ビジネス 特集 建て替えか、それとも解体か 老朽化マンション どう対処する? 2025年7月22日 19時02分不動産マンションの老朽化が進んでいる。 いまや国内のマンションの2割が築40年以上の物件で、その数は今後、急速に増えていく。 しかし、「建て替え」や「解体」は、ほとんど進んでいない。 老朽化するマンションにどう対処するのか、現場を探った。 (経済部記者 牧野慎太朗 / 社会番組部 ニュースウオッチ9 ディレクター 水野景太) 建て替えたくてもできない なぜ? 東京・板橋区にある築43年、5階建ての分譲マンション。住民たちは定期的に修繕工事を行い、大切に住んできた。 しかし、建物は旧耐震基準で建てられていて、住民たちの間で不安が高まっていた。そこで検討したのが、「建て替え」だった。

首都圏のマンションの一室で、住民や管理会社従業員らが集まり、テーブル越しに向き合っていた。5月17日、土曜日の午後。大規模修繕のための委員会の会合だった。 開始から30分近く。住民の1人が出席者の1…

マンションの大規模修繕工事を巡って談合したとして、公正取引委員会は23日、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで数社を立ち入り検査した。関係者への取材でわかった。 23日に立ち入りを受けたのは、不…

関東地方のマンションの老朽化などに伴う大規模修繕工事をめぐり、施工会社およそ20社が受注する会社や価格を事前の話し合いで決める違法な調整を繰り返していた疑いがあるとして、公正取引委員会が4日、一斉に立ち入り検査を行ったことが関係者への取材で分かりました。 立ち入り検査を受けたのは、いずれもマンションの修繕工事を行っている東京・港区の「長谷工リフォーム」や川崎市の「シンヨー」、それに東京・品川区の「中村塗装店」などおよそ20社です。 関係者によりますと、これらの社は、関東地方の複数のマンションの老朽化などに伴う大規模な修繕工事をめぐり、請け負う会社などを事前の話し合いで決める受注調整を繰り返し独占禁止法に違反した疑いがあるということです。 外壁の補修や防水工事などの大規模修繕工事は、マンションの所有者などで作る管理組合側が発注して複数の社の提案を比較検討する「見積もり合わせ」を行うケースが多

物価に異変です。長い間、指数があまり変化せず、『岩盤』とも呼ばれていた品目をご存じですか。物価上昇が続く中、ついにその『岩盤』が動き出しました。 いったい何が起きているのか。景気を左右しそうな異変の背景を追いました。 (経済部 佐々木悠介) 1通の手紙がわが家に 先月、私が住んでいるマンションに不動産会社から1通の手紙が届きました。 中身は契約更新のお知らせについて。 都内の賃貸マンションに住む私は2年ごとに更新する契約でしたが、内容を確認すると、家賃がこれまでより5000円増えていたのです。 年間で6万円負担が増える計算です。 今の家には4年暮らしていますが、家賃の改定は初めてのことでした。最近子どもも生まれ、何かと出費が多くなるなかでの家賃の上昇。かといって家を買おうにも高くて手が届かない。 その日の夜は泣く泣くサブスクの見直しなど家計の固定費削減に向けた家族会議が開かれることになりま

大量の宅配の荷物が届くタワーマンションなどを対象に、荷さばきの駐車スペースを義務づけるため、国土交通省は、自治体が条例をつくる際の制度改正を行うことになりました。 荷さばきの駐車スペースの義務化は、法律に基づいて自治体が条例を制定して行うことになっていますが、現在の制度では商業施設や事務所などが対象となっています。 国土交通省は、一日に数百個の宅配の荷物が届くようなタワーマンションなどにも義務化ができるよう、今年度内に制度改正を行うことになりました。マンションを新たに建設する際に義務化される形で、対象となるマンションの規模については、自治体が条例を制定する際の目安となる基準を今後検討するとしています。 駐車スペースがないために、離れた場所から荷物を運ぶ負担や、長時間の路上駐車などが課題となっていて、国土交通省は、人手不足による物流のひっ迫の改善にもつながるとしています。

7月に引き渡しが迫っていた東京・国立市内の分譲マンションが解体される見通しとなった問題で事業者の「積水ハウス」は問題が表面化して以降、初めて、経緯などの説明文書を11日夜、ホームページ上に公表しました。 国立市中2丁目の分譲マンション「グランドメゾン国立富士見通り」は7月、契約者に引き渡されることになっていましたが、事業者の「積水ハウス」は6月3日に事業の中止と解体を決定し、4日に国立市に届け出ました。 積水ハウスは11日夜、問題が表面化して以降、初めて、経緯などを説明する文書をホームページ上に公表しました。 この中では冒頭、「ご契約者様、周辺住民の皆様をはじめ、多くの関係者の皆様にご迷惑とご心配をおかけしておりますことを謹んでおわび申し上げます」と謝罪しています。 そしてこれまでの対応について「計画当初より富士山の富士見通りからの眺望に対して多くの声をいただき、十分な協議を重ねる中で2回

▽2021年2月:マンション建設計画 公表 ▽2021年9月~:事業者が住民説明会 「当初計画の11階から10階建てに方針変更」 ▽2022年1月 :事業者が住民説明会 「さらなる階数の低減には応じられない」 ▽2022年11月:市が事業者側に建設を承認 ▽2023年1月:着工 市などによりますと、このマンションの建設計画は3年前の2021年2月に公表され、翌年の2022年11月には市が事業者側に建設を承認し去年1月に着工しました。 ただこの間、計画の公表直後から周辺住民からは問題を指摘する声があがっていました。 このため市は、まちづくり条例に基づく有識者などからなる審議会に諮問。審議会からの答申を踏まえ、市は事業者に対し、建物のボリューム感の低減などについて住民への丁寧な説明と理解への努力を求める「指導書」を交付します。 これを受け、事業者は2021年9月からの住民説明会で建物の高さを当

マンションの修繕費などを賄うための積立金が不足するケースが増えています。修繕費の見積もりや徴収額の設定が不十分なことや、資材の高騰で修繕費が上昇していることなどが背景にあり、国土交通省は専門家による検討を始めました。マンションの修繕積立金など管理計画のガイドラインの見直しに向けて、国土交通省は30日、専門家による検討会で議論を始めました。 国の2018年度の調査では、修繕計画に対して積立金が不足しているマンションの割合は34.8%と5年間で2倍以上に増えているということです。 背景にあるのが、修繕費の見積もりや徴収額の設定が不十分なことです。 国土交通省によりますと、積立金の徴収額は築年数などに応じて段階的に引き上げていく方式が最近多く、新築マンションの修繕計画に関する調査では、最終的に見込まれる徴収額は初期の徴収額に比べ平均で3.6倍となり、中には10倍を超えるケースもあるということで

老朽化したマンションが増える中、国の法制審議会は建て替えの手続きなどを円滑に進めるため、いわゆる「マンション法」を見直す中間試案をまとめ、決議の要件の緩和などを盛り込みました。 築40年を超えるマンションは、20年後には全国で都市部を中心に、現在の4倍の425万戸に増える見込みで、老朽化への対応が課題になります。 このため、国の法制審議会の部会は、建て替えの手続きなどを円滑に進めるため「建物区分所有法」=いわゆる「マンション法」を見直す中間試案をまとめました。 試案では、それぞれの住居の所有者が不明になっている場合に備え、マンション建て替えの決議に現在、所有者の5分の4の賛成が必要だとしている規定について、4分の3の賛成に引き下げる案や、5分の4の賛成を維持し、耐震性が不足している場合は4分の3に引き下げる案などが示されました。 また、修繕などの決議については、現在の「保有者の過半数の賛成

三重県志摩市のリゾートマンションで完成から四半世紀の間に建築時の施工不良が相次いで確認され、将来的な修繕費用の負担を巡るトラブルが起きている。住民でつくる管理組合側は法令に抵触する「手抜き」工事が原因だとして、施工主側に今後20~25年間の無償修繕を求めるが、施工主側は工事の不手際を認めつつも、20年経過による法的責任の消滅を理由に応じる気配はない。施工不良の後始末を誰がつけるべきなのか。 完成数年で発覚太平洋を見渡す志摩市の観光名所・大王崎近くに建つ平成9年11月竣工(しゅんこう)のリゾートマンション「ロイヤルヴァンベール志摩大王崎」(120戸)。鉄骨鉄筋コンクリート造り14階建てで、準大手ゼネコンの旧住友建設(現三井住友建設、東京都)が施工し、大手住宅メーカーの大和ハウス工業(大阪市)が分譲した。主に別荘などに使用され、約20世帯が定住している。 管理組合によると、施工不良は竣工4~5

三重県志摩市のリゾートマンションで、建築時の施工不良が原因とみられる天井の剥落(はくらく)が相次ぎ、施工会社などとトラブルになっている。住民たちで作る管理組合は近く、津地裁に修理費用を求めて訴訟を起こす方針だ。(増実健一) 【写真】2021年に落下したコンクリートの塊 トラブルが起きているのは、志摩市の観光スポット・大王崎の近くに立つ「ロイヤルヴァンベール志摩大王崎」。1997年に完成した鉄骨鉄筋コンクリート造りの14階建てで、120戸。準大手ゼネコンの住友建設(現・三井住友建設、東京都)が施工し、大手住宅メーカーの大和ハウス工業(大阪市)が分譲した。主に別荘として使われているが、定住している人もいる。

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