廃炉が決まっている高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、原子炉容器内を満たしている液体ナトリウムの抜き取りを想定していない設計になっていると、日本原子力研究開発機構が明らかにした。放射能を帯びたナトリウムの抜き取りは廃炉初期段階の重要課題だが、同機構が近く原子力規制委員会に申請する廃炉計画には具体的な抜き取り方法を記載できない見通しだ。 通常の原発は核燃料の冷却に水を使うが、もんじゅは核燃料中のプルトニウムを増殖させるため液体ナトリウムで冷やす。ナトリウムは空気に触れれば発火し、水に触れると爆発的に化学反応を起こす。もんじゅでは1995年にナトリウムが漏れる事故が起き、長期停止の一因になった。

今後の高速炉の開発の在り方を議論する経済産業省の会議が開かれ、世耕経済産業大臣は、廃炉を含めて抜本的に見直す高速増殖炉「もんじゅ」などで得た技術的な知見を生かせば、次の高速炉の実証炉の設計は十分可能だという考えを示しました。 27日の会議では、文部科学省側が、「もんじゅ」や実験炉の「常陽」で、これまでの運転で得られた核燃料などに関する技術について説明しました。 これに対して、世耕経済産業大臣は「相応な知見が獲得され、貴重な資産となっている」と述べ、これまでに「もんじゅ」と「常陽」で得られた技術的な知見を生かせば、次の高速炉の実証炉の設計は十分可能だという考えを示しました。 これを受けて会議では、今後、海外との研究開発などを通じて、次の実証炉の規模や実施体制の具体的な検討に入る方針ですが、どこまで実現性を高められるかが問われています。
政府は、21日夕方、総理大臣官邸で「原子力関係閣僚会議」を開き、高速増殖炉「もんじゅ」について廃炉を含めた抜本的な見直しを行い、年内に最終的な結論を出す方針を確認しました。また、核燃料サイクル政策は堅持し、高速炉の開発を推進する方針を確認しました。
◇ 松野文科相 福井県、敦賀市の皆様には原子力政策、国のエネルギー政策に大変なご協力をいただいていますことを改めて感謝申し上げる次第です。本日、もんじゅを含む今後の高速炉開発の進め方につきまして、夕刻に政府で原子力関係閣僚会議を開催しました。その議論についてまずはご報告、説明をと思って参った次第です。会議日程の設定、方向性について直前まで省庁間、関係機関の調整をしていたもので、皆様方に説明不足があったかと思います。大変ご迷惑をおかけしました。 会議では、核燃料サイクル政策を進めていくこと、高速炉研究もしっかりと取り組んでいくことを確認しました。一方、福島第一原子力発電所の事故後に新規制基準が策定されるなどの変化があり、高速炉研究の面で日仏間の協力の開始と、我が国の高速炉研究を取り巻く環境に近年大きな情勢変化もあります。 このため国内の高速炉開発の司令塔として、新たに高速炉開発会議を設置し

自民党の河野太郎行政改革推進本部長(前行政改革担当相)は二十二日、本紙のインタビューで、政府が高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を廃炉にする方針を打ち出したことについて「『もんじゅ』だけでなく核燃料サイクル全体をやめるべきだ」と述べ、巨額の予算をつぎ込んできた核燃サイクル政策そのものが不要だとの考えを示した。 河野氏は、使用済み核燃料を再処理し通常の原発で再利用する「プルサーマル」についても「コストが高いことは確実だ」と指摘した。政府は「プルサーマル」を、もんじゅとともに核燃サイクルの柱の一つと位置付けている。 その上で、政府が二十一日の関係閣僚会議でもんじゅ以外の核燃サイクル維持の方針を打ち出したことを批判。「党行革本部で核燃サイクルなど原発予算を洗い出し、国民に合理的に説明できないものは認めない」と強調した。核燃サイクルには、これまでに少なくとも十二兆円以上が費やされてきたこと

安全管理上の問題が相次いだ高速増殖炉「もんじゅ」の新たな運営主体が決まっていないことについて、電力各社でつくる電気事業連合会の勝野哲会長は、電力会社には技術的な知見がなく、運営主体を担うのは難しいという考えを改めて示しました。 電事連=電気事業連合会の勝野会長は16日の会見で、もんじゅについて「本当に責任を持ってやれと言われると、技術的な知見がないのが大きな障害になる」と述べ、電力会社には高速増殖炉に関する技術的な知見がなく、運営主体を担うのは難しいという考えを改めて示しました。 また、勝野会長は「私どもはプルサーマルという形で核燃料を回しているので影響はない」と述べ、今後、政府内の検討で仮にもんじゅが廃炉になった場合でも、使用済み核燃料を再処理して利用する核燃料サイクル事業には、影響は及ばないという認識を示しました。

自民党の茂木政務調査会長は、NHKなどのインタビューで、高速増殖炉「もんじゅ」について、「建設費と維持費を合わせると累計で1兆円を超えており、廃炉以外の選択は想定できない」と述べ、廃炉にすべきだという考えを示しました。 そのうえで茂木氏は、記者団が「廃炉以外の選択肢はあるか」と質問したのに対し、「想定できない。廃炉以外の選択肢はないとは言わないが、私の想像力を超えている」と述べ、廃炉にすべきだという考えを示しました。 一方、茂木氏は、安倍総理大臣の党総裁としての任期の延長をめぐる党内議論について、今月20日から始めることを明らかにしたうえで、「安倍総理大臣に限らず、あくまで一般論、制度論の議論として扱っていく」と述べました。そして、茂木氏は「『なぜこの時期に議論するのか』という意見もあるが、任期が十分残っている平時にこそ、冷静な議論が進められる」と述べました。
原子力規制委員会の勧告を受け、文部科学省が運営主体の見直しを進めている高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)について馳浩文科相は16日、過去の試算で廃炉費用が約3千億円と見積もられていたことを明らかにした。一方で、「核燃料サイクル事業計画を継続するのが政府の方針」として新たな試算は求めない方針を示した。 一般的な原発の廃炉費用は1基数百億円程度とされる。もんじゅは冷却にナトリウムを使うなど構造が特殊で、廃炉費用も高額になることが指摘されていた。 文科省によると、現在の運営主体の日本原子力研究開発機構が2012年、廃炉に総額約3千億円かかると試算した。内訳は使用済み燃料の取り出しに約200億円、廃炉中の維持管理に約1500億円など。ただしナトリウムを取り除く技術は確立されておらず、このための研究開発費などは計上されていない。 馳文科相は閣議後の会見で、「… この記事は有料会員記事です。有料会

松野文部科学大臣は、政府が進める核燃料サイクル政策の柱となっている、使用済み核燃料の再処理工場がある青森県の三村知事と会談し、核燃料サイクル政策について「今後とも国の基幹的な方針だ」と述べ、推進していく考えを示しました。 こうした中、松野文部科学大臣は、文部科学省を訪れた青森県の三村知事と会談しました。この中で三村知事は「政府は、核燃料サイクル技術の確立に向けて、研究開発の意義や必要性を国民全体で共有して取り組むべきだ」と述べ、核燃料サイクル政策の推進を重ねて求めました。これに対し、松野大臣は「核燃料サイクル政策は、今後とも国の基幹的な方針であり、青森県をはじめ立地自治体、関係機関と連携しながら着実に進めていきたい」と述べ、推進していく考えを示しました。

高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が廃炉になる可能性も出てきたことを受け、本紙はもんじゅを中核に国が進めてきた核燃料サイクル事業にかかったコストを、あらためて調べた。いずれ必要になる廃炉費用も考慮し集計した結果、少なくとも十二兆円が費やされ、もんじゅが稼働していない現状でも、今後も毎年千六百億円ずつ増えていくことが分かった。実用化のめどのない事業に、巨額の国民負担が続く実態が浮かんだ。 (小倉貞俊)本紙は、事業を進めてきた経済産業、文部科学両省のほか、電力会社や関係団体、立地自治体などにコストを問い合わせ、集計した。高速炉開発が国家プロジェクトになった一九六六年度から本年度まで、判明しただけで計約十二兆二千二百億円に上った。
記事一覧 敦賀市長「廃炉前提ないと信じる」 もんじゅ存続を求める姿勢崩さず (2016年9月14日午前7時10分) もんじゅについて「廃炉が前提となることはないと信じている」と話す渕上隆信市長=13日、福井県敦賀市役所 政府が日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)を廃炉にする方向で最終調整に入ったとの報道に関し、同市の渕上隆信市長は13日、報道陣の取材に「廃炉が前提となることはないと信じている」と述べ、あらためて存続を求める姿勢を示した。 文部科学省敦賀原子力事務所から、方向性は決まっていないと説明を受けたことを明らかにし「(廃炉など)何らかの決定をする上でも、一度地元に話があると思う。もんじゅは研究開発の役割を十分果たしておらず、廃炉にすべきでない」と強調。「役割を果たせる運営主体を示すことが大事。地元の期待を裏切らないでほしい」と求めた。 渕上市長は8日に急きょ

原子力規制委員会から「退学処分」にされ、引受先が見つからない高速増殖炉もんじゅ。かつての「夢の原子炉」の末路はみじめなかぎりだが、正論を述べるがゆえ「御用学者」と誤解されることがある専門家によれば、…なぜ「もんじゅ」が日本の平和と環境に資するのか!〈原子力の専門学者座談会 御用学者と呼ばれて〉 2016年08月24日 05時52分 提供: デイリー新潮 0 ツイート 原子力規制委員会から「退学処分」にされ、引受先が見つからない高速増殖炉もんじゅ。かつての「夢の原子炉」の末路はみじめなかぎりだが、正論を述べるがゆえ「御用学者」と誤解されることがある専門家によれば、「もんじゅ」は環境と平和に資するというのだ。 *** 原子力規制委員会が引導を渡したのは昨年11月のことだった。高速増殖炉「もんじゅ」について、機器の点検漏れが数多く発覚したことなどを理由に、今の日本原子力研究開発機構(JAE
![なぜ「もんじゅ」が日本の平和と環境に資するのか!〈原子力の専門学者座談会 御用学者と呼ばれて〉 - Ameba News [アメーバニュース]](/image.pl?url=https%3a%2f%2fcdn-ak-scissors.b.st-hatena.com%2fimage%2fsquare%2f77e241a5df5b4306336a2752416e25cfbafe8295%2fheight%3d288%3bversion%3d1%3bwidth%3d512%2fhttp%253A%252F%252Fstat100.ameba.jp%252Fnews%252Fcommon%252Fimages%252Flogo_square.png&f=jpg&w=240)
運転停止中の高速増殖炉「もんじゅ」について、政府内部で廃炉を含めた検討を行っているとの報道が出ています。菅官房長官は報道を否定していますが、もんじゅについては今後の見通しがまったく立っていないというのも事実です。もしもんじゅが廃炉となった場合、日本の原子力政策は根底から見直しを迫られることになります。 もんじゅが原子力政策のカギになっている理由は、日本では「核燃料サイクル」の確立を原子力政策の基本に据えているからです。 原発はウランを燃料にして発電していますが、使用済みの燃料をどう扱うのかは国によって異なっています。米国は危険が伴う再処理は行わず、そのまま廃棄するというワンスルー方式を採用しています。一方、日本では使用済み燃料を工場で化学的に処理し、その中からプルトニウムを抽出して燃料として再利用する方式を採用しました。使用済み燃料を加工してそこから再び燃料を取り出す一連の仕組みを核燃料サ

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