『公研』2022年4月号「緊急対話」 ※肩書き等は掲載時のものです。 2月24日ロシアはウクライナに全面的な侵攻を開始した。 なぜこのタイミングで戦争は始まったのか? この戦争は今後の世界にどのような影響を与えるのだろうか。 なぜ今プーチンは侵攻を始めてしまったのか? 鈴木 2月24日ロシアはウクライナに全面的な侵攻を開始しました。事前に兆候が広く伝えられていたにも関わらず、なぜ国際社会はロシアを止められなかったのか。まずはこの疑問が思い浮かび上がりますが、この答えは国際政治学的にはとてもシンプルです。結局のところ、核大国ロシアに真っ向からぶつかり合うことをどこの国も求めていなかった。しかし、戦争を実際に目の当たりにすると、プーチンの判断に世界中が驚かされることになりました。いつ戦争を始めてもおかしくないと見なされながら、実際にウクライナに侵攻したことは意外なこととして受け止められたわけで

タコツボと化した巨大官庁 船橋 洋一(以下、船橋):前回はリーダーシップ論について伺いましたが、今回は最終回ということで、官僚制の問題から中央と地方の関係の課題、さらには日本の問題、課題というところに踏み込んでいきたいと思います。 リーダーシップ論の中では、指導者と専門家の関係のあり方についても伺いましたが、戦前は専門家集団である軍部と政治指導者の対話や協力が、軍人の政治的成熟度という問題も含めてうまくいっていなかった、それが悲劇でした。今回のパンデミックでは、アドバイザーは感染症を専門とする科学者ということになりますが、官僚制の課題としては、感染症の危機管理を担当する厚生労働省です。 厚労省の予算は他の省庁と比べて突出して大きいが、人員は行革で削られてきています。ワクチン予防接種室は危機勃発の時、わずか10名ほどでした。組織ガバナンスがうまくいっていないことは、近年の政治スキャンダルの多

1リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く