数年前に、そこそこ混雑した電車の中でおしりを触られたことがあって、ふと思い出したから書きます。 私、その日はひと駅しか乗らないからって、ちょっと大きめのリュックサック背負ってドアの前に立ってた。午後10時ごろ。仕事からの帰り道。大人しめの紺のワンピース着てた。ちょっと気に入ってたワンピース。 乗り込んだ電車が発車して1〜2分後、おしりを触られる感触があった。隣の人とは肩は触れ合う程度の混雑感、でもリュックサックの下のおしりに手が触れるなんて、触れようと思って触れない限り、あり得ない。 おかしいと思って視線をあげたら、こちらに手を伸ばしている男性が目を逸らした。ふつうの、気の弱そうなサラリーマン風の人。30代半ばに見えた。 その日は仕事で疲れていてやけっぱちな気分だったし、周りにたくさん乗客もいるんだから何かあってもなんとかなるだろうと、その人のシャツの袖口を掴んで、「触りましたよね?」と言

「目の前にいる、生まれたばかりの赤ちゃんである我が息子。この子が、男であることがなんか、嫌」 ある日、自分のそんな奇怪な感情に気づいた、漫画家・田房永子。上の娘が赤ちゃんの時にはこんなこと思わなかったのに。 思えば中学、高校と6年間女子校に通い、生身の男子との交流に飢えながら、少女漫画でファンタジックな男性観を培い、しかし実際に出会い接触するのは「痴漢」という性的な恐怖を与えてくる男たちのみだった──。 もしかして自分は、強烈な男性嫌悪者かもしれない。このまま、男の子を育てるなんてしてはいけない。己の歪んだ男性観の矯正に挑む、ド直球日常報告エッセイ! 18歳の私は、男になりたかった。男だったら夜までバイトできるし、できるバイトの種類も多いし、いいなーと思ってた。バケラッタをあげた彼氏はホームセンターでバイトしてて、そのお金を貯めて大きなバイクを買って、それに乗って1人で釣りに行ったりしてた

書名に惹かれて読むというタイプの本がある。この『男が痴漢になる理由(斉藤章佳)』(参照)もそれである。私は男性だが、なぜ男性の一部が痴漢になるのか、正直なところまったくわからない。こう言うとしらばっくれたように受け取る向きもあるだろうが、痴漢というものにまったく共感的な了解ができない。ついでに言うと、下着泥棒というのもまったくわからない。ただ、これら二種について言うなら、どうやら下着泥棒というのは、日本に特有と言ってよいらしく、基本的に市場価値のないものを盗むというのは国際的にはなさそうだ。そして痴漢もそれに類する日本特有の現象のようでもある。つまり、痴漢も下着泥棒も日本文化的な現象かもしれない。とはいえ、本書を読んでみて、そういう部分の説明として照合するものは明示的にはなかったように思う。 著者は「精神保健福祉士」で、本書もその経験によって書かれているので、客観的な全体的な分析とは言えな
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