このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 英ケンブリッジ大学と米Metaに所属する研究者らがNature Communications誌で発表した論文「Resolution limit of theeye - how many pixels can we see?」は、人間の目はどこまで解像度を見分けられるのかという限界値、いわゆる「網膜解像度」が、従来信じられていたよりも高いことを明らかにした研究報告だ。 人間の眼がどれだけ細かいものまで見分けられるかという問題は、ディスプレイ技術の発展にとって根本的な問いである。これまで視力検査の基準として使われてきた「20/20視力」(日本でいう1.0

だが、任天堂によれば、Switch 2にあらかじめ貼られているフィルムは、梱包用ではなく、本体を守るための大切な部品だという。この注意は『Nintendo Soup』を通じて広まり、各ゲーム系メディアでも大きな話題になっている。 その理由とはSwitch 2の公式取扱説明書によると、このフィルムは「飛散防止粘着フィルム」と呼ばれ、万一ディスプレイが割れたときにガラス片が飛び散らないようにする重要な役割を担っている。つまり、このフィルムは単なる包装材ではなく、れっきとした安全装置なのだ。 スイッチ2 ガラス保護フィルム(価格をAmazonでチェック) シートを剥がすのは、多くの人にとって新品を手にした喜びを感じる瞬間のひとつだ。しかし、今回はそれが逆効果になる可能性がある。このフィルムを剥がすことで、思わぬケガをしたり、最悪の場合、本体の耐久性が著しく低下してしまう恐れがある。 また、Sw

2005年9月、旧富士通テン(現デンソーテン)は運転席と助手席から異なる映像を見ることができる「デュアルディスプレイ機能」を搭載したカーナビゲーションシステム「ECLIPSE DUAL AVN」を発売しました。運転席向けに地図を表示しながら、助手席からはテレビなどの映像を視聴できる点が大きな特徴です。 そのディスプレイはシャープが手掛けました。2002年に開発した、左目と右目に微妙に異なる映像を見せる立体視ディスプレイの技術を応用しています。 当時のカーナビゲーションシステムは、映像ソフトの再生やテレビの視聴などエンターテインメント機能を充実させるのがトレンドでした。ただ、走行中は映像表示機能が制限されています。これではエンターテインメント機能が生かされていないのではないか……という点に着目し、デュアルディスプレイ機能が開発されました。 ECLIPSE DUAL AVNは後付け用として市販

この記事は、2024年10月28日発行の「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたEE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。 ※この記事は、「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」をお申し込みになると無料で閲覧できます。 半導体工場に向く? 液晶工場の転用は理にかなった選択肢 ここ1年ほど、液晶パネル工場の転用に関するニュースが目立つようになっています。例えばシャープは、2024年8月に稼働を停止した堺工場(子会社である堺ディスプレイプロダクトが運営)を、AI(人工知能)データセンターに転用することでソフトバンクと合意したと発表しました。 特に目立つのが、半導体製造の後工程への転用です。 まず、TOPPANがJOLEDの能美事業所を買収。次世代半導体パッケージの開発および量産ラインを構築する予定です。 関連記事 ディスプレイ
Appleが来年発売するiPhone SE第4世代は有機EL(OLED)ディスプレイを採用し、Appleが発売するiPhoneの全モデルがOLED搭載になり、日本のディスプレイメーカーがすべてiPhoneのサプライヤーから外れることをNikkei Asiaが報じています。 新しいiPhoneのイメージそれによると、OLEDディスプレイへの移行により、日本のパネルメーカーJapan Display(JDI)とSharpは、AppleのiPhoneサプライチェーンから除外されることになります。 JDIとSharpはかつてiPhone用ディスプレイで合計70%のシェアを持ち、2015年には年間約2億枚の液晶(LCD)パネルを供給していました。Appleは2017年にiPhone XでOLEDを導入後、AppleのハイエンドiPhoneモデルではLCDに代わってOLEDディスプレイを搭載するように

かつては世界を制覇していた液晶パネルの王者シャープが幕を閉じた。気が付けば中国が液晶パネルの世界トップを走っており、世界生産シェアの70%を中国製が占めている。トップ企業3社とも中国だ。 現状と、なぜこのようなことになったのかを考察する。 ◆世界のトップを行く中国の液晶パネル産業 2016年、シャープが台湾のホンハイ(鴻海精密工業)に買収され、創業以来、初めて社外の社長(鴻海グループ副総裁の戴正呉)が就任したときには日本の落日を思い知らされたものだ。今年5月14日、ホンハイの劉揚偉董事長がオンライン説明会で、シャープがテレビ向け大型液晶パネルの国内生産事業から撤退することを宣言した。 遂にあのシャープが液晶パネル産業から消える。 栄枯盛衰とは言うものの、時代が一つの区切りを迎えたことを突き付けてくる。 では、新しい時代では、いったい世界のどの国のどの企業が覇者となりつつあるのだろうか? 2

東京農工大学らは、情報通信研究機構の公募事業に採択され、「ホログラフィックコンタクトレンズディスプレイを実現する革新的基盤技術の開発」をテーマとした研究開発に共同で取り組む。 東京農工大学は2024年4月15日、徳島大学、早稲田大学、シチズンファインデバイス、シードと共に、「革新的情報通信技術(Beyond 5G<6G>)基金事業 要素技術・シーズ創出型プログラム」に関する情報通信研究機構(NICT)の公募事業に採択されたと発表した。2024~2026年度に「ホログラフィックコンタクトレンズディスプレイを実現する革新的基盤技術の開発」をテーマとした研究開発に共同で取り組む。 目標とするのは、次世代AR(拡張現実)技術のための、目に直接装着できるコンタクトレンズディスプレイ開発だ。研究では、ホログラフィックコンタクトレンズディスプレイ技術の最も基盤となるコア技術の開発を予定している。ホログラ

AppleがマイクロLED搭載「Apple Watch」の開発を中止か 戦略見直しを迫られたams OSRAM:8億ユーロを投資した工場は稼働目前だった ams OSRAMは、マイクロLED戦略の中核となるプロジェクトが「予期せぬキャンセル」となったことから、同戦略の見直しを行うと発表した。同社は顧客名を明かしていないが、市場調査会社などはAppleがマイクロLED搭載「Apple Watch」開発を中止したことによるものと見ている。 ams OSRAMは2024年2月28日(ドイツ時間)、マイクロLED戦略の中核となるプロジェクトが「予期せぬキャンセル」となったことから、同戦略の見直しを行うと発表した。同社は顧客名を明かしていないが、市場調査会社などは、AppleがマイクロLED搭載「Apple Watch」開発を中止したことによるものと見ている。 200mmウエハーの新工場「今後の利用

アマゾンジャパンは5月23日、新型タブレット「Fire Max 11」を発表した。Fireタブレットシリーズ初の11インチディスプレイを採用し、併せてシリーズ初のスタイラスペンにも対応する。価格は3万4980円から。 Fire Max 11は、2K表示に対応した11インチディスプレイ(2000×1200ピクセル)を採用。他のFireシリーズと比べてベゼルが薄くなっている。また、「Made forAmazon」に準拠したスタイラスペンを用意。USI 2.0規格に対応しており、ペアリング不要で使用可能という。ペンは単6電池1本で最大半年間稼働し、タブレット本体横にマグネットで固定できる。 これまで、Fireタブレットはコンテンツ消費用デバイスの側面が強かったが、ペン対応により、クリエイティブ用途でも使えるようになった。その他「Microsoft 365 Personal」の3カ月無料体験も付

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