日本の図書館法(1950年制定)の第17条にはこうあります。「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない。」公共の図書館は、社会インフラと見なされ、利用者からお金をとってはいけないとされているのですね。 ただし、これはどこでも当てはまる訳ではありません。たとえば、ドイツでは、利用料(Gebühr)の徴収されるのが一般的で、たとえば、南部ドイツに位置するRavensburg市では2020年4月現在、次のように定められています。 〇成人会員は年間25ユーロ(現在の為替で、約4300円) 〇カップル会員(同居していること、パートナー用カードの有効期間はメインカードの有効期間に従う)は年間36ユーロ 〇月額会員は6ユーロ 〇賛助会員は50ユーロ(賛助会員は、市立図書館の催しに無料で参加できる) 〇21歳未満の子どもと青少年の利用料は免除 これらのほか、契約

小中高生の書籍の不読率(1冊も読まない人の割合)の推移を全国学校図書館協議会「学校読書調査」で見ると、1990年代までは悪化していたが2000年代以降は改善し、近年はほぼ過去最低水準(つまり本を読む子の割合が多い状態)にある。 雑誌の不読率は上昇、読書量は減少傾向が続いている一方で、書籍は読書量で見ても小中学生は過去最高水準に多く、高校生は横ばいだ。 書籍読書率・量の改善と維持に貢献してきた施策のひとつが、学校で1回10分か15分を使って行われる「朝の読書」(朝読)である。 ところが、この朝読がいま形骸化、実施日削減の危機にある。 これは、読書推進はもちろん、すべての学力の基盤となる国語力、語彙の獲得という点、あるいは出版産業のビジネス的な観点からも危惧すべき事態といえる。 朝読の危機の背景と、近年の教育の潮流から改めて考えられる朝読の意義、効果が最大化される朝読の実施のしかたについて識者
書店のない自治体が27%という数字がよく話題になる。では、公共図書館のない市区町村は全国でどのくらいあるかご存じだろうか。 日本図書館協会の集計によると全国815市区のうち、図書館を設置しているのは808。つまり七つの市区には図書館がない。これが町村だとどうか。自治体数は926。そのうち図書館を設置しているのは544。382の町村には公共図書館がない。全国の町村の41%には図書館がないのである(2023年)。図書館を設置している自治体も、必ずしも満足できる状況ではない。11月5日から3日間、横浜市で図書館総合展が開催されたが、会場で出会った図書館関係者たちからは、自治体の予算削減が続いて、資料購入や職員配置に影響が出ているという声を多く聞いた。建物の修繕や設備の更新も、自治体の財政難のため他の予算よりも後回しにされがちだという。 公立図書館の職員の76%が非正規雇用で、低賃金かつ不安定な
中学年、3、4年生の部の推薦図書にあがっているのが、エセ科学やグリーンウォッシュとして問題視されている、ひやっしーの開発者、村木氏の著作。 村木氏のビジネスのなにが問題なのかを背景もふくめて解説してるポストがあったので参照 matsumoto @Matsumoto_phys ひやっしーを庇う一般の方がTLに流れてきたのだが、クリティカルな反論は中々見られなかった。 そこで、彼の言動のどこが問題なのか、納得できる説明は何なのかを考えてみた。 結論としては、「科学倫理に反する商売をする立場なのに、政府案件に携わっていること」であると思われる。(1/n)2023-12-18 12:32:33 matsumoto @Matsumoto_phys まず最初に、彼が大学中退で、彼が博士号はおろか学士号も持っていないことは皆あげる。 しかし、ノーベル化学賞をとられた田中耕一先生も学士から企業研究をなさ

比較文化学類では、学生のみなさんに、自主学修として広く読んでほしい図書を選定しました。 リストは「まず読みたい図書100」と「次に読みたい図書100」の二つに分かれています。それぞれに、専門の枠にとらわれない「全学生向きの図書」と、「領域・コースの学習に関する図書」が挙げられています。自由に参照して、読みたい本を見つけるための一助としてください。 もちろんこのほかに、授業等で紹介される図書を読むことや、自分で読むべき本を探すことも重要です。読書は、ある問題についての体系的な知識を獲得したり、複雑な情報を受け止めながら思考を深め、自分の問題意識を磨いていくために、きわめて重要な知的レッスンの場となります。できれば読書記録を作り、感じたことや考えたことをまとめたり、気に入った文章を引用して書き留めたりするとよいでしょう。 みなさんがこのリストを活用して、書物の世界を大いに楽しみ、刺激を得てくれ
自然科学5、社会科学3、文学2の割合でいい ――「主体的・対話的で深い学び」を実現するために探究学習が重視される中、学校図書館の役割が大きくなっています。 それなのに学校図書館の基本的な考えは「1980年代からほとんど変わっていない」のです。30年前の服が並んでいる洋服屋に買いたい服はありますか? 本というのは刷られた瞬間に世界が止まります。データ本はデータが変わったら、法律やスポーツならルールが変わったら使えません。ミステリーなんて、DNAが解析されたので、今は血が1滴落ちていたら犯人がわかってしまいます。時代が緩やかで変化がなければ、本はそのまま使えますが、変化があれば図書館に並べる本も変えなくてはなりません。 1960年から80年代までは世界中が文学全盛期で、図書館の中では「物語」がいちばん強かった時代です。その当時の学校図書館は、新しく出た面白い物語を買い足すだけで済みました。90

広島県教委は21日に公表した内部調査結果で、県立学校の図書館リニューアル事業の指導を依頼している児童文学評論家の赤木かん子氏(東京)との取引に「違法性はない」と結論付けた。ただ、赤木氏が関わった15校で、改装に伴い11万冊余りの蔵書を廃棄。学校現場からは、代わりに小学生向けの赤木氏の著書を購入させられたなどといった不満の声が出ている。 【一覧】広島県教委の平川理恵教育長と親交のあるNPO法人や業者への発注問題の経緯 県教委は2018~22年度、県立高22校などで図書館をリニューアルした。改装後、来館者数が増えた▽本を活用して調べる生徒が増えた▽授業での利用が増えた―と評価する学校もある。平川理恵教育長は「学校を変える一つの方法として有効だ」と成果を強調している。 県教委は、赤木氏が関わった15校で11万1490冊を廃棄したと説明する。代わりに購入したのは1万3千冊。各校とも赤木氏が作成した

反戦童話の代表格となった『かわいそうなぞう』 史実とは大きく違う『かわいそうなぞう』のストーリー 猛獣虐殺は空襲のせいではなく戦意高揚のため 『かわいそうなぞう』は戦後平和教育失敗の象徴 反戦童話の代表格となった『かわいそうなぞう』 児童文学作家土家由岐雄による童話『かわいそうなぞう』。1951年に発表された後、1970年に絵本として出版されて200万部を超える大ヒットを記録、小学校の教科書にも採用され、代表的な「反戦童話」「平和教材」となった。戦後生まれの日本人なら、子どもとして、またはその親として、一度は読んで涙したことがあるのではないだろうか[1]。 そのころ、日本は、アメリカとせんそうをしていました。せんそうがだんだんはげしくなって、東京の町には、朝もばんも、ばくだんが、雨のようにおとされました。そのはくだんが、もしもどうぶつえんにおちたら、どうなることでしょう。おりがこわされて、

出版業界のご意見番に話を聞いた。高井昌史氏(67歳)、国内はもとより世界に書店網を持つ、紀伊國屋書店の経営者だ。劇場を経営し、現在は電子書籍やネット販売にも注力する同社。その経営の根本には、文化を愛する高井氏の熱い経歴があった。 * * * たかい・まさし/'47年、東京都生まれ。'70年に成蹊大学法学部を卒業後、'71年に紀伊國屋書店に入社。学術書の営業となって関東、関西の大学を担当。'75年から宇都宮営業所長となり、図書館の設立などに尽力、情報製作部長などを経て、'93年取締役に就任。常務、専務などを歴任し、'08年より現職 出世払い 紀伊國屋書店への入社後、大学を中心に、洋書を含む学術書を売り込む営業職に就きました。でも大学の助手の方などは、とにかくお金がなくて、すべてツケ(笑)。でも彼らの書架を見ると、書籍が読み込まれていて、相当勉強していることがわかるんです。結局、上司に怒られな

大きな反響を呼んでいる星海社新書の最新刊『江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統』(原田実)ですが、本日19日付けで重版分が日本全国の書店さんに流通し始めます。 品薄状態が続いてしまいご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。 まず、「江戸しぐさ」が「偽りの伝統」たるゆえんは、こちらの試し読みをご覧になっていただければすぐにおわかりになると思います。 日本という国に生まれ育った一員として、日本の文化が育んできた美しい伝統に対して誇りを持つのは自然な心の発露だと思いますが、その「伝統」が歴史的根拠のまったくないものだとしたら……。 それなのに、日本の義務教育のカリキュラムに「道徳」の科目の教科書としてそれら歴史的根拠のない「伝統」が正しい歴史とともに組み込まれているとしたら……。 それはたいへんに残念なことであり、かつ、恐ろしいことだと思います。そしてその出来事はたった今、「江戸しぐさ

問:本が読めません。1冊の本を最後まで読めなくて挫折してしまいます。 答:挫折してもいいです。とにかく読み始めたことが大切です。本当に読めない人は最初からあきらめて本を開きもしません。 問:挫折した本はあきらめた方がいいですか? 答:あきらめなくていいです。他の本を読んでから再び読んでみると、案外読めたりするものです。読める本を何冊か読むだけでも随分ちがいます。 問:どうしたら挫折せずに最後まで読めるようになりますか? 答:挫折せず読める、読みやすい本を選びましょう。最初は易しく薄い本がよいです。ちなみに、誰かがあなたに勧めてくる本は、あなたの読書レベルより少し上のことが多いです。 問:どうしておすすめ本はレベルが少し上になるんですか? 答:あなたに本を薦めてくれるような善意の人は、あなたの読書力を実際よりも高く見積もる傾向があるからです。それから、あまり易しい本を勧めてしまうと「バカにす

「GAKUMAN plus」創刊号の表紙 小学館は、今年度で休刊した学年誌「小学五年生」「小学六年生」の後継誌として、学習まんが誌「GAKUMAN plus」(ガクマンプラス)を、4月15日に創刊する。当面は隔月刊だが、1年後の月刊化を目指す。部数は約10万部。小学生の高学年から中学生までが対象で、将来は欧米やアジアなど海外でも刊行したい考えだ。 人物伝、歴史、科学、数学、英語、時事問題、環境問題など幅広いテーマで、毎号10本以上のまんがを掲載する。創刊号では、米国のオバマ大統領の少年時代、子どもたちに人気のゲーム「レイトン教授」の誕生秘話、「でんじろう先生」を主人公にした科学まんが、「龍馬をめぐる英傑たち 西郷隆盛」などが掲載される。名作まんがの番外編として「Dr.コトー診療所〜島の子供達(たち)〜」「名探偵コナン」も登場する。 まんがの各話ごとに解説記事を加える構成で、例えば「コ
2009年12月03日 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、当グループが発刊しております1946年(昭和21年)創刊の『学習』は“「できる」よろこびと深く学びとるチカラを”をコンセプトに、1957年(昭和32年)創刊の『科学』は“小さな発見・大きな感動・科学っておもしろい!”をコンセプトに、多くのお子様に長い間愛され親しまれてまいりました。 しかしながら、児童数の減少やニーズの多様化等の市場環境の変化による部数の減少のため、誠に勝手ながら『学習』は2009年度冬号(2010年1月1日発行)、『科学』は2009年度3月号(2010年3月1日発行)の発行をもちまして休刊させていただくことになりました。 『学習』『科学』で培ってきた子どもたちを育む力は、これからも各種の科学関連教材や「科学実験教室」等に随時活かしていく所存です。
詩人の谷川俊太郎さんや劇作家の別役実さんら19人が、「作品を無断で教材に使用され、著作権を侵害された」として、教材出版社「学書」(名古屋市北区)を相手取り、教材の出版差し止めと約4200万円の損害賠償を求める訴訟を21日にも東京地裁に起こすことがわかった。 学書は全国の小中学生学習塾向けに教材を製作、販売している。 提訴するのはほかに、俳人の金子兜太(とうた)さん、劇作家の平田オリザさん、寺山修司さんの遺族などで、全員が著作権管理団体「日本ビジュアル著作権協会」(東京都新宿区)の会員。 訴えによると、学書は、116種類の中学生用の国語教材に、19人の作家らの24作品を許可を得ず使い、販売した。作品の一部を削ったり、表現を変えたりしたとして、著作者としての人格権も侵害された、とも主張している。学書は、販売先の学習塾名で教材を製作しており、作家らは「(学書が)著作権を侵害したか外部に分かりにく
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