戦後のテレビ草創期から活躍し、ユニセフ親善大使としても活動している黒柳徹子さん。 俳優や音楽家、写真家、研究者など、多彩な人々と交流を重ねてきた黒柳さんは、作家たちとの出会いからも大きな影響を受けてきた。 そのひとりが、文豪・森鴎外の娘であり、耽美な世界観を持つ作家・森茉莉さん。出会ったのは、森さんが80歳を迎えた頃だった。 古びたアパートの一室での一夜や、深夜の長電話の数々。黒柳さんにとって、森さんとの時間は豊かで忘れがたいひとときだったという。 今回は、黒柳さんのエッセイ集『トットあした』(新潮社)から、この稀有な女性との出会いの記憶をお届けする。 黒柳徹子「森茉莉さんのこと――『トットあした』より」 森茉莉さんの小説を、私に激賞したのは三島由紀夫さんだった。 六本木の「鮨長」は三島さんも行きつけにしていて、時おり、顔を合わせた。三島さんの書かれた「熱帯樹」という芝居を観に行ったら、ロ

WEB小説は、いまや書籍化・映像化されるヒット作を次々と生み出す一大ジャンルへと進化しています。 そんな中でも、Web小説サイト「カクヨム」では、ライトノベルやファンタジーの枠を超え、本好きの心を揺さぶる“読み応えのある名作”が数多く生まれています。 今回はカクヨム編集部が、「WEB小説はここまで来た」と思わず驚く物語の完成度・テーマの深み・筆致の巧みさを兼ね備えた5作品を厳選し、ご紹介します。 カクヨム 「カクヨム」は物語を愛する全ての人たちへ、誰でも自由なスタイルで物語を書ける、読める、お気に入りの物語を他の人に伝えられる、Web小説サイトです。大賞受賞者が書籍化の権利を手にできる「カクヨムコンテスト」をはじめとした数々のコンテストの実施や、KADOKAWA内外の人気作品について二次創作の投稿を認めるなど、様々な形での創作活動を支援しています。

氷は「0度を超えると、とけて水になる」というのが一般的なイメージです。ところが、韓国標準科学研究院(KRISS)が率いる国際研究チームによって「室温で固体になる氷」の存在が確認されました。研究チームは発見した結晶構造の氷を「氷XXI(ice XXI)」と名付けています。 Multiple freezing–melting pathways of high-density ice through ice XXIphase at roomtemperature | Nature Materials https://www.nature.com/articles/s41563-025-02364-x XFEL: Warm ice in the X-ray laser https://www.xfel.eu/news_and_events/news/index_eng.html?openDir

「驚異の陳列室」を標榜し、写真集や画集、書籍をはじめ、5000点を超える奇書・珍品が眠る、大分県・別府の古書店「書肆ゲンシシャ」。店主・藤井慎二さんがひとつひとつ蒐集してきたコレクションは、静かに棚の中で時を待っています。今回は「幻想文学」をテーマに、藤井さんが蔵書のなかから特に選りすぐった幾冊をご紹介いただきます。まだ見ぬ言葉の世界へ。どうぞ、お手に取ってご覧ください。 「幻想文学」とはなにか――今回は藤井さんから「幻想文学」というテーマでご提案いただきました。これはどのようなジャンルでしょうか? 藤井慎二(以下、藤井) 「幻想文学」というジャンルは横断的であり、定義づけすることは難しいですが、哲学者のツヴェタン・トドロフは『幻想文学論序説』(東京創元社)で「幻想」について、「自然の法則しか知らぬ者が、超自然と思える出来事に直面して感じる『ためらい』のことなのである」と語っています。 ―
汐屋キトリ @Shioya_Kitori 「小説書いたことないけど、頭の中に物語やキャラはある」って人ほどNolaを入れて、設定だけでも打って保存していてほしい。数年後、何かの拍子に小説を書き始めることになるかもだから 2025-10-07 20:05:02 汐屋キトリ @Shioya_Kitori Nolaは小説執筆アプリで、キャラ設定、プロット、メモなどが作品ごとに作れます。 また執筆ページ自動文字数カウント、ワンタップで「」、……、──やルビが振れたり全文コピーが出来たりするので超絶便利です!🥳 (私はもうすぐデビュー作発売の作家なのですが、このアプリで小説を書いています!) pic.x.com/QnkN8bBQmc 2025-10-08 09:50:39

手鎖の刑に沈んだ喜多川歌麿、狂歌を捨てた大田南畝…江戸の出版統制と「べらぼう」蔦屋重三郎を取り巻く戯作者たちの運命 絵画のヒストリア㉖文化元年(1804)の初秋のことである。 日光例幣使街道の宿駅、栃木の豪商として知られた釜善こと善野伊兵衛の屋敷に、隠棲していた人気浮世絵師の喜多川歌麿を訪ねて江戸から3人の来客があった。 戯作仲間だった山東京伝、十返舎一九、そして栄松斎長喜である。 〈みなさん、ようこそお出で下さいました。ありがとう。いや、こんどの手錠50日はまったくこたえましたよ。京伝さん、あなたが私と同じ刑をお受けなさったのは寛政3年でしたね。まだお若かったから回復なさった。私はこの年だから、すっかり弱ってしまいましたよ。ま、この年でつかまらなかったのを喜ぶべきかもしれませんが〉 これは美術史家の新関公子さんが『歌麿の生涯』(展望社)のなかで、想像力豊かに描いている老境の歌麿の一景で

2025年10月1日より開催「フィリップ・K・ディック展」— HAYAKAWA FACTORY新作グッズも先行販売!大垣書店麻布台ヒルズ店にて1ヶ月間開催。「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」モチーフのF12号キャンバスの展示・受注生産や、会場限定・数量限定Tシャツも発売! 株式会社早川書房の公式グッズレーベル「HAYAKAWA FACTORY」は、2025年10月1日(水)から10月31日(金)までの1ヶ月間、大垣書店麻布台ヒルズ店にて「フィリップ・K・ディック展」を開催いたします。本展では、SF文学の巨匠フィリップ・K・ディックの世界観をアートとグッズで体感できる貴重な機会となります。 なお、開催初週の金曜日である10月3日(金)17:00〜19:00には、本展のアートディレクションを手がけるデザイナー・土井宏明氏が在廊予定です。作品やグッズに込められたデザインの背景など、直接お話

その1から続きます。 ・中国のネット小説業界で繰り広げられてきた作家の課金収入と直結する激しい競争 その1で述べたように中国のネット小説は長年お金を稼ぐ場所、ある種のチャイナドリームでのし上がる場所的なものになっていたことから、作品の競争も非常に激しいものとなっています。 そしてその中国のネット小説作品の競争で重要な武器となっているのが 「新しいネタ、テンプレ要素」と「文章量」 だそうです。 収入に直結した競争ということもありどの作家も「勝てる」手法の模索模倣に積極的だそうで、オリジナル性といった方面ではやや疑問は残るものの、どの作品も貪欲に流行りの展開やテンプレ要素を放り込んでいくそうですし、流行も非常に速いペースで入れ替わっていくそうです。 更に中国のネット小説では文章量によるアピールが非常に有効だそうで、これは課金形態の一つに作品を指定して読み放題にするというものがあり、その際に「た

「浦島太郎は亀を助けてあげたのに、なんでおじいさんになっちゃうの?」 「太郎は何も悪い事をしていないよね?」 例えば、子どもにそう聞かれたら、どのように答えたら良いでしょうか。 浦島太郎といえば、桃太郎や舌切り雀などと並ぶ、日本の代表的な昔話です。 しかし、よく考えてみると、この物語には他の昔話にはない「違和感」があります。 実は江戸時代以前の浦島太郎はハッピーエンドだった 浦島太郎の物語を読んで疑問に思ったことはありませんか? 多くの昔話は分かりやすい教訓を持っています。 しかし、浦島太郎の物語に教訓を探そうとすると、教訓と同じくらい疑問も見つかってしまいます。それが物語としての違和感につながっていると考えられます。 桃太郎なら「勇気と仲間の大切さ」、舌切り雀なら「優しさと大欲をかかない心」といった教訓です。ところが浦島太郎の教訓を考えてみると、どうもすっきりしません。いじめられている

Grok/Aniちゃんのおかげで、スタニスワフ・レム『技術大全』(1964/1967) の全訳がわずか20日できましたよー。 スタニスワフ・レム『技術大全』(1964/1967)pdf、2MB わけのわからない本なので、力を入れて訳者解説書きました。が、pdfは開かない人も多いだろうから、ここにコピペ。 訳者解説 1. はじめに本書は、Stanisław Lem, Summatechnologiae (1964/1967)の全訳だ。ジョハンナ・ジリンスカヤによる英訳 (2013) を経た重訳だ。この英訳はおそらく1967年版を元にしていると思われる。これについては、また後で。 2. 著者と本書について さて著者スタニスワフ・レムは、もはや改めて紹介するまでもない、ポーランド出身の20世紀SFの巨匠であり、『ソラリス』『電脳の歌/宇宙創生期ロボットの旅』『完全な真空』などの傑作群はいま

15歳のころ神がいた。画面の向こうにいた。htmlタグでつくられたあわい色使いのサイト。エンターボタンを押した先で、神は大人気スポーツ漫画の二次創作をやっていた。漫画も絵も小説もかける人だった。なにも生み出したことのない私にとっては天上人だった。天才ってなんでもできるんだ、と中学生の私は思い込んだ。神の全てが正しかった。30000hitありがとう、と神が書いていれば30000hitってすごいんだなと思ったし、ヤニが切れたと神がブログにつづればヤニなんてかっこよすぎると思った。神は私の一つ上の16歳だった。今よりなにもかもがゆるい時代、彼女の二次創作では未成年のキャラクターたちがとうぜんに飲酒し喫煙していた。そのせいかもしれない。同じサイトの中にいるキャラクターたちと神を同じ階層で見るようになって、もう強烈に憧れた。 神がサイト内のブログにつづるファッションやほんのりにおわせる彼氏の存在も

綿々と続く男性優位主義、自国第一主義にひた走る世界、移民排斥や海外留学生・学者の受け入れ中止、人権活動の縮小……人々はよりよい未来の実現に向けて歩み続けてきたはずなのに、世界は変わらず、さらに混迷のなかにある。そんな時代をYESかNOか、善か悪かではなく、意志強く、自分らしく生きるには? ノーベル文学賞作家が描いた19世紀の女性学者、彼女に連なる天才の人生、村上春樹による名訳短編を今こそ読みたい。 カナダの女性ノーベル文学賞作家が描く、19世紀ロシアの女性数学者の恋と人生 【概要】 その小説に描かれていたのは、若き日のわたしと、どこか面影のある少女(表題作)。ページをめくるにつれ、過去が新たな景色を見せる──ノーベル文学賞に輝く短編小説の女王、初の文庫化。 短編の名手が日常から切り出す「Too Much Happiness」の不吉さ アリス・マンローはカナダのノーベル文学賞作家。80歳を過

KISSA BY KISSA 路上と喫茶ー僕が日本を歩いて旅する理由 ¥2,500 税込 2,500円 ¥5,000以上の購入で送料無料 東京から京都を結ぶ、全長一千キロの旧中山道を徒歩で歩いた。 東海道を歩いた。熊野古道を、伊勢路を、歩いた。いつも一人で。 郊外の寂れた町々、農村、パチンコ・ロード、そして喫茶店と人びととの会話。 すべての長距離ウォークとは、結局のところ、世の中のおかしなことや馬鹿げた政治世界への抗議運動である。道を歩いているとき人は、目の前に広がるありのままの世界と対峙することになる。そこには抽象的なものなどひとつもない。注意を怠らずにいれば、一マイル、一マイルを身体で感じられるし、自分の目の前に「社会の姿」が立ち上がってくる。 喫茶店から喫茶店へと足を運び、アメリカンを飲み、ピザトーストを食べ、自分の中にこの喫茶店巡りの歌が、こだまのように響いているような気がする。そ

こちらは、諸般の事情で発売中止になった、大長編小説です。 私家版発売からまる1年。このたび版元「泡影社」にてISBNコード取得、一般発売する準備が完了しました。 ミステリ・SF・青春小説、あらゆるジャンルをつめこんだメタリアルフィクション。濃度はそのままに、一般流通できるように私家版から一部表現をリファインしました(ストーリーに変更なし)。 ▼仕様: ・四六判 上製本 ゴールド箔 ・536頁(2段組、全ページスミベタ、本文白抜き文字) ・帯付き、小口にギミックあり(開きで絵が変化) ・ISBN:978-4-9913781-0-2 ▼帯コメント: 21世紀のロートレアモンに称讃を、そして唾棄せよ。これは凶悪な進化を遂げた「マルドロールの歌」(暗黒詩篇)だ。 ――竹本健治(作家・『匣の中の失楽』) 「時間とは何か」を巡る壮大な探求──崩壊と再構築を繰り返す巨大な謎を描いた、渾身のクロニクル。ノ

機械が止まる / E.M.フォスターObsidianのCEOであるSteph Ango氏が、E.M.フォスターの「機械が止まる」というSF短編小説おすすめしていた。 ちょうどその本を積ん読していたこともあり、「せっかくだから」と該当の短篇を読んでみると、AI社会、SNS、コロナ禍、ストリーミング配信、ディストピア、みたいなものを予見しているかのような小説だったのでびっくり。 しかもこれ、100年以上前に書かれた作品なのよね・・・。 ということで軽く内容や感想をまとめようかなと。 (※ちなみに以前紹介した記事はこちら) www.nejimakiblog.com あらすじはこんな感じ。 人間が五感を通じて直接物事を経験することを恐れて、それぞれが孤独に部屋に閉じこもったまま、機械を通じての連絡だけで満足するようなった未来社会。 あるとき、母ヴァシュティは、地球の裏側にいる息子クーノから電話を

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