金融的検閲とは「金融的検閲」(Financial Censorship)という言葉は聞き慣れないかもしれないが、近年言論の自由や表現の自由、あるいはインターネットの自由全般に対する問題として注目されている。金融的検閲とは、銀行や決済代行業者、クレジットカード会社などの金融機関が、顧客の行為(その行為自体は金融機関とは無関係なことが多い)を理由に、顧客の入出金を阻害したり、口座を閉鎖したりすることを指す。 金融的検閲がなぜ「検閲」かと言えば、ネット上での表現活動への影響が極めて大きいからである。多くのネット上の表現者は、収入を寄付やオンライン販売に頼っており、入出金にオンライン決済を利用している。そのため金融機関からこうした形で締め付けられると、すぐに活動が立ち行かなくなってしまうのである。 ウィキリークスの息を止めた金融的検閲私が初めて金融的検閲の威力を目撃したのは、14年前のウィキリーク

『日輪』(製作:マキノ=聯合/監督:衣笠貞之助/1925年)YouTubeより 切除理由が「残酷」となっている『日輪』(衣笠貞之助監督・1925年)のカットシーンなど、すでに失われた日本映画で、さらに当時の観客すら見られなかった場面が90年以上の時を経て公開されるという出来事に、Twitterでは「これはすごい」「日本映画史資料として最高に貴重」と話題に。なかには「ニューシネマパラダイスを思い出す」なんて声もみられます。 各作品の切除理由などの資料は公式サイトにて確認でき、上記イベントで配布された『カット場面集』と講演採録がPDFで公開中です。詳しく知りたり方はこちらを確認するといいでしょう。なお、当然ですが“切除フィルム”はキスシーンや暴力的なシーンなど、インパクトのある映像が多いので苦手な方は注意しましょう。

寄贈された「月に吠える」初版無削除版。表紙は著名な版画家の恩地孝四郎と田中恭吉が手がけた(前橋文学館提供) 前橋市出身の詩人、萩原朔太郎(1886~1942年)の代表作「月に吠える」の初版無削除版が市に寄贈され、29日から前橋文学館で一般向けに展示される。無削除版は当時、内務省の検閲で性的表現に問題ありとされた2編の作品を削除しないまま出回った初版本。確認されているのは10点ほどしかなく、極めて希少で高額なため同文学館でも入手できずにいた。コレクターでもある秀明大(千葉県八千代市)の川島幸希学長が寄贈した。 「月に吠える」は朔太郎30歳の処女作として、大正6(1917)年2月に刊行され、詩壇・文壇から絶賛された代表作。初版は500部ほど刊行されたが、直後に内務省の通知で「愛憐」と「恋を恋する人」の2編が削除された。 「きつと可愛いかたい歯で、草のみどりをかみしめる女よ」と始まる「愛憐」は、

アメリカの有力紙ワシントン・ポストは、IT大手のフェイスブックがベトナム政府の要請を受け、政府に批判的な投稿への検閲の強化を容認していたと報じました。 これは、ワシントン・ポストが25日、匿名を条件に取材に応じた3人の関係者の話として伝えました。 ベトナムではことし1月、最高指導部を選ぶ5年に1度の共産党大会が開かれました。 ワシントンポストによりますと、これを前にフェイスブックのザッカーバーグCEOがベトナム政府の要請を受け、党指導部に批判的な投稿への検閲の強化を容認し、実質的な管理権限を与えたということです。 ワシントン・ポストは、フェイスブックが、日本円でおよそ1100億円を超えるとされるベトナムのSNS市場にこだわり、検閲を受け入れたと批判しています。 ただ、これによって特定の投稿が削除されたのかなど、具体的にどのような検閲が実施されたかについては伝えていません。 フェイスブックを

Electronic Frontier Foundation iMessageで送受信される画像をスキャンするというAppleの新たなプログラムは、これまで暗号化メッセージのプライバシーとセキュリティを強く支持してきた同社の方針転換となる。このプログラムの適用範囲は現時点では米国内に限定されているが、クライアントサイドスキャン可能なエンド・ツー・エンド暗号化という歪んだ理解をもたらすことになる。Apple社は児童搾取・虐待といった問題の解決を目的として、極めて容易に監視・検閲に転用可能なインフラを構築する。Appleは(訳注:子どもの保護以外の)幅広い要求に応じることはしないと反論するが、仕組みそのものがその反論を否定しているのである。 これまで世界中の国々が、暗号化されたメッセージへのアクセスとコントロールを要求してきた。復号メッセージへの(訳注:都合のいい)アクセスは強力な暗号化とは相
![それを作れば彼らはやってくる:Appleが開く世界的な監視・検閲へのバックドア » p2ptk[.]org](/image.pl?url=https%3a%2f%2fcdn-ak-scissors.b.st-hatena.com%2fimage%2fsquare%2fb649ca4c28dc4e9d1b9756a50a52801268233cc5%2fheight%3d288%3bversion%3d1%3bwidth%3d512%2fhttps%253A%252F%252Fp2ptk.org%252Fwp-content%252Fuploads%252F2021%252F08%252F2445354787_121af4481d_ae.jpg&f=jpg&w=240)
中国政府による香港の統制を強めるための法律である「香港国家安全維持法」が施行されたことを受け、香港の図書館から民主主義活動家の書籍が撤去されています。 Hong Kong: books by pro-democracy activists disappear from library shelves | World news | The Guardian https://www.theguardian.com/world/2020/jul/05/hong-kong-books-by-pro-democracy-activists-disappear-from-library-shelves 香港の中国返還から23年となる2020年7月1日を目前に控えた6月30日23時頃、香港での反政府的な動きを取り締まるため「香港国家安全維持法」が施行されました。 この法律は、国家からの離脱、転覆行為、テ

世界各国がどのように、あるいはどの程度インターネットの検閲を行っているかを調査しているプロジェクトがある。2012年に始まったOONI(OpenObservatory ofNetwork Interference)がそれだ。ちなみに、OONIはThe Tor Projectの一部である。 オープンと名乗ることから分かるように、OONIはOONI Probeというオープンソースのテストスイートを開発していて、これを調査対象の国にいる協力者が実行して調査を行っている。これにより、DNSタンパリング等によるウェブサイト・ブロッキングや、Facebook MessengerやWhatsApp、Telegramといったインスタント・メッセンジャーのブロック、Torのようなプライバシー強化ツールのブロックなど、様々なネット検閲の存在を検知することが出来る。 ところで、政情が混乱を極める(とされる)

本書は資料が豊富に残る1928年から敗戦までの期間の検閲を、細かな資料にも目配りしつつひもといている。エロ・グロ・ナンセンスの時代のいたちごっこのような検閲官と出版社の攻防は喜劇的でもある。が、時代が進み、軍国主義とテロの時代になると検閲は一気に複雑さを増す。あるときは「反戦的軍務誹謗(ひぼう)である」として発禁、またあるときは「好戦的で戦争誘発だ」と発禁。あらゆる場面に介入し言論を統制し始めるのだ。そしていよいよ戦争の時代。検閲に軍が直接手を突っ込むようになっていく。 一貫しているのは、正規の検閲では網をかけきれない部分を、必ずしも充実していたとはいえない検閲体制で、いかに漏れなく網羅するかという「努力」である。言論人・機関を脅したり、宥(なだ)めたり、すかしたりしながら時間をかけて「教育」し、自主規制を行わせて検閲のコストを下げる。やたら発禁処分をくらえば経営を圧迫する言論機関にとって

1923年9月1日の関東大震災は、大手町にあった官庁街をも焼き尽くした。警察と地方行政を牛耳り、全国の俊英が雲のごとく集まるとうたわれた内務省さえ、自然災害には勝てず、庁舎を丸焼きにされた。 内務省の主な仕事のひとつに、「検閲」があった。その関係で、内務省の倉庫には明治以来の発禁図書や貴重な資料が保管されていたのだが、これも灰燼に帰してしまった。そのため、現在でも1923年以前の検閲の実態には不明な点が多い。 これにたいし、1923年以降の検閲に関する資料は比較的よく残っている。とくに内部向けの月刊マル秘資料「出版警察報」の刊行が開始された1928年、つまり昭和3年以後はなおのことそうである。 検閲と発禁はこうして行われた戦前の検閲とはいかなる制度だったのか。ひとくちに検閲制度といっても変遷があり、論点も多岐にわたるので、ここでは昭和戦前期の出版検閲に焦点をあてたい。 内務省の長である内務

世界各国の政府などが何らかの理由によって発禁処分にした書籍10万冊を使ってパルテノン神殿のレプリカが作られました。ソ連の未来が描かれたとしてスターリンによって発禁処分にされたジョージ・オーウェルの「1984年」から、少女とヴァンパイアの少年の許されない恋を描く「トワイライト」まで、さまざまな本が神殿の建築材として使われています。 Call for Book Donations for The Parthenon of Books - documenta 14 http://www.documenta14.de/en/news/1601/call-for-book-donations Marta Minujín’s The Parthenon of Books is takingshape in Kassel - documenta 14 http://www.documenta14.de

1年あまりの間に労働組合の組合員らのべ89人が逮捕された「関西生コン事件」。団体交渉やストライキなどの組合活動が、威力業務妨害や恐喝などにあたる疑いがあるとして80人が起訴された。その後の裁判で有罪が確定したケースがある一方、無罪判決が相次ぐ異例の事態となっている。一体なにが起きているのか。労働者の権利、労働組合の活動はどこまで認められるか。

検閲官-戦前の出版検閲を担った人々の仕事と横顔 戦前の日本では、中央官庁の一つであった内務省が出版物の検閲を行っており、全国で出版されたさまざまな書物が内務省に納本されていました。それらの書物を手に取って発売頒布の可否を決定していたのが、警保局図書課の検閲官たちです。 近年、出版検閲に関する研究が進み、制度としての側面は徐々に明らかになってきた一方で、個々の検閲官についての研究はほとんど報告されていません。それは、資料がそもそも少なく、また、彼らがどのような人生を送っていたのか、『出版警察報』などの内部文書からではわからないためです。 今回の展示では、新発見の資料とこれまで断片的に存在していた情報をつなぎ合わせることで、検閲官の実像に迫ります。図書課の人員体制や業務分担など、検閲官の全体像をパネルで解説し、関連する書籍を展示・貸出します。また、4人の検閲官をとりあげ、仕事内容や異動・昇進な

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。 2017年、1発目の記事...映画選びに悩みました。 お正月にふさわしい映画... 日本のお正月なのでやっぱり邦画にしよう 笑える映画が好ましい 出来れば笑いだけじゃない映画が良い それを条件に考えてみた。 う~ん沢山あるな... そこに今、日本中にいるSMAPロスで落ち込む方々(僕もその1人だ)に少しでも元気をあげたい。 が思いついた。 そう考えたらうん、この映画しかありませんでした。 2004年/日本 監督:星護 脚本:三谷幸喜 出演:役所広司、稲垣吾郎、ほか 上映時間:120分 89点 ざっくりあらすじ 向坂睦(役所広司)、警視庁保安課検閲課に所属、第二次世界大戦の最中劇場公開予定の脚本を検閲し不適切と見なしたものは次々と不許可とする、喜劇などには一切興味を持たぬ鬼の検察官。 椿一(稲垣吾郎)劇団「笑の大学」に所属する喜

動画 文生書院様より『山本武利著作集』全10巻が刊行されることになりました。 それを記念し、山本武利理事長のインタビューを数回にわたりお届けいたします。 なお、著作集の詳細につきましては文生書院様HPもしくはこちらをご覧ください。 ⑥木下順二と検閲New! ④20世紀メディア情報データベースの作成とプランゲ文庫、母について ②資料としての古書探索と著作集の編纂方針について 第一巻 近代日本のメディアⅠ(2026年7月刊行予定) 第二巻 近代日本のメディアⅡ(2026年11月刊行予定) 第三巻 広告Ⅰ(2027年3月刊行予定) 第四巻 広告Ⅱ(2027年7月刊行予定) 第五巻 戦中インテリジェンスⅠ(2027年11月刊行予定) 第六巻 戦中インテリジェンスⅡ(2028年3月刊行予定) 第七巻 米国の対日工作(既刊) 第八巻 占領期Ⅰ(2025年12月3日刊行) 第九巻 占領期Ⅱ(2026年3
By Haruhiko Okumura 1941年にナチス・ドイツに対抗して自由と民主主義を監視するための機関として設立されたのがFreedom Houseです。そのFreedom Houseが毎年公開している世界のインターネットの自由度合いを調査した報告書「Freedom on theNet」の2016年度版が公開されました。 Freedom on theNet 2016 | Freedom House https://freedomhouse.org/report/freedom-net/freedom-net-2016 調査対象となった65の国と地域のインターネット環境の自由度をスコア付けしたのが以下のグラフ。スコアはインターネットにおける「アクセス障害の有無」「コンテンツの制限」「ユーザー権利に対する妨害」という3つの尺度の総合評価となっており、スコアが0に近ければ近いほどイン

リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く