けいおん!のアニメ一期、二期と映画を見た上で私の立場を明らかにしておきたい。けいおんというオタク向けな深夜放送アニメに成熟やら内面が描かれる必要性はないと思う。そういう作品が見たければ、そういう作品をみればいいだろう。いくらだってある。そういった批判は全くクリティカルでもないし、まったくもって不毛であるだろう。しかしまあ、不毛なことをしてみよう。 「けいおん!」にも内面はあるんじゃないか 「けいおん!」とは、ちょっと変わった女の子たちが自分の居場所を求めて静かな闘争を繰り広げている物語であると私は読む。異性という居場所から閉めだされてもなお、女の子たちは居場所を求めて日々戦っている。 「けいおん!」はどうやら日常系らしい、よく知らないのだが恐らくつまり、特に大きな事件も起きなければ特別に変わった世界でもない、どこかにありえそうな世界観とその日々を描いた作品のようなことがいいたいのだろうと思
リンク ザ・インタビューズ 自然主義的リアリズムなアニメはけいおん!!以外にあるのですか? - sugita_uインタビュー 面倒くさい質問が来たなwええと、単刀直入に答えると「けいおんは他のアニメや空気系作品と比較すると相対的に自然主義の側に属するが、しかし厳密には自然主義的リアリズムではない」。順を追って説明す ...

ぼくはまだ見ていないが――というか、テレビ版を途中までしか消化していないので、あえて見に行く気になれなかったのだが、映画『けいおん!』は大ヒットを遂げたようである。 動員100万人を突破し、興行収入では15億円を超えたという。深夜アニメの劇場化作品としては、未曾有のヒットということができるだろう。Wikipediaによると、同じ京都アニメーション制作の『涼宮ハルヒの消失』の興行収入が8億4000万円程度というから、『ハルヒ』を大きく上回るヒットを飛ばしたことになる。『ヱヴァンゲリヲン劇場版』あたりには少し及ばないようだが、これは比べる相手が悪い。 ここまで来るともう、一部のマニアだけにとどまる人気ではありえないわけで、京アニの丁寧な作画作劇の勝利ということになると思う。 あたりまえのことだが、この成績について、ぼくは何の文句もない。文句というほどではないにしろ、ちょっと疑問があるのは、こ

けいおん!!(第2期) 2 [DVD] 出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2010/08/18メディア: DVD購入: 2人 クリック: 17回この商品を含むブログ (13件) を見る Wii パーティー 出版社/メーカー: 任天堂発売日: 2010/07/08メディア: Video Game購入: 39人 クリック: 475回この商品を含むブログ (58件) を見る 自著『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』が出版され約一ヶ月が過ぎようとしているが、本を書いている間、特に考えたことの一つが「嵐の人気」についてだ。 もしかしたら本が出る前に嵐人気も失速するかもしれないとか冗談っぽく語っていたが、現在の所そういう気配はなく、むしろ高値の安定期に入ったなと思う。その意味で松本潤主演の月九ドラマが放送されるタイミングで出版できたのはラッキーだった。 ただ、僕は好意的に楽しく見てい

けいおん!! 第11話「暑い!」感想 夏の暑い1日を描いたお話。 話の流れは原作通りだけど、「暑い→だれる→申請すればクーラーがもらえるらしい→設置→やっぱりだれる」という基本の流れとは別に、いろいろ暗示するものがあるような…。 今回も「ブタ」と「卒業」 何度も書いてるけど、けいおん!!は毎回、ブタと、卒業(成長)を連想させるシーンが必ずあります。 京アニがけいおん2期の縛りとして、この2つを必須としてる印象。 ブタはここ数話はトンちゃんが画面の端にちらちら出るだけだったけど、今回は、脱皮とあわせて上手く話に入れ込んでる。 ブタはともかく卒業(成長)をこれだけ推してるからには、何かの意図があるんだろうけど…やっぱり、「楽しい高校生活の思い出」という事になるんだろうか。 将来、この軽音部メンバーが夏の暑い日にみんなで集まった時、「そういえば、あんな事があったよなぁ」と一緒に語れるような…。
週刊誌などに寄稿したマンガ評を集めた著書『マンガホニャララ』の中で、ブルボン小林は、マンガ家、ひいては作家という人たちは、物語のエンディングをどのようなものと捉えているのか、その気分をこう分析している。 あらゆる時間芸術の作り手にとって「終わりたい」というのは表現の欲求に「ない」のだと僕は考える(中略)。綺麗に終わらせたいという気持ちはあっても、それは欲ではなく見栄のようなものだ。 この「綺麗に終わらせたい」という見栄ゆえに、キレイに見得を切ってみせたマンガのひとつに、あずまきよひこ『あずまんが大王』があるように思う。 今さら説明するのもなんだが『あずまんが〜』は、新年度を迎えた4月、「とーーーっても優秀なので」さる高校の1年生のクラスに編入してきた10歳児・ちよちゃんと、そのクラスメイト(16歳の子たち)の日常を描いた4コママンガ。その作品世界ではキチンと時間が流れ、次の春、ちよちゃんた

けいおん第12話を見てあまりにも「感動のフィナーレ」だったため違和感を覚えて一度通して見直してみることにしました。 そして結果理解したこととはアニメ版けいおん!という作品において一徹されている主題は「まったり部室もの」でも「成長サクセスストーリー」でもなく「軽音部の友人達と活動(演奏)することの楽しさ」に他ならないということでした。 今さら何を…と思われるかもしれませんが、全てのピースが埋まった今一度見返してみると至る所にギミックが張り巡らされていることに気づくことが出来るでしょう。 この方向性は明らかに「ほんわか日常系」「まったり部室もの」であった原作と違ったところを進んでいますね。 それではアニメ版が日常系作品であった原作と比較してどのようにして別の道を歩いていったのか、構成上重要な話を挙げながら軽く示していきたいと思います。 § シリーズを通してどのような物語構成になっているのか こ

もう明日には最終回のさらに次の「番外編」がはじまっちゃいますが、とりあえず最終回(第12話)をメインに、ここまでの感想を。 「いまいるこの講堂が、私たちの武道館です!」 これねえ、すごい好きです。 「私たちにとっての=私にとっての」なわけですね。それは他の人にとっても・みんなにとってもそうだとは限らないし、また「いまいる」であって、常にこの講堂が武道館であるわけでもない。「いま」「私にとって」、ここが武道館である。 自分が最初に『けいおん!』で、これは凄いというか、なんか「あれ?(いい意味で)」と思ったのは第2話、ギターを買いに行く時に、いきなり楽器屋に向かわないでみんなでその辺をぶらぶらするところなんですけど、ここがですね、凄い細かかったんですよ。 それぞれのキャラがそれぞれの自分自身に沿って行動しているなぁ、と。たとえば、UFOキャッチャーやってる時、唯と律が前に出てプレイしながら盛り

今回は,けいおん!12話の「ふでペン 〜ボールペン〜」演奏シーン(唯がギターを取りに帰って学校まで走って戻るシーン)の約2分間の演出について解説したい. このライブシーンでの演出意図は,視聴者を如何に唯に感情移入させて,次に唯が歌う「ふわふわタイム」のカタルシスを作るか?ってところにある. 近づいていくカメラ 唯がギターを取りに帰って学校まで走って戻るシーンの約2分間はざっくり説明すると 俯瞰カメラ(客観)(左上図)→ロングショット(中央上図)→ウェストショット・カメラとの間に障害物(電信柱)が横切る(右上図)→ウェストショット(左下図)→アップショット(中央下図)→主観ショット(右下図) という順番でカメラがどんどん唯に近づいていって,最終的に内面描写になっている. あの怠け者な唯が一生懸命,必死に走っていて,それを視聴者が「がんばれ!もうちょっとだぞ!」って応援する. これに応じるかの

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