宮崎駿監督の引退会見のライブ配信を、昼下がりの会社でもそもそと遅いお昼を食べながら聞いた。 何の気もなくTwitterで流れてきたURLを叩いてイヤホンを右耳だけに突っ込んだけど、朴訥と紡がれる言葉のちからが強すぎてひっぱりこまれた。 裏を暴こうとするような、ちょっとでも本音っぽい言葉を引き出そうとするような、あなたのことをわかってるよとアピールする気持ちが前に出て空回りするようなものも含めて次々ぶつけられる質問に、力まずに、冗談交えながら、上滑りせずに、感情的にもならずに、それでも自分の言葉で実直に答える姿があまりにかっこいいと思った。 これだけ長時間話すのを聞いてほとんど初めて自覚したけれど、宮崎駿さんのスマートなのにギザギザした喋り方がどうしようもなく好きすぎる。あと40歳若かったらもっと本気で心奪われていたと思う。 「この世界は生きるに値する、それを子どもに伝えるために僕は映画を作

ブロガーの伊藤悠さん(漫画家の伊藤悠さんとは別人)と先日配信した『風立ちぬ』感想Ustから、「女たちの映画」として語った部分の書き起こしです。 全体では三時間ほど喋った内容のうち30分くらいを抜き出しています。 『風立ちぬ』という映画は「男(男の子)の映画」として解釈されやすくて、「女たちの映画」という視点は見過ごされがちだと思うんですが、むしろそういう風にも半分観ていた、という話をしています。 伊藤悠さんとの『風立ちぬ』感想Ustream - ピアノ・ファイア この録画の最初から30分ほどに該当 泉:泉信行 伊:伊藤悠(指輪世界/Twitter) 泉「町山智浩さんの感想の書き起こしがまとめられていて、それが男の話……ホントに男と男の子の映画として『風立ちぬ』を読んで、もの凄く明快に、いい映画だって風に語ってて。まぁぼくは、これに付け加えることは特にないなあ、くらい納得だったんですけど。町

宮崎駿氏の最新作『風立ちぬ』を見ました(以降は、ストーリー上の「ネタバレ」に触れている箇所もありますので、気になる方は映画を先にご覧になることをお勧めします)。 まず、零式戦闘機(通称「零戦」)の設計者である堀越二郎については、飛行機への思い一筋に生きた姿がアニメ一筋に生きた宮崎氏自身の生き方と重なって説得力がありました。戦争の問題については、控えめな表現ですが「国を滅ぼしてしまった」「(零戦は)一機も帰って来なかった」という台詞が全てを語っているように思います。 色々な議論が可能と思います。ですが、亡国に至った戦争は否定するが、資源の物量を技術力で補って究極の抑止力を目指した零戦開発の努力までは否定しないという宮崎氏の立場について、私は納得させられたということは申し上げておこうと思います。 ところで、この作品ですが、その堀越二郎の「零戦開発奮闘記」というストーリーに、堀辰雄の小説『風立ち
宮崎駿監督の『風立ちぬ』を観た。お盆で帰省し、子どもを見てもらっている間に夫婦で。 ちょっと長くなると思うので、最初に結論書いておこうか。恋愛要素は男目線で気持ちがノッた。 飛行機にかける夢についてはロジックがまったく詰め切れられておらず、面白くなかった。 零戦をつくった責任について無邪気すぎるという点が最大の批判点。 えーっとネタバレもありますから、読む人は承知して読んでほしい。 あらすじを知らない人はここを読まないだろうけど、一応。零戦(零式戦闘機)の設計者として有名な堀越二郎という実在の人物の半生を描き、それに堀辰雄の小説『風立ちぬ』のラブストーリーをまじえ、菜穂子という少女との恋愛をからめて虚構化した作品。 ジブリの公式のあらすじ解説はこちら。 http://kazetachinu.jp/story.html恋愛要素は男目線で気持ちがノッた 菜穂子との恋愛は、(;゚∀゚)=3ム

2013-08-10韓国「風立ちぬ」を「極右映画」と指定 韓国内で上映拒否へ キム・テウン文化専門記者=日本アニメ界の大物、スタジオジブリ設立者宮崎駿(72)の新作‘風が吹く’(風立ちぬ)が9月の韓国封切りを前に微妙な空気に包まれている。場合によっては観覧拒否運動が広まりかねない状況だ。 どんな方法で美化してもゼロ戦が真珠湾空襲に投入されに、製造会社三菱重工業は朝鮮人を強制徴用して労働力を絞り取り(三菱は勤労挺身隊ハルモニに対する損害賠償を拒否し現在も訴訟継続中)、背景になった関東大震災で朝鮮人大虐殺が起き、モデルの堀越二郎は自分が作ったゼロ戦が日本軍の大勝に寄与したことに自負心を持った人物という点には変わりなく、これに対する批判と反省は見られないというのが一般評だ。 反戦主義者で戦争武器マニアという矛盾を持った宮崎駿は固有なファンタジー世界を創造し韓国国内でも多くのファンがいる。しかし
この作品が零戦の設計者、堀越二郎氏の伝記アニメだと最初に聞いた時、まず疑問を感じました。憲法改正や自衛隊の国防軍化が叫ばれる中、旧軍の主力戦闘機の開発物語を制作することへの疑問です。あるいは、戦争の問題は切り離して、単純に堀越二郎氏へのオマージュかも知れないとも思いました。しかし、それでも、私の信条には合致しないものがあります。 観賞した結果、この作品は最初に自分が予想したのに近いものだったと分かりました。そして、この作品は、やはり制作すべきではなかったと結論しました。軍事問題を考え続けてきた者として、『ウォームービー・ガイド 映画で知る戦争と平和』を書いた者として、この作品は支持できまないのです。以下に、その理由を書きます。戦争支持者としての映画の歴史 悲しいことに、劇映画は歴史的に、常に戦争を支持してきたという経緯があります。ドイツのナチス政権は映画を巧みに利用して、自己の宣伝に活用
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