執筆者 長村 洋一 藤田保健衛生大学で臨床検査技師の養成教育に長年携わった後、健康食品管理士認定協会理事長に。鈴鹿医療科学大学教授も務める 多幸之介先生の健康と食の講座 長村 洋一 2012年1月3日 火曜日 キーワード:メディア 添加物 発がん物質 農薬 ●「今年は先生のために九州のお酒にした」との連絡に、ショック 小生の古くからお付き合いのある、ある社長さんから毎年年末に美味しい「福島のお酒」を送って頂いていた。そのお酒についている解説書によれば「自然農法による自然米(農薬、化学肥料を一切使わず栽培した酒米)、と蔵奥の山あいより湧き出る清水を原料に蔵元が280余年の秘伝の技術にて醸し出した”長命之一滴”の美味しいお酒」であった。少し甘口の口当たりが良く飲みやすいお酒であった。 その社長さんから本年は九州熊本のお酒が送られてきた。この社長が、贈答にこの福島の銘酒を選んでおられる原因が、無
昨日、日本科学未来館で開催された「科学者に言いたいこと、ないですか?」というイベントに行ってきました。*1 あなたは科学に何を期待してきたでしょう? 3月11日後の大震災に際して、科学はあなたの期待どおりの働きを見せてくれたでしょうか? 事後処理と復興の活動が多方面で懸命に行われている一方で、さまざまな混乱や問題が生じているのも事実です。そこでは、渦中にある科学者もまた悩み苦しんでいたはずです。 この会は、これまでの8ヵ月余りの間に生まれた科学や科学者に対するあなたの疑問や不満そして期待と、科学者の切実な思いとをぶつけあい、ともに語り合う場です。科学が力を存分に発揮できる社会にするために、今、私たちが抱える課題と解決方法を探ります。 シリーズ3 after3.11 エネルギー・科学・情報の民主的な選択に向かって02 科学者に言いたいこと、ないですか? というイベント。 自分はまがりなりにも
id:tikani_nemuru_Mさんの「避難リスクは被曝リスクの何倍?」という記事が話題になっているが、このリスク計算はおかしい。 「避難リスクは被曝リスクの何倍?」 http://d.hatena.ne.jp/tikani_nemuru_M/20110901/1314817487 この記事は、チェルノブイリ事故における「避難した場合の平均寿命の低下」と、「被曝して癌で死ぬ場合の平均寿命の低下」を比較して、「避難した場合のほうが平均寿命が短くなる」と結論付けている。そして、被曝するより避難する方が寿命が縮まるリスクが高いので、「フクシマ被災者は避難を避けるべき」だとしている。 どのような調査に基づいた避難住民の平均寿命低下のデータかわからない tikani_nemuru_Mさんが、チェルノブイリ事故における避難住民の平均寿命低下のデータとして出してきたのが、ドイツ「シュピーゲル」でのイ
放射線被曝よりもはるかに重大なこと - 地下生活者の手遊び フクシマ被災者が移住を避けるべき4つの理由 - 地下生活者の手遊び の直接のつづき 僕たちのリスク評価というのは、それなりに歪みのあるものですにゃ。例えば、「リスクにあなたは騙される」という書籍において、以下のようなリスク評価のバイアスがあると紹介されていますにゃー。 リスクにあなたは騙される―「恐怖」を操る論理 作者: ダン・ガードナー,Dan Gardner,田淵健太出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2009/05/22メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 12人 クリック: 174回この商品を含むブログ (49件) を見る 1)大惨事の可能性⇒(時間軸上に分散された少数の死者でなく)一回の事件で多数の死者が出る場合、リスクの認識が高まる 2)馴染み⇒よく知らないあるいは聞いたことがないリスクは、余計に心配する 3)理
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 東日本大震災では日本の電力供給システムの「もろさ」が思わぬ形で露呈した。福島第1原子力発電所事故の影響から、3月には東京電力管内で計画停電があり、またこの夏にも電力不足が懸念されている。 30億円のロボットを放置 もともと日本の電力政策は、安定供給の名の下、各電力会社に割り当てた地域を独占させ、発電から送電までのすべてを担わせるという「垂直統合型」の方法をとってきた。なぜ「垂直統合型」と言われるのかといえば、各電力会社が発電から送電までの一連の過程を「垂直」に「統合」して電力を供給するからである。つまり、日本はこれまで、「独占」と「集中」によって電力の安定供給を目指してきたわけだ。 しかし、今回の大震災ではこの方法が裏目に出た。垂直統合型の電
放射線というものは、どんなに微量であっても、人体に悪い影響をあたえる。しかし一方では、これを使うことによって有利なこともあり、また使わざるを得ないということもある。 その例としてレントゲン検査を考えれば、それによって何らかの影響はあるかも知れないが、同時に結核を早く発見することもできるというプラスもある。そこで、有害さとひきかえに、有利さを得るバランスを考えて、【どこまで有害さをがまんするかの量】が、許容量というものである。 つまり許容量とは、利益と不利益とのバランスをはかる社会的な概念なのである。 岩波新書「安全性の考え方」*1武谷三男編 P123 引用者が適時改段 ICRP(国際放射線防護委員会)では、当初は放射線被曝と健康リスクについては、閾値があるという立場だったのだけど、次第に武谷をはじめとする日本の核物理学者の提唱した閾値なし仮説(LNT仮説)を採用するようになってまいりまし
(新潟症例情報のところ一部修正) 予防接種を子どもにしたくないという親から「しないと人生上なにか不都合があるのでしょうか?」と聞かれました。 集団免疫の話などはまた別の機会に。ここではご本人のリスクを考えてみたいと思います。 「医学部とか看護学部とか教育学部の進学はあきらめますかねえ・・・」(実習できない→免許はとれない) 「アメリカやオーストラリアなどメジャーなところの留学とか駐在も難しい、問題がおきると大ごとですかねえ・・・」 「妊娠・育児のとき怖いでしょうねえ・・・」 といったらそんなことは考えたこともなかった、といわれました。 (まあ、その頃には本人が自分の意思で接種できますが。それまでが怖い) 医療関係者としては「怖い」が先にきます。 怖さの実感が一般の人と医療者でずいぶんことなります。 医療機関には当然のことながら重症になった人がきます。 このため、医療者は子どものときに予防接
先日の「日本の問題は、「人の流動性」が低すぎてノウハウが循環しないことにある」に対して、はてなブックマークでこういうコメントがあった。 <あなたが社長なら、解雇された人間を自分の会社に雇いますか? と聞きたい。解雇されっぱなしの一方通行地獄の始まりでは?>(ToMoNyaさん) もちろん雇う。というか、解雇されたかどうかは関係なくて、欲しいと思う人材だったら雇うだけの話だ。 とはいえ、これは私の考えにすぎない。日本企業一般では、「解雇された人間」を回避するような傾向はおそらくあるだろう。しかしこれは、現状ではまさに解雇規制があるために、企業が採用失敗リスクを最小化しようとして、属性による「統計的差別」をおこなうからだ。新卒偏重も、学歴重視も、女性・中高年・未経験者が不利なのも、すべてここに発している。いわば「解雇規制が差別を生み出している」のだ。解雇規制のないアメリカでは、1年のあいだに
――ぶつかり合う、男と女の利害 「ねえ、その車手放してよ」 それはある日曜日の朝。中田堅司課長が愛車を手入れしているときのことだった。 中田課長の唯一の趣味であり、宝物であるクラシックカー。パーツを買ってきて取り付けたり、エンジン音を調整したりして、わが子のように可愛がっている。休日に海岸沿いの国道を飛ばすときなど、身内からゾクゾクするような感覚がわき起こる。まさに男の野性が解き放たれる瞬間だ。その愛車を売り払え、と妻は言い放ったのである。 「な、何を言うんだ! 人の大切な車を」 「そんな車、2シーターだし家族で乗れるわけじゃないじゃない。あなたの玩具にすぎないでしょ。維持費もかかるし、はっきりいって無駄よ。だいたい課長になってから残業手当も削られたし。おかげで子どものお稽古代だって出せないんだから」 子どもの稽古代――それを言われると“ぐうの音”も出ない。ずっと大切にしてきた自
前回の中学受験のエントリーには思いがけず多くの反応があった。 そして、多くの人たちがひとつの大変興味深い問いにたどりついたようだ。 「そんなすごい小学生たちはいったいどういう大人になったのか」という問いだ。 そして今回はその問いに答えていこうと思う。 結論からいうと「みんなただの人になった」が答えだ。 もうちょっというと、ただの人だけど、やっぱり普通よりちょっと高収入で、ちょっとばかり社会的地位の高い人たちだ。 残念ながら世界的な企業家やノーベル賞級の科学者というのはほとんどいない。 (逆に言えば、こうした企業家や科学者の圧倒的多数は、昔はふつうの小学生だったわけだ) 具体的にいうと、理系だと年収1500万円ぐらいの勤務医か年収700万円ぐらいの大企業のエンジニア、文系だと年収1000万円ぐらいの官僚や弁護士ぐらいが典型的な進路だ。 やはり彼らは母親のいうことを素直に聞いて勉強するタイプな
昨2009年末に、民主党が経済成長戦略の基本方針を発表した。輸出の大幅な伸びが期待できない中、新規産業の創出が重要なテーマと位置づけられている。それ自体は正しいのだけど、なかなか日本においては新規起業による産業の創出がうまく進まない。むしろ、起業意識は年々低下しているというニュースもある。 そんなわけで「日本人は保守的」だの「リスクを取る気概がない」という意見もよく聞く。本当に日本人はヘタレなのだろうか。 >>29歳の働く君へ・記事一覧 海にもぐって魚を獲るのはタフガイの仕事のはずだが 日本人がリスクを取らない理由は、単純に“リスク”がとんでもなく大きいからだ。新卒で起業するにせよ、正社員として地力をつけてからにせよ、それは正社員身分を捨てるということを意味する。 日本における正社員制度は、手厚く規制で守られて、非正規雇用という奴隷もいて、さらに(大手限定だが)経営ピンチになると国が金まで
請負契約の仕事を長年やっていると、プロジェクトの成功・不成功はかなりの程度まで、顧客の性格に左右されるなあ、という感想を持つようになる。性格と呼ぶのは不正確かもしれない。個人個人の人柄の問題というよりも、顧客が組織文化として持っている性質である。それは端的には、「タイムリーに決断できる」か、「なかなか決断できない」か、という違いだ。 なかなか決断してくれない顧客に当たると、大変である。プロジェクトでは判断に迷うケースがいくらでも出てくるからだ。どんな設計も完全ではないし、市場の環境条件は変化するし、ユーザニーズも変わるし、法規制だって変わりうる。「ライバルが革新的な技術を出してきた」「現状を調べてみたら昔の設計図とかなり違っていた」「製品の販売予測が計画当初よりも弱気になってきた」「エンドユーザが操作法の変更に強く抵抗している」・・・『では、どうするべきか?』というのが、プロジェクト遂行途
助産所では医師がいなくても、正常分娩であれば助産師がお産を取り扱うことができる。助産師単独では医療行為を行えないため、助産所には嘱託産科医と嘱託医療機関との連携が義務付けられている。ただ、助産所と医療機関の在り方は助産所によって差があるとの声がある。綿密な連携の下、医療が必要になった妊婦が適切に医療機関を受診できているケースもあれば、連携がうまくいっておらず、大量出血や胎児仮死など重症な状態になってから周産期母子医療センターに搬送されるようなケースもあると言われる。 日本産科婦人科医会の報告書によると、2005年にあった助産所からの搬送301件(うち54件は新生児搬送)の中で、救命処置が必要だったなどの重傷ケースが29.9%あった。妊婦が死亡したり後遺症が残ったりする状態になったのは9.7%。新生児搬送で救命処置が必要だったのは26.0%あり、死亡や後遺症が残る状態などになったのは26.4
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン めでたく世界有数の長寿国となった日本で、幸せなはずの長生きを「リスク」ととらえる、憂うつな状況に陥っているのは残念なことです。その不安を打ち消そうと、年金保険や医療保険を買ったり、資産運用で収益を上げたりしようとするのですが、そのことで新たな不安や悩みが生じてしまうこともあるようです。加入している保険会社の経営は大丈夫だろうかとか、新商品が出ているようだけど乗り換えた方がいいのかとか、安定的な運用と言われたのにずいぶん損をしてしまったなど。 私がファイナンシャルプランナー(FP)になった当時、将来の収支予測を行うキャッシュフロー表の作成に際しては、収入の伸び率を3%程度に設定するのが当たり前でした。それがだんだん2%、1%と下げざるを得なくな
この一つの遺伝子だけでは決まらないにしても、日本人がリスクに対してかなり慎重な民族である、という可能性は強く示唆されるのではないかと思います。 とありますが、私は、コメント欄に MO さんが書かれている、『「不安を感じやすい」ということは、必ずしもリスク回避の方向ばかりに働くわけではないかもしれません』という意見のほうに賛同します。 エントリ中で参照されている藤田保健衛生大学総合医科学研究所システム医科学研究部門のこのテレビ番組の補足説明には セロトニントランスポーター遺伝子は、このタンパクをコードする遺伝子です。この遺伝子の発現をコントロールするプロモーター領域にS型とL型という2種類のタイプがあります。マウスでもヒトでも染色体は各2セットずつありますので、両方ともS型の人(SS型)、片方がS型でもう一方がL型の人(LS型)、両方ともL型の人(LL型)、という3種類の人がいることになりま
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