図書館で本を借りられることは正しいのか? 「図書館で本を借りられることは正しいのか?」と問われて、「正しい」と答えるのが正しい。 どのように正しいのか。AIにいくら「図書館が本を貸し出すことの弊害」を訊いても、結局は「図書館が本を貸し出すこと、市民が本を借りられることは正しい」と答えるくらいには正しい。そのくらいポリティカルに正しいのだ。 日本には「図書館の自由に関する宣言」というものもある。1954年に採択された。少し長いが引用したい。図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することをもっとも重要な任務とする。 1.日本国憲法は主権が国民に存するとの原理にもとづいており、この国民主権の原理を維持し発展させるためには、国民ひとりひとりが思想・意見を自由に発表し交換すること、すなわち表現の自由の保障が不可欠である 知る自由は、表現の送り手に対して保障されるべ

Twitterでは定期的に読んだ本を紹介している。 そこでnoteでも2020年のIT業界で働く方々におすすめしたい本をまとめてみた。Twitterや他のnoteはふざけた内容だが、マスク・ド・アナライズの運営方針は「書評だけはガチ」である(ノアファンではないが)。 ここ1年で読んだ中で「役に立つ」「面白い」「仕事に活かせる」「ITに関わる人間に読んでほしい」と思った本であることを保証する。書評の後にAmazonリンクもあるので、役に立たないAI・データサイエンス本にエサを与えずに、きちんとした書籍にお金を出すことで出版業界に貢献してほしい。 ここからオススメの10冊紹介する。 追記:アフィリエイト貼るのを忘れたので思う存分クリックしてください。 誰が音楽をタダにした音楽業界におけるMP3の誕生というテクノロジー視点、違法アップロードするアングラサイト運営者の視点、既存のCD販売を手掛

メンヘラとは、狭義では精神障害者、広義では精神が不安定な困ったちゃんの意味があります。 約20年前に2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)で誕生したネットスラングで、今ではそこかしこでカジュアルに使われています。以下に紹介する南条あやの登場によって、メンヘラはサブカルチャーのひとつになりました。本稿ではそんなメンヘラを理解するための参考文献を紹介します。皆様のお役に立てれば幸いです。 なお、文末につけた推奨度は星5が最大です。特に星4と星5はお勧め本なので、興味がある人は是非読んでください。損はさせません。 卒業式まで死にません―女子高生南条あやの日記 (新潮文庫) 作者:あや, 南条 新潮社Amazon 1999年3月30日に18歳で自殺した南条あやの日記です。日記はWebに掲載されたもので実際はもっと長いのですが、本書は分量の都合上、1998年5月28日、及び同年12月1日から1999年

こんにちは、らくからちゃです。 気がつけばもう今年度も今日でおしまい。明日にはピカピカの新入社員が入ってきますね。 9年前の私のときと同じく「社会人としての自覚が」「あれをやっておけ」「これもしておけ」と事細かく言われることでしょう。そんなのは、余裕がある範囲でやっとけばOKです。勉強なんて後からいくらでもできます。一番大事なのは、 同期と仲良くなること と違うんじゃないかなあと思うです。 最初は、集合研修の会社が多いでしょう。みんなでお昼ご飯を食べに行ったり、休日は今まで存在すら知らなかったお互いの趣味にチャレンジしたり、そんなことができるのは時間的にもタイミング的にも今だけです! 高校や大学に入ったときも、まずクラスメートと仲良くするのが大事だったと思いますが、会社員生活もこのタイミングでリア充ルートから外れると仕事でもいろいろ苦労します。 www.yutorism.jp とはいえです

「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」の中の人、Dainです。 何かを「選ぶ」ということは、意外とパワーが必要だ。 メリット・デメリットを考慮して、複数の候補から一つを選ぶ。例えば、何を着ていくか、何を食べるかといったことは、小さな選択かもしれない。だが、毎日の積み重ねとなると馬鹿にできない。ただでさえ学業や仕事において、さまざまな決断に迫られているのに、それに加えて日常的な選択が求められる。一日の「選択して決断する」パワーは限られている。世の成功者たちが、トレードマークのように毎日同じ服を着ているのは、パワーセーブのためではないだろうか。 そのようにしてためた選択と決断のためのパワーは、どこに使うべきか? それは、人生の節目に迫られる、大きな決断のリソースとするのである。卒業、入学、就職、結婚、出産、退職など、望む望まないにかかわらず、節目はやってくる。 ・卒業した後、進

ご来店ありがとうございます。本日より、新刊『みんなのデータ構造』の発売を開始しました。紙書籍の発送は7月25日前後を予定しています。電子書籍は購入後すぐにお読みいただけます。 『みんなのデータ構造』は、Pat Morin氏による “Open Data Structures” を翻訳して書籍として出版するものです。Pat Morin氏による原文は、クリエイティブコモンズ継承ライセンス(CC BY)で公開されており、誰でも自由に教材として活用できるだけでなく、内容に手を入れて別のライセンスで再配布したり、販売したりできるようにされています。堀江氏、陣内氏、田中氏による翻訳と、ラムダノート株式会社による編集も、すべてCC BYで公開しており、同様に自由に利用していただくことが可能です。 書籍版『みんなのデータ構造』(紙書籍および電子書籍)につきましては、クリエイティブコモンズライセンスではなく

結論から言うと、経験は買える。 適切なタイミングで適切な本と出会うことで、しなくてもいい経験や、身につけておくべき知恵を”買う”ことができる。今「おっさん」である私から、20年前の「若者」だった私に、いい仕事をする上で読んで欲しい本を選んだ。 20年前は、炎上プロジェクトに飛び降りて、鎮火しつつ撤退する「しんがり」役を仰せつかっていた。負けることは決まっているが、死なないように生きることばかり考えていた。将来に漠然とした不安を感じていたものの、とにかく目の前の障壁をクリアすることが先決だと思っていた。 今はかなり違う。 身をもって得た経験や教訓はあるが、代償は大きく、もっと効率よく結果につなげることができたはず。この「効率」とは要するに時間だ。莫大な時を費やして手に入れた経験は確かに得難いが、そんなことをしなくても積むことはできた。どうすれば可能か、今なら分かる。 それは本を読むことだ。本

【2万部突破】無知な人ほど過激な意見をふりかざす? ユヴァル・ノア・ハラリ絶賛の『知ってるつもり』試し読み 『サピエンス全史』のユヴァル・ノア・ハラリや行動経済学の泰斗キャス・サンスティーン、日本でも『単純な脳、複雑な「私」』の池谷裕二さん(東京大学教授)や『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』の入山章栄さん(早稲田大学ビジネススクール准教授)がこぞって絶賛する注目のノンフィクション『知ってるつもり——無知の科学』(スティーブン・スローマン&フィリップ・ファーンバック、土方奈美訳)がいよいよ発売。試し読みとして本文の一部を抜粋公開します。 * 第9章 政治について考える2010年に成立した医療費負担適正化法(通称「オバマケア」)ほど、アメリカ国民(と政治家)を熱くさせたテーマは近年まれである。この法律をめぐっては幾度となく議論が繰り返され、共和党はバラク・オバマ政権の失策の一つ

「近頃の若いやつときたら…」という枕詞は、「なっとらん」と続き、さらに「わしが若い頃は…」と説教モードになる。これは「たらちねの→母」や、「とりあえず→ビール」と同様、慣用句として扱われるべき。したがってこの場合は、「母」や「ビール」と言いたいように、「わしが若い頃は…」と自慢話がしたいだけ。 そんなジジイババア連中も、「若いやつ」だったときがあり、その当時は、やっぱり「最近の若者は…」とやり玉に挙げられてた。そして、耳に痛い「なっとらん」部分を更生しないまま、オッサンになり、ジジイになる、オバサンになり、ババアになる。 ■昔から言われていた「最近の若者は…」 変わったのはツラの皮の厚さだけという爺婆に向かって、「そのセリフ、大昔から言われてたんですよね」なんて返すと、途端に防御の姿勢をとる。自分がそう言われていたことと、その「欠点」がエエトシこいても直っていないことに思い至るのか、顔を真

結論を一言にすると、「イミテーションはイノベーションを加速する」。 模倣が創造を促すといえばその通りだろう。だが、世間一般の通念は違う。音楽や映像、書籍や製薬などの業界を見る限り、著作権や特許権でコピー禁止の「常識」が形作られている。クリエイターの努力が簡単にコピーしていいのなら、誰もわざわざ新しいものを創ろうとしなくなり、最終的にはその産業が壊滅してしまうという懸念が背景にある。本書はこの「常識」に異議申し立てをするものだ。ファッション、アメフト、料理、金融、音楽といった分野に目を向け、コピーがイノベーションを促進しているだけでなく、成長の鍵となっている証拠を次々と指摘する。この事例が面白い。単なる反証ではなく、それぞれの歴史的経緯を踏まえながら、どのように折り合いをつけてきたかを解き明かす。 たとえばファッション。メジャーブランドが新作を発表すると、すぐさま模造品が出回るが、そうした

情報系の学生さんなどが株をやってみたくなるというのはTLを見ていてもよくあることだと思います。 しかし、情報系の方が予備知識なく株や為替の取引に手を出そうとすると、ついつい時系列データをニューラルネットワークにぶちこんで予測をはじめたりなど、気がつけばコンピュータ占星術の世界に突入してしまうことが多いようです。 教授が、「株をやりたいんだったらまず10冊本を読んでください。読み終わったら好きにやってもいいです。」と言っていましたが本当にそのとおりです。それに、プログラマなんだから、車輪の再発明は避けたいです。 そこで今日は皆さんが占星術の誘惑を跳ね除け、株投資をはじめるまでに読むべき10冊をピックアップしました。 ウォール街のランダム・ウォーカー ウォール街のランダム・ウォーカー <原著第10版>―株式投資の不滅の真理 作者: バートン・マルキール,井手正介出版社/メーカー: 日本経済新聞

http://anond.hatelabo.jp/20151118225408 業界内部増田です。 まず、本当にどうしようもない(不可抗力ではなくしょうもないという意味)理由として、その作者さんと編集者さんのアクセスできるラインに制約があります。文庫しかアクセス出来なければ文庫で出しますし、文芸書的な編集部ならその判型で出すというのはあります。作家や編集者は、どんな装幀の本でも自由に出せるかと言えばそんな事もなく、編集部の主戦場にしてる判型や書店の本棚というものがあるのです。営業が影響力を発揮できる範囲は書店全域ではありません。まあ、これは後付けのところのしょうもない理由ですね。 より本質的な理由としては、「想定読者数(≒初版部数)」の問題があります。もし、新書、四六判、文庫など自由な判型が選びうる編集部で企画が進んだ場合、問題になるのは、この本を何人くらいの読者が求めてくれるか? という

こんにちは。この連載では、何度か図書館について取り上げてきましたが、昨日(10月29日)、こんなニュースが飛び込んできました。 “図書館関係者が多くを占める会場で、新潮社の佐藤隆信社長が、売れるべき本が売れない要因の一つは図書館の貸し出しにある、と口火を切った。佐藤社長は、ある人気作家の過去作品を例に、全国の図書館が発売から数カ月で貸し出した延べ冊数の数万部のうち、少しでも売れていれば増刷できていた計算になると説明。(中略)新潮社を旗振り役に大手書店やエンターテインメント系作家らが、著者と版元の合意がある新刊について「貸し出しの1年猶予」を求める文書を、11月にも図書館側に送る予定だ。” 出版不況の一因は、無料で本を貸し出す図書館にある。こういうことは昔から言われていたわけで、筆者も一度取り上げたことがあります。ですが、ここへ来て出版界の声が、さらにヒートアップしてきた印象があります。本当

公立図書館の貸し出しにより本が売れなくなっているとして、大手出版社や作家らが、発売から一定期間、新刊本の貸し出しをやめるよう求める動きがある。背景には、深刻化する出版不況に、図書館の増加、サービス拡充もある。本を売る者と貸す者、相反する利害のはざまで、出版文化のあり方が問われている。 「増刷できたはずのものができなくなり、出版社が非常に苦労している」。10月半ば、東京都内で開かれた全国図書館大会の「出版と図書館」分科会。図書館関係者が多くを占める会場で、新潮社の佐藤隆信社長が、売れるべき本が売れない要因の一つは図書館の貸し出しにある、と口火を切った。 佐藤社長は、ある人気作家の過去作品を例に、全国の図書館が発売から数カ月で貸し出した延べ冊数の数万部のうち、少しでも売れていれば増刷できていた計算になると説明。司会役の調布市立図書館(東京都)の小池信彦館長が「それは微妙な問題で……」と言葉を濁

2015-10-28図書館さん、新刊を無料で貸し出すのはもう止めてあげて本 現在、出版業界は未曽有の大不況らしいが、その原因のひとつに図書館で起きているこが関係しているそうな。 新刊を貸出す とある書籍で得た知識だが、現在、図書館では発売したばかりの本(新刊)を、あまり間を開けずに貸出しするそうだ。しかもそれは僅かな数ではなく、相当量という。市場のことを考えれば、これで問題になることは容易に想像できるだろう。 出版社や作者が煽りを受けるということだ。 せっかく出した本、しかもベストセラーで利益が出そうな本を、半年もしないうちに官が無料で貸し出ししてしまう。これでは出版した会社も筆者もたまったものではない。理不尽にもほどがある。ゲーム業界で例えてみる 長い月日をかけて、ゲームを制作する。待望のリリース日を迎え、販売のペースは順調だ。しかし、ここで行政が運営する「ゲーム館」にて、3か月後

「ブルーオーシャン症候群」とは、密かに日本企業に蔓延する病である。その症状には以下のようなものがある。 自社事業とは遠いところに、競争が少なくて儲かる事業領域があると信じている そしてその事業領域は楽勝で参入できると思っている よって、少人数、少額、短期間で新規事業が創出できるべきだと思っている 結果として(実は当たり前に大変な)新規事業創出に本腰が入らない そもそもブルーオーシャンとは 「ブルーオーシャン」は、長きにわたって日本のビジネスマンが好きな言葉だ。(ちなみにアメリカではとんと聞くことがない)。 ちょっと前に、元マッキンゼーコンサルタントの日本人3人で「ブルーオーシャン」の話になった。大体こんな感じの会話だったはず。 「なんか、『楽勝で参入できる競争が少なくて儲かる事業領域』みたいな意味で、『ブルーオーシャン』って使うよね?」 「そうそう。そんなのあるわけないのに」 「だよねー。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く