「お気持ち」によって直結する天皇と国民 大塚英志『感情化する社会』 2016.9.29搬入 現行天皇が二〇一六年八月八日、生前退位について「お気持ち」を表明したことと、そしてそれに対する「国民」の反応は図らずも本書『感情化する社会』の主題である「感情」という問題を明確化してくれる出来事だった。つまり「感情化」と本書が便宜上呼ぶ事態が天皇制に及んだのである。 しかしそれは天皇が感情的にふるまった、ということを意味しない。本稿のなかでいずれ明らかになるが、「感情化」とはあらゆる人々の自己表出が「感情」という形で外化することを互いに欲求しあう関係のことを意味する。理性や合理でなく、感情の交換が社会を動かす唯一のエンジンとなり、何よりも人は「感情」以外のコミュニケーションを忌避(きひ)する。つまり「感情」しか通じない関係性からなる制度を「感情化」と形容するものだ。この現象は、ただ感情的でしかないこ

A事実関係 1:NHK7月13日 19時00分「天皇陛下 「生前退位」の意向示される 天皇陛下が、天皇の位を生前に皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を宮内庁の関係者に示されていることが分かりました。数年内の譲位を望まれているということで、天皇陛下自身が広く内外にお気持ちを表わす方向で調整が進められています。 天皇陛下は、82歳と高齢となった今も、憲法に規定された国事行為をはじめ数多くの公務を続けられています。そうしたなか、天皇の位を生前に皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を宮内庁の関係者に示されていることが分かりました。 天皇陛下は、「憲法に定められた象徴としての務めを十分に果たせる者が天皇の位にあるべきだ」と考え、今後、年を重ねていくなかで、大きく公務を減らしたり代役を立てたりして天皇の位にとどまることは望まれていないということです。こうした意向は、皇后さまをはじめ皇太子さま
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