ネコ好きな人ならば、日本の路地裏のキジトラも、ノルウェーの森で暮らすモフモフの長毛種も、北アフリカにいた「リビアヤマネコ (F . lybica)」であることは知っているでしょう。 ですがヤマネコならば世界中に存在します。 日本でもイリオモテヤマネコというアジアに広く分布するベンガルヤマネコの近縁の野生ネコが存在します。 しかし日本各地の軒先で寝ているイエネコたちの遺伝子は、日本の地元のヤマネコではなく、世界中のイエネコと同じく北アフリカ起源のヤマネコ (F. lybica) の系統を祖先に持つと考えられています。 なのになぜ北アフリカのヤマネコだけが世界中に広がり、私たちのイエネコとしての「ネコ枠」を独占しているのでしょうか? イタリアのローマ・トル・ヴェルガータ大学(University of Rome Tor Vergata)や中国の北京大学(PKU)で行われた2つの研究によって、人

Y染色体をもたないのに雄が生まれてくる不思議。その長年の謎が少しずつ解き明かされつつある。 哺乳類の染色体は雌が「XX型」、雄が「XY型」と学校で習った。だが、1977年にY染色体をもたない生物がいることが判明。しかも、生まれるはずのない雄がいるという。そんな常識外れの生物が、奄美大島だけにすむアマミトゲネズミだ。 Y染色体はどこへ行ったのか? この報告に衝撃を受けたのが、当時まだ博士課程の学生だった北海道大学の教授、黒岩麻里さんだ。そして、約20年にわたってトゲネズミの性染色体を研究し、今回、東京科学大学や久留米大学の研究者らと共同で、より詳細なゲノム解読に成功した。 Y染色体のないトゲネズミは、性を決定する役割をもつ「Sry遺伝子」を失っているが、解読の結果、本来Y染色体にあるはずの遺伝子が7個、X染色体にあることを確認。現在のゲノム構造になった過程についても一定の仮説を導くことができ
このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 英国のWellcome Sanger Instituteなどに所属する研究者らがNature誌で発表した論文「Sperm sequencing reveals extensive positive selection in the male germline」は、精子の遺伝子変異を詳しく調べた研究により、父親の年齢が上がるにつれて子供に病気を引き起こす可能性のある変異が増えるという研究報告だ。 研究チームは24~75歳までの男性57人から採取した精子サンプルを、NanoSeqという高精度のDNAシーケンシング技術で解析。ゲノム配列解析の結果、精子形成過

レビュー 日本人祖先の「3系統説」、従来の定説に修正迫る ゲノム解析で進化人類学は「人類、日本人の本質」を探究 2024.07.24 内城喜貴 / 科学ジャーナリスト、共同通信客員論説委員 「日本人の祖先はどこからやってきたのか」。このロマンに満ちた問いに対しては、祖先は縄文人と大陸から渡来した弥生人が混血したとする「二重構造モデル」が長くほぼ定説となっていた。そこに日本人のゲノム(全遺伝情報)を解析する技術を駆使した研究が盛んになり、最近の、また近年の研究がその説を修正しつつある。 日本人3000人以上のゲノムを解析した結果、日本人の祖先は3つの系統に分けられる可能性が高いことが分かったと理化学研究所(理研)などの研究グループが4月に発表した。この研究とは別に金沢大学などの研究グループは遺跡から出土した人骨のゲノム解析から「現代日本人は大陸から渡ってきた3つの集団を祖先に持つ」と発表し、

<火山の熱や深海の水圧、真空の宇宙空間さえ生き延びるクマムシは、驚くべきDNA修復メカニズムを備えていた> クマムシは想像を絶するほどの過酷な環境を生き延びることができる生物だが、その生命力の謎が解明される可能性が出てきた。 【動画】クマムシは宇宙の最強生物 クマムシはその愛らしい姿から、水グマやコケブタと呼ばれているが、極端な高温や低温、高圧・低圧、空気不足、放射線、脱水、さらには宇宙の真空状態に至るまで、ほとんどの生命体にとって死を招く環境に耐えることができる。 最近、学術誌『カレント・バイオロジー』に掲載された論文によれば、この頑健な生物が放射線を生き延びるメカニズムが解明された。 体長わずか0.5ミリのクマムシは、さまざまな環境で生息している。コケ、落ち葉、淡水や海洋の堆積物などに生息していることが多いが、高温の沸騰泉、ヒマラヤ山脈の頂上、水深4000メートルの深海でも発見されてい
一卵性双生児のマルジエさんとラジエさん。双生児・多胎児が人口に占める割合は1%でとても小さいが、こうした人々が持つ同一の遺伝子は疾病の究明に役立ち、特に科学的研究の分野で歴史を通して大きな影響をもたらしてきた。(PHOTOGRAPH BY SHIVA KHADEMI/MIDDLE EAST IMAGES/REDUX) 毎年、「ツインズ・デー・フェスティバル(双子祭り)」に参加するため、世界の双子たちが米国オハイオ州ツインズバーグにやってくる。2023年の開催は8月4日から6日だ。このイベントは双子の集まりとしては世界最大規模だが、現在の傾向が拡大すれば、さらに参加する双子は増えるはずだ。 1915年頃から1980年にかけて、米国で生まれた子どもの50人に1人が双子だった。その後、双子の割合は30人中1人に急増し、減少する兆しはない。今日でも双子の出生は珍しいが、双子の増加は、母子に負担とな
(CNN) 30年以上にわたる問いかけと苦悩を経て、タミカ・レイズさんは遂に誰が母親を殺害したのかを知った。 26歳のアナ・ケーンさんの遺体が米ペンシルベニア州レディング近くの木立ちで発見されたのは、1988年10月23日。遺体の首には荷造り用のひもが巻き付いていた。捜査の結果、別の場所で絞殺され、木立ちの中に遺棄されたことが分かった。 地元紙は1面でケーンさんの死に関する情報提供を呼び掛ける記事を掲載した。殺害から1年3カ月後の90年2月、同紙宛てに匿名の手紙が届く。「関係する市民」からのその手紙には、犯人しか知らないと思われる情報が記されていた。 手紙を書いた人物は、封筒をなめた時に自分のDNAを残していた。唾液(だえき)から採取したDNAは、ケーンさんの衣服に残っていたものと一致したと、当局者が明らかにした。 しかしそれから数十年が過ぎても、容疑者が誰なのかは突き止められなかった。2

しんじ@理科実験あそびプロジェクト復興のためお仕事承り中 @oekakimaestro 人工甘味料アセスルファムKの後味が苦手だというツイートが話題だが、この甘味料に対する好き嫌いと、舌の苦味受容体の遺伝子多型が相関しているという研究がある。 nature.com/articles/srep3… の被験者のうちアセスルファムK嫌いと相関する遺伝子を両方の親から受け継いでいる人は1割くらいいて案外多い2022-05-16 13:33:43 しんじ@理科実験あそびプロジェクト復興のためお仕事承り中 @oekakimaestro ある種の人工甘味料はほとんどの人は平気だが苦く感じる先天的体質の人もいるという理解につながらず、アセスルファム苦手な人が偏食家扱いされたり、逆にあやふやな根拠で添加物全般を排斥する運動の鉄砲玉に利用されたりするのは、自然回帰と親からの躾を偏重しがちないわゆる“食育”の

Kohyoh Yang @00ur0b0r0s いろんな地域出身の人とお酒を飲んでいると、人よりも地域によって、お酒の強さがなんとなく違うような気がしていたら、実は本当にそうだったみたいで、酒豪遺伝子というのがあるらしい。そして近畿などかつての日本の中心から離れるほど、酒豪遺伝子の発現率が高まるらしい。 style.nikkei.com/article/DGXBZO… pic.twitter.com/Q6uhwO6Z6I 2021-11-09 22:20:35 Kohyoh Yang @00ur0b0r0s 酒豪遺伝子は元来型で1人の突然変異の下戸遺伝子が顕性的に広まった…下戸のアダムとイヴ 「人類はもともとはNN型でしたが、数千年前シベリア地方(あるいは東アジア)で一人の人間の遺伝子に突然変異が生じ、結婚等によりこれが東アジアに広がっていったと言われています。」 nta.go.jp/ab

【中国】 脳を発達させる遺伝子をサルに注入してリアル『猿の軍団』を作成中 昆明動物学研究所 1 名前:ニライカナイφ ★:2021/02/16(火) 17:56:19.01 ID:YZ9hJPHn9中国が猿の惑星を作ろうとしています。中国国営昆明動物学研究所の中国人遺伝学者BingSuは最近、脳を発達させるヒトMCPH1遺伝子をサルに挿入。Suの次の実験は人間の知性を司るSRGAP2C遺伝子と言語関連のFOXP2遺伝子をサルに挿入する事。中国のバイオテクノロジー開発はリアルに暴走中。 * * * 国営昆明動物学研究所の中国人遺伝学者であるBingSuは、最近 、脳を発達させるヒトMCPH1遺伝子をサルに挿入した。挿入は、その動物の知性を下等霊長類の知性よりも人間的にする可能性があります。 Suの次の実験は、人間の知性に関連するSRGAP2C遺伝子と、言語スキルに関連するFOXP2遺伝子

あなたがこの世にいたのなら、どうしても尋ねてみたかった。私たち人類に、なぜこのような運命を背負わせたのかと。今から4万年前、こつぜんと姿を消した古代人類がいた。ネアンデルタール人だ。40万~20万年前から進化を遂げ、筋肉質で今の人類よりも脳が大きかった。早い時期にアフリカを旅立ち欧州や中東に進出したが、10万年前に遅れて来た私たち人類(ホモ・サピエンス)の祖先に先を越されて絶滅した。そのネアンデルタール人の遺伝子が突如、現代によみがえった。【次回記事】ウイルスはサイコロを振る 文明の興亡、偶然が操る「現代人にネアンデルタール人の遺伝子が伝わり、新型コロナウイルス感染症で人工呼吸器を必要とするリスクを最大で3倍に高めている」。ドイツのマックス・プランク進化人類学研究所のスバンテ・ペーボ教授らは9月末、最新の解析結果を英科学誌「ネイチャー」で明らかにした。新型コロナの患者約3000人を調べたデ

サルの大脳新皮質、増大に成功 ヒト特有の遺伝子で―慶大など 2020年06月19日05時08分 慶応大などの研究チームは、高度な認知機能をつかさどる大脳新皮質を増大させるヒト特有の遺伝子を、小型のサルの一種コモンマーモセットに導入し、通常よりも新皮質を大きくすることに成功した。論文は19日、米科学誌サイエンスに掲載された。 ヒトの優れた認知能力は、チンパンジーの約3倍もある大脳新皮質によって支えられ、進化の過程で頭蓋骨に収まるよう「しわ」のような形で折り畳まれている。新皮質の増大は約100万年前の変異で獲得された、ヒトだけが持つ遺伝子「ARHGAP11B」の働きによることが分かっているが、同遺伝子を持たないヒト以外の霊長類でどのような働きをするかは分かっていなかった。 研究チームの岡野栄之・慶大教授らは、ウイルスを運び屋(ベクター)にする手法で、同遺伝子をマーモセットの受精卵に導入。胎児の

ヒトだけに存在する遺伝子をサル受精卵に組み込んだ結果、サル胎児の脳が肥大しヒト化した ARHGAP11B遺伝子は「知恵の実の遺伝子」である可能性がある 人類の先祖もARHGAP11B遺伝子を得たことで、ヒトへの進化がはじまった なぜヒトは巨大な脳を持っているのか? 研究者たちは、この脳進化における疑問に長年取り組んできました。 チンパンジーの遺伝子は人間と99%一致していることが知られていますが、ヒトの脳はチンパンジーよりも3倍大きく、構造にもかなりの違いがあります。 そのためドイツと日本の研究者は、ヒトとサルを分けた因子が互いに一致していない、残り1%の遺伝子の中にあるのではないかと考え、その中でも有力視されているARHGAP11B遺伝子をサルの受精卵に組み込みました。 まさしく知恵の実とも言える遺伝子を組み込んだ結果、サル胎児の大脳新皮質の厚さは2倍になり、人間と同じような脳のシワが生

植田日銀、「黒田日銀が購入したETFの売却に単純計算で100年以上かかるので最後まで見届けることはできない」と渾身のジョークを炸裂させる

ウシやブタの家畜について、オスとメスを比較的簡単に産み分けることができる技術を広島大学のグループが開発し、効率的な生産につながるとして関係者の注目を集めています。 オスとメスは、受精した精子に含まれる性染色体がY型だとオスになり、X型だとメスになりますが、これまで、高額な機器を使って含まれているDNAの量のわずかな差を計測する方法しかなく、産み分けを行うにはコストが高いため、あまり普及してきませんでした。 広島大学の島田昌之教授のグループが精子で働いている遺伝子を詳細に調べたところ、メスになる精子では免疫に関係するとされる「TLR7」と呼ばれる分子などがあり、オスになる精子にはこの分子がないことがわかったということです。 グループでは、この分子を目印にすると、オスになる精子とメスになる精子を試験管の中で簡単に分離でき、ブタではおよそ70%の確率で狙いどおりに産み分けることができたとしていま

リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く