衆院厚生労働委員会で答弁する新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長=国会内で2021年6月2日午後4時5分、竹内幹撮影 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は2日の衆院厚生労働委員会に出席し、東京オリンピック開催について、「今の状況で普通は(開催は)ないが、やるということなら、開催規模をできるだけ小さくし、管理体制をできるだけ強化するのが主催する人の義務だ」と主張。その上で、「こういう状況の中でいったい何のためにやるのか目的が明らかになっていない」と述べ、開催する場合は感染予防に向けた政府による丁寧な説明が必要だとの認識を示した。 尾身氏は「感染リスクを最小化することはオーガナイザー(開催者)の責任。人々の協力を得られるかが非常に重要な観点だ」と指摘。その上で「なぜやるのかが明確になって初めて市民はそれならこの特別な状況を乗り越えよう、協力しようという気になる。国が
本当なら実名を出すのも憚られるところなのですが、22歳ですし、タレント活動もされているということで法的には問題なさそうだってことで魚拓も置いておきます。 何がまずいかと言いますと、まず東京大学に限らず国立大学には概念として学部生には満期退学はあまり意味を持っておらず、常識的には大学として最大居られる年数在籍したが最終年度で卒業できなかった人のことを満期退学と称するぐらいで、その場合はおおむね最大8年、海外留学や大学側の事情による場合などは10年が限度です。ただ、本件では4年(または4年と半年)で東京大学を退学した運びの話ですから、満期退学とは言わないとされます。 また、記事にあるように「教授らを呆然とさせた」とタイトルで書かれていたので、当の教授に電話して「お前んとこ学生がなんか言ってるようだけど呆然としたの」と尋ねたところ「呆然とするわけないだろ。いろんな人にそれを聞かれて『こっちが聞き
剽窃については、こっちの記事を読んでください。 oxon.hatenablog.com 1. 経緯 2021/7/4 にある国際会議のプロシーディングス論文(以降、論文 A)を読んでいたところ、そのイントロに見覚えのある複数の文章を見つけ、さらにページを進めると自分が作った図と全く同じ、ただしその著者がいちから作り直したものが掲載されていました。 お、僕の論文を剽窃している他の論文を見つけてしまったぞ。どうしよう、このボタンは押してみたい。— OKUMURA, Akira(奥村 曉) (@AkiraOkumura) July 4, 2021 この論文に cite されているなというのは前から知っていたのだけど、ちょっと調べ物をしていて読んでみたらイントロでとんでもない量の剽窃が、という。https://t.co/mvyGZbAKgZ— OKUMURA, Akira(奥村 曉) (@Akir
という記事が出たのがSNSで回ってきたので,一体何だろうと思って読んでみたら,疑問しか浮かんでこなかった。化学者で発明家の村木風海さんに関する記事で,温暖化を止める研究に専念するために東大を中退したということが記事になっていた。 小学4年生のときから化学者として活動する村木さんは2019年、推薦入試で東大理科一類に入学。東大では1、2年生は一般教養の勉強をしなければならない。「化学の勉強をしたくて入ったのですが、授業は数学や物理ばかり。最初の2年間はウズウズしていた期間でした」。3年生になって、ようやく専門の勉強が始まったが、基本は座学が中心。村木さんが本当にやりかったことができるようになったのは、研究室に入った4年生のときだった。 https://news.yahoo.co.jp/articles/5a70c9160e3326cd8438ec57e81a4a93fb4b2d16 化学の知
東大には多くの日本を代表する研究者が存在し、東大教員にも日本学術会議の関係者が存在する。5月に衆議院本会議を通過した政府による日本学術会議法人化法案は、6月11日に成立に至った。東大教員は今の情勢をどう見ているか、メールでアンケートを実施した(期間:5/7〜5/26、回答人数:163 人)。 ここではアンケートに寄せられた自由記述のうち、大学院総合文化研究科の教員によるものを原文のまま掲載する。他の部局については記事末尾を参照。 ※学術会議の法人化に関しては、6月10日付で発行の『東京大学新聞』6月号に特集記事を掲載しています。そちらも併せてご覧ください。(お買い求めはこちらから) ・大学院総合文化研究科 教授 1)学術会議と、文学芸術系研究者との接点が少なすぎると常々思っている。これらの分野の研究者たちは学術会議を遠い存在に感じている。 2)学術会議のあり方に関しては、研究者たちの間でも
この記事は、慶應義塾・社会学研究科の開講科目「社会心理学特論 I :心理学方法論の新展開」での課題活動と、ReproducibiliTea Tokyo の活動の一環として、まとめられたものです。ReproducibiliTea は、信頼できる科学を目指す、国際的な草の根ジャーナルクラブ活動で、Tokyo は文字通り、その東京バージョンです。各記事の対象論文の選定ならびに記事内容には、執筆者を含む参加メンバー全員の意見が反映されています。記事についてのご質問・ご意見等は、repteatokyo@gmail.com までお送りください。 本記事は,Smithersらによる “A systematic review and meta-analysis of effects of early life non-cognitive skills on academic”とCredéらによる”Much
世界で通用する「研究倫理についての理解」が求められている AIやIoTなどの技術革新と国際化が同時に進む時代となり、自由な発想の下で主体的に創造的な活動をする力を身に付けた人材がますます必要になっている。こうした背景から文部科学省は、各教科等の学びを統合し、課題の発見・解決や社会的な価値の創造に向けて、教科等横断的な学習を推進する方針を示した。 現在、中等教育では、「総合的な探究の時間」 や「理数探究」など、生徒が自ら研鑽を積む探究の時間が設けられている。そこでの学習は、「課題を設定する力や探究の過程を整理し、成果などを適切に表現する力」が肝であるが、理数探究中心に「研究倫理についての理解」も学びの対象となっている。 その意味するところは、世界で通用する「研究倫理」の実践がない限り、身に付けた力も社会では生かすことが難しいということであろう。 筆者らは、APRINの活動として、「中等教育に
大学の国際競争力を示す「世界大学ランキング」。その順位を、サウジアラビアの大学が不適切に操作している疑いが浮上した。海外の著名な研究者に金銭を払って所属先を変えさせ、自国の研究人材としてカウントしているというのだ。著名研究者のリストには日本人の名も。その一人が、隠された契約条件の存在などの内幕を取材に明かした。 ◇目次 ・報告書が指摘「不適切な方法」 ・隠された契約条件の存在 ・打診断った博士は「汚職だ」 ・「ゲームが始まった」 世界大学ランキングは複数存在する。有名なのは、英国の評価機関による「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」(THE)や「クアクアレリ・シモンズ」(QS)、中国・上海交通大による「上海ランキング」などだ。 これらは、各大学の教育や研究の質▽所属研究者の論文が引用された回数▽留学生比率などの国際性――などを分析し、順位をつけている。ランキングは大学の競争力の指標となる
STAP細胞論文発表から10年 2024年1月29日。 この記事が公開された日。この日に何の意味があるか、ピンとくる人は少ないだろう。 この日は、STAP細胞に関する論文2報がNature誌に掲載されてから10年にあたる日だ。 理研、万能細胞を短期で作製 iPS細胞より簡単に(日経新聞ウェブサイト 2014年1月29日 21:00公開) いわゆる「万能細胞」を手軽に作れる方法を見つけたとしてNature誌に掲載された論文の報道が解禁された。画期的な研究成果と、筆頭著者の方が若手の研究者だったこともあって、日本国内が熱狂に包まれた。 しかし、その論文にその後捏造、改ざん、盗用の研究不正があったことが発覚し、論文は撤回された。ワイドショーが連日取り上げるなど、大きな話題となった。 当時私もこのYahoo!ニュース個人に記事を何本か書かせていただいた。 早稲田大学の博士論文調査~日本の科学界が失
日本学術会議の組織のあり方をめぐって、政府が会員を選ぶ際に第三者が関与する仕組みを導入することなどを盛り込んだ法改正の方針を示していることについて、日本のノーベル賞受賞者など8人が「法改正が学術会議の独立性を毀損するおそれがあり大きな危惧を抱いている」などとする声明を出し、政府に法改正を再考するとともに学術会議との議論の場を重ねるよう求めました。 日本学術会議をめぐって、政府は組織の透明性を高めるため会員を選ぶ際に第三者が関与する仕組みを導入することなどを盛り込んだ「日本学術会議法」の改正案を開会中の通常国会に提出する方針です。 これについて、ノーベル物理学賞を受賞した天野浩さんなど8人が法改正に熟慮を求めるとする声明を今月19日付けで発表し、22日開かれた日本学術会議の幹事会で示されました。 声明では、当時の菅総理大臣が6人の会員候補を任命しなかったことに触れ「政府と学術界の信頼関係が大
3月27日付で、本学国際学術院所属の助教1名を訓戒といたしました。 1.経緯 対象教員が、助教として採用される前の若手研究者の時の行為に関して、2022年6月に文部科学省および日本学術振興会に対して通報がなされ、本学において調査した結果、研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠っていたとして、研究活動に係る不正行為であったと認定いたしました。 2.概要 次の論文A,B,Cおよび学会発表Cにおいて、各研究成果の中に示されたデータや調査結果等に関して、不適切な取扱い(論文の内容と分析したデータの内容との齟齬や、インタビューにおける発言と反訳データの不一致が複数箇所あること等)が指摘されており、これを「改ざん」と認定しました。また、論文Aで示した分析結果の表を、論文B,Cに出典を明記せずに引用していることから、「その他の不正行為」として、「自己盗用」と認定しました。 これらの不正行為
2002年にノーベル経済学賞を共同受賞した心理学者で米プリンストン大学名誉教授だったダニエル・カーネマン氏が3月27日、90歳で亡くなった。行動経済学を切り開いたことで世界的に著名な研究者だった。 米ジャーナリストのマイケル・ルイス氏は、カーネマン氏を世界的な「人間の間違いについての権威」と表現する(1)。米国で行動経済学のコンサルティングに携わる研究者、相良奈美香氏がたたえるように、その研究は人の意思決定に対する社会の理解を根本から大きく変えた(2)。 ルイス氏によると、ユダヤ人であるカーネマン氏は、第2次世界大戦時の壮絶なホロコーストを命からがら生き延び、幼い頃から誰も信じてはいけないと教えられていた。自分の記憶さえ信じなかった。「14歳という年齢にして、ダニエルは少年というよりも、少年の体に閉じ込められた知識人だった」。ルイス氏は、カーネマン氏の友人のこんなコメントを紹介している。
2021年10月5日、イギリス政府はイングランドで論文代行業を法律で禁止する意向を明らかにした。学生から金銭を受け取り、論文の執筆を代行する業者の数は1,000を超えており、高等教育の質や学位の信頼性を脅かしている。大学等も不正防止対策を強化しており、昨年英国高等教育質保証機構(QAA)が定めた7つの原則の実践に取り組んでいる。 ■これまでの論文代行業への対策 イギリスでは2018年以降、インターネット上で論文代行業者と学生が接触する機会の制限が進められた。2018年11月、英国高等教育質保証機構(QAA)はGoogle、YouTube等に対し、論文代行業者の広告・宣伝の削除等の対策を講じるよう要請した。(本サイト2019/1/23投稿記事)さらに英国教育大臣は2019年3月にPayPalに対して、オンラインプラットフォーム上で論文代行業者による金銭の授受を不可能にするように求め、2019
Natureは、11月8日、"Scammers impersonate guest editors to get sham papers published"と題する記事を公開した。 本記事は、出版プロセスを悪用し、質の低い論文や意味の通らない論文を既存の査読ジャーナルに掲載する悪質行為および、Elsevier社などによるジャーナル記事の撤回を紹介したもの。 多くのジャーナルが特定のトピックに焦点を当てた特集号を発行している。そのような特集号では当該研究の専門家であるゲスト編集者が監修することが多いため、科学者を装った人物がゲスト編集者を申し出て、偽の論文で特集号を埋めるケースがあるという。Elsevier社は出版済みの165件の論文を撤回し、今後さらに論文300件を撤回するという。Springer Nature社も、同社の特集号に掲載された62件の論文を撤回した。専門家は、ほかの出版社も
記者会見で謝罪する趙副理事長兼副学長(中央)ら 会津大の宮崎敏明理事長兼学長の突然の辞任が明らかになった27日、学内や大学のある福島県会津若松市に衝撃が広がった。大学トップの論文に不正行為が認定されたことに「尊敬できる先生。なぜこんなことになったのか」と困惑する。今年は開学30周年の節目に当たる。大学を長年支援している団体関係者からは「新学長の下で安定した大学運営を行ってほしい」との声も上がった。 大学関係者によると、宮崎学長は大学カリキュラムの改革などに力を入れていた。4月に市内で開かれた講演会では18歳未満の人口減少を念頭に、社会人が学び直すリカレント教育を強化する姿勢を強調。より優秀な学生が集うよう入試改革に着手する考えを示していた。ある教員は「リーダーシップがあり、まさに大学の顔。これからだったのに…」と落胆を隠さない。 福島民報社の取材で辞任を知った教員は「ショックだ。信じられな
教授陣が新型コロナウイルス関連の研究データをめぐり外部から政治的な圧力をかけられたとの疑惑をめぐり、フロリダ大学が本格的な調査に乗り出した/Charlotte Kesl/The New York Times/Redux (CNN) 米フロリダ大学の教授陣が新型コロナウイルス関連の研究データをめぐり、外部から政治的な圧力をかけられたとの疑惑などについて、大学側が本格的な調査に乗り出した。 ノートン副学長が10日、教授陣と職員らへのメールで発表したところによると、新型コロナの研究データが消去されたと伝えられた件で、研究公正を定めたルールへの違反があった可能性を調べている。副学長は調査結果を公表すると示唆する一方、その時期は明記していない。 同大学の教授会が6日に出した報告書は、新型コロナの研究で協力した州当局との関係に問題が生じたと指摘。データ消去を求められ、データの入手や分析、研究結果の公表
大学や研究機関が研究不正に対応する際の指針、ガイドラインの策定から10年がたち、新たな問題への対応について話し合うシンポジウムが開かれました。 このシンポジウムは研究不正をめぐる新たな問題への対応のあり方を話し合おうと、11日、都内で開かれました。 文部科学省が2014年8月に策定したガイドラインでは、研究における不正行為として、ねつ造、改ざん、盗用の主に3つのケースを示していますが、その後、当時は想定されていなかった不適切な行為が問題となり、対応の必要性が指摘されています。 シンポジウムでは、研究不正の問題に取り組む京都薬科大学の田中智之教授が講演し、生成AIを使って作成した架空の論文を投稿することで研究業績を水増しするケースが確認されるなど、新たな問題が急増していることを紹介しました。 続いて行われたパネルディスカッションでは、研究者が不正に手を染める背景には不安定な雇用状況があり、安
Potential predatory scholarly open‑access publishers Instructions: first, find the journal’s publisher – it is usually written at the bottom of the journal’s webpage or in the “About” section. Then simply enter the publisher’s name or its URL in the search box above. If the journal does not have a publisher use the Standalone Journals list. All journals published by a predatory publisher are pote
このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 この研究は、1950~2020年にかけて出版された約1億件の論文を分析し、日本、中国、韓国の研究者数の男女比、個々の研究者の研究キャリア、論文の引用・被引用における性差を検討している。 具体的には、1800万人以上の性別が割り当てられた研究者を対象に分析を行い、その中には中国の約38万人、日本の約126万人、韓国の約34万人、他国の約1600万人の研究者を含んでいる。 分析結果によると、日本、中国、韓国の女性研究者の比率は低く、日本では17.1%、中国では23.2%、韓国では12.9%となっている。 個々の研究者がキャリアを通じて発表した論
『朝日新聞DIGITAL』サイトに掲載された記事「正社員女性、出産しやすくなった? 20年間を調査、出生率上昇 被扶養者では低下 大和総研」(浜田陽太郎 https://www.asahi.com/articles/DA3S15503331.html 2022年12月16日 5時00分) に、専門用語の誤用および分析上の問題等があったので、下記の質問書を朝日新聞社に送りました。 (https://digital.asahi.com/info/inquiry/asadigi/shimbun.php のフォームから 2022-12-18 08:45 ごろ送信) 大和総研の研究に基づく12月16日記事について 12月16日『朝日新聞デジタル』記事「正社員女性、出産しやすくなった? 20年間を調査、出生率上昇 被扶養者では低下 大和総研」に問題があります。 (1) 記事のもととなった研究結果を報告
法案はインフラや重要物資の供給網に関する情報のうち、漏えいすると安全保障に支障を与える恐れがあるものを「重要経済安保情報」に指定。その情報を扱う民間企業の従業員らは犯罪歴や精神疾患、家族の国籍など7項目の身辺調査を受け、適性評価で認定を受ける必要がある。 3日の審議では、立憲民主党の渡辺周氏が「外国人材が増える中で、外国人への適性評価をどう考えるか」と質問。高市早苗経済安保担当相は「評価対象者が外国籍である事実は考慮される要素の一つ。最終的には調査結果の総合評価で判断される」と述べた。
CA2004 – 日本の機関リポジトリにおけるPDFファイルの長期保存とアクセシビリティ / 安形 輝, 宮田洋輔, 池内 淳 DORAから「責任ある研究評価」へ:研究評価指標の新たな展開 政策研究大学院大学:林 隆之(はやしたかゆき) 京都大学学術研究支援室: 佐々木 結(ささきゆう) 1.はじめに 研究評価は、大学等への資金配分や、研究者の業績評価等、さまざまな場面で行われている。その中でも資金助成や雇用・昇進等のための評価の際に、ジャーナル・インパクト・ファクター(IF)等雑誌ベースの数量的指標を一律に用いることは慎むべき、という提言はこれまでにしばしばなされてきた。雑誌ベースの指標は個々の論文の質を直接反映しておらず、また、研究の多様な側面における質を示せないため、特に個々の研究課題や個人の評価における指標としては不適切になるためである。有名な提言は「研究評価に関するサンフランシス
広島AIプロセスについて 広島AIプロセスは、2023年5月に開催されたG7広島サミットの結果を踏まえ、その急速な発展と普及が国際社会全体の重要な課題となっている生成AIについて議論するために、2023年5月に立ち上がりました。 その後、2023年9月の中間閣僚級会合、10月のIGF京都2023でのマルチステークホルダーハイレベル会合を経て、12月の閣僚級会合で安全、安心で信頼できる高度なAIシステムの普及を目的とした指針と行動規範からなる初の国際的政策枠組みとして「広島AIプロセス包括的政策枠組み」がとりまとまり、G7首脳に承認されました。 今後、開発途上国及び新興エコノミーを含むG7を超えた政府、民間セクター、学術界、市民社会等、多様な主体からの広島AIプロセスへの賛同の輪が拡大し、AIに関する包摂的な国際ガバナンスの形成が促進されることで、世界中の人々が安全・安心・信頼できるAIを利
Paper Millという言葉を耳にしたことはありますか?ここで話題にするのは、製紙工場ではなく、もっとタチの悪いものです。学術出版におけるさまざまな不正行為が摘発されていますが、「論文工場」とも揶揄される「論文代筆業者(Paper Mill)」による論文の量産に対する疑惑が浮上しています。 学術研究の出版履歴は、研究者としてのキャリアアップ、テニュア(終身雇用資格)獲得、さらに将来の研究プロジェクトへの資金調達にも多大な影響を及ぼします。少しでも多くの論文を出版しなければとのプレッシャーが、研究者を架空の研究論文を購入して出版するといった不正な行動に追い込んでしまうことがあります。データの改ざん、画像操作、査読のでっち上げなどが学術的な不正行為と見なされていますが、このような不正行為の数は増加する一方で、学術出版における大きな問題となっています。研究コミュニティは研究の公正さを維持するべ
【会津大学長 辞任の波紋】(中) 論文不正、基準不明瞭 実効性ある再発防止策を 2023/07/29 09:32 宮崎学長の辞任が発表された翌日の会津大。信頼回復へ実効性のある再発防止策が求められる 27日に発表された会津大の宮崎敏明理事長兼学長(66)の辞任の大きな理由は、執筆した論文に二重投稿と自己盗用の不正行為があったためとされる。文部科学省が作成したガイドラインで不正行為とされているが、どの程度の内容が不正とされるかは具体的に記されていない。論文の発表先の出版社や学会ごとに基準が定められており、研究者は不正防止のため自身による徹底した確認が必要となる。 二重投稿は自身の過去の論文と著しく重なる内容を別の論文として発表する行為。自己盗用は自身が執筆した過去の論文の文章や図表を適切に引用せずに掲載する。同省によると、2015(平成27)年度から2022(令和4)年度までの間に二重投稿1
博士の学位を取得後、大隈重信の銅像の前で記念写真を撮る沈雨香氏(現・助教、右)と指導教官で論文審査の主査・吉田文教授(左)。ロータリークラブのホームページより。 早稲田大学国際学術院に所属し、同大とカタール大学との共同研究プロジェクトに研究員として参加している沈雨香(シン=ウヒャン)助教(教育学)が2020年に博士学位を取得した際の論文をめぐり、論文の主要なテーマであるアンケート調査の集計・分析表が、内容の異なるテーマで執筆した別の論文の表と酷似するなど公正さに疑問があることが発覚した。同種の疑問はほかの部分にもみられ、しかも専門知識がなくても容易に発見できそうなものばかりだが、なぜか論文審査で問題になった形跡はない。審査を行った責任者は、沈氏の指導教官である吉田文教授。日本教育社会学会会長経験者で現在は日本学術会議の部会長を務める”文系の大物”だ。吉田教授は沈氏の学部生時代から約10年に
1. 対象種目 特別推進研究、学術変革領域研究(A・B)、基盤研究(S・A・B・C)、挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究、若手研究(A・B)、研究活動スタート支援、奨励研究、特別研究促進費、特別研究員奨励費、国際共同研究加速基金(国際先導研究、国際共同研究強化(令和4(2022)年度以前に採択された国際共同研究強化(A)を含む)、海外連携研究(令和4(2022)年度以前に採択された国際共同研究強化(B)を含む)、帰国発展研究) 2. 適用時期 令和6(2024)年度以降に実施する新規及び継続を含む全ての研究課題 3.科研費での対応の流れ <研究開始前> DMPの様式例を参考に、研究開始にあたり研究データの管理計画を策定してください。 DMPの提出は不要です。 <研究実施中> DMPに基づき適切な研究データの管理のもと、研究を進めてください。また、研究の進捗に応じてDMPは適宜更新してくださ
2022年8月3日、論文撤回監視サイトRetraction Watchに、PLOS ONEが、査読が操作されていたという理由により100 以上の論文を撤回した事例を紹介する記事“Exclusive: PLOS ONE to retract more than 100 papers for manipulated peer review”が掲載されました。 記事によると、調査対象論文は当初50本でしたが、最終的にオーサーシップや利益相反に関する懸念がある2020年以降に投稿された論文300本以上に拡大し、そのうち100本は出版済みであり、それらの撤回処理を進めたとしています。一部の著者は撤回に反対していること等も述べられています。 記事で紹介されている事例は、著者と学術編集者が、最近共同研究を行った、または同じ研究機関で研究を行った等の潜在的な利益相反を開示しなかったほか、学術編集者が、一部
研究者の間で「プレダトリージャーナル」(=粗悪な学術誌)が問題になっている。一見、論文を発表する場である学術誌にまつわるマニアックな話題だが、アカデミアだけではなく私たちの社会にも繋がる大きな問題だそうだ。 どういった問題なのか、どのように向き合っていけるのか。研究者の井出和希氏にお話を伺った。 井出和希/大阪大学 感染症総合教育研究拠点/ELSIセンター 特任准教授 価値や価値観に関心を持ち、書き留める行為との関係や情報と社会の関わりを中心として研究や実践、対話を展開している。最近の具体的な対象は、プレプリントや粗悪な学術誌、プレスリリースから急速に発展している技術、倫理的消費とファッションの関係性まで散漫としている。Top Peer Reviewer Award 2019 in Cross-Field (世界上位1%, Web of Science)、Sony World Photog
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