ホーム > ニュース総合 > 特集・コラム > 数土直志の「月刊アニメビジネス」 > 【数土直志の「月刊アニメビジネス」】海外で「君の名は。」の興収を超えた「すずめの戸締まり」、新海誠のさらなる飛躍 ■新海監督作品で、海外最大ヒット 昨年11月11日に全国公開された「すずめの戸締まり」が、5月27日に終映となる。本作は東日本大震災を正面から取りあげたことで、新海誠の作風の変化を感じさせた。監督のキャリアのなかでも重要な転換点となった作品だ。 ビジネス面で注目されるのは、興行成績である。半年あまりの上映で国内興行収入は146.6億円(2023年5月14日現在、興行通信社調べ)で、新海誠監督作品で3作連続100億円超えを実現した。ただ前作「天気の子」の142億円は上回るが、06年の「君の名は。」の251億円からはだいぶ離れる。あらためて「君の名は。」は特別な映画だった印象が強く、新海誠のキャリ

ダメだろ、これ。 失敗の原因は5つ。 ①導入の失敗冒頭、どこか非現実的で、しかし東北の震災を思わせる風景はいい。 踏切を渡らない演出や、立ち入り禁止看板を乗り越えるところなど、日常へ行かず、非日常へ入っていくことを描写していくも、よくわからないまま立ち去り学校の日常描写→そして地震、なんか山から祟り神みたいなの出てる→再び廃墟へ。 ここが一つテンポが悪かったと思う。 どういう物語かを提示するという形で及第点ではあるが、特段面白くはない(わずか35秒で説明し、全く本編が面白くなかったソラとウミのアイダを見習ってほしい) その後、猫(ダイジン)を追いかけ、船に乗るというところまでが、序盤といっていいと思う。 気になるのはすずめが船に乗るのは自発的な意思に基づくものであって、君の名は。の不可抗力で入れ替わったこととは違う。 ここにご都合的な強引さを感じるのだ。 さらに致命的だと思うのが、ダブル主

東宝は11月14日、映画「すずめの戸締まり」の興行収入が公開から3日間で18億円を超えたと発表した。歴代の新海誠監督作品の中で最も早いペースだという。すずめの戸締まりは11日に全国420館で上映を開始。7日に実施したIMAX先行上映分を合わせ、累計133万1081人を動員した。 興行収入は18億8421万5620円。これは2016年公開の「君の名は」の1.5倍近い数字で(147.4%)、19年の「天気の子」も上回る(114.7%)。配給の東宝は「新海誠監督作品史上No.1のロケットスタートを記録した」としている。すずめの戸締まりは新海誠監督の8作目となる長編アニメーション映画。日本各地の廃墟で災いの元となる”扉”を閉めていく少女・すずめの成長を描く。公開前に本編冒頭12分をAmazonプライムビデオなどの有料動画サービスで配信したことも話題になった。 関連記事映画「すずめの戸締まり」

昨日11/13の日曜日に、IMAXで『すずめの戸締まり』を観てきました。育児でなかなか映画に行けない中で、公開直後に行かせてくれた家族に感謝……! せっかくなので感想をメモしておきたいと思います。 ■総評:いい映画でした 終わり良ければすべて良し 『すずめの戸締まり』というタイトル、一見すると後ろ向き、ネガティブなイメージになりえるものを、外=未来に向かっていくために必要な行為としてポジティブなイメージへとひっくり返すラストシーン、その演出とアニメーションが本当に素晴らしかったです!作品の構造的な美しさとぴったりとハマっていて、非常に良かった。あのシーンを観るためにもう一度劇場に行きたいですわ! 気になる点もある 一晩経って感想を読んだり考えたりして気になる点も出ているので書いておきますが、その前にネタ的なメモも書いておきます。 ■諸星大二郎原作という捏造された記憶 前作『天気の子』ではP

新海誠監督の最新作、『すずめの戸締り』をみました。『君の名は。』、『天気の子』を経て、それらの作品の主題系を継承し、さらにむき出しの作家性が露出した、そういう映画だったと思います。以下、感想。物語上の重要な仕掛けに触れています。 少女は夢をみていた。草原と廃墟の夢。母を探してさまよう。あてどなく心細げに歩く。誰かに出会う。そうして目覚める。生まれた地を離れ、母とも死に別れて叔母と暮らす現実にもどる。日本列島、現代。宮崎県の海沿いの街に住む高校生の少女、岩戸鈴芽は、登校中に不思議な雰囲気をまとう青年と出会う。廃墟を探しているという青年が気になり、そのあとを追って山上の廃墟にたどり着いた鈴芽はそこで不可思議な扉をみつける。廃墟のただなかの扉を開けると、そこには異界――ある種の人々は「とこよ」とよぶ――が広がっていた。ひとり廃墟で困惑する彼女は、地面に刺さった要石を引き抜いてしまう。それが大いな

まず結論を手短に。①「向こうへ行ってしまうシャーマン的なヒロイン」と「失い、思い、取り返そうとする男」、②現代日本の災厄と古来の神話伝承との接続、これが太い骨格になります。そこに、③思春期の切なさと…

節目は2012年。この年がどういう年かといえば、細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』があり、庵野秀明総監督の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』があり、長峯達也監督の『ONE PIECE FILM Z』があった――と固有名詞を並べれば、おおよその想像がつくのではないだろうか。 この年、スタジオジブリ作品が不在でありながら、アニメ映画の興行収入合計が初めて400億円を超えたのである。そしてそれ以降、アニメ映画の興行収入は400億円を下回ったことがなく、多い年では600億円を超えることもある。 この背景にシネコンの定着、アニメ映画の制作本数の増加といったビジネス状況の変化があることは間違いないが、それをここで論じるのは止めておこう。 ここでまず目を向けたいのは「スタジオジブリの90年代」「活況の10年代」の間に挟まれたゼロ年代であり、この時期は10年代を担う作り手たち、10年代を牽引するシリーズ

あいうち@サークルスイミー @Aiuti01 【プロイラストレーターが多用する明度彩度の領域】 複数人のプロイラストレーターの作品で、明度彩度だけサンプリングした結果、見えてきた明度彩度の傾向となぜその領域が使用されるかの分析をしてみた。 pic.twitter.com/mnJ4QY0cKY 2020-05-20 15:40:38 あいうち@サークルスイミー @Aiuti01 昨日バズった『プロイラストレーターが多用する明度彩度の領域』ですが、新海誠監督が使用する明度・彩度を調査した所、驚愕の事実が発覚。 商業イラスト(ソシャゲ・ラノベ表紙・キャラデザ)などを請け負うプロイラストレーターの方と、新海誠監督が多用する明度・彩度の領域がここまで違うとは… pic.twitter.com/Kn4msZqxse 2020-05-22 17:07:11

『第43回日本アカデミー賞』の授賞式が6日、都内で開催され、新海誠監督『天気の子』が最優秀アニメーション作品賞を受賞した。新海監督が同部門で最優秀賞を受賞するのは今回が初。 『天気の子』は、天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻ろうされる少年・森嶋帆高(醍醐虎汰朗)と少女・天野陽菜(森七菜)が自らの生き方を「選択」する物語。雨が降り続いたり、雨が上がって雲の切れ間から太陽の光が差し込んだり、新海監督の真骨頂ともいえる緻密で美しい空・雲・光の描写が際立つ。 前作の『君の名は。』(2016年)が『第40回日本アカデミー賞』でアニメ作品として初めて最優秀脚本賞を受賞したが、その年の最優秀賞は片渕須直監督の『この世界の片隅に』が受賞していた。 同作は最優秀アニメーション作品賞のほか、『君の名は。』に続いてロックバンド・RADWIMPSが最優秀音楽賞を受賞した。 優秀アニメーション作品賞はそのほか、
8月21日に興行収入100億円を突破した新海誠監督『天気の子』。 7月19日の公開日から33日間での100億円達成は、28日目で達成した『君の名は。』よりは遅いものの、かなり早いペース。そもそも邦画アニメで興収100億円を超えた監督は、新海さん以外には宮崎駿さんしかいません。映画『天気の子』の興行収入が100億円を超えたとのこと。邦画では『君の名は。』以来、3年ぶりだそうです。映画を支えてくれたスタッフの皆と、映画を観てくださった720万人の方々に心から感謝いたします。 そして偶然ですが、今日はヒロインの陽菜の誕生日です。おめでとう陽菜さん!笑 pic.twitter.com/1tLobg6Bvk —新海誠 (@shinkaimakoto) August 22, 2019 興行収入が250億円を超えた『君の名は。』の新海監督の最新作ということで、『天気の子』は大規模な宣伝展開となること

前作「君の名は。」とほぼ同じ「チーム新海」で挑んだ今作は、東宝初の「試写会ゼロ全国一斉上映」など様々なチャレンジを仕掛けている。裏側にいるのは、プロデューサーである古澤佳寛氏、川村元気氏が東宝を飛び出して設立した新会社STORYだ。 STORYは2017年9月に設立。古澤氏が代表取締役社長、川村氏が代表権を持つプロデューサーとなり、現在8人が所属する。古澤氏、川村氏は東宝からSTORYに出向し、東宝にも引き続き所属する。東宝は2018年3月にSTORYと提携し、一部出資するとともにSTORYの映像作品に対して優先的に交渉権を得た。 「君の名は。」に引き続き「天気の子」でもエグゼグティブ・プロデューサーを務めた古澤氏に、ビジネス面での挑戦とチーム新海の成長を聞いた。 公開から3日間の興行収入は「君の名は。」を29%上回る結果となりました。「歴代2位の次回作」として相当なプレッシャーがあったの

初回の感想こちら whiteskunk.hatenablog.com 2回目を観た直後に、映画の冒頭からラストまでの時系列に沿って感じたことをざっと思い出してメモしたもの。「どの場面がどのシーンの前/後に配置されてるか」がアホみたいにすらすらと思い出せたので、ちょっとした台詞や映し出される映像・場面のほとんどにストーリーライン上の必然性がある。 なお、映像から推測・判断できる情報だけを書き起こしたので、小説版を読めばわかる情報と齟齬があるかもしれませんがご了承ください。 ※2019/07/31 8:40:ブコメ指摘受けて一部表現変更。id:type-r さんありがとうございます。小説天気の子 (角川文庫) 作者:新海 誠発売日: 2019/07/18メディア: 文庫以下、重大なネタバレを含みます。 鑑賞メモ 家出をする理由を『キャッチャー・イン・ザ・ライ』だけで説明するのめっちゃくちゃ

アニメーション映画「君の名は。」が記録的なヒットとなった、新海誠監督。 3年ぶりとなる最新作「天気の子」が、7月19日から公開される。 「君の名は。」のあと一段と注目度が増した新海監督は、何を考え、どのような作品を作り上げていったのか。およそ1時間におよぶインタビューで監督が口にしたのは、「より批判される作品を作る」という強い思いだった。(科学文化部記者 岩田宗太郎 おはよう日本 ディレクター 白川貴弘)新海誠監督は、長野県出身の46歳。平成14年に短編作品「ほしのこえ」をほぼ1人で作り上げてアニメーション監督としてデビューした。 平成28年に公開された「君の名は。」は、興行収入250億円、観客動員数1900万人の記録的ヒットとなった。インタビューは、3年ぶりとなる新作「天気の子」の公開を目前に控えたある日、東京都内のスタジオで実現した。 今は完成直後、公開直前なんですが、大変落ち着かな

minoriの皆さま、長い間お疲れさまでした。 会社を辞めた時期にオープニング制作のお仕事をいただけたこと、そこで長編では出来ない様々な映像的トライをさせていただけたことは、僕にとって大きな財産です。たくさんの素敵なコンテンツをあ… https://t.co/AmoqLwWXlN
映画『天気の子』関連場所訪問(聖地巡礼)についてのお願い 拝啓 平素より格別のご愛顧をいただき、厚く御礼申し上げます。映画『天気の子』の本編中に登場する、または関連のある場所への訪問を予定されている皆様におかれましては、近隣住人の方々への配慮、及び節度のある行動、マナーに十分心掛けていただきますよう お願い申し上げます。 敬具 「天気の子」製作委員会 INTRODUCTION 今や、世界的に注目されるアニメーション監督・新海誠。 叙情的な男女の物語を、美しい色彩と繊細な言葉で紡ぎ出す“ 新海ワールド” は、 国内外問わず多くの人々に支持され、生み出された作品は高く評価されてきた。 そして、前作『君の名は。』から3年― 待望の最新作が、ついに始動する。 新作『天気の子』は、天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄される少年と少女が自らの生き方を「選択」するストーリー。 東京にやってきた家出

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