ARTMEDIA(TOP) > 【国立西洋美術館初収蔵】アクセリ・ガッレン=カッレラとは何者か?2022.05.27 【国立西洋美術館初収蔵】アクセリ・ガッレン=カッレラとは何者か? アート 展覧会レビュー 美術解説2022年4月9日(土)、国立西洋美術館(東京・上野)のリニューアルオープンに際し、にわかに注目を集めている画家がいます。彼の名はアクセリ・ガッレン=カッレラ。日本人の多くが聞き馴染みがないでしょうが、それもそのはず、彼は北欧フィンランドの出身なのです。現在、フィンランド人にとって国民的画家とも称されるガッレン=カッレラ。そんな彼の作品が初めて国立西洋美術館に収蔵され、現在開催中の展覧会『自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで』でお披露目されています。そうそうたる西洋美術の巨匠に並んで御目見する北欧の雄ガッレン=カッレラとは何者か。今日は簡単にご
この絵巻の魅力は,①信貴山の僧,命蓮(みょうれん)をめぐる摩訶不思議なストーリー,②絵巻という画面形式の中で展開される,巧みな場面レイアウト,③登場人物の生き生きとした感情描写,という3つが挙げられるでしょう。 絵巻は,広げると何メートルにもなりますから,絵巻全巻を一度に見られる機会は,そうそうありません。今度の展覧会では,国宝信貴山縁起絵巻全三巻の全ての場面を,展覧会の全期間見られることになりました。これは初めてのことです。全長35メートルという絵巻です。こういう形で見る機会はめったにないでしょう。 この展覧会の見どころは,それだけではありません。「粉河寺縁起絵巻(こかわでらえんぎえまき)」(和歌山・粉河寺蔵)「地獄草子」「辟邪絵(へきじゃえ)」(奈良国立博物館蔵)といった平安時代の国宝絵巻が大集合する絵巻ファン垂涎の展覧会なのです。(こちらの絵巻は展示期間が限られていますので御注意くだ
ターナーの絵画は、見る人に強い印象を与えること間違いなしです。 その技術と表現力は、絵画の歴史において非常に重要な位置を占めています。 「カルタゴを建設するディド」:古代の夢想 カルタゴを建設するディドの物語は、古代のロマンを感じさせます。 このテーマを描いたウィリアム・ターナーの絵画作品は、有名で歴史に残る作品です。 絵の具の層や混色の技術を駆使し、幻想的な景色を生み出したターナー。 彼の筆から生まれる光は、まるで時間を超えて古代カルタゴの朝日を現代にもたらすかのよう。 ターナーの作品には、ただ美しいだけでなく、当時の社会や人々の思いが込められています。 それを理解することで、絵画はさらに深い意味を持ちます。 古代の夢想を現代に伝えるターナーの絵画。 その魅力は、今もなお色褪せることはありません。 「トラファルガーの戦い」:英国の誇り トラファルガーの戦いは、1805年に起こった英国とフ
東京・上野の国立西洋美術館で3月12日から企画展『ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?——国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ』が開催されている。同館において初めて現代美術を軸に据えた展覧会であり、同館が現代作家の糧となってきたかを検証するという自省的な問いがテーマとなっている。そのため同館だけではなく、美術館という存在や美術界そのものについて切り込むような作品も並んでいる。企画者で同館主任研究員の新藤淳さんに、企画展の出発点をはじめ、作品や作家から受け取った課題、そして国立西洋美術館の存在意義などを語ってもらった。 ―国立西洋美術館は現代のアーティストを触発してきたのか? という問いが今回の展覧会の主題だったと思います。このような自己言及的なテーマにした理由や背景を、あらためて教えてください。 新藤:国立西洋美術館は主に中世から20世紀前半までの西

ジョルジュ・ピエール・スーラ(1859年12月2日-1891年3月29日)はフランスの画家。後期印象派の代表的な画家で、また新印象派運動の創設者。分割主義や点描主義という革新的な絵画方法を使ったことで評価されている。 彼の合理的で数学的なものへの激しい情熱は、それまでの印象派のような瞬間的情景を再現するものではなく、構図、色彩、光などの緻密な計算によって絵画を作り上げることになった。 また新印象派を立ち上げこれまでの近代美術の方向性を変え、19世紀絵画のイコンの1人となった。代表作は点描法を用いて描いた「グランド・ジャット島の日曜日の午後」で新印象派、ポスト印象派の時代のフランス絵画を代表する作品となった。 ジョルジュ・スーラは、1859年12月2日、パリのレナ・ブーランジェ通りの家で生まれた。スーラ一家は1862年か1863年にマゼンタ通りの家に移った。 父アントワーヌ・クリュソストモス

ムサビの先生方がお勧めする”美大生なら読んでおいてほしい本”、第15回目は、画家、美術批評家の松浦寿夫氏です。2021年度まで本学美学美術史研究室の教授を務めていらっしゃいました。 イメージライブラリーの映像資料もご紹介いただいています。図書館では共通の分類法に基づいて図書の配列が行われています。これに対して個人の蔵書は多くの場合、個々の関心領域によって独自の配列のもとに組織されています。そして、隣接関係の変化によって同じ図書がまったく異なった相貌を露わにすることもあります。まったく無関係にみえる対象との隣接性こそが発見の好機ともいえます。ここでは、いくつかの教育的な隣接関係を提示しますが、当然のことながら、この隣接関係は解体されることを求め、新たな編成に開かれ、またそれを待機しています。

都内で予定の「表現の不自由展」にまた妨害──憲法によって言えること・言えないこと6月25日から東京・新宿区のギャラリーで開催予定だった企画展「表現の不自由展・その後 TOKYO EDITION+特別展」が、会場での妨害行為などによって会場変更を余儀なくされた。表現の自由をも揺るがすこの状況を受け、いま何がなされるべきか? 武蔵野美術大学教授で憲法研究者の志田陽子が論じる。 文=志田陽子 会場変更を余儀なくされた 「表現の不自由展」 6月25日から東京・新宿区のギャラリーで開催される予定となっていた企画展「表現の不自由展・その後 TOKYO EDITION+特別展」の会場で妨害行為が続いているとして、同企画展の実行委員が10日、都内で緊急記者会見を開いた。 この企画展は、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で抗議が殺到し中断された企画展「表現の不自由展・その後」を再構成した内容だという

美術館は「不要不急」なのか? 日本博物館協会専務理事・半田昌之に聞く、ミュージアムの現状と課題3度目の緊急事態宣言が延長されるなか、美術館界では国立と都立でその再開をめぐり混乱が生じた。文化庁はミュージアムでの安全性を主張し、休館に合理性がないとする。いっぽうで都は人流抑制のために休館を要請したが、劇場など他の施設における対応との整合性がとれていない。こうした状況を踏まえ、ミュージアムをめぐる状況はいまどうなっているのかについて、公益財団法人日本博物館協会の専務理事・半田昌之に話を聞いた。 聞き手・文=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長) 現場の声が届かない政策決定──今回の緊急事態宣言も、大方の予想通り延長されました。そのなかでも想定外だったのが、ミュージアムの再開をめぐる国と都の対立です。国は美術館・博物館を再開させようと発表までしましたが、都がこれにストップをかけた。かなりの混乱が

(CNN) 芸術家は、精神的な病を抱えるくらい他の人たちよりも多感なものだと思われてきた。実際、画家モンクの幻視やゴッホの自殺など、天才と狂気が紙一重に同居していることを示唆するエピソードは多い。 一見俗説のようだが、最近の研究によって、そうした見方にも一定の意味があることが分かってきた。創造性のあるところに、狂気が潜んでいるといえるのかもしれない。 創造性と精神疾患には、果たしてどこまで関連があるのだろうか。 心理学者は以前から、精神疾患と創造性のつながりを研究してきた。初期の基礎的な調査では、文学者や画家を含む著名人が研究対象となった。 こうした研究では、創造的な人々は気分障害の発症率が著しく高いことが分かった。有名なのは米詩人シルビア・プラスで、2人の子どもが寝ているさなか、オーブンに頭を突っ込んで自殺している。 このように精神疾患と創造性を関連づける研究には、批判も付いてまわる。傑

三岸好太郎(1903~1934没、享年31才)と三岸節子(1905~1998没、享年93才)は、画家夫婦でした。 私は、同じ屋根の下で暮らす夫婦が、共に画家であるのは、至難の業(わざ)であろうと推察します。 さらに、お互いの絵にとっても百害あって一利なしではないかと思います。 そう考えると三岸好太郎と節子夫妻が、共に画家として美術史に名を残す質の高い絵を描いたのは、奇跡に近いと言えるでしょう。 だが、二人が夫婦として同じ屋根の下で生活したのは、短い期間でしたので、夫婦画家としての至難の業をクリアした奇跡の事例とは言えないでしょう。妻三岸節子の人生には、女として母としての艱難辛苦(かんなんしんく)の前半生と、画家として活躍した後半生の、二つの人生がありました。 節子は、1905年岐阜県一宮市の資産家に生まれますが、彼女の人生は、いつも辛い方へ苦しい方へ展開していきました。 新進気鋭の画家三

『貴婦人と一角獣』連作、パリ中世美術館での展示室 貴婦人と一角獣(きふじんといっかくじゅう、フランス語: La Dame à la licorne)は、フランスにあるタペストリー(つづれ織り)の6枚からなる連作である。制作年や場所は不明だが、パリで下絵が描かれ、15世紀末(1484年から1500年頃)のフランドルで織られたものとみられている。 このタペストリーのテーマは不明だったが、現在では六つの感覚を示したものとされる。「味覚」、「聴覚」、「視覚」、「嗅覚」、「触覚」、そして「我が唯一つの望み」(A mon seul désir)である。「我が唯一つの望み」は謎に包まれているが、普通「愛」や「理解」と解釈されることが多い。 名称こそ「貴婦人と一角獣」ではあるが、6つのタペストリーにはいずれも中央の貴婦人と共に、向かって右側にユニコーン(一角獣)、左側にライオンが描かれており、さらに猿が描
1リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く