こんにちは!「ぐるなびウエディング」開発チームの滝口(@ytakiguche)です。普段はサーバーサイド開発を担当しています。 私たちのチームは現在、オンプレミスで長年稼働してきたPHP のシステムをAWSクラウドへ移行し、同時にTypeScript で全面的に書き換えるという、大きな挑戦の真っ只中にいます。 この記事では「フロントエンドとバックエンドの言語統一」をテーマに、その過程で明確になった技術的課題と、それらに対する我々のアプローチについてお話しします。 目次 目次プロジェクトの背景: なぜ、PHP からTypeScript へ移行したのかTypeScript 対応とモノレポ化技術スタックとディレクトリ構成プロジェクトで直面した課題 課題1: 既存データの不整合 課題2: FE と BE のスキルセットと設計思想の差異 課題へのアプローチ 1. データ不整合への段階的

前置きAI系プロジェクトのプロジェクトリーダーを数年間担当して私が最近感じていることを書きます。 今回はAIアプリエンジニアに限った話をします。 もちろん特定のテック企業やIT系企業、SIerでは当てはまらないと思いますが、おそらく事業会社では多くのパターンで共通する課題ではないかと感じています。 ここで言う「AIアプリエンジニア」とは、生成AI(LLM)を活用した社内アプリやプロトタイプを開発するエンジニアを指しています。 現状の課題感 「AIアプリエンジニアが急増しているが…」AIアプリエンジニアという肩書きを持つ人は確実に増えています。 これは生成AI、いわゆるLLMが普及し、誰でも比較的容易に活用できるようになったことが大きな要因でしょう。 しかし実際のところ、AIそのものへの理解や理論的な知識を持たずに開発しているケースも少なくありません。 「OpenAIAPIを使える」「

「うちの会社、エンジニアが足りなくて困ってるんですよね」 「だれかいいエンジニアいないですか?」 この一言を聞くたびに、私は心の中で「その会社には紹介したくないな」と思ってしまいます。 なぜでしょうか。それは、この表現が「エンジニアなら誰でもいい」というメッセージを発しているからです。まるで「いい女いないですか?」と聞いてくる人に、大切な友人を紹介したくないのと同じ心理です。 採用と恋愛は驚くほど似ています。 相手のことを深く知ろうとせず、自分の都合ばかり話し、「うちはすごい会社なんです」と自慢話に終始する。これではマッチングアプリで嫌われるパターンそのものです。 なぜ優秀なエンジニアは「人手不足」の会社を避けるのか 優秀なエンジニアが転職活動をする理由は、決して「今の会社が嫌だから」だけではありません。多くの場合、より面白い課題に挑戦したい、より良い環境で成長したいという前向きな動機です

TOPインタビュー「イベント行こう」のやらされ感をなくす。ゼロから技術発信文化を組織に根付かせた方法【ログラス飯田意己】 株式会社ログラス Head of Engineering 飯田 意己 2015年に株式会社クラウドワークスに入社。エンジニア、スクラムマスター、プロダクトオーナーを経て、2019年から執行役員として開発部門の統括を行う。2020年に株式会社ログラスにソフトウェアエンジニアとして入社。プロダクト開発に携わったのち、1人目のエンジニアリングマネージャーとして組織設計、マネジメント体制の構築、エンジニア採用、採用広報・ブランディングの推進を行う。シニアエンジニアリングマネージャー、プロダクト開発部長を経て、2024年11月より開発本部長/事業執行役員VPoEに就任。2025年8月よりHead of Engineeringに就任。 X: @ysk_118 もっと自社のエンジニア

「ITエンジニアを辞めました」──そんな投稿を目にする機会が増えています。あるときはXでの報告、あるときは顧客の採用担当から、そしてまたあるときは人材系事業の中の人から話を聞くようになりました。今、IT業界で何が起きているのかを整理してみます。 辞める人が増えている背景共通しているのは、2019〜2021年頃にプログラミングスクールを経てITエンジニアになった人たちです。しかし、いざ入社してみると現実は想像以上に厳しいものでした。 不況が変えた未経験・微経験採用近年、受託開発会社、事業会社、スタートアップを中心とした不況感の高まりにより、未経験・微経験層の求人が大幅に減少しています。 景気が後退局面にある中で、企業は「教育コストをかけて育てる層」よりも「即戦力として成果を出せる層」を優先するようになりました。これにより、スクール卒のエンジニア志望者が転職活動で行き詰まり、キャリアチェンジを

はじめにエンジニアがブログや登壇などを通して外部に知見を発信することは、企業の技術ブランディングだけでなく発信者本人の成長にもつながる重要な活動です。 しかしながら、Engineering Manager(以下、EM)やDevRel、DevHR等のエンジニア採用に関わる方々には「自社エンジニアがなかなか外部に技術発信してくれない」という悩みを持つ方も少なくありません。 私が先日参加した Kaigi onRails 2025 感想戦*1 というエンジニアイベントでもまさにその声が聞こえてきました。 パネルディスカッションで @joy_P_joy さんが提起してくれた「この程度の内容じゃ登壇できない症候群をどう打破するか」というお題に対して、EMとしての自分のアンサーがあるので近々ブログ書きます(宣言)#after_kaigionrails— なおぱー (@naopr) 2025年10月9
もうUIはいらない。 この一言に尽きる。ChatGPTの新機能「Apps inChatGPT」が登場した瞬間、フロントエンドという職種の地盤は音を立てて崩れた。 これまでは、Webアプリやサービスは「フロントエンドでUIを作り、バックエンドでデータを返す」 という分業構造の上に成り立っていた。 だがApps inChatGPTは、その構造をぶち壊す。 ユーザーはもうWebサイトを開かない。ChatGPTのチャット画面内でSpotifyを操作し、Zillowで物件を探しEtsyで買い物をする。 つまりUIはChatGPT内に統合される。 あなたが書いてきたReactコンポーネントもボタンもフォームもすべてAIに吸収される。 「UI」はAIが自動生成する時代に入った もはやユーザーはブラウザを必要としない。URLをコピペすることも無くなるだろう。 「このホテル予約して」と言うだけでAI

藤 吾郎 Starley株式会社のソフトウェアエンジニア。株式会社ディー・エヌ・エー、クックパッド株式会社、株式会社ビットジャーニー、ファストリー株式会社を経て2024年9月より現職。趣味はOSSのツールやライブラリの開発。二児の父。Github:gfxBluesky:@gfx.bsky.social ブログ:Islands in the byte stream 2025年のいま、私たちは「エージェンティックコーディング革命」の渦中にいます。Claude Code、Devin、Cursor といったコーディングエージェントが実装の多くを担い、アルゴリズムやアーキテクチャは瞬時に形になります。 このような時代に技術書を読む必要はあるのでしょうか。もちろん、あります。その理由は、この革命が単なる生産性の向上ではなく、超高速実装によって「量が質に転化する」という変化をもたらしているからです。

はじめに nekogata.hatenablog.com を読みました。 オーナーシップを阻害する構造的な問題について丁寧な分析がされていて、なるほどと思う部分が多かった。しかし、私はこの問題の核心はもっとシンプルなところにあると考えている。エンジニアが身銭を切っていない。それだけだ。 構造を変えても、制度を整えても、身銭を切らないエンジニアは責任を取らない。逆に、どんな環境でも身銭を切るエンジニアは結果を出す。言い方はなんでもよいが私はそういう覚悟のキマったエンジニアを何人も見てきた。 このブログが良ければ読者になったり、nwiizoのXやGithubをフォローしてくれると嬉しいです。では、早速はじめていきます。 身銭を切るとは何か 身銭を切るとは、「リスクと責任を自ら引き受け、成功すれば報酬を、失敗すれば代償を受け入れる覚悟を持つこと」だと、私は理解している。 ナシーム・ニコラス・タ
doda転職求人倍率を見ると、6ヶ月連続で求人倍率が低下した後、低迷している状態です。各社の求人公開状況を見ると、営業職は継続して募集されています。ITエンジニアに近いところでは売上に直結するプリセールスや、チャーンレート低下などが期待されるFDE(フィールドデータエンジニア)といった職種もまた継続されています。一方で、純粋な開発エンジニア職については往時のような大量採用は一部のクライアントワークに限られるようになってきました。 doda転職求人倍率の推移 2025年7月https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/ 27新卒では初任給を引き上げた企業が多数ありましたが、その分、採用人数を削減しているところも多いのが現状です。有名企業でも採用停止や採用人数を1/3程度に絞るといった動きが見られます。 特に影響が感じられることがM&Aの増加です。特に事業会社にお

こんにちは。 Findy でTech Lead をやらせてもらってる戸田です。 突然ですが皆さんは、イベントに参加することはありますか? コロナ禍を経てオンラインイベントも増えましたし、最近はオフラインイベントも少しずつ戻ってきてるように感じています。 そこで今回はエンジニアの人生を変えたイベント と題して、弊社エンジニア達が過去に参加したイベントの中で、特に印象に残っているイベントを紹介していきます。 それでは見ていきましょう! Hiyoko Developer Meeting TDD Boot Camp 2020 Online #1RubyKaigi2022 まとめ Hiyoko Developer MeetingTech Lead をやらせてもらってる戸田です。 僕が今まで参加して一番印象に残っているのは、Hiyoko Developer Meetingと呼ばれるイベントで

私のことです。ギリギリ若者と言えないぐらいの歳になってしまった気がしますが、諸先輩方のために若者と言い張ることにしています。 ここでいうアウトプットとは主に「不特定多数に対する発信」に関することです。例えばブログを書くのもそうだし、イベントで登壇するのとかもそう。まあでもこの記事では主にブログに関することですかね。 自分はアウトプットがとにかく苦手で、弊社におけるアウトプット関連の評価値も最低クラスの人間なのですが、そろそろ避けて通るのも限界が来たな…という出来事があったので、何故ここまでアウトプットに対する忌避感があるのかを自己分析したものになります。「わかる…」とか「こんなこと考えてる人類いるのかよギャハハ」ぐらいの気持ちで見ていってください。 1. 自明バイアス これが一番強いですね。書こうとしたときに「こんなことみんな知ってそう」「知らないのは自分だけ」とか突然思っちゃう。これはま
導入 こんにちは、株式会社ナレッジセンスの須藤英寿です。 今回は、コンテキストエンジニアリングがエージェントにとってなぜ重要なのかを解説します。 説明の過程で、上記のブログの内容を参照しています。 サマリー ここ最近コンテキストエンジニアリングという言葉が話題になっています。 ツイートの中でも登場するプロンプトエンジニアリングと似た言葉ですが、コンテキストエンジニアリングという言葉が登場した背景にはエージェントの台頭が関係しています。 これまでLLMは基本的に「人」が利用するものでした。そのため入力するプロンプト、そのものに焦点を当てられていました。しかし、「エージェント」は人の手が基本的に介在することなく、自動的にLLMが動作し続けます。そのためプロンプトだけではなく、情報そのものをどう管理するかまで考える必要性が出てきました。この情報の扱い方を考えることこそコンテキストエンジニアリング

一般社団法人 日本CTO協会でDeveloper eXperience AWARD2023が発表されました。開発者体験(Developer eXperience)が良いイメージがある企業として、エンジニア615件からアンケートを取ったとのことです。 Developer eXperience AWARD2023 このランキングは新卒や若手エンジニアなども企業選びで参考にしているケースも見られ、影響力はあると捉えています。個人的には3点、気になるところがあります。 企業フェーズや開発組織規模がバラバラ過ぎるので、複数に分けてランキング発表するべきではないか2023年1月10日~24日という集計期間が何とも言えないのですが、レイオフや整理解雇をしている会社も含まれている 同一業界内で先行するワードであるDXに被せて略称を使うことの是非 特に2点目が引っかかるところです。そもそも開発者体験と

はじめに 私はかつて、自分の技術思想とキャリア戦略が100%正しいと信じて疑いませんでした。そして、それを受け入れない企業、同僚たちが100%間違っていると本気で思っていたのです。 今思えば、それはソフトウェアエンジニアという職業に就いた多くの若い人が陥る、ある種の思春期的な錯覚だったのかもしれません。技術的な正しさを盾に、社会的な配慮を無視し、人間関係の機微を「非論理的」と切り捨てていました(エンジニアの論理的なんて往々にして論理的ではないのに)。 この記事は、かつての私のような「正義のエンジニア」だった自分への懺悔であり、同じ過ちを犯している人たちへの警鐘でもあります。媚びないことと無礼であることの区別もつかないまま、技術的優位性を振りかざしていた—そんな恥ずかしい過去を、今こそ正直に振り返ってみたいと思います。 DD(どっちもどっち)論 「解決できない問題」には理由がある (WPB
こんにちは。技術本部 情報セキュリティ部 CSIRTグループ所属の北澤です。Data Hubというプロダクトの開発組織から CSIRTグループのプロダクトセキュリティチームに異動してきて1年が経ちました。 4月21日にSansanでは初めてとなる新卒エンジニア向けの大規模な情報セキュリティ研修を行いました。今まで全社員共通のセキュリティ研修はありましたが、SQL InjectionやXSSなど、開発時に考慮すべき脆弱性対策に特化したエンジニア向け研修を行ったのは今回が初めてになります。本記事ではその研修の内容についてお伝えできればと思います。 研修について タイムテーブル 研修は以下のタイムテーブルで、丸一日かけて実施しました。 研修のタイムテーブル 最初は領域問わず必要な情報セキュリティの基礎に関する講義を行い、午後にSQL InjectionなどをはじめとしたWebに関する攻撃手法の講
昨今のAI の進化を見ていると、自分が会社員のソフトウェアエンジニアとして仕事をできるのは、あと何年間だろうかと思う。 まだ 5 年はだいじょぶかもしれないけど、10年はもうもたないかもしれない。正直 15 年はかなり厳しい気がする。 いや、5年後ももはやわからない。 ここ 1,2 年の間に就職すれば、その会社で 5 年以上はまだ働けるかもしれない。 しかし 5 年後にソフトウェアエンジニアとして自分が就職できる働き口はほとんどない可能性は十分にある。 正直今までのぼくの考えとしては、ソフトウェアエンジニアという職種は、AI が進化していっていろんな職業がなくなっていっても、そのAI を作るのはソフトウェアエンジニアなのだから、他職種よりかは相対的に安泰だと思っていた。 でもここ半年くらいは、自分のキャリアの最後までソフトウェアエンジニアとして生きることはないだろうと思い始めている。

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