Journal of Personality and Social Psychology(人格と社会心理学に関する雑誌)に掲載された研究だ。 研究は8回の実験を

By Cathe Friedrich 運動を行うことが健康に良く、老化を抑える効果があることは長らく人々に認識されてきたのですが、その中でも特に効果があるのは時間の短い無酸素運動と、負荷の低い回復時間を交互に繰り返す高強度インターバルトレーニングであることが研究によって明らかにされました。 Best anti-ageing exercise is high intensity interval training | New Scientist https://www.newscientist.com/article/2123825-best-anti-ageing-exercise-is-high-intensity-interval-training/アメリカ・ミネソタ州ロチェスターに本部を置く総合病院「メイヨー・クリニック」のK Sreekumaran Nair博士らによる研究チーム

大腸がんの再発や転移の原因と考えられている「がん幹細胞」の働きを抑える新たな化合物を国立がん研究センターなどのグループが発見しました。今後、1~2年のうちにヒトでの臨床試験を行うなど実用化を進めたいとしています。 グループは、「NCBー0846」という化合物が「がん幹細胞」が生命を維持するのに必要な特定のたんぱく質の働きを抑える事を発見しました。そして、ヒトの大腸がんの細胞を移植したマウスにこの化合物を投与したところ、大腸がんの「がん幹細胞」の大半を死滅させることに成功し、がんが増えるのを8割から9割抑えることができたということです。 「がん幹細胞」は抗がん剤が効きにくく、新たながん細胞を次々と作り出すため再発や転移の原因となっていると考えられています。国内では、毎年13万人が発症していますが、血液にのって転移していた場合、5年相対生存率は16%程度に留まっているのが実態で、研究グループは
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く