「読んだ本の感想をnoteに書いてみませんか?」 と、noteを立ち上げるとまず書いてあることに、今更ながら意識がいった。 読んだ本の感想をnoteに書こうとしていたから。 正確には「読んだ」ではなくて「読んでいる」だけど、一つの本を読んでいる途中に別の読み始めて、気づいたら六冊同時に読んでいて頭が混線してきた。だからと言うわけでもないが、最近の読書事情について書く。 この前「モダニズム」について書いた割には、「モダニズム」についての本を恥ずかしながら大して読んでない。学ぼう。というわけで、kindleに入っている、数年前に一応全部読んだけどほとんど内容を覚えていない『モダニズムのハードコア』を開いた。 アートを中心に、モダニズムの可能性を改めて検討しようとする1995年出版の本書において、クレメント・グリーンバーグの論文「モダニズムの絵画(Modernist Painting)」が載って

さまざまな交通機関が発達した現代でも、人は日々歩き続けています。健康のために意識的に歩く人も多いのではないでしょうか。しかし歩くことにはそれ以上の可能性があります。時に、歩くことは芸術にもなり得るのです。今回のアート系YouTubeチャンネル「Little Art Talks」では、歩くことをアートにしてしまった5人のアーティストに迫ります。 「歩く」という行為が芸術にカリン・ユエン氏:1940年代に、パリで活動していた、国際的な前衛芸術家の集団や、思想家、文学者などが、「Derive」、つまり漂い、さまよい歩き、という概念を提示しました。シチュアシオニスト・インターナショナルという集団がこれに続きましたが、さまよい歩くという考え方は重要なコンセプトでした。 これは、周囲から及ぼされる個人の気持ちによって動かされ、都市景観の間を計画性なく歩き回ることと定義されます。そして、環境の調査をしな

「アートがわかる」とはどういうことかが分かる一冊。 著者はノーベル賞(医学・生理学)を受賞したエリック・R・カンデル。神経科学の教科書『カンデル神経科学』やブルーバックス『記憶のしくみ』の著者と言えば早いかも。 『なぜ脳はアートがわかるのか』は、お堅い教科書ではなく、現代アートを俎上に、認知科学、大脳生理学、医学から、美術史、美学、哲学まで、さまざまな知を総動員して、美的体験のメカニズムを解き明かしたもの。 ジャクソン・ポロックやアンディ・ウォーホルなど、アート作品が掲載されているのがいい。読み手は実際にそれを見ながら、還元主義的なアプローチで自分の美的体験を追検証できるような仕組みになっている。これから触れるアートにも適用できるので、いわゆる「応用が利く」やつ(この手法、『ブルーピリオド』の矢口八虎に紹介したい)。 フランシス・ベーコンの「顔」 この手法を、フランシス・ベーコンの作品を見

島根の美術教育関係者が集まって立ち上げた対話型鑑賞の普及に努める「みるみるの会」の活動情報をお知らせするブログです。 メチャメチャ長いですが、上坂会員の渾身のレポートです。気合い入れて読んでください。 その大野先生が27日28日に来県されます。今回は出雲地区をフィールドに活躍していただく予定です。興味のある方はご一報ください。詳細をお知らせします。 では、上坂会員のレポートです。 平成25年2月23日 みるみるの会研修企画 講演 大野照文教授「脳美学 ~人はなぜ美しいと感じるのか~」 感想レポート みるみるの会 会員 上坂 美礼 はじめに みるみるの会(Art Communication in Shimane)は、島根県内の小中学校の図工・美術の指導力向上のために集った会員が、月に一度の例会を企画し、県内の美術館展覧会場を会場に、一般の観覧者を対象にした「対話型鑑賞」を実践することで、研修

PlCASSO : Man with aGuitar Oct.3.2017 こんにちは いよいよ中秋の名月が見られる頃になってきました あらゆる意味での「空気感」が, 個人的には たまらなく美的に思え, ひたすら愛でていたい時節です さて, 唐突ですが 今回はピカソについて卒直に思うことを お話ししたいと思います 小生はピカソの絵を見て, 一度たりとも 「美しい」と思ったことはありません 子どもの頃から家にあった画集を見て いつも必ず持ってきた感想, それも 未だに一切微動だにしない感想があります それは, 何これ!? です 美しい, きれい, 素敵といったことは全くなく, それでも, いつでも, どこでも, えっ!? と思わせてくれる 脳でいうと爬虫類脳というか,本能的に揺さぶられる何かを感じざるをえないのです 他に見たことがないというか 誰もやったことがないというか 誰も真似られな

知的障害のある作家と契約してアート作品の企画・商品化を行っている企業「ヘラルボニー」が、2023年1月、東京・千代田区の霞ケ関駅などにポスターを掲載した。大きく書かれたのは「鳥肌が立つ、確定申告がある。」の文字。 ヘラルボニー契約作家、小林覚(こばやし さとる)さんにまつわる実話を元に制作されたものだ。 ■音楽と絵が大好きな幼少期──自閉症は「わがままに育てた結果」と思われて…覚さんは1989年に岩手県で生まれた。歌の歌詞をモチーフにした作品などを発表している覚さん。母親の眞喜子さんによると、幼いころから音楽と絵が大好きだったという。 母・小林眞喜子さん 「少しも落ち着きがなくて、絵を描いているか、ものを食べている時以外は走り回っていました。だから、『ほら描きなさい描きなさい』って、いつも鉛筆やクレヨンを与えていました」 「NHKの『みんなのうた』が大好きで、アルファベットの歌とかを歌いな

この記事の内容の信頼性について検証が求められています。 確認のための文献や情報源をご存じの方はご提示ください。出典を明記し、記事の信頼性を高めるためにご協力をお願いします。議論はノートを参照してください。(2008年11月) この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方) 出典検索?: "芸術" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE ·NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2013年11月) 神奈川沖浪裏、日本の画家 葛飾北斎、東洋文化における芸術の一例。 モナ・リザ、有名なイタリアの画家レオナルド・ダヴィンチの作品、西洋文化の芸術の古典的な例。 芸術(げいじゅつ、旧字体: 藝術󠄁)またはアート(希: (η) τέχνη, t
近年、展覧会などで注目されることの多い作品、インスタレーション・アート(以下、インスタレーション)。皆さんはインスタレーションというアート分野をご存知でしょうか。今回は、見ているお客さんを取り込み、空間を一つのアート作品として表現する「インスタレーション」についてご紹介していきたいと思います。 編集・執筆 / ARAAKEMAYU, AYUPYGOTO インスタレーション( Installation )とは、インスタレーション・アートの略で、分野としてはデザインではなくアートの分野になります。絵画・彫刻・映像・写真などと並ぶ現代美術における表現手法の一つといえます。インスタレーションでは空間全体が作品になっていることから、その作品に全身を囲まれて空間全体を「体験」することができます。作品を見る人が、その空間を体験(見たり、聞いたり、感じたり、考えたり)する方法をどのように変化させるかを要

コロナショック以降、不安と恐怖を感じながら粛々と暮らす日々が続いている。そんななかで、音楽をはじめとする芸術、文化、エンターテインメントに癒され、元気づけられた人は多いのではないだろうか。 日本では戦中戦後にかけて、「アートなんて贅沢だ! そんなものは衣食住が揃ってからにしろ」という風潮があった。現在でも、私の暮らすイギリスや欧州諸国と比べると、まだまだ「アートは趣味の延長」程度にしか認識されていないと感じることもある。 しかし、本当にそうなのか。アートは経済が安定しているときだけに享受することができる贅沢品なのだろうか。 「対人関係のストレス」が激減 一般的に、経済が減速し、失業率が上昇すると自殺者が増えるといわれている。日本では緊急事態宣言前、コロナ感染による死者数よりロックダウンで経済活動が止まることで自殺者が増えるのではという懸念が議論された。しかし、事実上のロックダウン真っ只中だ

diatxt. 連載: アート・カウンターパンチ diatxt.ってのは、京都芸術センター(いまはじめてウェブページを見たが、おおお、かっこいいではないか! 最近の美術館とかの、バカの一つ覚えみたいなガラス張り建築でないだけでポイント高いね)が出してる季刊の芸術雑誌みたいなもので、8号まで出たところでなんかてこ入れをってことで紙面刷新して外に出して 2 年は好き放題やっていいという話になったんだって。それでぼくのところに連載しろという依頼がきた。なんか知り合いから話がまわってきたような記憶もあるけど、忘れた。 一応、芸術雑誌なんでアートとか芸術とかその手の話にからんだようなことであればなんでも書いていい、ということだったので引き受けた。マイナーな雑誌だから、だれの目にも入るまいっつーのもあってお気楽だったし。ちょうどいくつか、アートの役割とかいったことで考えてたこともあったし。1回40
「クリエイティブの授業」という本にクリエイターのための名言が多数収録されていたのでメモがてらご共有。 steal like an artist(アーティストのように盗め) 「芸術とは盗むことだ(パブロ・ピカソ)」 「未熟な詩人はまねるが、熟練した詩人は盗む。無能な詩人は盗んだものを壊すが、有能な詩人はより優れたもの、少なくとも違うものへと変える。つまるところ、有能な詩人は、盗んだものを盗む前とはまったく異なる、独特な雰囲気に変えてしまうのだ(T.S.エリオット)」 「僕がじっくり鑑賞するのは、盗めるところがある作品だけだね(デヴィッド・ボウイ)」 「オリジナリティとは何か?バレない盗作である(ウィリアム・ラルフ・イング)」 「何かを”オリジナル”と呼ぶやつは、十中八九、元ネタを知らないだけなんだ(ジョナサン・レセム)」 「自分の感性と共鳴するもの、想像を掻き立てるものなら、どんなものからで

僕は美術に関して素人である。素人であることを発言の内容に対する免罪符にするつもりはない。素人ではあるが、素人なりに美術を楽しんできたつもりである。門外漢であるが、門外漢であるが故に、言えることはあるだろう。特に、コンセプトや開催概要、理念などについては、色々と言える部分があると思う。一応、文章を吟味=クリティークし、価値判断を下すということで、お金をいただいているわけであるし、その方法論について、多少は勉強する機会もあったのだから。 問題にしたいのは、札幌ビエンナーレと、そのプレ企画の「表現するファノン――サブカルチャーの表象たち」についてである。とは言え、「問題にする」あるいは「批判する」ということを、ネガティヴな意味で捉えていただくと、意味が違ってくる。人が批判、あるいは批評をするとき、その基本的な動機には二つのパターンがある。1、ある期待のラインが高いので、それに向けて鼓舞したいとき
前の記事 有名美術館をバーチャル体験『Googleアート』 「融合」と創造性:複数の世界を生かす人々 2011年2月 4日 サイエンス・テクノロジー コメント: トラックバック (0) フィードサイエンス・テクノロジー Jonah Lehrer 左側がオス、右側がメスという「雌雄モザイク」のモルフォチョウ標本。ハーバード博物館に勤務していたナボコフのお気に入りだった。画像は別の日本語版記事より 作家ナボコフは、ハーバード大学博物館に勤務する蝶の研究者でもあった。 [ウラジーミル・ナボコフは、小説『ロリータ』で有名な作家。1899年生まれで、鱗翅目研究者としては、ハーバード大学とコーネル大学の研究所で、シジミチョウの分類学的研究等を行なっていた] 最近、ナボコフが『Polyommatusblue』という蝶の進化に関して1945年に発表した仮説[旧大陸から新大陸に移住したという仮説]が正し
イタリアの首都ローマ(Rome)の外国人特派員クラブで、モナリザ(Mona Lisa)のモデルに関する研究ついて発表する同国文化財委員会の委員長、シルヴァーノ・ヴィンチェッティ(Silvano Vinceti)氏(2011年2月2日撮影)。(c)AFP/VINCENZO PINTO 【2月3日 AFP】ルネサンス期の巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)の名画「モナリザ(Mona Lisa)」のモデルについては諸説あるが、イタリア美術界の謎解きを専門とする研究家らが2日、ついにその正体を突き止めたと発表した―─しかも、モデルは男性だという。 イタリアの文化財に関する委員会を率いるシルヴァーノ・ヴィンチェッティ(Silvano Vinceti)氏らは、ダ・ヴィンチは自分の弟子で同性の愛人だった可能性のあるサライ(Salai)という人物から大きなインスピレーションを

絵っていうのは静止画だからどうしてもある一場面しか描けないわけだが、描きたい主題はやはり物語の一部なわけで、だからその前に何が起こり、その後に何が起こるのかをも描き入れたくなっちゃうのは画家の宿命。 それは14世紀~15世紀頃だといくつかの場面を無理やりひとつの画面に収めることで表現するのが通例で( "continuous narrative" と呼ぶ)、枠線のない漫画のように、同じ人がひとつの絵に何度も出てきたりする。

「院に進む人が少なくなってね、TA(ティーチング・アシスタント)のバイトやる子もなかなかいないんですよ」 昨日大学の研究室で、来年度から同じ科目をクラス別で担当することになっている教授が言っていた。芸術大学でも院進学者が減っており、学部で出てさっさと就職したいという学生が増えている。もともとデザイン学部はその傾向があったが、それが全体的になっているようだ。 以前長らく予備校講師をしていた関係で知ったのだが、芸術系の大学ではもう20年以上前から、どの学部や科も女子が多くなっている(たぶん文学部などもそうではないかと思う)。東京芸大は昔から男子が多かったが、今は男女比逆転しているかもしれない。仕事で行っている地方の私立芸大など、ほとんど女子大である。 「大学出たら自活していかないと」というプレッシャーが女子より強い男子は、芸術大学などに進むこと自体、自分で自分の首を締めるようなものだと考えるの
1リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く