Next.jsは従来より、デフォルトで高いパフォーマンスを実現するフレームワークであることを重視してきました。App RouterにおいてもSSR・Streaming・Cacheなど様々な最適化により、高いパフォーマンスの実現を目指してきました。しかし一方で、積極的なCache活用や複雑すぎるCacheの影響範囲は、開発者に多くの混乱をもたらしました。 v16で導入されたCache Componentsは、Next.jsのCacheのメンタルモデルを大きく変更するものであり、これまでの多くの課題を解決しうるリアーキテクチャです。この記事では、Cache Componentsが何を解決しようとしているのか、なぜリアーキテクチャに至ったのかなどの歴史的経緯を解説します。 Next.jsの歴史 Next.jsには現在、Pages RouterとApp Routerという2つのRouterが同梱さ