フランスでは、日本人建築家が高い人気を誇り、数々のコンペティションを勝ち取っている。だが、日本の大規模プロジェクトでは、彼らの活躍の幅は意外にも狭く、個人や海外からの発注に逃げ場を見つけているという。そのことに気づいた仏紙記者が、日本の建築事情を深掘りする。 日本は「建築の国」なのだろうか。最近のニュースからすると、そう言えそうだ。2024年3月、日本人建築家の山本理顕がこの分野の最高の賞であるプリツカー賞を受賞した。日本でこの栄誉ある賞を受賞したのは山本が9人目で、これによって日本は建築分野を率いる存在になった。世界中が口々に日本のスター建築家を称えている。 特にフランスでは、日本人建築家の人気は高く、権威あるコンペティションをいくつも勝ち取っていて、象徴的な建造物を多く生み出している。たとえば妹島和世と西沢立衛による建築家ユニット、SANAAは「ルーヴル美術館ランス別館」(ついでに言え

蓮實重彥さんの連載時評「些事にこだわり」第15回を「ちくま」9月号より転載します。延々とつづく渋谷駅周辺の再開発。東横線の地下化はじめ誰も便利になったとは思っていないはずの一連の大工事は都市再開発法によると「公共の福祉に寄与することを目的とする」そうなのだが、本当に? との疑問についてお話しさせていただきます。 避けようもない暑い日ざしを顔一面に受けとめながら、タワーレコードの渋谷店で購入した海外の雑誌を手にしてスクランブル交差点にさしかかると、すんでの所で信号が赤となってしまう。階段を降りて地下の通路に向かう方法もあるにはあったが、年齢故の足元のおぼつかなさから灼熱の地上に立ったまま青信号を待つことにしていると、いきなり、かたわらから、女性の声がフランス語で響いてくる。ふと視線を向けると、「そう、シブーヤは素晴らしい」と「ウ」の部分をアクセントで強調しながら、スマホを顎のあたりにあてた外

東京2020オリンピック競技大会公式ウェブサイトより 東京五輪・パラリンピックのメイン会場だった国立競技場は、30年間の運営権が民間事業者に売却されるが、参画を検討する事業者を対象とした意見公募が先月末から今月初めにかけて行われた。7月に募集要項が公表され、民営化は2025年4月からスタートする。 国立競技場をめぐっては、五輪後の利用計画策定が難航し、昨年12月に新たな方針がまとまった。球技専用の施設に改修するとした当初の政府方針を転換し、陸上トラックが残されることになった。また、国も年間10億円を上限に維持管理費を補填することなどが盛り込まれた。しかし、国の負担は、借地料や修繕費を含めると毎年30億円を超える可能性を指摘する声もある。 使い勝手の悪い国立競技場 現在すでに赤字を垂れ流している状態の国立競技場の経営を立て直すには、参画する事業者に積極的に活用してもらうしかないのだが、実はか

1975年宮城県生まれ。元SEでフリーライターというインドア経歴だが、人前でしゃべる場面で緊張しない生態を持つ。主な賞罰はケータイ大喜利レジェンド。路線図が好き。(動画インタビュー) 前の記事:無印良品の化粧水がスキンケア初心者の男性にちょうどいいという話 > 個人サイト 右脳TV TAKANAWA NOBODY 高輪ゲートウェイ駅が開業した日、路線図マニアの僕もその場にいた。 「高輪ゲートウェイ」という長い駅名がどうやって路線図に入ったのか気になって、現地まで確認しに行ったのだった。 (※参考:「高輪ゲートウェイ」を路線図にどうやって入れるか) 開業日(2020年3月14日)の様子。左の人だかりは、開業日の日付が入った切符を求める長蛇の列。150分待ちとかになってた。 ちなみに路線図にはこう入っていた。長い。 もともと高輪ゲートウェイ駅が作られた場所は、JR東日本が所有する車両基地の土地

10月、東京 調布市の住宅街で道路が陥没した問題で、現場の地下深くで道路のトンネルを建設している東日本高速道路は、現場付近の地下で新たに空洞が見つかったと発表しました。 トンネル工事との因果関係は不明だが、直ちに埋める作業を行うとしています。 新たに地下に空洞が見つかったのは、東京 調布市の住宅街で10月、道路が陥没したところからおよそ40メートル北、その地下深くでは東日本高速道路が「東京外かく環状道路」のトンネルを建設しています。 東日本高速道路は、10月に見つかった陥没についてトンネル工事との関係はわからないとしたうえで、工事を中断して地盤を詳しく調べるボーリングなどの調査を続けています。 その結果、2日の調査で空洞が見つかり、位置は深さ5メートルより下で、大きさは、 ▽幅およそ4メートル ▽長さおよそ30メートル ▽空洞内の高さはおよそ3メートル あるということです。

景色に意味がつくのが好きだ。建物を見上げたとき、ああ建物だなあという以上の感想を持ちたい。たとえば建物の脇にその階に入居する会社の名前をずらずらと書いてみたら、景色が変わって見えたりしないだろうか。 街の景色の上半分は建物だ。建築について詳しければその視界にいろいろなものが見えるのだと思うが、ぼくは今のところ「すごい高いな」くらいの感想しか持つことができず、残念に思っている。 すごい高いな たとえば東京・池袋のサンシャイン60といえば、60階建ての超高層ビルである。子どものころは、二階建ての道路(首都高)の向こうにびっくりするほど高いビルが建っているくらいの認識しかなかったが、いまは知っている。あの中には会社がいっぱい入っているのだ。ただ建っているだけじゃないのだ。 であれば、その中に具体的にはどんな会社が入っているのかを知ることから始めてみようかなと思った。景色が違って見えたりしないだろ

Kohei Suenaga @ksuenaga 前にも書いたかもしれないが,大学2年の頃に綾瀬に住んでいた.川の向こうに良さげなマンションが見えた.よし,将来は稼いでああいうところに住みたいものだと思った.その建物が東京拘置所であったことを数カ月後に知った. 2019-11-28 16:09:58 Kohei Suenaga @ksuenaga 空気吸い放題かつトイレ行き放題の研究室で研究をしています.京都大学の大学院情報学研究科通信情報システムコースの准教授もしています.ソフトウェアやらなんやらの検証手法とかやってます.お仕事のご依頼は https://t.co/hKHA5HXMQF のメールアドレスまで. https://t.co/QmCndxKD9G リンクWikipedia 東京拘置所 東京拘置所(とうきょうこうちしょ)は、法務省東京矯正管区に属する拘置所。通称「東拘(とうこう)

東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなる「新国立競技場」の整備をめぐり、事業主体の日本スポーツ振興センターが今後2年間で790億円程度の資金不足を見込んでいることが会計検査院の調べでわかりました。 これについて、会計検査院が調べたところ、JSCは昨年度、「新国立競技場」の整備費や国立代々木競技場の耐震改修工事などの支払いに必要な資金が不足し、50億円余りを民間の金融機関から一時的に借り入れていました。 さらに、来年度までの2年間で790億円程度の資金不足が見込まれ、民間金融機関からの借り入れで賄おうとしていますが、返済は長期にわたる見込みだということです。 東京オリンピック・パラリンピックの終了後、「新国立競技場」は民間事業化される計画ですが、それまでは、JSCが維持管理の費用を負担することが想定されるということで、会計検査院は関係する文部科学省に対し、民間事業化に向けたス

普通、世界各国の首都はその国第一の観光都市であることがほとんどだ。 ヨーロッパの国々は別格としても、北京はもちろんお隣韓国のソウルだって2つの世界文化遺産がある。 それにひきかえ東京はまず一切歴史的な街並みが残っていない。400年の歴史を持っているはずなのに。 何千という建造物があっただろう江戸城に現存する遺構は9個しかない。 江戸の町の7割を占めていた膨大な武家屋敷群は現存する遺構が門2つだけ。移築した遺構はもう少しあるが、ほぼ門だけ。これらはほとんど明治時代に取り壊した。 まあ残っていてもどうせ震災と空襲で壊滅しただろうが、いくら震災と戦争があったからって、丸の内の一丁倫敦と言われた近代建築群は残っていたものも戦後高度経済成長の中で全て取り壊した。 東京中央郵便局は外壁だけ。数少ない近代建築をどんどん壊して高層ビルに変えて、外壁保存すれば頑張った方。 東京で最も金をかけていて風格のある
冒頭の写真は、アレックス・カーさんが著書『ニッポン景観論』(集英社新書)の中で使った、日本の「景観テクノロジー」とヴェネツィアの町をモンタージュしたものです。 添えられたキャプションのブラックユーモアに、思わず笑ってしまいます。 ……しかし、笑った後に一抹の疑問にとらわれないでしょうか。 日本にはすばらしい歴史的遺産や文化が各地にあります。それらは21世紀の有望産業といわれる「観光業」を支える資源であり、世界に比肩する大いなる資産(レガシー)です。それなのに、現実ではこのモンタージュのような「景観工事」がいたるところで繰り広げられ、その価値を損なっています。 アレックスさんのユーモラスで辛辣な視点から浮き彫りになる、日本の景観が抱える問題点とは何か。それに対する有効な処方箋とはどういうものか。日本の都市とコミュニティについて、多くの取材を手がけてきた清野由美さんが聞き手になって、それらを探

夜明け前の東京・歌舞伎町の雑居ビルで、トイレに入った女性が消えた。見つかったのは約30メートル下の屋外。トイレには出入り口とは別にもう一つの「扉」があった。何が起きたのか。 東京都新宿区歌舞伎町1丁目の雑居ビル7~9階に入居する飲食店。新宿署によると、昨年12月12日、世田谷区のアルバイト女性(22)は午前1時ごろに友人7、8人で来店し、飲食を楽しんでいた。 「お手洗いに行く」。女性は午前4時半ごろ席を立ち、9階の女子トイレへ。しばらくしても戻ってこない。女性は酔っていたといい、心配した友人が見に行くと、個室に鍵がかかっていた。ノックしても応答はなく、こじ開けて中に入ると、女性の姿はなかった。 ただ個室には別の扉があり、その鍵は開いていた。扉の先はいきなり外で、足場はない。午前5時ごろ、店員が「人が落ちたかもしれない」と110番通報。女性は隣接するビルとの隙間の地上に倒れているのを新宿署員

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