都知事選の開票立会人をやってきた。なかなか出来ない経験なので備忘録がてら書き残す。開票立会人とは、開票で不正がないかチェックするため、候補者が本人の同意をとって届け出るもの。私もその依頼があるまで存在すら知らなかったが、勉強のためと思い引き受けることにした。ちなみに報酬も少なくない額もらえる(1万数千円)。 やることは、1,投票箱を開ける前に封印を確認する。2,集計した票の束に判子を押す。3,疑問票の判断結果に判子を押す。4,最終的な開票録に判子を押す。5,すべての票を収納した箱の封印に割印を押す。これくらい。あとは、開票所内をウロウロしてるだけ(不正がないかチェックも含めて)。特に2は、500票ごとの束に押すのだが、全部で数十万票ある訳で、こんなに判子押す機会など金輪際ないだろというくらい判子マシーンとなる。 数時間の仕事なのだが、全体通して感じたのは、疑問票が多いということと、選挙の不

#検察庁法改正法案に抗議します ときゃりーぱみゅぱみゅさんが発言し、たくさんの人が「よくぞ言った!!芸能人が同調圧力に耐えて素晴らしい」と称賛した。 しかしそうではない考えの人たちは「何も知らない芸能人が発言するな!勉強してから言え!」と反発していた。それに対してよくぞ言った、と称賛した側は「歌手も市民だ、自由に発言する権利はある!」と怒ってた。おれは知ってる。 芸能人が発言しにくい理由のひとつにこいつらの存在だ。それは例えばきゃりーぱみゅぱみゅが #検察庁法改正法案に賛成します とツイートしてたら「勉強してから言え」と反発してた側は「よくぞ言った!!芸能人が同調圧力に耐えて素晴らしい!」と言い、素晴らしいと言ってた側は「何も知らない芸能人が発言するな!勉強してから言え」と言い出す。 彼らが守りたいのは言論の自由ではない、彼らが守りたいのは自分の側からみた正義だ。今回もだからみんな発言

※6/15追記:逃亡犯条例の審議が延期されました。延期であって否決ではないので、現地では廃案になるまで運動を続ける予定だそうです。今後の最新情報をフォローしていくことは本稿の目的と異なるのでしませんが、ひとまずこの記事は最新情報ではないということはここに明記しておきます。 今朝、香港に何人かいる友人とのグループチャットに、そちらの状況はどうか、というメッセージを送った。すぐに返事があって、きのう催涙ガスを浴びたところだという。それでも今日またこれからデモに出かけると言っていた。別の友人は昨日最前線に行って、食料とグローブ(軍手?)を届けてきたのだという。詳しく聞けば聞くほど、状況はかなり悪い。気を付けて。何か役に立てることがある?と言うと、「とにかく現状を多くの人に知ってほしい。そのためにあなたの日本語が役に立つ。」とのことだった。僕はおもしろ記事を書くのが仕事なので、政治について文章を書

菅義偉官房長官は20日の記者会見で、首相官邸が東京新聞記者の質問権を制限するような要請を官邸記者クラブに出した問題に関し、官邸側が東京新聞に「記者が国民の代表とする根拠を示せ」と要求していたことを明らかにした。 東京新聞は20日付の朝刊で一連の問題を検証する記事を掲載。2017年の秋以降、官邸側から「事実に基づかない質問は厳に慎んでほしい」など9件の質問が文書であったと報じた。 記事によると、昨年6月の記者会見で、記者が森友学園に関し、財務省と近畿財務局の協議について「メモがあるかどうかの調査をしていただきたい」と聞くと、官邸側は「記者会見は官房長官に要請できる場と考えるか」と文書で質問。東京新聞が「記者は国民の代表として質問に臨んでいる」と主張すると、官邸側は「国民の代表とは選挙で選ばれた国会議員。貴社は民間企業であり、会見に出る記者は貴社内の人事で定められている」との反論があったという

日本の有権者数は約1億人いるわけなんだけど、つまりそれって有り体に言えば、自分の意思が代議士を選ぶごときに1/1億に希薄化されるってわけだけど、それってなんか行く意味あるの? そう思って俺は全く行ってない。だいたいそういうことを言うと「そうやって行かない人が多いから政治がうんぬん」とか言われるけど、じゃあ俺が行くことによって何が変わるのか?この人が一番マシだなと思った人に票を入れて「ハイ、1票多くなりました」以外に何が変わるんだ? 俺がどれだけものすごく真剣に考えて、それぞれのマニフェストや実現性・政治家の人柄など、いろいろ精査してその上で投票しても、1/1億というのは変わらない。「お前頭おかしいだろ」っていうバカ野郎どもと全く同じ重み付けの1票を持つ。何も調べてない、ただの扇動されたクソ野郎とも全く同じ重み付けの1票を持つ。 もし政治を変えようと思うなら、俺が政治家になった方がよっぽど早

著者フランシス・フクヤマは『政治の起源』で、人類誕生以前からフランス革命までの歴史を振り返りながら、「国家」、「法の支配」、「政府の民主的説明責任」という3つの重要な政治制度がどのように生み出されたのかを巧みに説明した。この『政治の衰退』は『政治の起源』の姉妹編であり、フランス革命以降の過去2世紀の間にこの3つの制度がどのように相互作用しながら発展してきたかを論じていく。そして最後には、先進民主主義国でこれら3つに衰退の兆候が見受けられることが示される。ポピュリズム、排外主義や核の脅威など、政治の不安定がいや増す現代社会の未来を見通すために必読の一冊だ。 なぜ西洋が大きく発展し他の地域を大きくリードしているのか、という問いは18世紀以降の経済学者の最大の関心事項の1つである。アリストテレスからルソーまで、地理と気候が政治制度に大きな影響を与えたと論じてきた。ところが、植民地帝国が解体され発

検索用に残しておいたツイッターアカウントで、たまに呟くことがあるのだが、1ヶ月前のツイートをなにか別に気に入らないことがあったのか山本一郎氏に晒されて、プチ炎上した。ネットの炎上では、前後の文脈とかまったく読まず脊髄反射で書き込むひとが大半だ。それが拡散されて、誤解、曲解が事実としてまかりとおるという性質がある。 ぼくとしては自分が発言した内容を曲げるつもりはまったくないので、切りとられやすいツイッターではなく、ここであらためて考えをまとめて書こうと思う。 さて、情報公開というキーワードは基本ポジティブに受け取るひとが世の中の大半だろう。とくに権力をもっている組織に対して情報公開をしろという主張はまったくの正論に聞こえて、だれも表だって反対をできない。 ここが問題だ。実は日本の今の情報公開の制度には大きな問題があって、実際に関わっているひとは、これじゃだめだと思っていて文句をいっている。で
民主主義だと利権争いで改革が進まないので 改革が必要な局面 例えば今みたいな日本には何かを変えようとするなら独裁体制になるしかないんだよね 過去、困窮に陥って復活を遂げた歴史を持つ国って独裁でハイスピード改革を成し遂げた国以外は有り得ない 戦後日本で言えばGHQの独裁で高度経済成長期に至ったわけだし中国は文化大革命からの超実力主義国家で同意形成なんて無くなったおかげで文化が無くなったのに超再生したドイツも戦後処理からほぼ独裁で再生したし もっと過去にさかのぼればフランスのナポレオンも独裁で強力な国家を作ったわけだし なので今日本の与党に対して独裁だなんだってのは批判にならないんだよね この先、どうにもならない超高齢化社会に至ったら与党も野党も等しく死ぬんだから もう独裁して間に合うかどうかも分からん瀬戸際で独裁だなんだとかいう次元じゃない 民主主義国家にしたいなら改革が終わってからやる

菅義偉官房長官の会見にて、数多くの質問を行うことで有名な東京新聞の望月衣塑子記者。ネット上ではその質問内容でしばしば炎上している望月記者であるが、今回「月刊日本」のサイトに掲載されていた 望月衣塑子 それでも私は権力と戦う http://gekkan-nippon.com/?p=12530[リンク] というインタビュー記事が、ここ数日SNSやまとめサイト等で拡散され話題となっていた。 9月7日、評論家の石平氏(@liyonyon)は『Twitter』にて 「それでも私は権力と戦う」という東京新聞望月記者の台詞を鼻で笑った。私は今まで、本物の独裁政権と戦った勇士を数多く見たが、彼女のやっていることは、何のリスクもない民主主義国家で意地悪質問で政府の記者会見を妨害するだけだ。そんなのを「権力と戦う」とは、吐き気を催すほどの自惚れだ! — 石平太郎 (@liyonyon) 2017年9月6日 「

2017年4月末、幕張メッセにて開催された『ニコニコ超会議2017』。数ある企画の中でもひときわ注目を集めたのが、『ビートたけしの超「テレビじゃ言えない」会議』。ビートたけしさんに加えて、夏野剛さん、水道橋博士さん、〆さばアタルさん、アル北郷さん(途中から松村邦洋さんも参加)が出演し、視聴者からの質問に対して“テレビでは言えない話”を連発。 「最近バカが幅をきかせすぎじゃないですか?」とのユーザーからの質問に「99人のバカがいたら、1人の正しいやつはダメになるのが民主主義。民主主義の多数決をそんなに信用しなくたっていい」と回答するなど、切れ味鋭いトークを繰り広げました。 関連記事: 「たこ八郎に東大生の血を輸血して知能指数上がるか実験した」「バス2台で〇×クイズやって、はずれた方を海に沈めた」ビートたけしが語った仰天の放送禁止エピソード 左から〆さばアタルさん、アル北郷さん、夏野剛さん、ビ

「政治がだらしないから、日本の財政赤字は膨大になった」という話は、よく聞くところだ。一般の方からであれば、「まあ、そういうところもありますかね」と受け流すが、学生がそんなことを研究したいなどと言って来たら、「若さを無為にするようなことはやめなさい」と諫めることになる。こういう学生は、債務=債権という経済の基本的な概念も身についていないのは明白で、とてもモノにならないと心配するからだ。 ……… 確かに、日本の政府は、膨大な借金を抱える。他方、借金は、貸す者がいないと成立しない。日本の場合、これは基本的に企業部門である。すると、「政治がだらしないと、企業はカネを貸すようになる」のか。表裏一体の事柄なのに、片面の説明が不自然になるのは、そもそも、説明自体が誤りであることを示している。民主主義の下での大衆迎合が財政赤字を作るというのは、一知半解の見方でしかない。 むろん、ポピュリズムの政治家が外国

韓国で大統領退陣を求める大規模な市民運動が続いておりますね。昨年こちら(エストニア)の大学で出会って友だちになった韓国人留学生の子が、現在ソウルの学生デモに参加しているようで、たびたびfacebookに集会の様子を写した写真をアップロードしています。 そんな中で目にしたのが、こちらの中川淳一郎さんによる記事です。 headlines.yahoo.co.jp 「これだけ大規模なデモが連日起こって堂々と政府に文句をつけているなんて、韓国の民主主義は成熟しているな~」という見方に対して「いや民主主義の水準が低いからデモをやらざるを得ないわけだろう、何を羨ましがっているんだ」というのが中川さんの考えのようです。 なるほど…。ということは、 「民主主義の水準が低いからこそ大規模なデモが起こる」ってことなら、じゃあ日本はドイツやフランスやスウェーデンを圧倒的に上回る民主主義国家ってこと?? いやー、タ
(米大統領選で)トランプさんが勝って驚いたが、さっそく安倍(晋三)さんが会いに行ったことにもびっくりした。オバマさんがあと2カ月は米大統領だ。その人が現役であるときに、いきなりトランプさんに会いに行くのは国際的な儀礼に反しているのではないか。たった1時間ちょっと会った中で、信頼が築けると確信したと(安倍氏は)言った。びっくりぽんですね。本当ですか? メルケル独首相が9日、トランプさん当選でお祝いのメッセージを出した。「民主主義、自由、法の支配といった基本的な価値と、宗教、肌の色、性別など個人の尊厳を尊重するという前提の上で米国と関係を強化していきたい」と。トランプさんはある種、人種差別的な発言を続けた。個人の尊厳を守るのだろうか。自由や民主主義など基本的価値を共有できるだろうか。世界は慎重に見ている。それにもかかわらず「信頼ができると確信した」と。ここまで言っていいんでしょうか。安倍さん

「お気持ち」によって直結する天皇と国民 大塚英志『感情化する社会』 2016.9.29搬入 現行天皇が二〇一六年八月八日、生前退位について「お気持ち」を表明したことと、そしてそれに対する「国民」の反応は図らずも本書『感情化する社会』の主題である「感情」という問題を明確化してくれる出来事だった。つまり「感情化」と本書が便宜上呼ぶ事態が天皇制に及んだのである。 しかしそれは天皇が感情的にふるまった、ということを意味しない。本稿のなかでいずれ明らかになるが、「感情化」とはあらゆる人々の自己表出が「感情」という形で外化することを互いに欲求しあう関係のことを意味する。理性や合理でなく、感情の交換が社会を動かす唯一のエンジンとなり、何よりも人は「感情」以外のコミュニケーションを忌避(きひ)する。つまり「感情」しか通じない関係性からなる制度を「感情化」と形容するものだ。この現象は、ただ感情的でしかないこ

2016年7月31日の東京都知事選の投開票をうけ、告示日前夜に出馬を取り下げた宇都宮健児・元日弁連会長が同日夜、複雑な心境を告白した。 今回、ジャーナリスト・鳥越俊太郎氏を候補者として擁立した野党4党や市民連合に「安倍政権に民主主義を求めるなら、自分たちの運動の中で民主主義を作らないといけない」と指摘。リベラル勢力にとって「耳の痛い」内容となった。 事務所にかかってきた「降りろ、辞めろ、バカ」の電話宇都宮氏は16年7月31日、ニコニコ生放送の選挙特番「開票特番 投票が終わったので言いたい事を言う放送」に登場し、鳥越氏への思いや出馬辞退の「真相」を打ち明けた。 まず、鳥越氏について、「週刊文春」(7月21日発売)が報じた「淫行疑惑」に言及。 「あれだけ週刊誌で具体的な事実が出されている。彼はジャーナリストなので説明責任を果たすべきだ。『事実無根、刑事告訴』じゃ都民に対して納得のいく説明になっ

ただいま話題のあのニュースや流行の出来事を、毎月3冊の関連本を選んで論じます。書評として読んでもよし、時評として読んでもよし。「本を読まないと分からないことがある」ことがよく分かる、目から鱗がはらはら落ちます。PR誌「ちくま」7月号より転載 七月一〇日に投開票が行われる参院選。与党の自民公明を含め、改憲勢力が三分の二以上の議席を占めれば、憲法公布以来はじめて憲法改正が発議される可能性がでてきた。 野党側もさすがに危機感を覚え、全国のすべての一人区に、民進党、共産党、社民党、生活の党の四党の統一候補を立てる野党連合が成立した。共闘の音頭をとったのは共産党。これまで必ず独自候補を立ててきた共産党の譲歩は喝采すべきだ。安倍政治はもうたくさん。私も野党側に勝ってほしいと切に願っている。 なんだけど、ほんとに勝てるかとなると「今度もダメなんちゃう?」という疑念も禁じ得ない。疑念というか半ば確信だな。

「最近の自民党もずいぶんむちゃくちゃやっているけど、民進党もどうも信用できないし一枚岩じゃないっぽいし、共産党ってこわーい。 イギリスのEU離脱とか、国際情勢も不安定だし、こういう時はやっぱりなんだかんだ安定を求めたいし、与党に入れとこうかしら」 っていうひとって、結構多いんじゃないかと思います。 普通の感覚だと思います。 そう思ってる人に、今回、7つのことをお伝えしたいと思います。 1安定を求めるなら、その選択肢は間違いです。今回政権与党に勝たせたら、憲法を憲法じゃないものに変えられる、という激変中の激変が生じる可能性が、無視できない大きな可能性として存在します。 2今回、あなたが野党に入れて、野党が勝っても、政権交代は起きません。そもそも衆議院選挙じゃないですから、政権選択の選挙ではありません。当然、経済政策等が劇的に変わることはありません。むしろ、たいした変化は起きないのです。 3民

『21世紀の不平等』アンソニー・B・アトキンソン 21世紀の不平等 作者: アンソニー・B・アトキンソン,山形浩生,森本正史 出版社/メーカー: 東洋経済新報社 発売日: 2015/12/11 メディア: 単行本 不平等や格差 世界には、不平等や格差がある。 20世紀の不平等とは少し違っている、21世紀の不平等について書かれています。 著者のアトキンソン氏がイギリス人なので、イギリスの不平等、格差の是正の方法などについて書かれています。 イギリスの話が主な話ですが、先進国であれば、似たような状況にあると思うので、参考になるはずです。 ▼ ここに注目 ▼ 「第2部では、不平等の水準を大幅に引き下げると私が信じている手法を15個 提案した。」(p.275) 「提案8:個人の所得税の累進性を高める方向に戻す。限界税率は課税所得の 範囲に応じて上がり、最高税率は65パーセントにして同時に税収基盤を

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