経済学では、答えが出ている主要音楽団体がチケットの転売防止を求める共同声明を出したことで、話題になっている。 先週23日、一般社団法人日本音楽制作連盟(音制連)、日本音楽事業者協会(音事協)、コンサートプロモーターズ協会(ACPC)、コンピュータ・チケッティング協議会の4団体が「チケット高額転売取引問題の防止」を求める共同声明を発表した(http://www.tenbai-no.jp/)。 その声明には、国内アーティスト116組と音楽イベント24の賛同が加えられていた。国内アーティストには嵐、サザンオールスターズ、福山雅治さんら、音楽イベントにはフジロック・フェスティバルなどが含まれていた。 かつてアーティストの収益の中心だったCDをはじめとする音楽ソフトの売上は減少傾向であるが、ライブやフェスなどは、音楽をリアルに体験できるとして入場者数は増加傾向になっている。有名なアーティストのコンサ

Twitterに書いたことをほぼそのまま掲載。 日本の電力問題(原発問題含む)をもっとも入門レベルで解説しているのが、八田達夫先生の「ミクロ経済学?」(東洋経済新報社)。そこでは送電と発電の分離、電力自由化の効用などが独占理論の枠組みで解説されている。これはぜひ読んだ方がいいと思う。簡単だし。 その八田先生の『週刊東洋経済』での議論はこの入門レベルの上にたって今日の東京電力問題についてスタンダードな批判と問題提起をしたものと思う。日本の原発政策の最大の問題は文民統制の失敗ということだと指摘している。 ちょっと引用。「日本の原子力政策を策定する原子力委員会(内閣府に設置)のトップは、原子力工学の大物教授であり、同門出身者が電力各社、設備会社、経済産業省の原子力事業や政策を担う。つまり、中立を装っているが、陸軍大学の教授に戦争の最終決定を委ねているようなものだ」 すごいきつい表現で、間接的だが

松尾匡のページ11年3月29日 電気料金引き上げリフレ 前回のエッセーで紹介した中学2年生のアイドル、藤波心さんのブログエントリーですが、その後、コメントが1万を突破して、心ない中傷もよってたかって書き込まれる事態になりました。それで、一時は私も、おバカなエッセーネタとして使ったことをまじめに反省したりもしたのですが、このほど、本人の新しいエントリーが出て、いたって元気そうだということが判明。安心しました。 パンドラの箱の「希望」 \(^o^)/ 読んでみたら、お見事な収拾!おみそれいたしやした。おじさんますますハァハァしちゃうよ。もうこれでボクは「一人前のリフレ派」と呼ばれても構わないよ。 さあ今度から、満員電車の中で女子高校生が隣によってきたら──日銀のわなだ! 電車の中で携帯メール打ってるときに、前のシートの女子中学生がおむもろにスカートを開いたら──日銀のわなだ! あらゆるところに
<論語(経済学)読みの論語(経済学)知らず 池田信夫 その1> http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51671394.html 2011年01月29日 13:30 デフレ論争の終わり 週刊東洋経済の臨時増刊は「デフレ完全解明」。ところが中身を読んでみると、10人のエコノミストのうち「4%のインフレ目標」などと叫んでいるのは岩田規久男氏だけで、他の人々は「規制改革」や「産業構造の転換」あるいは「潜在成長率を高める」など、デフレそのものをほとんど問題にしていない。もうデフレ論争は終わったということだろう。 一般論としては、金融政策が効果をもつ局面はある。伊藤隆敏氏も指摘するように、90年代末の金融危機のとき、日銀が現在のFRBのようにアグレッシブな流動性供給を行なっていれば「デフレの罠」に陥ることを防ぐことができたかもしれない。さらにさかのぼれ
とっくにあけましておめでとうございましてました。今頃新年一発目の更新です。今年も当ブログをヨロシクお願いします。 ゼロから学ぶ 経済政策 日本を幸福にする 経済政策の作り方 飯田泰之 さて昨年の12月18日に池袋のジュンク堂で開催された経済学者飯田泰之さんと評論家宮崎哲弥さんのトークセッションに行ってきたので、今回はそのまとめをしたいと思います。 素のiPhone4で録音してまして、うまくとれるのか不安でしたが、意外にもくっきりとした音声で、しかもマイクを使わなかった方の声も拾ってました。すごいぞiPhone! セッションの時間は2時間はなかったと思います。まずは飯田さんの『ゼロから学ぶ経済政策』という本の紹介から話が始まりました。ちなみに本書では経済政策を大きく三つに分けています。セッション内で飯田さんは次のように説明していました。 成長政策(飯田さん:以下敬称略)「成長政策」は長期的に
民主党が議論しているペット課税だけど、ペットの飼育放棄は、すでに飼われた経験のあるペットの取引市場が成立していないこと、不妊・去勢治療が社会的に最適でないこと、あとは日本では猫や犬についてあまり血統を重んじない傾向があり、これは日本では非常にいいずらいんだけど雑種を好む「バイアス」があることが原因ではないかと思う。 民主党案だとペット課税しても飼育放棄を改善する設計ができてないように思う。まあ、総量規制で結果として飼育放棄が減るという感じだよね。むしろ施設で殺されてしまうペットたちを引き取れば補助金がでて、新しく飼育された子犬・子猫を購入したときに税金を課すのがいいと思うんだけどどうかな。 もちろん不妊・去勢治療についても補助金を与える。そういう設計であればペット課税もいいかもしれない。いまの民主党案だと報道のつたえるところによれば買う段階で課税して、それを施設の運営などにあてるという。ま
経済政策を初心者にもわかりやすく解説することを目的とした飯田さんらしいコンパクトでわかりやすい新書だと思います。岩田規久男先生との共著『ゼミナール経済政策入門』の準備段階としてぜひ読んでもらいたい本でもあります。 まず本書は「幸福」を経済政策の目的として議論していきます。不思議なものですが、経済学はレトリックとして「人々の幸福を改善する」とはいますが、なかなかちゃんと定義されたものとして「幸福」をつい最近までその政策目的としてはいませんでした。ここで飯田さんが定義されたものとして「幸福」を経済政策の目的として、それを入門段階で議論しているのは本書の最大の特徴といえるでしょう。 ところでこの本は実践的で割り切りのいいやり方でこの「幸福」を扱っている点にも特徴があるといえそうです。冒頭、飯田さんは「幸福」には二種類の視点があると提起しています。1)そもそも国民の幸福とは何かを価値判断を含めて考

いま早稲田大学で経済学研究(文化の経済学)の講義を今年限定で行っている。前回は、ニコニコ生動画で津田大介さんの司会の番組に出たときの様子を講義で流した。ニコニコ生動画を講義で流すのはあまりないのかもしれない。自宅に帰ってTwitterをみたらその津田さんの新刊が評判のようである。立ち読みして驚いたのは、これはすぐれた産業論であり、サブカルチャーを経済的視点で扱った稀有な書だということだ。 まず世界的な音楽産業を経済学的に扱う上で、よく知られたホットイシューがある。文化経済学学会の会長Ruth Toeseが講演でいうように、文化経済学は長年、著作権の問題を正面きって扱ってなかったという。本書でもこの著作権について非常に見通しのいい展望が語られていて、今後、日本の音楽産業を経済的、文化的な側面から考察する際のよき指標になるだろう。 これも文化の経済学やコンテンツ産業論などでは早くから注目されて

2010/11/1018:0 オーソドックスありきのオルタナティブ――『ゼロから学ぶ経済政策――日本を幸福にする経済政策の作り方』(角川Oneテーマ21)発売によせて 飯田泰之 わたしがこれまで書いてきた本と同様に、本書で解説されるのは、手垢にまみれ、使い古されたオーソドックスな経済学の知見です。前著『世界一シンプルな経済入門――経済は損得で理解しろ』に対する小飼弾氏の書評(404Blog Not Found(2010/3/13): ペア書評 - 行動経済学/経済は損得で理解しろ!http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51416905.html)で指摘される通り、毎度ながらわたしの著作は「古典的な経済学の枠組み」から逸脱しません。そして、今回もあまり「破」も「離」もしませんでした。なぜならば、ここにこそわたしがメディアのなかで知ってほしいこと
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