5月、ある訃報がもたらされた。NHKの子ども向け工作番組「できるかな」などで人気を博した高見のっぽさんだ。のっぽさんは子どもを「小さい人」「おチビさん」と呼び、「小さい人はとても賢い」と言っていた。のっぽさんへのインタビューを振り返ると、その理由の一つに、自身の戦争体験が横たわっていたのが見えてきた。【江畑佳明】 生前最後の取材で語ったこと のっぽさんは昨年9月10日、心不全により88歳で亡くなったが、公表は今年5月10日。本人の「半年は伏せてほしい」いう遺志があった。私たちは昨年7月21日、のっぽさんにインタビュー取材をしていた。亡くなる約50日前のことだ。後で聞いたところでは、これが最後の取材になったという(紙面掲載は2022年8月22日夕刊)。 取材の目的は「戦争の記憶」を聞きたかったから。終戦時に11歳だったが、その体験を語り出したのはつい最近のこと。2015年に出版された「私の『

学生ちゅうもく~。いや遠い昔に学生だった人にも、ぜひ注目してほしいです。 早稲田大学のすぐ近くで20年近く営業し、多くの学生から愛されたカレー屋さん「メーヤウ」が、2017年に惜しまれつつ閉店したことは皆さんご存知かと思います。 あのめちゃくちゃ辛いのになぜか旨くて癖になるチキンカリー。昼時は行列ができて店の前の階段に一列で並んだ日々。 ああ、メーヤウはもうないのか…とちょっと切ない気持ちだったのですが、本当にいろいろなことがあって最近復活したそうです。 あのカレーは健在なの?って気になる方も、メーヤウは知らなかったけど美味しいカレーは好きだよという方もちょっと読んでいってください。3分くらいで終わります。 こちらが現在のメーヤウ。西早稲田駅徒歩1分、明治通りと諏訪通りが交差する好立地に今年7月に復活しました。 もともとは早稲田大学文学部キャンパスのすぐ横にあって、昼時はほぼ100%学生

今年6月に端を発した吉本興業の“闇営業騒動”。その中心人物となったのがお笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村亮さん(47)でした。騒動発生から騒動を複雑化させたウソ、いきなりの会見、そして今の思い―。相方の田村淳さん(45)が「なんでも聞いてください」と、一連の騒動の舞台裏を初めて明かしました。 このウソは大変なことになる “闇営業”の記事が出ると聞いた時、すぐ亮に電話をしました。当然、相手が反社会勢力とは知らずにそういう場所に行ったんだろうなと。それは思った通りだったんですけど、お金のことを尋ねたら「もらっていない」と。 瞬間的に思ったのは「こんな場に行って、もらってないってある?それは信じられない」ということでしたし、それを亮にも言いました。それでも「もらっていない」と。 ただ、これはTwitterでも書いたんですけど、僕の知ってる亮はウソをつくヤツじゃない。そんな思いが根底にあ

生き方上手な人に比べて「自分は圧倒的に劣っている」。お笑いコンビ・オードリーの若林正恭さんは、新たに執筆した著書のなかでそう述べています。もともと人見知りだという若林さんは社会生活にうまくなじめず、「他の人と自分が何か違うような気がする」という疑問を抱き続けてきたといいます。 【写真特集】みうらじゅん、オードリー若林、ウメハラ・・・個性的な生き方を楽しむ著名人 しかし、今年9月に40歳になる若林さんは、そんな自分を受け入れられるようになってきたのだとか。現在の心境をまとめた単行本『ナナメの夕暮れ』(文藝春秋刊・8月30日発売)を出版する若林さんに、話を聞くことができました。若林さんはエッセーに綴った2015年からの3年間を「青年とおっさんの狭間」だったと記しています。(土井大輔) ーー単行本に収録されたエッセーを書いたこの3年間は、若林さんにとってどんな時間でしたか? 若林:非常に中途半端

で、ぼくらはいつ自動運転車に乗れるんですか? 研究歴20年、金沢大学 菅沼准教授に聞く(1/7 ページ) ボタンひとつで目的地まで運んでくれる、そんな夢の乗り物「自動運転車」。実現時期は「早ければ今年か来年にも」という声もあるが、「いや2020年だ」「いやいや、一般道で普通に乗れるようになるにはもっとかかる」などと判然としない。いいから、早く乗らせてくださいよ。そう思っているのは記者だけではないだろう。 完全自動運転車があれば、ちょっとした買い物もらくらくだ。クルマが運転できないからと諦めていた旅行もできる。夜遅くまでお酒を飲んでも、電車のことを気にせず帰ってこれるかもしれない。 そんなおり、すごいクルマの動画を発見した。運転手がハンドルに触れることなく、一般車が往来する市街地をビュンビュン走っていくのだ。しかも日本で。 このクルマを研究開発しているのは、金沢大学の計測制御研究室。大学公式

最後の歴史長編を刊行した塩野七生さん(新潮社写真部撮影) 「最後の歴史エッセイ」と決めて書いた作品が刊行されたばかりの塩野七生さん。選ばれた題材は、弱冠二十歳でマケドニアの王となり、三十二歳で夢のように消え去ってしまったアレクサンダー大王。なぜアレクサンダーを選んだのか、歴史を書く喜び、読む愉しみについて聞いた。(聞き手・伊藤幸人/新潮社) *** ――塩野さんが書いた文章がはじめて雑誌「中央公論」に掲載されたのが一九六八年。来年でデビュー五十年ということになります。今日はこの間のことをいろいろとお聞かせいただければと思っています。私がはじめて塩野さんと仕事をしたのは二十八歳のとき、三十五年前ということになります。 塩野 聞き手があなたでなければ言葉を選ぶところですが、今日はちょっとしゃべりすぎちゃうかもね。それにしても三十五年ですか。ずいぶんうまいこと続いたわね。喧嘩もせずに。 ――どう

インタビュー記事、取材記事、といった類のものがある。数は多くないけれど、私自身も、インタビュー「する」側「される」側、ともに関わったことがある。これらの機会をあたえてくれた人たちに、感謝している。 これらの記事には、大きく分けて二種類あると私は思っている。一つは、「本人(インタビュイー)にとって名誉なことがクローズアップされているもの」。そしてもう一つがその逆の、「本人にとって不名誉なことがクローズアップされているもの」だ。 自分自身に関していうのであれば、私は今のところ前者にしか関わったことがない。 「される側」として、ライターとしての経験やお金の使い方を聞いてもらって記事にしてもらえたことがある。「する」側として、汚部屋から一転、お掃除ブログを立ち上げて書籍出版に繋げた方や、本業でバリバリやっている占い師の方に話を伺わせてもらったことがある。働き方とか、仕事論とか、あとは専門家にご意見

2014年に日本語版が発刊されたフランスのバレエ漫画『ポリーナ』は、ロシア出身の少女が、ダンスを通して自分の生きる道を発見する物語だ。今年10月、数多の批評家から絶賛された同作の実写映画が、日本公開される。古典バレエと現代ダンスの世界を巡りながら、自分の居場所、自分の表現を探すポリーナの姿は、アーティストだけでなく、あらゆる若者の悩みや希望を映し出しているだろう。 今回、公開に先駆けて同作を監督したヴァレリー・ミュラーと、アンジュラン・プレルジョカージュ、そして舞踊評論家として活動する石井達朗のトークを行うこととなった。ヨーロッパ屈指の振付家でもあるアンジュラン自ら編集と振付を手がけたという意味で、『ポリーナ、私を踊る』はひとつのダンス作品と呼ぶこともできるだろう。異色のダンス映画を、三者はどのように捉えたのか? 新人ダンサーである彼女が経験することは、すべて現実にもありえることです。(ヴ

北川一成の名を知らない人も、どこかでそのデザイン&プリンティングの名仕事に出会っているのではないだろうか。アートファンなら、タカ・イシイギャラリーのあのロゴや、森山大道らの写真集。お酒好きなら「富久錦」「月の桂」などの斬新なパッケージ改革……。 傾きかけた実家の印刷会社を受け継ぎ、変幻自在のデザイン力と「印刷業界の駆け込み寺」と称される技術力を融合した仕事師集団「GRAPH」として再生。洗練された抽象形態から、異色レイアウトまで縦横無尽に生み出し、数々の成果を挙げてきた。その発想源・発想法とは? GRAPHの名を冠した展覧会『GRAPH展』を前に、本人にその疑問をぶつけてみた。 ロジックの世界と感性の世界、この両極がつながりながら広げられるほど、いろんな表現が可能になる。 どこかにこんな不思議なフォントやシンボルをふだん使いする並行世界があるのでは? と思わせる世界観。一見すると感性重視で

ゲーム保存協会というNPOをご存知だろうか? 1970~80年代の古いデジタルゲームを文化財として保存することを目的に、ゲームソフトやハードを収集修復するだけでなく、雑誌書籍や周辺資料などの保存活動をしている団体だ。フロッピーディスクやカセットテープなど、ゲームソフトを都内の本部アーカイブ室だけで約1万2000本保有している。最近では日本ファルコムから、1980年代に社内で活躍したユーザーサポート用フロッピーディスクのストック一式を寄贈されたことでも話題になった。 日本ファルコム株式会社さまから、ゲーム保存協会に資料寄贈いただきました。大切な歴史をしっかり引き継ぎアーカイブ室で長期保存します。夏にはアーカイブ室一般公開もはじめる予定ですが、ご寄贈いただいたファルコム様ありがとうございます!https://t.co/EemqTV1pRP pic.twitter.com/mEKgAjXb65

Deleted articles cannot be recovered. Draft of this article would be also deleted. Are you sure you want to delete this article? エクスペリエンス・ビジョン 1. 人間中心設計と提案型アプローチ 1-1. エクスペリエンスビジョンとは? 新しい働き方の胎動 個人化(モバイルの普及など)、嗜好の多様化、ダイナミック化。 顕在化している問題・ニーズに対応するだけでは厳しくなっている。 潜在的な欲求を導き出して、形にして、新しい価値を提供することが我々の仕事になりつつある。 産業構造の変化 産業構造におけるサービス部門の比率が増加 知識・情報集約型の企業が増える 経済危機と3.11 エクスペリエンス・ビジョンの時代 人間中心設計に基づいたデザイン手法。 この手法は、マー

デザインとエンジニアリング、デザインとビジネスなど、クリエイターにも従来の仕事の範囲を超えた知識と発想が求められる時代。連続インタビュー企画「Borderline」では、ブログ「テクニカルクリエイター.com」を運営する小島芳樹さんが、注目のクリエイターが日々どんなことを考えているのか? オン/オフの両面からお話を伺います。 第5回のゲストは、株式会社ソウゾウのデザイナー三橋正典さん。これまでのキャリアとお気に入りアイテムについて聞いた前編に続き、いま夢中になっていること、これからやりたいことを伺いました。 想像力を広げるきっかけになる漫画 小島 続いて、趣味についてお聞きしましょう。三橋さんの趣味を象徴するものを用意いただきました。 三橋 音楽にするか漫画にするか迷ったんですけど、最近は漫画のほうがはまっているので。まずは諸星大二郎(※)の『諸星大二郎自選短編集』です。 三橋 諸星大二郎

4月中旬からネット上で話題を呼んでいるSNSの新鋭「Mastodon」(マストドン)。13日に報じた通り、日本国内で大きくユーザー数を集めたのは22歳の大学院生が私費で自宅のサーバに立ち上げた日本人向けインスタンス「mstdn.jp」がきっかけだった。事の発端から、わずか数日でドワンゴへの入社も決まった若き運営者“ぬるかるさん"は一体どんな人物なのか。本人とご両親に話を聞いた。 マストドン(Mastodon)はTwitterと何が違う?ITmedia NEWSでは、ニュースと連載によって連日報じてきたが、念のため概要をここでも解説しておく。マストドンは投稿(トゥート)できる文字数が500文字までといった違いはあるが、発言が表示されるタイムラインや返信、ブースト(リツイート)、お気に入り、フォロー、リフォローといった基本機能はTwitterと同じSNSだ。ユーザーインタフェースもTwitt

1980年代をニューウェイブの歌姫としてセンセーショナルに駆け抜け、一方では女優として『釣りバカ日誌』や『男はつらいよ』といった国民的な作品に出演し、ドラマやバラエティーでも活躍するなど、その特異な個性が光った戸川純。彼女がVampilliaとのコラボレーションによって過去の名曲を再録したアルバム『わたしが鳴こうホトトギス』を発表した。 今回の取材では、歌手活動35周年を記念した作品のリリースにあたり、戸川のキャリアを改めて総括。「不思議ちゃんとかメンヘラとか、さんざん言われてきたわよ」と笑って語る彼女の表現の源泉に迫った。 女優と歌手を並行させながら時代と戦った80年代から90年代。そして、体調を崩しながらも、女優と歌手を続けることに執着し、「生きる」ことへの情熱を燃やす現在。このインタビューによって彼女の人となりや哲学が伝わることを願いたい。 「私のことわかって」だけだったら歌わない。

2018年4月25日をもちまして、 『CodeIQ』のプログラミング腕試しサービス、年収確約スカウトサービスは、ITエンジニアのための年収確約スカウトサービス『moffers by CodeIQ』https://moffers.jp/ へ一本化いたしました。 これまで多くのITエンジニアの方に『CodeIQ』をご利用いただきまして、 改めて心より深く御礼申し上げます。 また、エンジニアのためのWebマガジン「CodeIQ MAGAZINE」は、 リクナビNEXTジャーナル( https://next.rikunabi.com/journal/ )に一部の記事の移行を予定しております。 今後は『moffers by CodeIQ』にて、ITエンジニアの皆様のより良い転職をサポートするために、より一層努めてまいりますので、 引き続きご愛顧のほど何卒よろしくお願い申し上げます。 また、Cod

あるときは社会問題に舌鋒鋭く切り込み、またあるときは標的に徹底してネット的なブラックユーモアをぶつける……そんな山本一郎さんへの評価は人によってさまざまだ。投資家として成功しながら、ブログ、雑誌、テレビ、SNSなど様々なメディアで発信し、「炎上上等」と言い切り、ネットでケンカをさせたら、おそらく右に出る者はいない。しかし、いまいち判然としないのは、山本さんが「何のために、それをしているのか」だ。 2013年の参画以来、Yahoo!ニュース 個人のオーサーとして、すでに669本(2016年8月31日現在)の記事を執筆している山本一郎さん。90分間、一貫して論理立った説明と、圧倒的な情報量の受け答え、時折差し込まれる「知らないほうが幸せだった」と筆者が感じるほどの際どいネタに翻弄されたインタビュー。しつこく粘った結果、最後に何気なくこぼれたのは、驚くほど真摯な発信の原点だった。 ■ネットの30

“手先が伸びて縮むだけ”のロボットが、「在庫ゼロ」になるほど売れている理由:水曜インタビュー劇場(ロボット公演)(1/7 ページ) 「ロボット」と聞いて、どんなモノを想像するだろうか。AI(人工知能)が搭載されていたり、複雑な動きをしたり、人間ができないことをしたり――そんなことを思い浮かべる人が多いかもしれないが、“手先が伸びて縮むだけ”のロボットが、各方面から注目を浴びているのだ。 そのロボット名は「CORO(コロ)」。2007年に創業したライフロボティクスというベンチャー企業が、今年1月に発売した。「コロ」の映像を見る限り、失礼ながら「地味」という表現がよく似合う。ベルトコンベアに運ばれてくる商品をつかんで、それをケースの中に入れるだけ。一連の動作からは、「革新」「先進」「未来」といった言葉が浮かんでこない。 しかし、である。発売後、すぐに注文が殺到。トヨタ自動車、オムロン、吉野家、

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