6個の炭素原子でできた正六角形の構造が環状につながった新しい分子「カーボンナノベルト」の作製に、名古屋大学の研究チームが成功した。60年前に存在が予言されたが誰も作れなかった「夢の分子」で、半導体や発光材料など様々な応用が考えられるという。14日付の米科学誌サイエンスで発表する。 伊丹健一郎教授(合成化学)らが作製したカーボンナノベルトは、正六角形の構造が12個つながり、直径約100万分の1ミリの環状になっている。 これまで正六角形が帯状につながったものを丸めて環状にする研究が進んでいたが、六角形構造をひずませるのが困難で成功していなかった。伊丹教授らは六角形構造が出来上がっていない段階で先に環状にすることで、課題を解決した。 ナノベルトに炭素原子を付け足す反応を繰り返せば、筒状の分子「カーボンナノチューブ」も作製できる。ナノチューブは様々な応用が進んでいるが、現在の作製方法だと太さ

物質のもとになる分子を組み合わせてできた、大きさが100万分の1ミリという分子の車による世界でも初めてのレースが、今月下旬にフランスで開かれることになり、日本からも物質・材料研究機構のチームが出場することになりました。 この分子機械の研究や開発を促そうと、分子の車による世界でも初めてのレースが今月28日と29日に、フランス南部のトゥールーズで開かれることになり、日本からは茨城県つくば市にある物質・材料研究機構のチームが出場することになりました。 日本チームの分子の車は、大きさが100万分の1ミリから100万分の2ミリほどで、炭素と水素と酸素の原子が合わせて88個つながって、草履のような形をしています。電気を流すと、草履のような形の外側の部分が人の手足のようにバタバタと動いて、前に進むということです。 フランスで開かれる分子の車のレースは金の板の上で行われ、板の表面にある微細な溝を利用して設

世界最強の分子磁石が誕生した。これまでに作られた中で最強の分子磁石となるカゴ状磁性ナノクラスター分子を設計、合成することに、九州大学先導物質化学研究所の佐藤治(さとう おさむ)教授らが成功した。大型放射光施設SPring-8と東北大学の強磁場実験施設で、その複雑な分子構造と電子状態を解明した。磁気を使う高性能メモリーなどに応用が期待される画期的なナノ磁石開発の突破口になりそうだ。大連理工大学(中国)、高輝度光科学研究センター、熊本大学、九州工業大学、大阪大学、東北大学との共同研究で、1月6日付の英オンライン科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表した。 分子エレクトロニクスを飛躍させるため、人工的に磁性分子を合成してナノスケールの磁石を作る競争が世界的に展開されている。ひとつの分子で強力な磁石が実現すれば、従来の常識を越える高密度の磁気記録や超高速な計算機などの開発が可能になる。そのため
記事名そのまま。SFが好きなのに科学ノンフィクションを読んでない人をみると「現代の最先端科学なんて、どれもほとんどSFでめちゃくちゃ面白いのにもったいない!」と思う。こんなことを考えたのも昨日、オービタルクラウドを最近出したばかりのSFジャンルをメインに執筆している藤井太洋さんのASCII.jp:ITとともに生まれた産業革命に匹敵する本質的な方法論 (1/4)|遠藤諭の『デジタルの、これからを聞く』 こんなインタビュー記事を読んだからだ。 藤井さんはデビュー作であるGeneMapperを含め、現代で可能な科学技術の延長線上に起こりえる地続きの未来描写が特徴的で、「今・ここにある技術の凄さ」が感じられるところが毎回凄いんだよなあとこれを読んでいて思い返していた。またそこで使われているアイディアは現代でもそのまま使えるものが多いし。技術的には現実が既にSFなのだ。 透明マントだって現実化して

仏マルセイユ(Marseille)で撮影されたセミ(2013年7月28日撮影、資料写真)。(c)AFP/BORIS HORVAT 【11月27日 AFP】細菌が存在しない病室、ドアノブ、台所の調理台などを想像してほしい──しかも細菌を殺すのに熱湯やマイクロ波の放射、殺菌剤の1滴も必要ないとしたら――。オーストラリアの科学者らによる驚くべき発見をもたらした背景には、このような発想があった。 豪スウィンバーン工科大学(Swinburne University ofTechnology)のエレーナ・イワノワ(Elena Ivanova)氏率いる研究チームは26日、昆虫のトンボからヒントを得て、細菌を物理的に殺すナノテクノロジー表面構造の発見に至ったとの研究論文を英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に発表した。 殺菌効果を持つのは、1990年代に

九州大学(九大) 先導物質化学研究所の玉田薫 教授の研究チームは、透明淡黄色の銀ナノ微粒子2次元結晶シートを金基板上に積層すると、積層数に応じてオレンジ-赤-ピンク-紫-青の呈色が得られるという新たな光学現象を発見したことを発表した。これは金属基板と金属微粒子シートのプラズモン相互作用によって生じるもので、同手法を用いると、曲率のある基板でも容易にフルカラーナノコーティングをすることが可能になるとしており、プラズモン構造を生かした高感度バイオセンシングや高効率光電子デバイスへの適用も期待できるという。 従来、金属表面の呈色技術として、有機色素によるコーティングが行われてきたが、色調を変えるためには色素の種類を変更することが必要だった。また、光や熱などに対する安定性や毒性なども考慮する必要があった。 今回の研究では、代替として金属光沢カラーコーティング法として、金属ナノ微粒子2次元結晶シート

Jパワーと日立製作所は7日、地方分散などを目的にAI(人工知能)データセンター(DC)を共同で構築すると発表した。DCを学習用と推論用に分け、大量のデータでAIを訓練する電力多消費... マイクリップ登録する
ホーム フラスコで簡単に合成できるナノチューブの作製に世界で初めて成功 -パーツの組み換えで性質のコントロールが可能な新材料の開発- 京都大学(松本紘 総長)の研究グループは、財団法人高輝度光科学研究センター(以下JASRI)との共同研究により、選択的な分子の取り込みが可能な半導体ナノチューブを作製することに成功しました。これは、北川宏 理学研究科教授および大坪主弥 同研究員らによる研究成果です。 活性炭やゼオライトに代表される吸着剤は、分子を取り込み吸着する役割を果たす物質であり、物質内部に多数の小さな穴(細孔)を有することから「多孔性物質」と呼ばれています。最近では、活性炭やゼオライトに比べて高いガス選択吸着性を示す「多孔性金属錯体」が高効率分離・濃縮機能を有する多孔性物質として注目され、第3の多孔性材料として世界中で研究開発が進められています。他方、カーボンナノチューブは、その導電性

京都大学(京大)および英国オックスフォード大学は、平面構造上に作成した約100nmの長さのレール上でDNA分子機械を移動させ、その動きを実時間で直接捉えることに成功したことを明らかにした。2011年2月6日(英国時間)に英科学誌「nature nanotechnology」(オンライン版)で公開された。 分子は生物を構成する最も小さな単位であり、その分子が規則的に集合し、組織化されることで機能する生物に組みあがっていく。こうした、規則にしたがって分子が集合する現象「自己集合」は、ナノメートルスケールの世界で起こるため、分子を積み木のようにつかんだり、分子に触れたりすることはできない、そのため、あらかじめ分子に指令を書いておき、その指令にしたがって集合させる必要がある。これらの1つひとつの分子を思ったとおりに並べ、操る技術は、1つひとつの分子をナノメートル単位で正確な位置に置くことから始まる
ナノ三角形の設計図=斉藤博英特定准教授提供 1辺が約20ナノメートル(0.0002ミリ)の正三角形を作ることに、京都大の斉藤博英特定准教授らのグループが成功した。辺はひも状の分子のリボ核酸(RNA)、頂点にたんぱく質がついた構造。RNAとたんぱく質の複合体で人工的な構造物を組み立てたのは初めてという。英専門誌ネイチャーナノテクノロジー電子版に17日発表する。 グループは、RNAを60度の角度に折り曲げるたんぱく質に注目。このたんぱく質がくっつくように、RNAの塩基を特定の配列にして混ぜあわせたところ、三角形ができた。特殊な顕微鏡で、1辺が20ナノメートルの正三角形になっていることを確認した。 この研究の応用としては、三角形の頂点に異なる3種のたんぱく質をくっつけることで、がん細胞を認識し、それを攻撃するなど複数の働きを持つ薬の開発などが考えられるという。(瀬川茂子)
伊丹教授らが作った直径が異なる3種の「カーボンナノリング」=伊丹教授提供 髪の毛の数万分の1の細さで鉄よりも強く、産業への応用が期待されている新素材・カーボンナノチューブの太さを自在に操る方法を、名古屋大学の伊丹健一郎教授(物質理学)らが開発した。23日付の独専門誌電子版に掲載された。 炭素原子が筒状になったカーボンナノチューブは、1991年に飯島澄男NEC主席研究員(現・名城大教授)が発見した。軽くて強度があるため、自動車の車体や飛行機の機体に使ったり、電気を通す特性を生かして電子部品に応用したりするなど、幅広い活用が考えられている。ただ、現在の合成法では太さや長さを自由に制御することはできなかった。 伊丹さんらは09年、チューブの最小単位となる輪「カーボンナノリング」を合成。この輪をつくる際に使った「部品」に別の部品を加えることで直径1.9ナノメートル〜2.2ナノメートル(ナノは
フラーレンの機能制御、応用開発に新たな道を拓く- リチウムイオンを内包したC60フラーレンの大量合成と単結晶構造決定に世界で初めて成功-(プレスリリース) 名古屋大学の澤博教授、西堀英治准教授、青柳忍助教の研究グループは、名大 篠原久典教授の研究グループ、東北大学飛田博実教授の研究グループ、株式会社イデアルスター、高輝度光科学研究センター、理化学研究所との共同研究によって、大型放射光施設SPring-8の単結晶構造解析ビームライン(BL02B1)を用いて、新開発の手法で大量合成(従来の数百万倍)及び精製(高純度化)されたリチウムイオン(Li)を内包した球状分子C60フラーレン(Li@C60)の単結晶構造決定に世界で初めて成功しました。 名古屋大学(以下「名大」という)(総長 濵口道成)の澤博教授、西堀英治准教授、青柳忍助教の研究グループは、名大 篠原久典教授の研究グループ、東北大学飛田博実
前の記事 キーが拡大縮小:タッチ画面のキーボード入力アプリ(動画) 人類祖先の直立歩行を示す「最古の足あと化石」 次の記事 ナノサイズの「八木・宇田アンテナ」で光を制御:広島大学チーム 2010年3月24日 サイエンス・テクノロジー コメント: トラックバック (0) フィードサイエンス・テクノロジー Casey Johnston 一般的なアンテナをナノレベルに応用した「光アンテナ」を広島大学の研究チーム[Holger Hofmann氏と角屋豊教授ら]が開発し、3月14日付(現地時間)で『Nature Photonics』誌オンライン版にその成果を発表した。 電波を受信する通常のテレビ用アンテナをナノメートル・サイズに縮小し、若干の修正を加えたこの極小アンテナは、ナノメートル単位の波長を持つ光の方向を制御することができる。この光アンテナ・アレーは、ナノスケールのセンサーや検出装置のデザイン
Tiny electronemitters inside an x-ray generator could improve medical imaging and cancer therapy. Carbon nanotubes are at the heart of a new x-raymachine that is slated for clinical tests later this year at the University of North Carolina (UNC) Hospitals. Themachine could perform much better than those used today for x-ray imaging and cancer therapy, say the UNC researchers who developed the t
左から、中鉢 日本経団連産業技術委員会共同委員長、山田 筑波大学学長、野間口 産総研理事長、岸 物材機構理事長 ポイント 産総研、物材機構、筑波大の三者が、つくば市に世界的なナノテクノロジー研究開発拠点の形成を産業界と共に目指すことで合意し、推進組織を設立する 平成20年度および21年度補正予算により、研究開発拠点施設を整備し、三者が連携して研究開発促進、人材育成に取り組む デバイス研究、材料研究、大学院教育、産業育成にかかわる人々が一堂に会する場が形成され、ナノテクノロジーの産業貢献と人材育成が一体で加速される 概要 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)と、独立行政法人 物質・材料研究機構【理事長 岸 輝雄】(以下「物材機構」という)、および国立大学法人 筑波大学【学長 山田 信博】(以下「筑波大学」という)は、つくば市に世界的なナノテクノロジー
1リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く