【連載30回記念】市川沙央さん凱旋! 芥川賞後の長すぎた2年。「自費出版するしかないと思い詰めたことも」 小説家になりたい人が、なった人に〈その後〉を聞いてみた。#30 市川沙央さん(写真提供:文藝春秋) 物語の出来でいえばライトノベル>芥川賞 初代・小説家になった人、市川沙央。この人なくしては連載が30回を迎えることはなかっただろう。筋疾患先天性ミオパチーを患い、書くほかなかった市川さんが小説家になるまでを真摯に語った第1回は、瞬く間に100万PVを超え、「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」を人気連載へと押し上げた。 「私の方こそ、この連載がなかったら現在の市川沙央はなかったと言って過言ではありません。私たち、ここまで心は一緒に走ってきましたよね! 第1回のサムネイルを見るたび『シャツドレスのボタン、上まで留めすぎ』と思うのですが(笑)」 (今回の取材も前回同様、あらかじめメ

◆◆◆ ──村松さんのクリニックは「リストカットの傷あとに特化した形成外科」をうたっていますね。全国でも珍しいのでは。 村松 2017年に開業以来、1200人以上の自傷患者さんを診てきました。でも昔は、自傷する人への苦手意識があったんです。 僕が医者になったのは2000年ですが、最初は総合病院の研修医だったので、夜間は入院患者さんや救急外来に対応する当直勤務がありました。夜なので自傷の患者さんも多かったのですが、交通事故など他の理由で来院する人たちとは印象が違ったんですよね。 「『自傷する人は“かまってちゃん”だろう』と思っていました」 ──どんなところが違ったのでしょう。 村松 夜間の救急外来に来るほどなので、たいていは腕を深く切っているんですよ。いわゆる「リストカット」です。気づいた家族があわてて連れてきたり、救急車で運ばれてくるんですが、当のご本人はなぜかスッキリとした表情をしている

――板倉さんは少し前までマンション管理組合の理事(※)をされていたそうですね。 インパルス板倉さん(以下、板倉):そうですね。数年間、わりとしっかりやって、少し前に任期が終わりました。その前には、理事長をやっていたこともあります。 ※マンションの理事会:マンションの組合員(区分所有者全員)から選出される執行機関が理事会。理事長のほか、副理事長、会計担当理事、設備担当理事など、数人の理事で構成される。各理事の任期は1年から数年で、輪番制や立候補で後任が選出される。 理事会は定期的に集まりマンションの問題について解決する方策を練るほか、最低年1回の総会でさまざまな決議事項について区分所有者の総意をとる。 ■マンションの管理体制 ――はじめに、就任の経緯を教えてください。 板倉:今のマンションは数年前に中古で購入したのですが、僕が引越したときがちょうど、前の入居者が理事になるタイミングだったんで

9月から10月にかけて、多くのYouTubeユーザーのトップ画面やオススメ欄に突如表示された動画がありました。「janken」という名のその動画は、キュートな表情を見せる女子高生とあっちむいてホイで勝負する……という内容のゲーム映像でした。 このゲームの名は、『ジャンケンゲーム あっちむいてホイ』。この可愛い子を描いたのは一体誰なんだ……!?と話題になりましたが、これを手掛けていたのは、なんと『グリザイア』シリーズやアニメ「物語」シリーズ、「ひぐらしのなく頃に業・卒」などで知られるフロントウイング所属のアニメーター・イラストレーター・キャラクターデザイナーの渡辺明夫氏だったのです。 Game*Sparkではこの度、渡辺明夫氏にメールインタビューする機会を入手。貴重な当時のお話を訊かせていただきました。 実はメインは女子高生じゃない!?――まず、『じゃんけんゲーム あっちむいてホイ!』の制作

(2025年10月5日更新:カザフスタン、バングラデシュ、ウズベキスタン、シンガポールを追加) 万博。開幕まではほとんど興味ありませんでした。 でもよく考えてみると、これは世界中の人たちと直接会って話せる絶好の(というか、たぶん最初で最後の)チャンス。 なので、この国の人にはこれを聞いてみたい・・・と前から思っていたことをたずねてみました。 質問日:2025年4月21日、5月13, 27日、9月25日 ※ここに書かれているすべての「回答」は、応えてくださった方個人の意見であり一般化できないものであることをお断りしておきます。 目次 目次 カザフスタン - 中央アジア最大かつ最も裕福な国のもつ「兄弟」意識 バングラデシュ - パキスタンと分離して正解だったと思うか ウズベキスタン - サマルカンドの国で「ザナルカンドにて」は知られているのか シンガポール - 建国の父リー・クアンユーは今も尊

趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。(動画インタビュー) 前の記事:チャンバラをする貝、チャンバラガイ(マガキガイ) > 個人サイト >私的標本 >趣味の製麺 >ライターwiki 白だしが気になってきた 白だしに手を出そうと思ったのは、当サイトの先輩ライターであるヨシダプロと久しぶりに話したとき(こちらの記事)、「料理の味付けは全部白だしです」と言い切っていたのが気になったから。え、全部? 「パスタを1カ月食べ続けると何kg太るのか!? 」より。自宅には白だししか調味料がないそうだ。ちなみにこれはヤマサの「昆布つゆ白だし」ですね。 白だしを料理上手が使う隠し味的な存在だと勝手に思っていたのだが、意外とメインとして使い続けることも可能らしい。私も気がつけばおかずが全部めんつゆ味になっていることもあ

◆◆◆ 大ヒット前夜の葛藤 「初期の構想だと、6時間の作品になっていました」と話すのは、興行収入100億円を突破した『国宝』の脚本を担当した奥寺佐渡子さんだ。 「これだけ、会う人、会う人が『観たよ』と言ってくれる作品は初めてのことです」 原作は吉田修一氏の新聞連載小説。文庫なら上下巻で800ページを超す長編だ。李相日監督から奥寺さんに依頼が届いたのは4年ほど前。本格的に執筆に取り組み始めたのは2022年の春だった。 奥寺さんの仕事ぶりがうかがわれるのが、紅白装丁の単行本上下巻だ。色とりどりの付箋がたくさん貼られていた。 「付箋の色は分類ですね。舞台のシーン、あるいは登場人物の誰と誰のシーンというように分けてあります」 奥寺氏が脚本を書く際に使用した原作の単行本。無数の付箋が貼られている(奥寺氏提供) 当初は吉沢亮が演じる主人公・喜久雄の私生活や、高畑充希演じる春江など女性のエピソードにも厚

漫画家とバー店主という「二足のわらじ」をはくミートスパ土本さんに、「飲食兼業」のリアルを伺いました。 働き方の多様化が進み、「副業」や「間借り」で飲食に関わる人も増えています。一方で、飲食業はハードで兼業は難しいという印象を持つ人も多いはず。実際に飲食業と他の仕事を両立させている人は、どのように感じているのでしょうか。 「barGENESIS」を経営しながら、マンガ誌アプリ『少年ジャンプ+』で『限界OL霧切ギリ子』を連載する漫画家・ミートスパ土本さんに、兼業の裏側にあるリアルな現実や、そこから得た学びを伺いました。 ミートスパ土本さん漫画家・バー店主。愛知県一宮市で「barGENESIS」を経営しながら、「少年ジャンプ+」にグルメギャグ漫画『限界OL霧切ギリ子』を連載中。ブラックな環境で働くOLが、毎日を生きるために作って食べる「限界飯」の描写や、クセのある人間模様が話題を呼び、2025

ノベルゲームエンジン「NScripter」開発者 高橋 直樹 1975年生まれ。1998年より、成人向けPCゲームのシナリオライターやプログラマー、企画などを行う。1999年にノベルゲームエンジン「NScripter」を開発し、公開。以降は、同エンジンシリーズの開発者としても広く知られる。 個人サイト:nscripter.com 1990年代から2000年代にかけ、PCゲーム市場では「ノベルゲーム」(ビジュアルノベル)が大きな流行を見せ、商業や同人作品の中から数々のキラータイトルが生み出されていました。同人サークルから出発し、後に商業の世界でも絶大な影響力を持つに至った「TYPE-MOON」の『月姫』や、「07th Expansion」の『ひぐらしのなく頃に』を耳にしたことがある方は、少なくないのでは。 この『月姫』『ひぐらし』をはじめ、数々のノベルゲームを支えていたゲームエンジンがありま

京都大学新聞社 > インタビュー > 【卒業生インタビュー 京大出たあと、 何したはるの?】Vol.13 マンガ家 若木民喜さん 京大卒マンガ家が“ヨシダ”を描く 京都大学は2025年に創立128周年を迎え、これまでの学部卒業生はおよそ22万人にも及ぶ。卒業生は進路の選択に際し、何を考え、感じ、選び取ってきたのか。第13回は、代表作『神のみぞ知るセカイ』がアニメ化、『結婚するって、本当ですか』がドラマ化&アニメ化を果たし、現在は週刊ビッグコミックスピリッツにて京大を舞台にした『ヨシダ檸檬ドロップス』を連載するマンガ家の若木民喜さんにお話を伺った。(涼・雲) 目次 ドロップアウトシンドローム マンガ人生、紆余曲折 マンガ制作のマル秘 『ヨシダ檸檬ドロップス』制作の内情 ドロップアウトシンドローム ―高校時代をどのように過ごし、なぜ京大を目指したのか。 僕らは団塊ジュニア世代で、とにかく子ども

大学4年生でChatGPTに出会い、使い始めて数カ月で人生が激変──。 現在23歳の大塚あみさんは約2年前、ChatGPTを使ってレポート課題をサボることを思い付きました。ChatGPTを使い倒す中で、授業中にオセロゲームをつくったところたちまち注目を浴びます。5つ以上の学会で講演するなど、日常がめまぐるしく変化していきました。 新卒1年目で書き記した著書『#100日チャレンジ 毎日連続100本アプリをつくったら人生が変わった』は、ソフトウェア開発・言語カテゴリでAmazonベストセラーに。 現在、生成AIに毎月最大12万円課金しながらシステムエンジニア・研究者・著述家・経営者としてはたらく大塚さんに、自分らしくはたらくヒントを伺いました。ChatGPTに出会って人生が激変した ──ChatGPTをはじめて使ったときのことを、詳しく教えていただけますか。 私は大学時代に経済学部だったので

今や「日本の基幹産業」と言われるまでに成長したアニメーション。『エヴァンゲリオン』シリーズを擁するスタジオカラーはその一角を占める。鶴巻和哉はカラー所属のアニメーション監督で、社会現象を巻き起こした『新世紀エヴァンゲリオン』で副監督を務め、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』では監督を務めるなど、その後も庵野秀明総監督の右腕としてシリーズを支えた。2025年7月に、「Anime Expo」(ロサンゼルス)、「Japan Expo」(パリ)に登壇、海外ファンの熱い歓迎を受けた。一方で「あと10年も経ったら『ガンダム』シリーズも生き残れないかもしれない」と話す。鶴巻はロボットアニメの未来をどう描いているのか。(取材・文:藤津亮太/撮影:西田香織/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) 1995年のTVシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』で副監督を務め、その後も庵野秀明総監督のもと監督として『ヱヴ

現代音楽の研究者・評論家で、『アメリカ実験音楽は民族音楽だった』(2005年)を著し、アメリカ実験音楽研究の日本における第一人者である音楽学者の柿沼敏江さん。著書『〈無調〉の誕生 ドミナントなき時代の音楽のゆくえ』(2020年)では、音楽史の再検討ともいえる画期的な論考で、吉田秀和賞を受賞。ジョン・ケージ著『サイレンス』、アレックス・ロス著『20世紀を語る音楽』『これを聴け』など、重要な音楽評論や理論書の翻訳を手がけ、また、1970年の大阪万博に展示された「バシェ兄弟の音響彫刻」の修復に尽力したことでも知られています。アメリカ実験音楽との出会い、これまでの現代音楽体験、バシェの音響彫刻や日本の一絃琴、そしてハリー・パーチのひょうたん楽器についてなど、音楽のニッチな部分を掘り下げて、全6回にわたってお届けします。(丸黄うりほ) 80年代のアメリカ音楽は評判が良くなかった? ——柿沼先生のご

被爆80年の企画展「ヒロシマ1945」を見学し、インタビューに答えた吉川晃司さんとの一問一答は次の通り。(金崎由美、里田明美) ―広島出身の被爆2世として、被爆80年の節目をどのような思いで迎えていますか。 世界中で懐疑的な思想や、きな臭さがどんどん増していると感じる。 子どもの時にボーイスカウトの活動をしており、8月6日の平和記念式典に参加していたが、正直言って特別深い思いや考えを持っていたわけではなかった。音楽活動を通して、子どもたちと平和の歌を作るなどしながら、言葉にしたり文字にしたりすることが大事だな、何か担えることがあればできる限りのことをしたいな、と思うようになった。 ―お父様の実家が原爆ドームの対岸にあった吉川旅館ですね。 若い頃は全く知らなかった。父が入市被爆の体験を語ることはなかったが、ここ10年、20年かな、ぽつりぽつりと話すようになった。伝えておかないと、と思うよう

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