第一回目は、軽減税率が引き起こす資源配分のゆがみをとりあげ、第二回目は、逆進性対策としての軽減税率は効果が全く期待できないことを説明しました。今回は、軽減税率がもたらすもうひとつの厄災として、徴税コストが増大し、生産性の低下要因となることを説明します。 それ、付加価値税です最初に、基礎知識として、消費税の仕組みを簡単に理解しておきましょう。 私はよく、大学の授業で、受講生に対して、納めたことのある税金はなにかあるかと質問します。アルバイトをしたことがある学生なら「所得税」と答えますし、たいていの学生は「消費税は払っている」と答えます。ですが、「その税金をいつ納税した?」と続けると、学生は困惑します(あたりまえですが)。 つまりは、税金は建前としては誰かが負担しているわけですが、納税義務を負う者や納税手続きを行ってくれる者とは必ずしも一致するわけではないのです。たとえば、所得税は、労働者が負

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