著作隣接権切れレコードをご存知でしょうか。 おそらく一番身近なところでは、主にCDやカセットテープで、駅やホームセンター、ドライブイン(今は高速のサービスエリアというべきですかね)などで売られていた、 懐かしのオールディーズ、ロックンロールのベスト盤・コンピレーション 価格が妙に安い 知らないメーカーでどうにも公式リリースではなさそう しかしどうもオリジナル音源が使われている模様 JASRACのシールが貼られてたりする …という特徴を挙げたらピンとくる方もいらっしゃるかもしれません。街のレコード屋さんの片隅でもワゴンに突っ込まれて扱われていた記憶もあります。今でも量販店、大型スーパーの片隅のワゴンあたりには潜んでいそうです。 世の中いろんなものに歴史というのはあるもので、しかしいっぽう記録されそれが残ることがないまま時が過ぎてしまったあれこれもなかなか多いです。隣接権切れレコードも、そのな

2025年7月11日 著作権国際AI・ロボット 「動きはじめた米国AI著作権判決と、 控えめにいって大騒動な米国AI著作権法論議の記録帳」 弁護士 福井健策 (骨董通り法律事務所 for the Arts) 米国で、AI学習と著作権をめぐる議論が一気に動き出しましたね。現在、30以上のAIと著作権をめぐる裁判が進行中ともいわれ、現時点で既に連邦地裁の判決が3つと、連邦著作権局の報告書(いわく付き)が出ています。 訴訟の焦点は多数ですが、最大のものはやはり「フェアユース」でしょう。事案によって、また裁判官の発想によって、現時点ではかなり揺れも見られ、人生論みたいな言い訳あり、2日前の同僚の判決を批判する乱闘ありと、そろそろメモがないとわかりづらい。自分が。 という訳で、これは単にTwitterでつぶやいたり取材に答えたりした内容の、記録帳です。自分のための。各判決の精緻な分析は、すぐれた論考

AIチャットボット「Claude」を開発するAnthropicが3人のアメリカ人作家に著作権侵害で訴えられた件について、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所は、「著者の許可がなくても、合法的に購入した書籍でAIをトレーニングすることはフェアユースに当たり、著作権侵害にはならない」という判決を下しました。 Authors v Anthropic ruling | DocumentCloud https://www.documentcloud.org/documents/25982181-authors-v-anthropic-ruling/ Anthropic wins a major fair use victory forAI — butit’s still in trouble for stealing books | The Verge https://www.theverge

11月27日、中国の北京インターネット裁判所で出された判決は衝撃的でした。なんと画像生成AI「Stable Diffusion」で作られたイラストの著作物性が認められたんです。「春風がそよ風を送る」と名付けられたAI画像につけられたウォーターマークを消して商売に使ったことは著作権を侵害しているとして、被告に対して500元(約1万円)の賠償金を払うよう命じています。 判決について、中国語の資料をジャック・ランランさんという方が翻訳して公開されているんですが、非常に驚くところもあれば、「ああなるほど」と理解できるところもありました。AIイラストは「独創的」な「知的創造の成果」? まず、判決としてはかなり大胆なことを言っています。 「中華人民共和国著作権法 第3条は、『この法律にいう「著作物」とは、文学的、美術的、および学術の分野における独創性を有し、かつ、一定の形式をもって表現することができ

アメリカ著作権局が2023年2月21日に、「画像生成AIを使用して制作されたグラフィックノベルの画像は、著作権による保護を受けない」と宣言しました。当該グラフィックノベルの作者は、引き続きアートワークの著作権を追求する予定としつつも、作品のストーリーや画像の配置などに関する創作性が認められた今回の決定を歓迎すると述べています。 US Copyright Office withdraws copyright forAI-generated comic artwork | ArsTechnica https://arstechnica.com/information-technology/2023/02/us-copyright-office-withdraws-copyright-for-ai-generated-comic-artwork/AI-created images lose

はじめに Midjourney、Stable Diffusion、mimicなど、コンテンツ(画像)自動生成AIに関する話題で持ちきりですね。それぞれのサービスの内容については今更言うまでもないのですがMidjourney、Stable Diffusionは「文章(呪文)を入力するとAIが自動で画像を生成してくれる画像自動生成AI」、mimicは「特定の描き手のイラストを学習させることで、描き手の個性が反映されたイラストを自動生成できるAIを作成できるサービス」です(サービスリリース後すぐ盛大に炎上してサービス停止しちゃいましたが)。 で、この手の画像自動生成AIのようなコンテンツ自動生成AIですが、著作権法的に問題になる論点は大体決まっていまして、画像自動生成AIを例にとると以下の3つです1正確に言うと論点1はコンテンツ自動生成系AIだけではなく、AI一般に関して問題となる論点です。コン

SmokingWOLF@ゲーム開発者/片道勇者2開発中 @WO_LF 「AI学習禁止」がトレンドに入っててすごい時代の風を感じる (※「自分のイラストを学習データに使わないで」という話題。個人のイラスト複数枚を入力することで画風をまねた顔イラスト画像を生成できるサービスが今日リリースされた影響)SF小説もびっくりのとんでもない世の中になってきた。2022-08-29 22:21:26 おねねちゃん @OneneChan ぐああああッッッ!!!悪用対策ッッッ!!!!!!!転載禁止ッッッ!!!自作発言✕ッッッ!!!トレパク✕ッッッ!!!! …………AI学習禁止ッッッ!!??!?(𝗻𝗲𝘄) ギャァァァァァァァァァァァァめんどくせえ""""ぇぇえええッヅッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!""""" pic.twitter.com/82NGOLoRTD2022-08-29 18:5

ソフトウェアの1ライセンスで許諾される利用可能な範囲と,通常料金の10倍という高額な違約金を定める条項の有効性が問題となった事例。 注:知財高判令3.11.29(令3ネ10035)にて,原審が維持されている。特に特筆すべき個所はない。 事案の概要 Xは,メタボリックシンドロームに着目した健康診査及び保健指導に関するデータ作成用のプログラム(本件プログラム)の著作権者である。本件プログラムには,平成30年のアップデート前の本件旧プログラムと,アップデート後の本件新プログラムがある。 Xは,Y社と,平成20年8月に本件旧プログラムの使用許諾契約1ライセンス分(本件平成20年契約)を締結し,Yは,本件旧プログラムを使用していた。その後,平成30年3月に本件プログラムがアップデートされ,Yとの間で本件新プログラムの使用許諾契約(本件平成30年契約)が締結された。本件平成30年契約では,契約で明示さ

[速報]10年にわたる著作権訴訟でGoogleがオラクルに勝訴、米連邦最高裁判所で判決。Java SEのコードのコピーはフェアユースの範囲 オラクルがGoogleに対して、Android OSがJavaの著作権を侵害しているとして訴えていた裁判で、米連邦最高裁判所はGoogleが著作権侵害をしていないとの判断を示し、Googleが勝訴しました。 以下は米連邦最高裁判所の動向を伝えているSCOTUSblogのツイートです。BREAKING: In major copyright battle betweentech giants, SCOTUS sides w/Google overOracle, finding thatGoogle didnt commit copyright infringement whenit reusedlines of code inits An
![[速報]10年にわたる著作権訴訟でGoogleがオラクルに勝訴、米連邦最高裁判所で判決。Java SEのコードのコピーはフェアユースの範囲](/image.pl?url=https%3a%2f%2fcdn-ak-scissors.b.st-hatena.com%2fimage%2fsquare%2fd01a862a14e6b9cdde4f339c8d386479e502811d%2fheight%3d288%3bversion%3d1%3bwidth%3d512%2fhttps%253A%252F%252Fwww.publickey1.jp%252F2021%252ForaclegoogleSCOUST01.gif&f=jpg&w=240)
ぶっこ抜き (リッピングモデル) とは? 日本では一般的に「ぶっこ抜き」とか言われるこのタイプのデータだが、一体何を「抜いている」のか疑問に思う人もいると思う。普通に遊ぶ分には、ゲーム内のデータなど意識したことはないだろう。 ここでの「抜かれる」対象は商用ゲームであり、それこそモンハンとか、Project DIVAとか、アイマスとか、立体的なキャラクターのデータ (3Dデータ) を含むゲームであれば何でも対象となりうる。酷い例だと、アーケードゲームすらクラックされていたり、未発表ゲームやベータ版のデータを元に作られたぶっこ抜きだったりと謎度の高いデータもある。調べると、人型以外でもカーレース系ゲームから車のモデルを抜いたりする例も見られた。 抜かれたデータを使う動機は様々だ。 誰も自分の推しや欲しいキャラ、データを作ってる人がいない。自分で作る知識、能力が無い公式に如何に近いかを第一と考え

AI=人工知能の学習のため大量の画像を読み込ませるなど、技術革新に伴う著作物の新たな利用に対応するため、権利者の利益を害さないと判断される場合は許諾がなくても利用を認めるなどとした、改正著作権法が参議院本会議で可決・成立しました。 改正された著作権法は鑑賞などを目的とせず、許諾なしに利用しても権利者の利益を害さない、または不利益が軽微だと判断される場合は、自由に著作物を利用できるとしていて、これによってAIの学習のため大量の著作物を読み込ませたり解析したりすることが可能になります。 こうした内容を盛り込んだ改正著作権法は、18日の参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と国民民主党などの賛成多数で可決され成立しました。

恐らくインターネット史上最強の、無料で使える画像の検索に特化した検索エンジンが登場した。運営にあたるのは著作物の適正な再利用の促進を目的として、2001年に創立されたクリエイティブコモンズ。 クリエイティブコモンズは以前から、クレジットの付記等の条件付きで、著作物を広範囲のネットユーザーに再利用させる試みを行ってきた。今回のサイトの登場で、その画像の検索が一気に簡単になった。 従来はクリエイティブコモンズ画像の検索はグーグルのアドバンスサーチやFlickrに頼るしかなかったが、新規にオープンしたサイトはまだベータ版ながら、非常に使いやすいサービスに仕上がっている。 今回の「クリエイティブコモンズサーチ」は、900万点以上の画像を一気に検索可能。ライブラリにはFlickrや500px、ニューヨークのメトロポリタン美術館やニューヨーク公共図書館、アムステルダム国立美術館のサイトの画像が含まれて

【情報大航海プロジェクト・事業者向け解説書】 平成 21 年著作権法改正のポイント 平成 22 年 2 月 情報大航海プロジェクト 別冊6 ◆◇◆目次◆◇◆ 0. はじめに 6-1 (ア)本解説書の背景目的 6-1 (イ)本解説書の構成の説明、活用に当たっての留意点 6-2 (ウ) 著作権法の仕組みについて 【著作権・著作隣接権と権利制限規定の関係】 6-4 【著作権法と政令・省令、告示の関係】 6-8 1. 情報検索サービスを実施するための複製等の可能化ついて(47 条の 6) 6-9 (ア) 条文紹介 6-9 (イ) 論点等について 6-13 2. 情報解析のための複製等の可能化について(47 条の 7) 6-18 (ア) 条文紹介 6-18 (イ) 論点等について 6-20 3. 送信の遅滞・障害防止、バックアップ、中継の効率化のための複製の可能 化について(47 条の 5) 6
お知らせ過去のお知らせ一覧 2025.7.22 夏期休業のお知らせ NEW 2025.6.2 第12回 著作権・著作隣接権論文募集 NEW 2025.4.1 「5分でできる著作権教育」をリニューアルしました NEW 2025.3.24 外国著作権法翻訳「EUAI規則編」を公表しました NEW 2025.3.19 芸術家等実務研修会-音楽系フリーランスのための契約ガイドアーカイブ動画公開しています NEW 2025.3.10 著作権制度広報DVDの貸出し終了のお知らせ NEW 2024.12.26 著作権パンフレット「図書館と著作権」更新 2024.12.18 「著作権法入門 2024-2025」発売 2024.12.12 著作権パンフレット「学校と著作権」更新 著作権パンフレット「はじめての著作権講座 II 」更新
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