物質を細かく分けていって最小単位を探究するのが素粒子物理だ。素粒子には四つの力が働いている。 「電磁気力」「強い力」「弱い力」の三つは似通っていて、標準模型(スタンダードモデル)で統一的に説明できる。ミクロな世界を見る顕微鏡となる「加速器」を使った実験的な検証も行われており、完全に分かった状態になっている。 だが、四つ目の「重力」は、三つの力と違い、ミクロになる程、力の大きさが無限大になってしまう。伝統的な手法が必ずしも威力を発揮しない。非常に大きな問題だ。 一つ解決する方法がある。素粒子は大きさをゼロと考えるため、エネルギーも無限大になってしまう。そこで、どんな物でも有限の大きさがあると仮定する。これが「ひも理論」で、2008年にノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎博士が最初に考案した。 ひも理論では、物質の最小単位を「粒子」ではなく、1次元的に伸びた「ひも」と考える。ひもの長さは非常に

大栗 博司 Kavli IPMU 主任研究員 1.発表者 大栗 博司(おおぐり ひろし) 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 主任研究員 2.発表のポイント 重力の基礎となる時空が、さらに根本的な理論の「量子もつれ」から生まれる仕組みを具体的な計算を用いて解明した。 物理学者と数学者の連携により得られた成果であり、一般相対性理論と量子力学の理論を統一する究極の統一理論の構築に大きく貢献することが期待される。 成果の重要性等が評価され、アメリカ物理学会の発行するフィジカル・レビュー・レター誌(Physical Review Letters)の注目論文(Editors’ Suggestion)に選ばれた。 3.発表概要 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)の大栗博司主任研究員とカリフォルニア工科大学数学者のマチルダ・マルコリ教授と大学院生らの物

量子力学の世界では、古典物理の世界を構成する中性子、電子、光子といった微粒子について、一つ一つの粒子か、少数の粒子が研究されています。というのも、超微小な世界では、粒子が全く異なる振る舞いをするためです。ですが、研究されている粒子の数を増やしていけば、最終的にもはや自動的に量子として振舞うことをしない数の粒子となり、私たちの日々の世界と同じような古典物理学のものとなります。では、量子力学の世界と古典物理学の世界の境界線というのはどこにあるのでしょう。この度、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究チームは、この問題への解答を探る過程で、量子力学の現象と考えられていたものが古典物理学で説明できることを示しました。本研究結果はPhysical Review Lettersに報告されました。 OISTの量子ダイナミクスユニットのリーダーで、論文著者のデニス・コンスタンチノフ准教授は次のように説明

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