安倍元首相が殺害された事件の裁判がついに始まり、英誌「エコノミスト」も山上被告の証言や公判の行方に注目。なかでも加害者である山上に同情を示す日本人が少なからずいることは衝撃的だとして、その背景を報じている。 人々の同情心が量刑に与える影響 安倍晋三元首相が殺害された衝撃の事件から3年以上が経った2025年10月28日、殺人罪などで起訴された山上徹也被告(45)の裁判員裁判が始まった。 法廷に姿を現した山上は、黙って座り、視線を落としていた。検察側が事件の詳細と起訴状を読み上げると、山上は静かに、しかしはっきりとした口調で、「すべて事実です。私がやったことに間違いありません」と述べた。 街頭演説中だった安倍を山上が白昼堂々と銃撃した恐ろしい光景は、いまなお日本国民の脳裏に焼き付いている。だが事件後、大勢の日本人がその暴力行為を非難した一方、驚くほど多くの人々が山上とその犯行動機に同情を示した

自民党の稲田朋美元防衛相は31日のBSテレ東の番組で、自身が所属していた旧安倍派による「石破おろし」について、「(裏金問題で派内の)誰も責任を取らず、その人たちが『石破おろし』をしているのを国民が見…

外務省顧問 前駐米大使 杉山晋輔 安倍晋三元総理は、第26回参議院議員選挙の投開票が7月10日に行われる直前の7月8日午前11時31分頃、選挙の応援に訪れた奈良県大和西大寺駅北口近くで演説中に、背後から銃弾を撃ち込まれた。筆者は友人から、直ちに流れた速報の一報を知らされすぐテレビのニュースでこれを知り、とにかく一命だけでもとりとめてほしいと祈り続けた。しかしそれもむなしく、同日午後5時3分死亡が確認された。民主主義の根幹をなす選挙の最中の、決して許すことのできない暗殺である。筆者はあまりのショックで、しばらく何も考えることができなかった。 思い起こせば筆者が安倍総理にはじめてお目にかかったのは、ずっと若いころ。いうまでもなく総理の御尊父は安倍晋太郎外務大臣。そのまたご尊父は、戦前東条軍閥内閣に反対を通しても選挙に当選された安倍寛衆議院議員。母方の御尊父が日米安保改定の偉業をなされた岸信介総
八木秀次氏緊急寄稿 まずは、天上の安倍晋三元首相に心の底から詫びてほしい。 安倍氏が第2次政権以来、選挙に勝ち続けて築いてきた「強固な政権基盤」をいとも簡単に崩壊させたこと。選挙で数々の「戦略ミス」を犯してしまったこと。本来は大した問題でもなかった「政治とカネ」の処理を誤って大きく育ててしまったこと。そして、自分たちの拙劣さを棚に上げて政権支持率が低い原因を、安倍氏や安倍派に求めて恨んでいたこと。 その結果、安倍氏が「この人物だけは首相にしてはならない」と公言していた石破茂氏を首相にして衆院選を戦ってしまったこと。 安倍氏の影響力を消すかのように、安倍派を排除すべく「非公認」や「比例重複を認めない」など「二重処罰」したこと。それが「政治とカネ」の問題を再燃させ、安倍派のみならず自民党の本体や公明党まで火の粉を被るようにしてしまったこと。 これらについてだ。 27日投開票の衆院選で、自民党

27日投開票の衆院選を経て、自民党内の衆院勢力構図は大きく変わった。派閥裏金事件に多くの前議員が関わった旧安倍派は昨年12月1日時点の59人から、約3分の1の20人に激減。旧安倍派と同様、政治資金収支報告書に不記載のあった旧二階派は31人から21人に減らした。 旧安倍派のうち9人は、裏金事件に関与して自民非公認となり、無所属で立候補した。このうち萩生田光一、西村康稔両氏を除く7人が落選した。 旧二階派は、自民非公認で出馬した平沢勝栄氏が当選したものの、比例代表との重複立候補が認められなかった武田良太氏が落選した。 旧岸田派は34人から26人、旧茂木派は32人から27人にそれぞれ減らした。旧森山派は増減なしの7人。党内で唯一、存続している麻生派は公示前の40人から31人となった。

25日を代休にして、野田佳彦元総理による安倍晋三元総理への追悼演説を傍聴しに行った。 午前6時に家を出た。たいがい国会傍聴というのはマニアしか行かない。そんな場合は開会ギリギリでも傍聴席に入れる。しかし、重要法案の審議など世間の耳目を集める日というのは違う。早めに整理券を確保しなければ門前払いを受けるのだ。 午前7時すぎに到着。一番乗り。当たり前だ。いくらなんでも早すぎる。自分の馬鹿さ加減がいやになる。 8時に受付が始まった。私と同様に並ぶ人は数人程度しかいない。衛視から「きょうは議員紹介の傍聴者が多いので入れない場合もあります」と伝えられた。以前にも書いたが、議員紹介の傍聴者は優先的に通され、一般の傍聴者よりもいい位置に座ることもままある。これは私はしかたないと思っている。インターネットで吠える口舌の徒よりも、後援会活動などで議会政治を基底で支える人のほうが優遇されるのは当然である。それ
石破茂首相(自民党総裁)は派閥裏金事件に関係した「裏金議員」を次期衆院選の比例名簿に登載しない決断を通じ、裏金議員に対して小選挙区で勝ち上がってくる「みそぎ」を求めた。自民全体への逆風を和らげようと裏金議員を切り離す狙いとみられるが、事件の渦中にある安倍派議員らは猛反発している。 【関連記事】首相決断、線引きに透ける「打算」 「史上最低の決定だ」 「党を分断する史上最低の決定だ」――。石破首相の決断を受け、安倍派議員らは悲鳴交じりに激しく反発の声を上げた。 「自民党の一致団結なんてもうない。(石破首相は)作られた世論に迎合して仲間を売るリーダーだ」。今回の決定で比例代表との重複立候補が認められないことになった安倍派議員はこうまくし立てた。 重複立候補を認めない案を巡っては、森山裕幹事長が4日、「選挙は当選第一主義だと思うし、政治資金の問題については党として処分も下した」と否定的な見解を示し

Published 2024/08/26 05:01 (JST) Updated 2024/08/26 05:17 (JST)自民党総裁選への立候補が取り沙汰されている議員の中に、派閥裏金事件の震源地となった安倍派幹部の名前はない。「事件さえなければ本命だった」「まずは衆院選で勝てるかどうかだ」。西村康稔前経済産業相と下村博文元政調会長の地元では悔しさと不安が交錯する。 「キックバックの問題さえなければ、総裁・総理になれるチャンスだった」。西村氏に近い兵庫県の地方議員がほぞをかんだ。 西村氏はかねて「首相を目指す」と公言。09年の総裁選に敗れたものの、コロナ対策担当相などとして次第に存在感を強めた。今回は総裁選に出ることさえできず投票資格も奪われ、この地方議員は「悔しがっているが、その悔しさを力にしようとしているのではないか」と推し量った。 下村氏も安倍元首相が中止を指示した資金還流が復

日刊ゲンダイの手元には全く同じ様式の領収書が2枚ある。どちらも発行は安倍派の政治団体「清和政策研究会」(清和研)。金額はそれぞれ1万円、日付は同じ2015年10月28日。ただし書きに「香典として」とある方の宛名は安倍派幹部だった世耕弘成前参院幹事長の資金管理団体「紀成会」、ただし書きが空欄の宛名は安倍派の丸川珠代元五輪相の資金管理団体「丸川珠代の会」だ。 2枚とも数年前、政治資金収支報告書に明細を記載する必要のない「1万円以下の少額領収書」の写しを開示請求して入手したもの。 支出先や領収書の様式、日付、金額まで同じことから、丸川氏の領収書も世耕と同様に香典代と察せられる。 日刊ゲンダイは7月30日付で安倍派の「宙に浮いた香典」疑惑を報じた。清和研は20~22年に世耕の紀成会から計20万円分の香典代などを受け取った領収書を発行しながら、同期間の収支報告書にその記載が一切ないのだ。政治資金規正

安倍晋三「シンゾー・トランプ外交」の“内幕”を、最側近記者がいま明かす…! 安倍「猛獣使い外交」の舞台裏からいまこそ「学ぶべきこと」 世界はすでにトランプ氏再登板を織り込み済みだ。今年11月の米大統領選からライバルのバイデン大統領が撤退し、ハリス副大統領が名乗りを上げ旋風を巻き起こしているが、それでも銃撃事件を経て求心力を高めるトランプ氏の優位は揺るがないとの見方が少なくない。 孤立志向のアメリカ第一主義を掲げるトランプ氏の奔放な言動にまたも世界は翻弄されるのか。日本は大丈夫か――。 実は2017年のトランプ氏の大統領就任前にも同じような懸念はあったが、当時の安倍晋三首相による外交攻勢で日米関係は良好となり、トランプ氏は日米首脳会談で「シンゾーだから日米関係はいい。シンゾーだから私は日本のためにやる」とまで言い放ったという“舞台裏”があったという。そんな安倍氏の“猛獣使い外交”の内幕を綴っ

Published 2024/07/17 10:00 (JST) Updated 2024/08/05 14:40 (JST) 「裏金事件の責任をとっていない」として岸田文雄首相に逆風が吹いている。ただ、首相にとってのけじめは事件発覚直後に決断した自民党宏池会(岸田派)の解散方針だった。5人の首相を輩出した「名門派閥」は近く67年の歴史に幕を閉じる。誰より派閥に愛着があった岸田首相が宏池会解散をなぜ決断したのか。経過をたどると、最高権力者の矜恃とその代償が浮かんだ。(共同通信裏金問題取材班=村山卓也) ▽「岸田政権のせいでこんな目に遭っている」 東京地検特捜部の捜査がヤマ場を迎えていた昨年末、首相は周囲にぼやいた。「『なんで岸田政権は捜査をつぶしてくれないのか。けしからん』と、そんなことを言ってくるやつもいるんだよ」 裏金事件は政権を揺るがし、この時期に首相は安倍派の要職一掃に踏み切った。

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