前回コラム「『大陸と台湾』はOK、でも『中国と台湾』はノー」では、筆者が拠点を置く中国大陸において、「台湾」を扱うことがいかに困難なことか、具体的なエピソードを交えてお伝えした。 読者の皆さんもご存じの通り、中国と台湾は、現在に至るまで事実上の分離状態にある。多くの「中国人」が懇願する「祖国統一」はいまだ達成されていない。 筆者は、日ごろ北京で暮らしている。6月中旬に生まれて初めて台湾を訪れた。滞在中に、「中国」をどう見るかというテーマをめぐって、各界の有識者や学生たちと徹底議論した。 第三者という立場にある“特権”を行使して言わせていただきたい。「中国人」と「台湾人」の間に存在する心の距離は、筆者が想像していた以上に遠い。心の溝はとっても深い。中国大陸の人たちは台湾の人たちが自らを「中国人」ではなく「台湾人」だと認識している現状が気に食わないようだ。 「中国人」が、両者の関係を「私たちは

6月中旬、筆者は生まれて初めて台湾を訪れた。上海浦東空港を離陸し、2時間弱で台北桃園空港へと着陸した。案外近いものだ。 飛行機の座席から窓の外をのぞくと、緑がいっぱい見えた。他の乗客たちと一緒に流れに乗って、入国審査へと進んだ。日本を含めた他の国と同様、本国人と外国人は別れて入国するルールとなっていた。本国人は少なかった。列に並ぶこともなく、スムーズに審査を受け、入国していく。そんな光景を、筆者は羨ましくながめていた。 外国人は長い列に並ばなければならなかった。それだけ外国からの訪問客が多いということであろう。筆者がよく入国する日本、中国、香港などもそうだ。台湾が特別なわけではない。外国人の入国には色々と手間がかかるものだ。 列に並びながら周りを見渡すと、中国からの訪問客が圧倒的に多いことに気づいた。ほとんどが団体ツアー客だ。相変わらず「大陸仕込み」の大声で隣の人と話をしたり、「列が長すぎ

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