私は虚構新聞が大嫌いなのだが、私の夫は虚構新聞を大好きで、虚構新聞を大嫌いな私の気持ちを解さない。 「騙されたからって、そんな怒るなや。ただのネタやん」 違う。私は虚構新聞に騙されたことなんて今の今まで一度もない。誓っても良い。一度たりとも騙されたことはない。 私が虚構新聞を嫌っているのは、虚構に騙された悔しさからではない。虚構新聞が弄する虚構の背景に漂う他者を小馬鹿にした感覚と、ユーモアの踏み込みの浅さが不快であり、尚且つそんなユーモアを面白がる夫のような人々のセンスが不快だからだ。虚構新聞はかつて自らを和製モンティ・パイソンであり、公人を対象にした風刺だと称していたように記憶している。 笑止千万だ。 私は中学生の時にNHKで放送されていたモンティ・パイソンの番組を観ていた程度なので彼らの熱心なファンではないし、さほど詳しくもないのだが、モンティ・パイソンと虚構新聞には雲泥の差があると

創作者がSNSで意見や情報を発信し、「作者の顔が見える」が当たり前になった今の時代。そんな中で「あえて発信しないこと」が持つ意味、ネットとの距離の取り方について、『鋼の錬金術師』『銀の匙 Silver Spoon』『黄泉のツガイ』などで知られる漫画家の荒川弘さんにお話を聞きました。 荒川弘(あらかわ・ひろむ)北海道生まれ。1999年、第9回エニックス21世紀マンガ大賞受賞。2001年から10年まで「月刊少年ガンガン」連載の『鋼の錬金術師』(全27巻/スクウェア・エニックス)は全世界でシリーズ累計発行部数8千万部。11年から19年まで「週刊少年サンデー」にて『銀の匙 Silver Spoon』(全15巻/小学館)、06年からエッセイ漫画『百姓貴族』(既刊8巻/新書館)を連載。最新作は『黄泉のツガイ』(既刊9巻/スクウェア・エニックス)。 <漫画で描いて発散しちゃってるんでしょうね> ――『

●ブルーメンバッハがヨーロッパ人の特徴を理想的に備えているとしてコーカサス型の代表に選んだ グルジア人女性の頭骨(左)と、モンゴル型の代表に選んだ北アジア人の頭骨(右) 人種というのは、アフリカで誕生した人類が進化の過程で地球上の各地に分布をひろげていったとき、 地域集団がそれぞれの自然環境に適応し、長期にわたってある程度の隔離を経験したために、身体形質に地理的な 変異を生じるに至ったものである。人種形成の要因には、自然選択(メラニンの量や体形など)と遺伝的 浮動(小集団における偶然による非適応形質の頻度変化)が挙げられるが、これらに加えて、ダーウィンも主張したように 性選択(選択結婚による外見上の人種差の強化)も作用したことが考えられる。 人種分化は、人類が小集団で狩猟採集生活を送っていた旧石器時代を通じて進行したと思われるが、分化が 生殖隔離(種分化)に至るまえに、新石器時代にはいって
リニア新幹線の屋根に格安座席「パノラマシート」を増設すべきだ――。こんな専門家の提言に注目が集まっている。開業する2027年には今以上のインバウンドが見込まれることから、訪日客の需要を満たすために座席数を増やす必要があると主張する。 パノラマシート設置案を自身のブログに掲載したのは、鉄道専門家の覆田線転(ふくだ・せんてん)さん。提案は各車両の屋根部分に360度景色を楽しめるパノラマシートを120席程度設置するという内容。普通席やグリーン席に比べて前後の座席間隔は狭くなるが、時速500キロを超えるリニアならではのスピード感を全身で満喫できる利点があるという。 パノラマシートの乗客には、風雨やバードストライク対策として、乗車前にゴーグルと防弾チョッキを配布。座席下には緊急脱出用の小型パラシュートと、衝突した鳥を介抱するための救急箱を収納することで、非常事態への備えも万全になるという。 覆田さん

電気自動車(EV)への移行が世界的に加速する中、出遅れを指摘される日本の自動車メーカー各社が、運転席のハンドルにさまざまな機能を組み込んだ「多機能ハンドル」の開発に注力している。長年培ってきた高付加価値戦略で、先行する欧米・中国メーカーとの差別化を図り、起死回生を狙う。 多機能ハンドルは、ハンドル部分に車内機能の各種操作ボタンを集約。オーディオだけでなく、エアコン、ナビゲーション、ヘッドライト、ウィンドウなど、従来運転席の周囲に配置されていたボタンも全てハンドル上にまとめた。 日本のお家芸である「充実した機能」も健在だ。ドリンクホルダー出し入れボタン、採点機能付きカラオケボタン、ハンドルに内蔵したカメラで撮影した運転手の写真や映像をボタン1つでSNSに投稿できる「SNS一発投稿機能」も搭載する。 クラクションボタンも世界最多となる8種類を備え、好みの音色や声を割り当てることができる。歩行者

桃太郎は5日、鬼退治の効率化を図るために、全お供の約67%に当たる犬とキジを解雇したことを発表した。両名に対して「感謝の意を表する」としながらも、「時代の変化に対応するためには、人員の見直しが必要だった。今後はAIを効果的に活用していく」と説明した。 桃太郎は、鬼退治の業界でトップの地位にあるが、近年は競合他社の台頭や消費者のニーズの多様化により、業績が低迷。これまで犬とキジと共に鬼ヶ島に渡り、鬼たちと戦ってきたが、「時代遅れで非効率的だ」と、従来の方法を自己批判した。 今後について「最新の技術や戦略を取り入れて、鬼退治の品質とスピードを向上させる」と宣言。ドローンやAIなどを活用して、鬼ヶ島への移動や鬼たちの位置把握などを効率化するという。また、鬼退治の対象も「単に暴れるだけの鬼ではなく、社会的な問題を引き起こす鬼や、人間に擬態した鬼など、より高度な鬼にも対応する」と述べた。 一方、解雇

2020年3月、江戸時代後期の椿井政隆という人物が作った偽の家系図や絵図など「椿井文書」と呼ばれる一連の偽文書(ぎもんじょ)についてまとめた『椿井文書――日本最大級の偽文書』(中公新書)が出版され、話題を集めました。椿井文書の実体と、それを根拠に町おこしが行われている実態を明るみにした同書は「新書大賞2021」3位にも選出。歴史の嘘が真実へと置き換わっていくことについて、著者の大阪大谷大学・馬部隆弘准教授に話を聞きました。 「椿井文書」は山城国相楽郡椿井村(現在の京都府木津川市)出身の椿井政隆(1770~1837年)が、中世の地図や絵図、家系図と称して偽作した文書の総称。現在の滋賀県北部から京都南部、大阪まで数百点が広く流布した。代表的なものとして、興福寺(奈良県)の末寺をリストにまとめた「興福寺官務牒疏(こうふくじかんむちょうそ)」がある。 <名前を見ただけでむず痒くなりますね> ――「

西久松吉雄 氏(成安造形大学名誉教授) 日本画家・浜田市立石正美術館館長 京都日本画家協会副理事長・創画会会員 西久松氏は日本画家として「古の贈り物」をテーマに、古墳・社・樹木・岩石のある風景を制作。数々の受賞を重ねるとともに、島根県にある浜田市立石正美術館館長として、日本画家石本正氏の作品を中心とした展覧会や館運営のほか、地域貢献や教育連携などに取り組まれています。また本学においても教員として日本画を専攻する学生の指導や育成にご尽力いただき、2018年度より本学名誉教授に就任されています。本年度からは美術領域の特別講義をご担当いただく予定です。 [西久松吉雄氏 略歴] 1952年京都市に生まれる。1979年京都市立芸術大学美術専攻科日本画専攻修了。在学中より創画展に出品する。1979年京都日本画美術展で新人賞を受賞し、京都府から海外研修に派遣される。1994年京都新聞日本画賞展大賞、1

日米ほか8カ国からなる有志連合軍は3日早朝、瀬戸内海の鬼ヶ島の軍事施設に対し、ドローン(無人攻撃機)を使った限定豆空爆を行ったと発表した。同日未明、鬼側が本土に侵攻する兆候を見せたことへの対抗措置。この攻撃で鬼側に多数の負傷者が出た模様だ。 作戦を指揮した桃岸太郎司令官によると、節分出兵の準備中だった鬼の待機施設16カ所を標的に、午前5時から6時にかけて3回に分けて豆空爆を実施。誘導型大豆ミサイルと誘導型落花生ミサイルをドローンから発射した。作戦は予定通り終了したという。 豆空爆の背景には、この数年高まっていた人間側と鬼側の緊張関係がある。 人間側は鬼と共に邪気を追い払うため、手を使った豆まきを長年行ってきた。しかし、長引く不景気やコロナ禍など邪気の滞留が続いていることから、有志連合に加わる日本政府を中心に「日常を取り戻すには、本拠地・鬼ヶ島に侵攻して鬼を根絶やしにしするしかない」という先

マネたま > インタビュー > 変わり種マネジメント >炎上させないのは意外と簡単!?虚構新聞に学ぶ、炎上とフェイクニュースが蔓延る時代に必要なネットリテラシー 「円周率、割り切れた」など、Twitterで流れてきたニュースの見出しに驚いて記事を読んでみると、そのネタ元が「虚構新聞」だった。そんな経験はないでしょうか? 微妙にありえそうで、でもやっぱりありえない。そんな虚構のニュース記事を10年以上にわたって書き続けている「虚構新聞」。その主催者UKさんに、フェイクニュースが蔓延る時代の真実の見抜き方や炎上を防ぐ方法など、現代のネットリテラシーについて伺いました。 ネットリテラシーは、個人や法人を問わず、情報を発信する側にとって必須のもの。発信する情報の、ある意味マネジメントともいえます。4月に入り、SNSやメディアを使って情報発信する現場へ配属される方もきっと多いはず。そんな方の役に

漢 字 「 傘 」 な ど 使 用 自 粛 要 請 を 検 討 社 会 的 距 離 確 保 で き ず こ れ は 嘘 ニ ュ ー ス で す 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 対 策 と し て 、 「 傘 」 や 「 卒 」 な ど 一 部 の 漢 字 に つ い て 、 政 府 が 使 用 自 粛 の 要 請 を 検 討 し て い る こ と が 1 0 日 ま で に わ か っ た 。 こ れ ら の 漢 字 は 、 中 に 含 ま れ る 「 人 」 と 「 人 」 と の 間 隔 が 狭 く 、 感 染 防 止 に 必 要 な ソ ー シ ャ ル ・ デ ィ ス タ ン シ ン グ ( 社 会 的 距 離 ) が 確 保 で き て い な い こ と が 主 な 理 由 。 自 粛 要 請 の 対 象 と す る 漢 字 は 「 傘 」 「 卒 」 「 俎 」

『虚構新聞』、ご存知ですか。 その名の通り、虚構な記事ばかりがアップされるインターネット新聞なのですが、その記事は虚構だけあって、パロディやジョーク、フェイクなどで彩られています。つまりは嘘。 Kyoko Shimbun News(虚構新聞社) 最近では、とくにある商品のフェイク記事を書いたらメーカーが本当に作っちゃって謝罪するなんてこともあって愉快。 この『虚構新聞』の趣旨は、それで世の中を笑っちゃおうということなんでしょうけども、ときどき「え?マジ?」と本気になっちゃうことがあります。 そんなときは、ちょっとくやしい。 釣られる経緯 もちろん、『虚構新聞』のサイトから記事を読んでいる分には釣られるなんてことはありませんよ。だって『虚構新聞』を読んでいる自覚がありますからね。 そうじゃなくて、『虚構新聞』の記事ってときどきはてなブックマークのホッテントリに入ることがあるんです。主におもし

2015年2月17日付の掲載記事「日本の「謙虚」、海外アピールに200億計上」につきまして、経済産業省が16年7月からクールジャパン戦略「世界が驚く日本」として、類似の政策を行っていることがわかりました。虚構世界の現実を伝えることを目的とする本紙におきまして、記事が一部現実化してしまったことを、関係者と読者のみなさまに深くおわびいたします。 「産経新聞」4月2日付記事「経産省の「日本のすごさ」まとめた冊子「世界が驚くニッポン!」が炎上」によると、経産省「世界が驚く日本」研究会が3月8日に公表したコンセプトブック「世界が驚くニッポン!」に「自然との同化感覚が、自然の恵みに感謝し、謙虚であろうとする道徳、倫理観にもつながっている」という日本人の謙虚を海外に大きく発信する内容が含まれていました。また、同紙ではこの冊子について「ウェブ上では「謙虚さを世界に知らしめるってもはや謙虚じゃない」などとい
Kyoko Shimbun News(虚構新聞ニュース)は、虚実の狭間を行き交う可能性世界の事件を報道するニュースサイトです。 当サイトは現実のニュースをパロディにした諷刺・皮肉が開設の目的であり、この記事を通じて元ネタである世の諸事象に関心を抱いていただきたいと思っております。 当然のことながら、弊社が取り上げるニュースはすべて虚構のものであり、現実の人物・事件・団体とは関係ありません。また、閲覧者を騙して喜ぶ、世間を騒がせるというような悪意も持っておりません。 まれに弊社の報道を現実のものと誤解される方がいらっしゃるようですが、冷静な判断力を持って記事をお読みになられますよう、厚くお願い申し上げます。 ◆記事引用の際のルール (1)本紙記事の引用・印刷・スクリーンショット等、二次配布によって生じる可能性のある不利益・損害について、本紙は全く関知しません。すべて引用(印刷)者の責任でお願
24日付本紙記事「まるで本物 ステーキさいころ、来月発売」にて取り上げた「樹脂製サイコロ肉風さいころ」がすでに存在しているとの情報が、掲載後本紙編集部に多数寄せられました。 編集部で事実関係を調査したところ、当該製品がすでに2011年の段階で存在しており、またそれ以外にも類似の商品(ストラップ)があることも確認されました。これを受け、編集部ではまもなく緊急の会議を招集し対応を検討いたしました。 その結果、今回の記事は「事前の取材活動が不十分だったことによる完全な誤報である」と結論付けました。読者のみなさまにお詫び申し上げます。 昨年3度の誤報記事を配信したことを重大に受け止め、今年は記事制作において細心のチェックを心がけてきましたが、今回このような失態を犯してしまったことは甚だ残念と言うほかありません。 今回の誤報確認に至るまでの経緯、ならびに記事執筆に当たった本紙社主UKへの聞き取り調査

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