「成年後見制度」の見直しに向けて、法制審議会の部会は10日、中間試案を公表した。中間試案では、制度の硬直性が指摘されてきた成年後見制度を使いやすくするため3つの案を提示。制度の利用を終わらせる方法を巡り、現行制度を微修正する案や、ニーズに応じて対応する案など、利用者の意思を尊重する方向で改正する。 現行は、判断能力低下後に家庭裁判所が後見人を選任する「法定後見」について、判断能力の低下順に後見、保佐、補助の3類型に分類。補助以外は、実質、制度をやめることができない。 3案のうち1つは3類型を維持しつつ、判断能力にかかわらず利用をやめられる道筋を作るほか、支援の範囲を柔軟に設定できるようにする。 ほか2案は類型を取り払って後見の枠組み自体を見直す。一方は個別の事情に応じて財産分与などに限り制度を利用できる「オーダーメード型」。ただ、利用者側の負担増や、利用漏れが起こる懸念が指摘される。 もう

認知症などで判断能力が衰えた人の代わりに契約や財産管理を担う「成年後見制度」の見直しを議論する法制審議会(法相の諮問機関)の部会は10日、中間試案を公表した。現行では事実上、ほぼ終身契約となる後見人の選任に関し、制度利用を終了させる手法・要件を明確化させる3つの案を示した。今後、パブリックコメント(意見公募)を経て年内の要綱案取りまとめを目指す。 国内では高齢化率が上昇を続け、令和5年10月時点で29・1%。成年後見制度は今後、さらに需要の増加やニーズの多様化が見込まれる。 ただ、現行制度では、判断能力が衰えた後に家庭裁判所が後見人を選任する「法定後見」で、利用者の判断能力が回復しない限り利用をやめられず、事実上終身契約になることが課題とされてきた。受けたいサービスが変化したり、後見人が原則全ての契約の代理権を持つことで本人の決定権が必要以上に制限されたりする場合があった。 中間試案では3

小泉龍司法相は13日の閣議後記者会見で、認知症などで判断能力が不十分な人の財産管理などをする「成年後見制度」の抜本的な見直しと、遺言のデジタル化のあり方について、15日の法制審議会(法相の諮問機関)総会に諮問すると明らかにした。法制審は、有識者などによる部会をそれぞれのテーマで設置し、民法など関連法案の改正に向けた議論を進める。 成年後見制度は、認知症や精神障害などで判断能力が不十分な人に代わり、家庭裁判所が選任した弁護士らが、財産管理や福祉サービスの契約などを行う制度。 社会の高齢化でニーズの増加と多様化が見込まれる一方、成年後見人が一度決まると交代が基本的にできないなどの使い勝手の悪さが専門家らから指摘されていた。 政府は令和4年3月に見直しの検討を求める基本計画を閣議決定。4年6月に発足した関係省庁や専門家による研究会が今月中にも見直しに関する報告書をまとめ、法制審にも資料として提出

認知症などで判断能力が十分でない人の財産管理などを支援する「成年後見制度」が岐路に立っている。増え続ける認知症患者の尊厳ある暮らしを支える仕組みだが、終身契約などの使い勝手の悪さから利用は低迷。国は初めての大幅な制度改正に乗り出した。ただ、終身から期間限定にすると、後見人が外れた高齢者の受け皿が必要になるなど、新たな課題も生じている。 成年後見制度は認知症患者らに代わり、家庭裁判所が選任した弁護士や司法書士ら専門職や親族などが財産管理や医療、介護の契約などを担う。不動産取引や遺産相続などで必要に迫られた家族が申し立てるケースも少なくない。 高額費用で利用低迷ただ、認知症患者が令和7年に約730万人に上るとの推計がある一方、制度利用者は4年12月末時点で約24万5千人にとどまる。 利用の低迷は、申し立てに高額な費用や時間がかかる、問題解決後も利用がやめられない、財産が厳格に管理される、専門職

認知症などで判断能力が不十分な人の財産管理などをする「成年後見制度」について、小泉龍司法相は13日、抜本的な見直しを法制審議会(法相の諮問機関)総会に諮問する方針を明らかにした。社会の高齢化が進行するなかで、制度の潜在的需要は高まることが見込まれるが利用は伸び悩んでおり、使い勝手をどれだけ改善できるかが議論の焦点となりそうだ。 「利便性や効率性に改善の余地がある」 小泉法相は13日の会見で現行の成年後見制度について、こう指摘した。 成年後見制度は判断能力が不十分な人の代わりに契約などをする「成年後見人」を弁護士などから選任する仕組み。 認知症患者は令和7年時点で約700万人に上るとの推計もあるが、厚生労働省などによると、成年後見制度の利用者は令和4年末時点で24万人にとどまる。背景には、利便性の問題がある。 成年後見人は終身契約で、選任すると本人の判断力が回復しない限り止められない。遺産分

認知症などの人に代わって財産の管理などを行う「成年後見制度」について小泉法務大臣は、高齢化の進展に伴い必要性が高まるとして、より利用しやすい制度への見直しを検討するよう、今週、法制審議会に諮問することを明らかにしました。 「成年後見制度」は、認知症などで判断能力が十分でない人に代わって、弁護士や社会福祉士といった第三者が財産などを管理する仕組みで、高齢化の進展に伴い必要性が高まるとみられています。 ただ、制度の利用を始めると原則、やめられないことや、後見人の交代ができずに利用者の状況に合わせた保護が受けられないことなどが課題となっています。 小泉法務大臣は、記者会見で「制度の利便性を考えた時に改善の余地があると考えられる。世の中の変化に応じた制度になるよう議論してほしい」と述べ、より利用しやすい制度への見直しを検討するよう、15日、法制審議会に諮問することを明らかにしました。 これを受けて

認知症の人などの財産を管理する後見人に選ばれた、弁護士や司法書士などが横領などの不正を行った件数は、去年、過去最悪の37件に上ったことが分かりました。後見人を選定している裁判所は、「監督を強化し、不正の防止に努めたい」としています。 最高裁判所のまとめによりますと、去年、弁護士や司法書士などの「専門職」が横領などの不正を行った件数は、前の年から15件、率にして70%近く増え、過去最悪の37件となりました。これらの不正による被害の額は1億1000万円でした。 一方、親族なども含めた全体の不正の件数は521件、被害額は29億7000万円で、件数、額ともに6年前に最高裁が調査を始めてから、初めて前の年より減りました。 最高裁によりますと、16年前に制度が始まった当初は、後見人の多くが親族でしたが、不正が相次いだため「専門職」を選ぶようになり、現在は後見人の5割以上が「専門職」だということです。

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