メキシコ、バハ・カリフォルニア沖のコルテス海を泳ぐクロカジキ。一部の海域では、深海の低酸素海域を避けてカジキなどが海面に群がっている。(PHOTOGRAPH BY NORBERT WU, MINDEN PICTURES VIA NATIONAL GEOGRAPHICCREATIVE) 10年以上前のある日、研究用のタグを付けた魚を追跡していたエリック・プリンス氏は奇妙なことに気がついた。米国南東部沖に生息するニシクロカジキは獲物を追って800メートルは潜るのに対し、コスタリカとグアテマラ沖では海面付近にとどまっていて、潜っても100メートルを超えることがめったになかったのだ。 米国海洋大気局(NOAA)を退職して以来、カジキの専門家として研究を続けているプリンス氏は首をひねった。これまでにコートジボワール、ガーナ、ジャマイカ、ブラジル沖のニシクロカジキを調べてきたが、そのような例は一度も
By jeff_golden 地球上には約14億立方キロメートルの水が存在しますが、その97%が海水で淡水は約3%しかなく、淡水の中でも飲料水として利用できるものはさらに少ない、とされています。人口爆発と呼ばれるほど世界の人口は増加しており、将来的に深刻な水不足問題を危惧する研究者もいますが、オーストラリアの大学の教授が海底の地下に塩分の薄い淡水資源を発見し、水不足への解決策になる可能性があります。 Offshore fresh groundwater reserves as a global phenomenon : Nature : Nature Publishing Group http://www.nature.com/nature/journal/v504/n7478/full/nature12858.html Vast freshwater reserves found ben
→紀伊國屋書店で購入 「好奇心あふれる鉄の巡礼者」 東海道線の小田原の先にある真鶴は、地名は知っていたが訪ねたことはなく、あるとき仕事で行くことになってはじめて駅に降り立った。目的は中川一政美術館の取材で、彼の力強い作品にも感動したが、それと同じくらい驚かされたのは、太平洋に突き出た真鶴半島の豊かな森だった。 半島の背骨にあたる道を先端にむかっていくと、原生林にぶつかり、そこから先は車で行けなくなる。ちなみにその森の入口に中川一政の美術館は建っており、館内の窓から見えるのは緑一色の世界。海辺に来たつもりが、山のなかにさまよい込んだかと思うような思いがけない光景だった。 取材を終え、港に下りて浜の食堂に入ったところ、出てきた魚料理がまたおいしいかった。山と海がいちどに楽しめるこんな場所が都心から一時間ちょっとのところにあるのが大発見で、しばらくは会う人ごとに、真鶴って行ったことある?と触れ回
2012 年度末に日本近海のメタンハイドレート試掘地域から天然ガスを産出する実験に日本政府が乗り出すそうだ (日本経済新聞の記事、メタンハイドレート開発実施検討会の配付資料より) 。 産出試験は和歌山県沖から静岡県沖にかけての「東部南海トラフ海域」で行われる予定で、8 月上旬をめどに決定、年度末に掘削に着手し、12 年度末に数週間かけて実施するとのこと。すでに行われた掘削調査によると、世界で初めて「ダービダイト成砂層に胚胎するメタンハイドレート濃縮帯」の存在が確認されており (参考:メタンハイドレート資源開発国際シンポジウムの資料 (PDF))、この海域に日本の天然ガス消費量の 13 年分あるそうだ。そしてもし海底資源から天然ガスの産出に成功すれば世界初の快挙となる。 ただしBlomberg.co.jp の記事によれば、市場関係者の中には「地熱発電や太陽光発電など、他の実現性の高い発電技術
政府は2012年度末にメタンハイドレートと呼ばれる海底資源から天然ガスを産出する実験に乗り出す。今年度末に掘削に着手し、12年度末に数週間かけて実施する。海底から産出に成功すれば世界初となる。東京電力福島第1原子力発電所の事故を受けて天然ガスなどの安定確保の必要性が高まっており、政府は18年度までに産出技術の確立を目指す。産出試験は和歌山県沖から静岡県沖にかけての「東部南海トラフ海域」で行う予
ハイテク製品に欠かせないレアアース(希土類)を高濃度で含む泥が、太平洋の深海底に大量に存在することを東京大の研究チームが発見した。総埋蔵量は陸上の800倍に達する“夢の泥”という。日本はレアアースの90%を中国から輸入しており、資源として利用できれば中国依存からの脱却につながる可能性もある。4日付の英科学誌「ネイチャージオサイエンス」(電子版)に掲載された。 発見したのは東京大大学院工学系研究科の加藤泰浩准教授ら。国際共同研究などで採取された太平洋海底のボーリング試料を分析し、ネオジムなどのレアアースを400ppm以上の濃度で含む泥が、水深3500~6千メートルの多くの地点に分布しているのを見つけた。 特に高濃度の泥はタヒチ付近の南東太平洋と、ハワイ付近の中央太平洋に集中。泥の厚さはそれぞれ8メートル、23・6メートルで、両海域計約1100平方キロメートルの総レアアース量は、世界の陸上埋蔵
印刷 レアアースを含む海底から採取した泥の試料(奥の皿は乾燥させた泥)レアアースを多く含む泥の分布(試料の分析での判明分) ハイテク製品に欠かせないレアアース(希土類)が太平洋の広い範囲で海底の泥の中に大量に存在すると、東京大などの研究チームが発表した。採取や精錬しやすい形で存在しているとみられ、レアアース問題の解決につながると期待される。4日の英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス(電子版)に掲載される。 東大の加藤泰浩准教授(地球資源学)らによると、レアアースが多く存在すると見られるのはハワイ付近と仏領タヒチ付近の計約1100万平方キロを中心とする広い海域。水深3500〜6千メートルの海底に積もった厚さ2〜70メートルの泥に含まれていた。主に公海だが、日本の排他的経済水域(EEZ)にも存在する可能性があるとみている。 推定埋蔵量はこれまで知られている陸地の埋蔵量約1億1千万トンの80
海水には77種類の元素が溶存しており、チタンやリチウム、コバルト、バナジウムなどレアメタルも多数存在する。中でもウランは、鉱山ウランの埋蔵量の実に1000倍に匹敵する量が存在すると推定されている。 各国による原子力発電所の開発ラッシュが続く一方で、鉱山ウランの枯渇が危惧される中、約30年前から、海水ウランの捕集技術の研究開発に取り組んでいる機関がある。日本原子力研究開発機構(JAEA)の高崎量子応用研究所だ。 45億トン。これは地球上のすべての海水中に溶存していると推定されるウランの量だ。今後、採掘可能と推定される鉱山ウランの埋蔵量の実に1000倍に匹敵する。ウランは原子力発電所の燃料として使われている。海水中のウランは、世界の原子力発電所で1年間に消費されているウランの約6万倍に相当する計算となる。 ウランだけではない。海水には全元素の約7割に当たる77種類の元素が含まれており、低濃度で
前の記事 銀河を生み出す「裸のブラックホール」 増加する「海の騒音」と、世界中で変化する「鯨の声」 2009年12月 7日 Brandon Keim Imagecredit: NOAA クジラは、見通しは悪いが、音を妨げるものはほとんどない環境で進化してきた。餌を探すときも、移動するときも、コミュニケーションをとるときも聴覚を頼り、複雑な発声法を用いて互いに呼びかけている。 その距離は数百キロメートル先まで届くものであり、シロナガスクジラなどの低い周波数の声の場合、海全体に伝わるものだ。[ナガスクジラは20ヘルツという低周波で鳴き、到達距離は控えめに見積もって500キロメートルとされる] ところが、船舶が発する騒音が、しばしば海の自然音をかき消してしまうことが、ここ10年ほどの研究で明らかになっている。一部のソナー、特に軍用艦が使用するものは、数百キロメートル先まで音が届く。これにエンジ
前の記事 高速道路自体がリニアモーター:未来の電気自動車システム(動画) 「地球のハミング」:海や大気で生まれる周波数 2009年8月11日 Hadley Leggett 米国西海岸の衛星写真。Image:NASA 人間の耳には聞こえないだろうが、地球は絶えずハミングしている。そして、世界のいくつかの場所では、より大きな声で歌っている。 海洋波が海底に衝突することが原因とされる謎めいた低周波の音は、1998年に発見された。研究者たちは最近、地球のこの「背景音」の発生源を特定した。主に北米の太平洋岸を起源とするらしい。 よく似た周波で振動している2つの波が正面から衝突するとき、エネルギーを海底に伝える独特の圧力波が発生する。これらの圧力波が海底を打ちつけるとき、周波数がおよそ10ミリヘルツの持続性の振動を引き起こす。これは、人間の聴力には低すぎて聞こえないものの、地震計では容易に探知できる大
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