報道によると、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会安全対策調査会は今日、「現時点では因果関係を示唆する結果は得られていない」とする見解をまとめたにもかかわらず、さらに調査検討を進める必要があるので、現時点では10代への投与を原則中止する現在の措置を解除しないそうです。 なんだかわかりにくい発表になっていますが、疫学的調査による限りは、タミフルを服用することで特に強い脳および行動に対する副作用は見られなかったということだと思います。疫学的調査というものは、我々実験生物学者から見るとはななだわかりにくいものではありますが、人間を対象としている以上、大きな個体差を無視することができないことと、厳密に条件を揃えて実験をする(たとえば、強制的にインフルエンザに感染させた上で、タミフルを与えてみる)というようなことはできませんので、仕方がないと思います。 とりあえず、タミフルが異常行動を常に引き起こすこと

リヴァイアさん、日々のわざ: 不都合なタバコの真実@週刊東洋経済(読了して追記) リヴァイアさん、日々のわざ: タミフル対策、あなたの考えは 先週から今週にかけて、この2つのエントリで、延々とタミフルをめぐる議論がなされていて、その間、ぼく自身、B型インフルエンザにやられて(本当にひさしぶりの病気。ここ二年は風邪すらひいていなかった)いるさなか、ずーっと議論は継続していたわけです。 今さらながら、原稿用紙換算160枚以上の分量のコメントを拝読。 「あとから来る人」のために、読みやすくなるようなエントリを残しておこうかな、という気になりました。 まず議論のコアになっているのは、疫学者の津田さんと、きくちさんの往復書簡(?)部分。 津田さんと、きくちさんは、合意できている部分も多くて、それは「タミフルは異常行動との因果関係が示唆されている」(程度はともかく)といったことや、その一方
タミフル問題についてITOKさんにお願いして主にネットで収集できる資料・議論を中心にまとめてみました。これはもちろん素人がこの問題に関心をもって(専門家もしくは関係機関などのソースから)いくつかの論点を抽出し、自分たちなりに議論を整理するために行ったものです。僕の貢献は全然ありません。ITOKさんありがとうございます。また同様の試みとして私が目にしたものでは、finalventさんのエントリーも有益で下の私たちのものと補い合うと思いました。 なおタミフルの副作用問題に直接は関連しませんが、間接的な問題圏といえるインフルエンザの世界的流行(パンデミック)を扱った著作について以前、僕は書評を書いたことがあります。このブログの過去エントリーにも掲載しましたが、関連もするかな、と思いここにも再掲載します。それと経済学者としてはポズナーの一連の著作が参考になるはずですが本日時間があれば紹介します。
リヴァイアさん、日々のわざ: 不都合なタバコの真実@週刊東洋経済(読了して追記) こちらのコメント欄にて、はからずも、タミフルと異常行動の因果関係について、津田さんを中心に熱心なやりとりがありました。 そこで、最後に津田さんから示唆があった通り、それぞれの「対応」を、自分が知り得た範囲の情報から導いてみませんか。 ちなみに、津田さんからの問題提起は下記の通り。 皆様、 そろそろここまで来ましたので、質問ばかりでなく、以下の点について皆さんのご意見をお聞かせ下さい。 1 タミフル服用と因果関係はあるという推論は妥当か?妥当でないとすればなぜか? 2 何らかの対策は取るべきか?取るべきとすればどのような対策が妥当か?対策を取らないとしたら、どのような調査をするべきか?対策も調査もしないというオプションはあり得ないと思います。なお、現段階は対策を取らないとしたら、このままタミフルが使われ
西日本で先週末、インフルエンザにかかった男子(14)が、自宅2階から飛び降り、足を骨折していたことがわかった。タミフルは服用していなかった。 主治医によると、この男子は15日、38度の熱があり、翌日いったん熱が下がったものの、17日未明に自宅2階から飛び降りたとみられ、玄関先で倒れているところを発見された。 病院搬送時に熱があり、検査でB型インフルエンザに感染していたことがわかった。男子は「夢の中で何かに追われ、飛び降りた」と話しているという。 タミフル服用後の「飛び降り」事例が相次ぎ、薬との因果関係が疑われているが、服用していない患者の飛び降り例はこれまであまり報告がないという。このケースは来月、厚労省研究班会議で報告される予定。 インフルエンザの高熱によって幻覚や異常行動が起きることは知られている。薗部友良・日本赤十字社医療センター小児科部長は「全国の医療機関に報告を求め、薬の影響の有
週刊東洋経済「不都合なタバコの真実」 22ページにもわたるこってりした特集。 痒いところに手が届く内容だ。 ぼくが知らなかったことも結構あるし、切り口も新鮮。 たばこをめぐるニセ情報がいかに流通するのか分析してみたり、無煙タバコについての新事情が書いてあったり、WHOと財務省と厚労省の見解の違いを表にしてあったり。 ほんと、不都合な真実、というのは当たっている。 そのうちウェブからは消えると思うので、目次を採録。 不都合なたばこの真実 がんの嘘 ガン死亡のリスクは、40歳代以降に指数関数的に急増する 日本人のガン死亡者数が多い部位は… 日本人の3人に1人はガンで死ぬ 米国を抜いた日本のガン死亡率 etc. 図解 日本の部位別ガン死亡者数と要因 INTERVIEW 検診とたばこ対策でガン死亡は半減する 図解 たばこの不都合な真実 COLUMN 喫煙をめぐる「ニセ情
今年2月、愛知県と仙台市でインフルエンザ治療薬「タミフル」を服用した中学生がマンションから転落死した。事件の後、厚生労働省と販売元である中外製薬が厳しい批判にさらされている。タミフルの服用について警告を出したものの、転落死を招いた異常行動とタミフルの因果関係は認めていないからだ。 因果関係について調べている厚労省の調査班のメンバーが中外から寄付金を受け取っていたことが問題視されるなど、両者に対する非難は強まるばかりだ。 中外の永山治社長は本誌の取材に対し、一連の問題について重い口を開いた。 これだけ記事になるとは正直驚いています。3月18日付の日本経済新聞にも、「医師の先生方に患者さんが不安を訴える声が相次いでいる」という記事が載っていましたが、心配されるのも無理はないでしょう。 先生によっては「じゃあ、やめておきますか」ということもあるかもしれませんが、実際にタミフルを使われてきた医師で

タミフルと異常行動の因果関係については、現時点でははっきりしたことは言えない。はっきりさせるには、年齢・性別・重症度等を一致させたインフルエンザ患者を2群に分け、一方にのみタミフルを使用し、異常行動の出現頻度に差があるかをみればよい。差はないかもしれないし、タミフルによって異常行動が増えるかもしれないし、もしかしたらウイルスの増殖を抑制することで異常行動を抑制するかもしれない。実際には厳密な研究は困難であるので、当面はタミフル非投与のインフルエンザ患者にどれくらい異常行動が起こるのかの報告待ちといったところである。因果関係が不明であっても、可能性がある以上、原則禁止にする判断もありだ。また、製薬会社や厚生労働省に頼らず、薬害を監視する団体があってもよいと思う。 しかしながら、「薬害タミフル脳症被害者の会」*1という名称はいただけない。現時点では、薬害と決まったわけではないし、タミフル脳症と
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